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INTERVIEW

2021.04.21

熊田茜音が新たなダイアリーを紡ぐ! TVアニメ『転生したらスライムだった件 転スラ日記』&TVアニメ『スーパーカブ』両A面ニューシングル「Brand new diary / まほうのかぜ」リリースインタビュー

熊田茜音が新たなダイアリーを紡ぐ! TVアニメ『転生したらスライムだった件 転スラ日記』&TVアニメ『スーパーカブ』両A面ニューシングル「Brand new diary / まほうのかぜ」リリースインタビュー

みんなと手を繋ぎながら風を感じて――nano.RIPE提供の「まほうのかぜ」

 

――もう一方の楽曲「まほうのかぜ」は、TVアニメ『スーパーカブ』のオープニング主題歌。まずは『スーパーカブ』という作品の印象についてお聞かせください。

熊田 原作小説のコミカライズを読ませていただいたのですが、すごく面白くて一気に読んでしまいました。主人公の女の子は、どちらかと言うと内にこもるタイプで、自分に自信がなくて、なかなか周りに馴染めなかったりするのですが、それが自分の学生時代と重ねられる部分が多くて。彼女がスーパーカブに出会ってからの人生の変わり方や、好きなことに対する情熱にも、すごく共感できたんです。作品の全体的な雰囲気としては、灯りがほわっと灯るような優しい世界観なのですが、登場人物たちの意志の強さ、好きなことに対する熱意が魅力的な作品だなと思います。

――主人公の小熊はスーパーカブに出会って人生が変わりますが、熊田さんは何に出会って人生が変わりましたか?

熊田 私は音楽です。音楽に出会ってから世界が開けたし、日本の音楽だけではなく、海外の楽曲や女性・男性を問わず色んな曲を聴くようになってから、すごく視界が広がって、一気に楽しくなったんです。しかも音楽は触れやすいものなので、自分でどんどん調べていって、色んな曲に触れるたびに、明るくなっていって。理由はわからないけど、だんだん自分にも自信がついて、外に出ていきたい気持ちが生まれて。いつの間にか熱中していたので、そういう部分を小熊ちゃんと重ねて「わかるよ」と思いました。私は学生時代のその経験が、今にもすごく良い影響を与えていると思うので、今そういうことを感じている若い子にも良い出会いがあればいいなと思います。

――熊田さんが歌われる「まほうのかぜ」は、nano.RIPEのお二人による提供楽曲になりました。

熊田 nano.RIPEさんの楽曲は元々聴いていて、自分の中ではロックでかっこいい印象があるのですが、この間ヒーラーガールズ(礒部花凜・熊田茜音・堀内まり菜・吉武千颯によるコーラスユニット)で「ハナノイロ」をカバーさせていただいたときは“癒しの歌”という解釈で歌ったんですよ。でも、この間、配信ライブ(“日清食品POWER STATION [REBOOT] presents Virtual anisong power JAM!!!Produce By Lantis”)でnano.RIPEさんとご一緒したときに、「ハナノイロ」を歌われているのを観て、すごく強い曲なんだなと思って。

――nano.RIPEはライブのパワーがすごいですからね。

熊田 “涙の雨が頬をたたくたびに”という部分も、きみコさんは真っ直ぐな瞳で歌われていて。見ている側が生命力をもらえるような力強さがあって、それを目の前で観たときに、自分にはまだできない表現だということを感じました。でも、それは悔しくはあるけど、悲しいことではなくて。そういう先輩がいてくださり、上限が見えないっていうのはすごく良いなあと思いました。

――そんなお二人に書いていただいた楽曲を最初に受け取ったときの印象はいかがでしたか?

熊田 風が吹くようなサウンドが「まほうのかぜ」というタイトルにぴったりで、すごく好きな楽曲でした。イントロの「トゥトゥ♪」というコーラスがすごくかわいいなあと思って。しかもきみコさんが仮歌を歌われていたので、「うわーっ!」と興奮してしまって(笑)。その時点で素晴らしい作品として私の手元に届いたので、「これを自分がどう表現するか?」という作業から始まりました。

――自分らしいアプローチを探っていったわけですね。

熊田 しかも、この曲は去年の夏頃のレコーディングだったので、配信シングルもまだほとんど歌っていない状態だったんです。なのでまだ自分の中で歌に対する悩みが多い時期で。歌詞を朗読して、きみコさんの歌も聴き込んでから、レコーディングに臨みました。

――作品のトーンに合ったゆったりしたテンポの楽曲で、歌詞もかなり作品に寄り添った内容ですよね。

熊田 たしかに“ギアを上げて”とかバイクを連想させる言葉が多いのですが、私は最初に受け取ったとき、この歌詞が自分の心にスッと入ってきて。楽曲自体は柔らかくて温かみのあるサウンドですけど、歌詞には意志の強さがすごくあって、きみコさんらしさを感じたんです。優しいし、かわいいし、みんなと一緒に手を叩きたくなるような内容なんですけど、それと同時に、強い思いがないと歌えないなと思って。

――というのは?

熊田 私はこの曲を聴くと、すごく柔らかいのに、切なくもなるんです。歌詞に“私ひとりでは作れない風だ”とありますけど、私にとっては出会いの1つ1つが宝物で大切だから、その気持ちにすごく重なって。自分は周りの方たちがいなかったら今こうしていられなかったし、初心を思い出すというか、ちゃんと周りのことが見えているのが良いなあと思ったんです。無理なく引っ張ってくれるんですよね。今までになかった自分の感情を呼び起こしてくれたように感じました。

――そのある種の切なさも感じる要素は、この楽曲を歌う際にも影響がありましたか?

熊田 ありました。小熊ちゃんはあまり自分からガツガツいくタイプではないですけど、ちゃんと熱意を持っていて。私も楽しいことばかりではないし、悔しい想いもあるけど、でも絶対に前を向いていたいから。歌詞に“坂道 いばら道 諦めるばかりじゃつまらない”とありますけど、自分を奮い立たせてくれるような楽曲だったので、私もみんなに伝えたいこと、色んなことがあるけど、未来に向かって明るい道を寄り添って歩きたいという気持ちを込めて歌いました。ただ、レコーディングでは苦戦しまして。意志が強いあまりに“戦い”に出てしまったんですよね。

――“戦い”というのは?

熊田 私は人に頼ってはいけないという気持ちが昔から強くて。それは自分がお姉ちゃんだからというのもあるのかもしれないですけど(熊田には妹がいる)、その根底には「自分の力でやりたい」というのが大きくて。その今までの経験上、“私はもうひとりじゃない”とか“諦めるばかりじゃつまらない”という歌詞に入り込み過ぎてしまったんです。だけど、この曲はもっと横に並ぶ人たちとの繋がりを意識しながら、爽やかで明るい楽曲にしたかったので、自分の理想と表現がちぐはぐになってしまって。でも、一度自分の気持ちをガーっと吐き出して歌ったあとに、一旦休憩して録り直したら、肩の力を抜いてスッと歌うことができて。そこで納得のいくものを録ることができました。

――「まほうのかぜ」という曲名の通り、気持ち的にも余裕や風通しの良さが必要な曲なのかもしれないですね。

熊田 この間「日清食品POWER STATION[REBOOT] presents virtual anisong power JAM!!! Produce By Lantis」で初めて歌ったときに、みんなと手を繋ぎながら風を感じて一緒に歩いて行きたい!という感覚がスッと入ってきたんです。でも、自分でこのライブを観返して思ったんですけど、まだすごく未完成だと思いまして。多分この曲は、みんなと同じ空間で歌って初めて完成されるんだと思いますし、未完成さも含めてこの曲なんじゃないかなと思います。『スーパーカブ』の主人公も、私自身も未完成ですし。きっと歌うたびに成長していく曲だし、みんなと一緒に成長していく曲だと思います。

いつでも新しいページを開く彼女の、新しい“始まり”

――「まほうのかぜ」のMVについてもお聞かせください。自然に溢れたロケーションで自転車に乗っている熊田さんが印象的な映像ですね。

熊田 これは自分から「できれば黄色い自転車に乗りたいです」と希望を伝えていました。そうしたらスタッフさんが準備してくださっていて。自分から発信したことが形になることがすごく嬉しかったです。それと道を走っているようなイメージをお伝えしたら、監督さんから「じゃあ空を飛んじゃう?」とご提案いただいて、クレーンを6メートルぐらいの高さまで上げてもらって撮影しました。まさかこんな体験ができるとは思っていなかったので、クレーンが出てきたときはすごくテンションが上がりました(笑)。

――怖くなかったんですか?

熊田 周りからは「大丈夫?」って心配されたんですけど、私は高いところが好きなのですごく楽しかったです(笑)。栃木の牧場で撮影したんですけど、朝の4時半集合で、すごく寒かったんですよ。でも、監督さんがとても熱い方で、「茜音ちゃんが衣装なのに、俺が上着なんて着てられない!」と言ってくださって(笑)。ドローンを使った撮影もしたり、映像はずっと憧れだったフィルムっぽい色合いにもしていただいて、やりたいことがギュっと詰まったMVになりました。

――映像を観ていても、熊田さんがすごく楽しそうだなと思って。

熊田 ただただはしゃいでる熊田が映っています(笑)。

――その意味では、今回のアーティスト写真もすごくいいんですよね。公園の遊具で遊んでいるカットを選ぶのが、熊田さんらしいなと思って。

熊田 これは本当に遊具でグルグル回って遊んでいるところを、カメラマンさんがその遊具の中から撮ってくださったんです。今回、ジャケットの写真もそうなんですけど、いつ撮られていたのか自分でもわからなくて(笑)。キメのカットも撮ったんですけど、まさかこのカットが使われるとは思わなかったですし、「私、このときはこんな表情をしてたの!?」と思いました。

――「Brand new diary」の歌詞の“無邪気に”じゃないですけど、この写真には熊田さんの魅力が集約されているように感じました。

熊田 最初は絶対に清楚のほうがいいと思っていたんですけど、スタッフさんたちにはもうバレてるみたいです(笑)。

――やっぱり自然体が一番ですから(笑)。最後に、今回のシングルはご自身にとってどんな作品になりましたか? その手ごたえについてお聞かせください。

熊田 新しいことに挑戦できたことで、また新たな始まりに立てたと思いますし、ここから熊田茜音がまた始まっていくんじゃないかなと思います。その意味では、私は常に“始まり”にいるのですが(笑)。今までレコーディングを重ねてきたことによって、写真も含めて自分らしさはダントツで表現できた作品になったと思うので、ぜひ聴いてください!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
熊田茜音 両面A面2ndシングル
TVアニメ『転生したらスライムだった件 転スラ日記』/『スーパーカブ』オープニング主題歌
「Brand new diary / まほうのかぜ」
4月21日(水)発売

【アーティスト盤(CD+BD)】

品番:LACM-24096
価格:¥2,970(税込)

<CD>
01.Brand new diary
作詞:寺島拓篤 作曲・編曲:R・O・N
02.まほうのかぜ
作詞:きみコ 作曲・編曲:佐々木淳
03.Brand new diary(Instrumental)
04.まほうのかぜ(Instrumental)

<Blu-ray>
01.Brand new diary(Music Clip)
02.Making of Brand new diary
03.まほうのかぜ(Music Clip)
04.Making of まほうのかぜ

【転スラ日記盤(CD Only)】

品番:LACM-24097
価格:¥1,320(税込)

<CD>
01.Brand new diary
作詞:寺島拓篤 作曲・編曲:R・O・N
02.まほうのかぜ
作詞:きみコ 作曲・編曲:佐々木淳
03.Brand new diary(TV size)
作詞:寺島拓篤 作曲・編曲:R・O・N

【スーパーカブ盤(CD Only)】

品番:LACM-24098
価格:¥1,320(税込)

<CD>
01.まほうのかぜ
作詞:きみコ 作曲・編曲:佐々木淳
02. Brand new diary
作詞:寺島拓篤 作曲・編曲:R・O・N
03.まほうのかぜ(TV size)
作詞:きみコ 作曲・編曲:佐々木淳

©柴・伏瀬・講談社/転スラ日記製作委員会
©Tone Koken,hiro/ベアモータース

関連リンク

熊田茜音 公式サイト
https://kumaka.jp/

熊田茜音 公式Twitter
https://twitter.com/official_kumaka

熊田茜音 公式Instagram
https://www.instagram.com/kumadakane_official/

熊田茜音 公式YouTube channel
https://www.youtube.com/channel/UCM_5BE5ckx_PQdYcBRkuMhg

TVアニメ『転生したらスライムだった件 転スラ日記』公式サイト
https://www.ten-sura.com/anime/tensura-nikki

TVアニメ『スーパーカブ』公式 サイト
https://supercub-anime.com/

 

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