ようやく会えた喜びが溢れた「幸せ。」な空間!CHiCO with HoneyWorksが開催した全国Zeppツアー“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks ZEPP TOUR 2021「SPRiNG BEAT」”東京公演の模様をレポート!

ここからセットリストは、最新シングル「鬼ノ森/醜い生き物」と昨年リリースされたアルバム『瞬く世界にiを揺らせ』のナンバーを、ライブならではのアレンジでフィーチャーしていく。島唄のような悠久の無限を感じさせる伸びやかなCHiCOの歌声と、ブルーと赤が彩る幻想的なライティングが、観客を深い深い神秘の森へと誘った「鬼ノ森」。軽やかなEDMサウンドに乗せて、チコハニ初の全英語詞で表情豊かに届けられた洋楽テイストが新しい「Alive」。「Alive」は、昨年末の武道館公演でも披露されなかったライブ初披露のアルバムナンバーだ。これまでのチコハニサウンドをよりスケールアップし、新しいテイストを提示しながらしっかりと自分のものとして歌い上げるCHiCOのボーカリストとしての成長を、鮮やかに感じさせてくれる。それに続いたのは、武道館でも感動的な光景を作り上げていた「私を殺さないで」。Ojiのアコースティックギター1本をバックに切々と歌い上げられるこの曲、昂ぶる感情を力強く響かせるCHiCOのボーカルが、どこまでも真っ直ぐに心を射抜いた。

そしてMCでCHiCOは、「『私を殺さないで』を歌う度に、これを言っていいかどうか悩むんですが……」と躊躇いながら、「マイナスな意味に捉えないで欲しいんですけど、私、『私を殺さないで』が嫌いなんです」と告白。自分で自分自身を押し殺し、臆病さゆえに斜めに世の中を見てしまっている人に向けたこの曲の歌詞が、「まるで学生時代の過去の自分に言われているようで、胸が苦しくなるんです」と語り、同じ気持ちを抱く人に「ちょっと共感して救われて、ちょっと苦しくなってほしいんです。インタビューでも、いつも言いたかったことだったけど、伝え方が難しかった……でも今日は、ちゃんと自分の言葉で言えました。伝わりましたかね?」と問いかける。「伝わったよ!」と温かく言葉を掛けるバンドメンバーの声と、客席からの大きな拍手に、CHiCOがホッとした顔になる。こんなふうに、一見誤解を招くかもしれない素直な気持ちを思いきって語ることができるのも、CHiCOがここに集ったファンを心から愛し、信頼している素敵な証だ。

心温まるMCに続いて披露されたのは、アニメ『裏世界ピクニック』のOPテーマとなっていた「醜い生き物」。前3曲のシリアスなムードから一転、オーディエンスの元気な手拍子がZepp Tokyoに響き渡る。腕を振り回しながら大きなアクションで届けるCHiCOのフレッシュな歌声が、よりバンド感を増した爽やかなギターロックを加速する。

ここで、バンドの一人一人が客席の拍手やペンライトと掛け合い、CHiCOとのトークを交えながら楽しく自己紹介。笑いの絶えないフレンドリーなメンバー紹介もチコハニらしさだ。そして東京のファンに改めて、このツアー中に新発表された4月放送開始のTVアニメ『EDENS ZERO』のEDテーマ「冒険のVLOG」が、14thシングルとして4月28日にリリースされることを報告し、「そんなニューシングルから、カップリングをお披露しまーす!」と放たれたのは、ライブ初公開の「スーパーアイドル(笑)」だった。HoneyWorksのルーツを感じさせる高速ボーカルと、疾走する強烈なハードロックサウンドが融合したこの曲を、飛び跳ねながら熱唱。サビの“I love you”のフレーズに合わせて両手で作ったハートを飛ばし、ドスの効いた歌声を聴かせるCHiCOの迫力に圧倒される。「皆さんが(ライブで)声を出して歌えるようになったら、ガンガン“I love you”と言ってほしいですし、ハートを作って私たちにください!」と話すCHiCO。まだ見ぬ「冒険のVLOG」と合わせて、音源で聴ける日がますます楽しみになった。

激しいロックのあとは、さらに激しいロックナンバーが待っている。「ペンライトまだまだ振れますか? 心の中で叫べますか? 拳をぶち上げていきましょう!」と叫んで贈られた「決戦スピリット」に、客席の真っ赤なペンライトが力強く振り上げられ、ステージからは眩しいライトが降り注ぐ。そして「東京いいですね~! まだ行けますか?」の声から本編ラストに届けられたのは、ライブには欠かせない「プライド革命」。普段ならイントロでHiroki169が「全員声だせ!」と煽るこの曲。今回は「楽しめ、東京!!」と、Hiroki169がいつも以上に大きな声で叫んでいたのも印象的だ。オーディエンスが心の中で挙げているであろう大きな声援に負けじと、CHiCOが声を張り上げ、バンドメンバーはステージ上を駆け回る。こういう時代だからこそ“声にならない叫び声が 胸の中震えてるんだ 分かってる  だから闘うよ”のフレーズは、Zepp Tokyoのすべての人の胸の中を代弁しているようだった。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人