LiSA、11枚目のシングルとなる「Catch the Moment」。タイトル曲は2月18日より全国で公開される『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』主題歌となっており、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也が作曲を、la la larksの江口 亮が編曲を手がけている。ハイレゾ版にはCDの初回生産限定盤・通常盤と同じく、タイトル曲のほかに、NHK『みんなのうた』のために作られた「リングアベル」(作曲・編曲はagehaspringsの野間康介)と、作曲:前山田健一、編曲:Tom-H@ckによる前山田健一&Tom-H@ckによるユーモラスなロックンロール・ナンバー「Merry Hurry Berry」を収録している。
作曲の田淵智也は、2016年8月にリリースされたひとつ前のシングル『Brave Freak Out』のタイトル曲では作詞を、カップリングの「ツヨガリ・ファンファーレ」では作曲を手がけている。編曲の江口 亮は『Brave Freak Out』では「AxxxiS」「ツヨガリ・ファンファーレ」のアレンジを担当。アクロバティックな展開による楽曲を得意とする田淵智也だが、この曲ではスタンダードなロック・スタイルと直球勝負。サウンドはダイナミック、そして、強いメッセージを届けるヴォーカルがさらに引き立つアレンジとなっている。
ハイレゾでは、リードギター、サイドギター、ベース、ピアノなど、楽器の位置が明確だけでなく、それら前後の配置もしっかりと把握でき、イントロでは左右に分かれたリズムの奥からぐっと前へと迫ってくるドラムの力強さが印象的。音数はそれほど多くはないが、それぞれの楽器の響きを活かした立体的なサウンドに仕上がっていることが、ハイレゾではより実感できる。解像度も高く、田淵サウンドを印象付けるような、ピアノを滑り込ませるアレンジも鮮やかだ。
LiSAによる歌詞は物語世界とリンクしながら、また己の姿も投影しており、“後悔は苦い味残して”など、体験からこぼれたような言葉の数々に、幾つもの壁を乗り越えてきた彼女ならではのリアリティが感じられる。“僕の声が響いた瞬間に始まる”の言葉がLiSAのライヴもイメージさせるサビでは、インパクトのある“世界の秒針は いつか止まった僕を置いていく”のフレーズを挟みながら、過ぎ去っていく最高の瞬間を集めて永遠へと結びつけるような、“Catch the Moment”の強い抑揚が清々しい。
作曲は前山田健一という「LiSA×ヒャダイン」な、ちょっと意外な組み合わせ。また作曲・前山田健一&編曲・Tom-H@ckのコンビも、ももクロやでんぱ組.incなどの楽曲を思い出したりして。コーラスを多用したり、合いの手を入れたりと、いろいろ詰め込んだ前山田流アイドルポップ感覚を導入しつつも、Tom-H@ckがロカビリー・テイストを交えたロックンロールへとLiSAらしい楽曲にまとめあげた、そのバランスもいい感じなナンバー。賑やかな演奏にコミカルな演出が続々と投入される、テンション高く盛り上がりぱなっしなサウンドがまた痛快。
古屋 真も“イチゴ”をキーワードに、そんなドタバタとしたサウンドにピッタリな遊び心あふれる歌詞を提供。慌ただしい日常でついつい妄想と戯れてしまう自分を諌めようとするのに、“心を無にしなさい なんて無理無理 ニルヴァーナ”と返すように、全体的に歌詞が超ポジティヴなのだが、これはこれでLiSAの歌声にハマっており何だか妙に納得。間奏では“イチゴ イチゴ ゴロゴロイチゴ”なんてコーラスを弾ませる、ヴォーカルもいつもとはちょっと違う抑揚を誇張した声質で、楽曲を楽しんでいるような明るい雰囲気が伝わってくる。
LiSA
Catch the Moment
Aniplex Inc.
2017.02.15FLAC 96kHz/24bit
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1.Catch the Moment(「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」主題歌)
作詞:LiSA 作曲:田淵智也 編曲:江口 亮
2.リングアベル(NHK「みんなのうた」2016年12月-2017年1月放送)
作詞:LiSA 作曲・編曲:野間康介(agehasprings)
3.Merry Hurry Berry
作詞:古屋 真 作曲:前山田健一 編曲:Tom-H@ck
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