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2018.02.21

ASCA「PLEDGE」レビュー

ASCA「PLEDGE」レビュー

TVアニメ『グランクレスト戦記』EDテーマとなる2ndシングル。歌声がより激しくさらにエモーショナルに響き渡る、ドラマチックなナンバー。

2017年11月TVアニメ『Fate/Apocrypha』2ndクールのEDテーマ「KOE」でデビューしたASCAの2ndシングル「PLEDGE」。タイトル曲は現在放送中のTVアニメ『グランクレスト戦記』EDテーマとして使用されている。

シングルにはこのほかにチェロの音色が美しいバラード「悠遠」、爽やかな疾走感に包まれる「グラヴィティ with fox capture plan」を収録している。

「PLEDGE」

作詞・作曲・編曲は「KOE」と同じくSakuが手がけており、ストリングスとバンド演奏を融合させたサウンドがより激しくさらにエモーショナルに奏でられる。“瞼”や“微か”、“体温”といった「KOE」の世界に通じる言葉を織り込みながらも、「未来」へとともに進むイメージを強く打ち出しているのが、「別れ」をテーマにした前作とは異なるところ。ピアノと左右に舞い散る電子音が入り交わるしめやかなAメロから、高まる鼓動を表すかのようにビートが加わるBメロへ、儚さが漂う内省的なボーカルも次第に変化を遂げ、サビでは想いが声をとおして熱くほとばしる。痛みを抱えながら、運命に抗いながら、それでも光を求めて進み続ける、その意志を強く示す歌声が美しく響く。

ハイレゾは、量感のあるサウンドがさらに迫ってくるようなダイナミックな鳴りで、バンド演奏はもちろんのこと、流麗な調べを奏でるストリングスもしなやかで力強い。一体感がありつつ、楽器の個性を的確に描き分ける解像感も強く、手数の多いドラムやワウがかったギターなど、凝りに凝ったアレンジがよく映える音の仕上がりとなっている。ボーカルは憂いのある声の特徴を鮮明に捉えており、切なさがこぼれ落ちるような繊細なニュアンスが伝わってくる。語頭もパワフルな、“壊れた歯車”といったサビのフレーズのように、ドラマチックに情景を描く声の激しさもまた魅力的だ。

「悠遠」

ASCAの誌上デビュー曲「RUST」、「KOE」のカップリング曲「リインカネーション」を手がけた重永亮介が作曲しており、作詞にはASCAも加わっている。優美に奏でられるピアノとチェロの音色に語りかけるようなボーカルが、時を刻むような音とともに静かに想いを紡ぐ。それは過ぎ去った日々をいつくしむ、切なくも優しいバラード。シンプルだからこそ際立つ音の存在感があり、そっとていねいに並べる言葉の一つひとつが心にじんわりと染み込んでくる。ハイレゾではたなびくチェロの音色がまろやかで、その深い響きが空間の奥へと沈み込む。空気感も柔らかく、なめらかに伸びる歌声と生楽器が寄り添うような雰囲気で伝わってくる。

「グラヴィティ with fox capture plan」

「LisAni!NAVI」のテーマソングとなるこの曲では、“現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとするトリオ編成のバンド・fox capture planとコラボレーション。作詞はMYTH & ROIDのhotaruが担当と、あらたなクリエーターとの組み合わせでASCAの魅力をまた違った角度から引き出している。こちらもASCAのサウンドの要ともいうべきストリングスを導入。そこに軽やかに浮かぶピアノのフレーズが聴こえてくるのがfox capture planらしい。颯爽としたストリングスの旋律と鮮やかなバンドサウンド、そして澄み切った歌声が重なり清々しさを放つ。ハイレゾでは疾走感を生み出す演奏のリズミカルなアクセントや、「PLEDGE」「悠遠」とは異なるボーカルのストレートな抑揚が印象的だ。

ASCA
PLEDGE

Sony Music Labels Inc.
2018.02.21

FLAC 96kHz/24bit
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e-onkyo music
mora

 収録曲

 1.PLEDGE
   作詞・作曲・編曲:Saku

 2.悠遠
   作詞:ASCA、重永亮介 作曲・編曲:重永亮介

 3.グラヴィティ with fox capture plan
   作詞:hotaru 作曲:Ryo Kishimoto 編曲:fox capture plan

 4.PLEDGE -Instrumental-

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