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INTERVIEW

2021.06.23

“みんな”を感じながら、芯を持って13色に染まり完成させた1stアルバム! 小林愛香『Gradation Collection』リリースインタビュー

“みんな”を感じながら、芯を持って13色に染まり完成させた1stアルバム! 小林愛香『Gradation Collection』リリースインタビュー

歌手・声優の小林愛香が、6月23日に待望の1stアルバム『Gradation Collection』をリリース。メジャーデビュー以降プロデュースを手掛ける田代智一や、彼が参加する音楽プロデュースチーム・Q-MHzによる楽曲を中心に、これまでライブで歌唱してきた未音源化の楽曲をはじめとする新曲11曲を収録。既発シングルの表題曲2曲も収めた大充実の1枚に仕上がった。本稿では、小林へのインタビューを敢行。ライブ映え必至のロックナンバーから“念願”と語ったバラードまで多彩すぎる楽曲たちに、歌声で込めた想いに迫る。

小林愛香としての“芯”をもちながら、何色にも染まれる姿を表現した1枚

――まずは、初のアルバムが完成した今の、率直な想いからお聞きしたいのですが。

小林愛香 すべての作業に関わらせていただいているんですけど、曲もアートワークも手に取ってすごく満足感のあるものになりました。それがようやくひとつの形になって皆さんのもとに届くんだなぁという実感もすごくあって……今はアルバムが皆さんのところに届くことが楽しみで、ドキドキしています。

――アートワークについては、今回もイラストレーター・かとうれいさんがイラストを担当されています。どんなイメージのリクエストをされたのでしょうか?

小林 今回は“浮遊感”がテーマになっていまして。かとうさんに描いていただいたイラストも浮遊感やちょっと大人っぽさもあってすごく素敵ですし、ブックレットでもコンセプチュアルに、笑わずに割とクールめな表情をしているものが多いんです。

――それは、どんなねらいから?

小林 何色でも着れるし何色にもなれるけど、芯がひとつ通っているようなイメージがそこで生まれているのも、素敵だと思っています。あとブックレットは、曲ごとに違う色を使っているのも特徴なんです。普段はそんなに色を決めたくないんですけど、今回はタイトルにちなんで、全部違う色合いだけどグラデーションで繋がっていく感じを表現したくて。背景などにもこだわりました。

――完全生産限定盤や初回生産限定盤も、デザインの点にこだわりが?

小林 あります。初回生産限定盤の三方背ケースには穴が空いていて、CDケースにセットするとその穴から中のデザインの一部が見える仕様になっています。ひと味違った印象を感じられる楽しいケースになっているんです。あと完全生産限定盤は缶ケースになっていて……これ、「あいきゃん(=Can)ケース」って言ってるんですけど(笑)。これを実現させるのもあいきゃんチームの夢で、「絶対、アルバムだったらできる!」とみんなで頑張って叶えたのが、この“きゃんケース”なんです(笑)。飾ってあるだけでもすごくテンションが上がるようなものに仕上がりましたし、聴いてもまた楽しいし……毎回全部こだわっているんですけど、みんなで「またいいのができてしまったね」と言っています(笑)。

――収録曲はシングル表題曲以外すべて初音源化の曲ですが、昨年のオンラインライブで歌われた曲も4曲収録されています。

小林 みんな今まで何の曲なのかわからないまま「新曲だ!」という感じで聴いてくれていたと思うので、ようやく「この曲はアルバムの曲だったのか!」って謎が解けたような感じがするんじゃないでしょうか(笑)。でも最高な曲ばかりなので、早く皆さんに届けたかったんですよ! もう手に取っている人もいるかもしれないので、今は早く感想を聞きたいですね。

――今回のアルバムタイトル『Gradation Collection』には、どんな意味を込められたのでしょう?

小林 メジャーデビューシングル「NO LIFE CODE」のときから、アーティスト活動のキーワードに挙げていたものの中に“グラデーション”というものがありまして。今回は1枚のアルバムの中でいろいろな面を見せているけれども、それは全部ひとつのグラデーションとなって繋がっていて。何色にもなるし何色にも染まっている。だけど小林愛香としての芯がある……みたいなものを表現したかったので、「Gradation」という言葉は絶対入れたいなと思っていました。あとは響きと……文字の並びがきれいなものがいいな、って(笑)。“G”と“C”もちょっと似てるし、「tion」で終わるのも気持ちいいかなと思って、全曲揃ってからの全体の雰囲気も踏まえてこのタイトルをつけました。

――また、曲順決めについてはどのように携わられたのでしょう?

小林 あいきゃんチームみんなで聴きながら、ひとつのライブのセットリストを考えるような感覚で決めていきました。「やっぱりメジャーデビュー曲は、いちばん最初にふさわしいよね?」みたいな話をしながら、どんどん決めていって。だんだん朝から昼に、昼から夜になっていくようなイメージもありつつ、盛り上がれるところもあるようなものになったと思います。

――ライブといえば、オンラインライブで披露された4曲も本作に収録されていますが、そちらはライブ前にレコーディングされたんですか?

小林 一応終えていたので、自分の中では結構歌い込んで皆さんの前で披露させていただいていた感覚でした。ただ「Can you sing along?」だけは、2019年にメジャーデビューを発表したファンミーティングでみんなの前で初めて歌ったあとにレコーディングしまして。だから収録されているものは、そのみんなの熱を感じてから歌ったものになっています。

――ファンの方の反応を受けて、意識が変わった?

小林 はい。2サビから「最高すぎるよ、全部最高!」というフレーズが何度も出てくるんですけど、それがみんなで一緒に歌ったときの“最高”とは違う“最高”になっちゃうような気がしてちょっとモヤモヤしていたんです。

――そのフレーズも含めた終盤の語彙の感じだと、できるだけライブの高まりを反映したい曲ではありますよね。

小林 はい。みんなの熱を受けて、私も「みんなと作ってきた時間が“最高”だ!」と歌に気持ちを込めるからこその曲だなと思ったので……やっぱりこの曲はみんなと作っている歌なんだな、と感じた曲ではありました。

――となるとそのレコーディングと1stツアーの準備段階でも、また気持ちに違いが?

小林 そうですね。最後に録ったときはみんなに会えない状態のなかだったので、とても寂しい気持ちもありました……でも今は、声が出せなかったり普段以上の協力をしてもらいながらではあっても、みんなとライブもできるようになったじゃないですか? 当たり前のことが当たり前じゃなかったりする今、ライブを開催できてみんなの前で歌えることが、何よりもうれしいんです。だから、やっぱり録ったときとも違う感情で……その感情も、ちょっとずつグラデーションしているような感じがしますね。歌うときによって込める意味合いも少しずつ変わってくると思うので、一瞬一瞬を大切に歌いたいです。

次ページ:曲の力とファンの声が生んだ?想定外の展開とは

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