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REPORT

2017.03.13

ライバルバンド・Roseliaに触発され、武道館に向けて走り始めたPoppin’Party。“BanG Dream! 3rd☆LIVE Sparklin ’PARTY 2017!”レポート

ライバルバンド・Roseliaに触発され、武道館に向けて走り始めたPoppin’Party。“BanG Dream! 3rd☆LIVE Sparklin ’PARTY 2017!”レポート

2月5日、TOKYO DOME CITY HALLにて“BanG Dream! 3rd☆LIVE Sparklin’PARTY 2017!”が開催。2ndライブから約3ヵ月、現在放送中のTVアニメの勢いを連れて同会場に帰ってきたPoppin’Partyはもちろん、今春配信のアプリ『BanG Dream! ガールズバンドパーティ!』に登場する本格派ロックバンド・Roseliaもサプライズ登場。もちろんこちらも初登場ながら生演奏も披露し、観客を大いに沸かせていった。

開演前、場内BGMとして流された「夏空 SUN! SUN! SEVEN!」に合わせて、早くもクラップの起こる場内。この日この曲の演奏はなかったものの、ライブ開始前の期待値の高さを伺わせるひと幕だ。
そんななか、ライブはPoppin’Partyの5人(Gt&Vo.戸山香澄(CAST.愛美)、Gt.花園たえ(CAST.大塚紗英)、Ba.牛込りみ(CAST.西本りみ)、Dr.山吹沙綾(CAST.大橋彩香)、Key.市ヶ谷有咲(CAST.伊藤彩沙))によるボイスドラマからスタート。

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公園での路上ライブを直前に控えた、という設定で、前回同様「こーんなに人が集まってるよ!(香澄)」とリアル客席も巻き込んでストーリーは展開していき、最後にはコールの練習ということで、恒例の「ポピパ・ピポパ・ポピパパピポパー!」のコールでボイスドラマは幕。ライブOP映像が流れ、その間にメンバー5人は演奏のセッティングに移る。

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そしてまずは本作のアンセム、「Yes! BanG_Dream!」で3ヶ月ぶりのワンマンに集ったバンドリーマー(※ファンの総称)にごあいさつ。ウインクとともに指鉄砲をキメるなどこの日も歌声に似合う笑顔バッチリの愛美に、変わらずエモーショナルさ全開な大塚、西本の、小柄な身体に似合わないダイナミックなプレイも見逃せない。また大橋は終始笑顔で激しくも爽快なドラムの音色を叩き出し、伊藤はその演奏はもちろん、片手演奏のときにカメラへのピースをキメたり客席を煽ったりと、ムードメーカーとしても活躍。2サビ明け間奏では各人のソロからコールというこれまた恒例の流れで会場は熱を帯びていく。また、愛美は「みんなー、ドキドキしてる?私はみんなに会えて、キラキラドキドキしてる!」と、アニメ内での香澄のセリフを連想させるような言葉で場内を湧かせると、ソロ明け間奏では大塚と背中合わせでのプレイを早速披露。さらに場内のボルテージを高めていた。
そこから続くは3rdシングル「走り始めたばかりのキミに」。一転シリアスめな楽曲に乗せた曲中のソロでは、演奏中の各メンバーのイメージカラーに照明が切り替わるという細かい演出も。

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曲明けMCでは、改めてキャラではなく本人として挨拶をし、「5人揃って、Poppin’Partyです!」と、早速決まったばかりの親指と親指を掛け合わせるような決めポーズとともに名乗りを上げ、恒例続いてはカバー曲コーナーへ!ここでボーカルを執るために、いつもは後方にいる大橋・伊藤がステージ前方に移動。「カバー曲は会いにいけるからうれしい」と大橋が語ると、そのふたりが歌う「Little Busters!」からコーナースタート。カバー曲ながら、この曲の歌詞はこのふたりが演じるキャラが歌う意義のある歌詞を持つ。ストーリーの展開とともに、この日の歌声を思い出して心に沁みていくバンドリーマーも、きっと多いことだろう。もちろん残りの3人も生演奏でふたりの歌声を支え、後奏では大橋は大塚と、伊藤は西本とペアとなりさらに客席を煽っていた。その支えた3人が引き続きステージに残り、「Alchemy」を披露。楽曲自体のテイストをより活かそうと、愛美の歌声は少々荒めなものに。それとコントラストを発揮するのが大塚のまっすぐなボーカルワークで、サビでは西本がしっかりハモで主線を支えていく。そんな噛み合った3人は、最後に視線を合わせて息を合わせてのグライドで曲を締めた。

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再びステージには大橋・伊藤が登場。大橋はタンバリンを、伊藤はショルキーをそれぞれ携え、5人で「DISCOTHEQUE」を歌っていく。この曲での殊勲者は西本だろう。跳ねるようなベースがキモとなるこの曲で、心躍るグルーヴを生み出していったのだ。また、この曲で楽器演奏のなかった愛美(※実は演奏のない曲は今回が初!)・大橋はBメロで美しいハーモニーを披露。愛美が確固たる主線を執り、大橋は上ハモでそれを彩る。

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曲明けには「カバーは、毎回みんな喜んでくれるからうれしい!」と笑顔で愛美が語ったところで、今度はこちらも恒例・アコースティックコーナーへ。まず披露された「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」では、穏やかながらも気持ちよさそうに歌う愛美を中心にした、格別の清涼感の宿る音色を響かせる。大橋が奏でた一瞬のブレイクの瞬間に流れるウィンドチャイムも、夜空にきらめいた流れ星のよう。そして「ぽっぴん’しゃっふる」は2ndライブからアレンジを少々変更。イントロのリードを、伊藤の鍵盤ハーモニカが執る。客席からも自然とクラップが起こり、温かみのある音色の響く空間をともに作り上げていった。愛美の歌声も変わらず、高音もあるのに尖りすぎないという絶妙さを見せる。

再び降りた紗幕を前にスタートした生ボイスドラマでは、5人の先輩的な立ち位置・憧れの存在であるバンド・Roseliaが登場!

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ライブの模様を観ていた5人がPoppin’Partyをひとまずは賞賛する。そんななか、メインボーカル・湊 友希那(CAST.相羽あいな)が「もっと観ていただきたいと思って、ここに来た」と宣言。Poppin’Partyの5人が「Roseliaの生演奏!?」と声を揃えて驚くと、友希那の「挑戦を目指す音楽……聴きたい?」との問いかけに、観客からはここまででいちばんの歓声が上がる。

そして相羽による「魂のルフラン」頭サビの独唱から、Roseliaの初ステージの幕が上がる。もちろんほか4人のメンバー・Gt.氷川紗夜(CAST.工藤晴香)、Ba.今井リサ(CAST.遠藤ゆりか)、Dr.宇田川あこ(CAST.櫻川めぐ)、Key.白金燐子(CAST.明坂聡美)の4人もそれぞれの楽器を携え、ツービートのメタル調にアレンジされたこの曲で、磨き上げた生演奏を披露する。後奏では相羽が改めて「はじめまして、Roseliaです」とひと言発し、続く「Hacking to the Gate」へ。

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2曲目に突入したことで、それぞれのプレイの個性が改めて立ってきた。キャラに沿わせてクールに演奏に徹する工藤に、表情を作りながら魅せるパフォーマンスを意識するかのような明坂・遠藤。加えて遠藤は、笑顔で歩き回るほどプレイに余裕も感じさせられた堂々のステージング。そして2コーラス目から一気に目立って来たのが櫻川。ヘッドバンギングも交えた荒ぶるドラムパフォーマンスが、尻上がりにその迫力を増していった。
MCでは、各メンバーを紹介してから相羽が給水に入ったところで、すかさず「お水タイム入りましたー!」と、リサのようにバンド内でのムードメーカー的な役割を果たしていくのが遠藤。さすがはトーク巧者、キャラの範疇を離れずに場のテンションを温め続けていく。

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そんな彼女のトークを経て、いよいよRoseliaがオリジナル曲を初披露。ゴシックメタル全開で、それでいてほのかにガールズ・ロックのテイストも漂う「BLACK SHOUT」だ。ここではクールに通してきた工藤のプレイも熱を帯び、間奏でステージ中央で繰り広げられた遠藤に続いてのソロプレイも見どころ。セリフ混じりのAメロは今後コールが入っていくことが予想され、フルが公開された際の盛り上がりも、とんでもないことになりそうだ。

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この圧倒的なステージののち、「ときめきエクスペリエンス!」の衣装にチェンジしたPoppin’Partyがステージ上に再登場。Roseliaのパフォーマンスを振り返りつつ、話題は放送中のアニメへと移る。
そこから「みんな、予習バッチリだと思うんで(愛美)」との言葉から、そのアニメのOPテーマ「ときめきエクスペリエンス!」の披露に。頭サビ明けの「Hi!」のコールとともに、ジャンプしながらプレイを始める大塚。髪のなびかせ方もプレイをよりハデに見せる。西本もボーカル面で、サビの追いかけなど含め伸びのある愛美の主線を支える。また、ラスサビではさらにそこに力強さの乗る大橋のドラムもポイントで、初披露にして息ピッタリの姿を見せた。そしてinterludeで各人がスポットライトを浴びながら見せ場を作ったのち、さらに強く激しいナンバー「ティアドロップス」へ。この曲でも愛美の表情は基本楽しそうなものではあったが、サビ前の決めどころだけはピシッと凛々しく、曲に合わせてスイッチを切替えていく。伊藤も跳ねながら煽りながらのプレイで盛り立てていき、そのジャンプに口火を切られた間奏での愛美・大塚のツインギターのプレーが会場をさらに熱狂させていけば、最後にTVアニメのEDテーマ「キラキラだとか夢だとか~Sing Girls~」を披露。爽快感のある王道ガールズロックは、5人それぞれにソロが用意されており、個性を発揮。一方サビではユニゾンでその歌声を揃えていく。この曲でも空いた左手で煽る伊藤、終始キラキラの笑顔で歌い続ける愛美、ときに凛々しくも笑顔が眩しい大塚、プレイが派手なのにどこか愛らしさを伴う西本、そして笑顔のままバンドの土台を作り続ける大橋。この5人で、Poppin’Partyだ。愛美の笑顔は落ちサビからさらに輝きだして止まらない。完全燃焼ののち、愛美のジャンプに合わせてアツいライブは無事エンド。

すかさず上がったアンコールの声に応え、「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」の衣装で5人が再登場。「スパークしてた?(愛美)」と、笑顔で今日のライブについてバンドリーマーに問いかける。そしてここで、VTRで重大発表が。「特報」の二文字に続き、これまでのライブショットが次々映し出されると、4th LIVEを8月21日に開催することを発表。しかも会場はなんと、日本武道館!

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異例のスピードでの公演実現に、肩を組んできゃいきゃいと喜びを露わにする5人。「次のステージに向けて頑張っていきますので、よろしくお願いします!」との愛美の決意の言葉に合わせて、5人揃って客席へ礼。ここでたまたま、BGMとして流れていた「ときめきエクスペリエンス!」のサビ前「はじまる!」のコール部が流れたのは、素敵すぎる偶然だ。

そこで「心を込めて演奏したいと思います」との愛美が紹介したのは、「1000回潤んだ空」。光が差し込む光景を想像させるピアノの音色、そしてそれをベールのように感じさせるコーラスが響くこの曲は、新しい朝の風景。サビ前の歌詞は、今このタイミングに歌うにふさわしすぎた。

そして曲明けには、各メンバーのコメントへ。まず「不安を抱えてステージに立つことが多いけど、今回はメンバーみんなにすごく助けられました(大塚)」「武道館は一人ひとりのバンドリーマーの声があったからこそ実現したものです(西本)」と、まわりの人々への感謝の言葉を述べるふたり。この先の大きな目標を見据えていたからか、今回はそこには涙はなかった。続く大橋は「個人的には準備不足でできなかったこともあるので、武道館までの間に積み上げていきたいです」とさらなる研鑽を誓い、伊藤はアニメを通じての有咲にさらに募った愛を隠さず、「有咲の言動を観るたびに、私がデレデレになるくらいかわいくて!武道館も有咲なら『マジかよ!』って言うと思います。武道館観に来てくれないと……『止めるよ』!」と、最後には彼女のセリフも織り交ぜて言葉にしていた。

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ラストを飾った愛美は、まず「だってさ、武道館でバンドでライブする人生が来るなんて、思ってなかったよ!」とその喜びを素直に表現。さらに彼女も香澄へのいとおしさを「(アニメで)アホでかわいい」と口にする。続けて「彼女の無限大なパワーを、心強く思っています。私は自分で前には進めない人なので、香澄に引っ張ってもらっています」との感謝を述べ、さらに踏み込んで「これからは一心同体になるときがきました。それが、武道館では、観れます!」と力強く断言。「絶対観に来てほしい!」と、堂々と言い切っていた。

そして最後は笑顔でこの衣装の曲、「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」でアッパーに盛り上げていく。アニメ1話の導入部分を思い返すと、この曲がオーラスというのもあとで効いてくるように思える。サビ前「STAR BEAT!」のコーラスで天を撃つ、3000人と5人。大サビで発射された金テープは、夜空から降ってくるきらめく星のようだ。オーラスの「Lalalala」での会場全体での大合唱を経て、最後には場内一体となってジャンプでフィニッシュ。5人は、笑顔でステージをあとにした。

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終演後には、出演者登壇の囲みインタビューを実施。約半年の練習期間を経て初ステージを踏んだRoseliaは、その時間を「仲の良さや信頼関係やそれぞれの努力といった、半年間やってきてできたものは、そのまま出るんだな(相羽)」と振り返る。一方Poppin’Partyからは「Roseliaに触発されました(大橋)」との言葉も出、改めて武道館に向けて「アニメも終わっているので、アニメにちなんだ曲も披露できたらと思っています。練習は……考えたくないくらい大変だと思うんですけど(笑)、まったく今回とは違うライブになると思うので、張り切っていきます!(愛美)」と意気込みを語ってくれた。

この日のライブは、後々思い返したときに効いてくる演出や出来事の多かったものだったように思う。前述のように、オーラスに置かれた「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」などのセットリストの組み方もさることながら、Roseliaの鮮烈な登場はさらなる作品世界の広がりに期待を持たせてくれた。
そしてもっとも大きかったのが、武道館に向けて、この日Poppin’Partyの5人の心に様々な想いが残ったであろうことだ。本稿には載せきれなかったが、実はコメント等でこの日の演奏への悔しさを表していたメンバーもいたのだ。だが、ここまでこのスタイルをしっかり貫き通してきた彼女たちが、そのままで終わらせるはずがない。8月21日、愛美が断言した“キャラと演者が一心同体となるライブ”を日本武道館で実現させることで、きっちりお返ししてくれることだろう。暑くてアツい、真夏の大事な1ステージで。

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Text by 須永兼次

“BanG Dream! 3rd☆LIVE Sparklin’PARTY 2017!”
2017.02.05@TOKYO DOME CITY HALL
【SET LIST】
M1.Yes! BanG_Dream!
M2.走り始めたばかりのキミに
M3.Little Busters!(歌:伊藤、大橋 演奏:愛美、西本、大塚)(TVアニメ『リトルバスターズ!』OPテーマ)
M4.Alchemy(歌・演奏:愛美、西本、大塚)(TVアニメ『Angel Beats!』挿入歌)
M5.DISCOTHEQUE(歌:全員 演奏:西本、大塚、伊藤)(TVアニメ『ロザリオとバンパイア CAPU2』OPテーマ)
M6.STAR BEAT!~ホシノコドウ~(アコースティックver)
M7.ぽっぴん’しゃっふる(アコースティックver)

M8.魂のルフラン(Roselia)(劇場版アニメ『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 DEATH&REBIRTH シト新生』主題歌)
M9.Hacking to the Gate(Roselia)(TVアニメ『STEINS;GATE』OPテーマ)
M10.BLACK SHOUT(Roselia)

M11.ときめきエクスペリエンス!
M12.ティアドロップス
M13.キラキラだとか夢だとか~Sing Girls~

EN1.1000回潤んだ空
EN2.STAR BEAT!~ホシノコドウ~


●ライブ情報
バンドリ!4th ライブ
2017年8月21日(月) 日本武道館
※5月24日発売のアニメ Blu-ray Vol.1に最速先行販売申込券を封入!

●リリース情報
「キャラクターソング 戸山香澄」
2017年4月5日発売

【CD】
品番:BRMM-10077
価格:¥1,300+税

TVアニメ『バンドリ!』オリジナル・サウンドトラック
2017年4月26日発売

【Blu-ray付生産限定盤(CD2枚組+BD)】
品番:BRMM-10078
価格:¥6,800+税
2ndライブを全曲収録したBlu-rayを同梱!

【通常盤(CD2枚組)】
品番:BRMM-10079
価格:¥3,300+税

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