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REPORT

2015.03.12

大物の登場にも動じない、“ゲスかわ”な5人。『さばげぶっ!』“ゲスかわ☆ガールズ JAPAN TOUR 2015 FINAL”レポート!

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2月15日、舞浜アンフィシアターにてTVアニメ『さばげぶっ!』のイベント“ゲスかわ☆ガールズ JAPAN TOUR 2015 FINAL”が開催。メインキャストである大橋彩香(園川モモカ役)内山夕実(鳳 美煌役)大久保瑠美(春日野うらら役)Lynn(経堂麻耶役)東山奈央(豪徳寺かよ役)からなる“ゲスかわ☆ガールズ”を軸にした、笑いあり、ちょっぴり涙ありの『さばげぶっ!』集大成のイベントだった。

客入れナレーションを務めたのは、アニメ本編同様玄田哲章。しかも録音ではなく生で、『さばげぶっ!』の要素を取り入れつつ行うというスペシャルっぷりだ。詰めかけたファンたちも彼からの注意事項に、OPテーマのタイトルよろしく「YES!!」と応えていた。

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メインキャストが出演したイベントの模様のスライド上映後、カウントダウンからイベントはスタート。すぐさまOPテーマ「YES!!」のイントロが流れ、リフトアップで大橋が登場。「盛り上がっていくぜ舞浜ー!」の声とともに彼女の歌唱からイベントスタート。会場の盛り上がりはいきなりクライマックスに達し、客席は一斉にモモカのイメージカラー・赤に染まった。

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歌唱後、残りのメインキャスト4名と、この日のMCを務めた石動やよい役・松井恵理子からあげ☆レモン役・荒井聡太が登場。キャストが挨拶するごとに変わる、客席のペンライトの色が印象的だった。メインキャストのみならず、荒井に対してスタンドがイエローに染まったのも、ファンの愛を強く感じられたところ。
その一方で、完全にキャラをトレースしたうえで「からあげ☆レモン役・東山奈央です!」といきなりぶっ込んできた東山。思えばこれが、このイベントのカオスさの端緒であった……。
そのままなだれ込んだトークパートでは、内山・大久保がボケ倒す。そんなフリーダム空間の中、またあの雄々しいナレーションが響く。「おいみんな!大事な俺を忘れてないか?」と。ステージ上全員の「そ、その声はー(棒)」の声に合わせて登場したのは、まさしく玄田哲章その人。堂々リフトアップでの登場だ。レジェンドの降臨に、会場は興奮のるつぼに。

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玄田を加えてテーマトーク“身の回りのゲスかわな人々&自分がゲスかわだと思う瞬間”がスタート。「ゲスかわ☆ガールズのフリがゲスい。かっこよくやると怒られるんです!」と大久保が暴露すると、そのレッスン時に「Lynnちゃんの稽古着がかわいい」「そういえばパンフもカメラマンさんのテンションが高かった」と、ゲスい糾弾劇が。本人の責任のないところでのこの言われようも、なんだか麻耶っぽい。そんな空気を打ち破ったのは、大橋のひと言。自ら言い放った「オールウェイズ・ゲス」というフレーズのインパクトは最強で、それに引っ張られたのか、なんと玄田が「みんなモモカ(大橋)のマネ上手いよね?」と無茶ぶりを敢行。放映開始前イベントから定番であったモノマネ大会が、このイベントでもまた見られることとなった。

続いてのテーマは“キャラの将来を心配しよう!”。このテーマではやはり天真爛漫な麻耶がいちばん心配されてはいたが、「モモカはからあげ☆レモンと結婚するの?」「留年してる美煌は大丈夫なの?」といった話題に花が咲く。そして美煌へはさらに「やよいと結婚するの?」「ここのふたりがいちばんラブコメっぽい!」との声が上がり、客席の歓声もひと際大きなものに。ここでも大橋が「まずはルームシェアから始めてみたらどうですか?」と、現実的かつ効果的な提案をし、座長らしくうまく場をまとめていた。

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そして本イベントの醍醐味、朗読劇へ。事前注意として「今日ここで起こったことは外部に漏らしてはいけない(松井)」「昼の部もいろんなアドリブが入ってた(荒井)」との異例のアナウンスまであった朗読劇は、あらすじをカケラさえ記載するのを憚られるほどのシュートっぷりで、終始観客を爆笑させてくれた。ナレーションの玄田含めどのキャストも身を削るネタを次々放り込んでくれたのだが、ここで白眉だったのはやはり東山。随所にコンパクトかつ破壊力の高いアドリブを切れ目なくぶっ込み、客席を笑いの渦に巻き込んでいた。そのほか、美煌がやよいにとあるお願いをするシーンでは、なんと美煌からの土下座が。突然念願がかなってしまった彼女が戸惑いフリーズする場面も見られたのだが、もちろんこれも「リハにはなかったヤツ」である。

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ちなみにそんなギリギリな朗読劇のタイトルだけお伝えしよう。『さばライブ』だ。賢明な読者様には、こちらと“豪徳寺かよ”というキャラ名の2点から、何が巻き起こったのかをなんとなーくお察しいただければ幸いだ。

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さて、ここからは怒涛のライブパート。かよ役の東山が、魔法のステッキを片手に「マジカル・カモフラージュ」で口火を切る。ステージ上にはカモちゃんも登場し、にぎやかさを増す。難解でないフリに普段ローテンションなかよらしさを見た一方で、メインモニターの映像と彼女のステッキの動きがバッチリシンク。こちらは「コスプレするなら本気で」という彼女のガチな一面が見られ、“豪徳寺かよ”を丸々体感することができた。

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続いて麻耶役・Lynnはラテンの香りのする「グラマラス・サバイバル」をセクシーに披露。スタイル抜群であり、無邪気であるがゆえの小悪魔っぽさもほのかに感じられる。そんなキリッとした表情に相対するかのような、銃声から逃げ惑うシーンにかわいらしさを連れてきてくれたのもうれしい。

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ここからは一旦デュエットが3曲。モモカ・かよ「LONELY DOLL」で、ロボット感あふれるフリを息ピッタリに披露。美煌・麻耶「Fashionable Passion」はスタイル抜群のふたりらしくちょっとオシャレなR&Bで、こちらも左右対称にスタイリッシュなダンスを見せる。そのムードと、サバゲオンリーな歌詞の内容とのギャップも、またいい。そしてモモカ・うららによる「リリカル☆ロマンチヰク」では、キャラに見事に入り込んだ大久保の“キモチワルさ”が群を抜く素晴らしさ。動作のみならず歌声からもにじみ出るうらら像は、彼女の役者としての成長を感じさせるものだ。ラップ調の掛け合いでモモカに迫るうらら。それをひらりといなすモモカ。大橋のステージングも安定して見事なもので、本当に楽しそうにステージのヘリまで出てきたかと思えば、背後から迫り来るうららに気づいた瞬間表情が凍る。このやりとり、舞台演劇であった。

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曲のラストにリフトダウンで強制退場させられたうららだが、続く「狙い撃ちっ!」でステージへと復活。キュートさと黒さのギャップ幅はこの曲でも健在。「みんなありがとーう♪」とアイドルっぽく笑顔で降壇する様は、モモカへのアピールだろうか。

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そしてソロ曲のトリを飾るのは、部長・美煌。彼女らしいイケボで「銃で美しく撃つ~サバイバルのばら~」を堂々と歌い上げ、最後にビシッとその歌唱力を見せつけてくれた。その一方で、間奏では本意気で「TOUR FINALに来てくれてありがとう!」と客に礼を告げる美煌様。それはどこかおかしい光景ではあったが、それもまた彼女らしくて素敵ではないか。

こうしてソロパートが終わり、ステージ上にはMC2人と玄田が再登場。大先輩に恐縮しながらも、松井・荒井も奮闘を見せ、トークを展開していく。そして「昼の部で味をしめたわけじゃないから!」とやよいっぽく前置きしたところで「まだまだ元気は残ってますかー!?」と客を煽る松井。そうしてボルテージがMAXになったところで、ゲスかわ☆ガールズ全員が登場。EDテーマ「ぴてぃぱてぃサバイバード」でそのフィナーレを飾る。トークで話題に出た“ゲスい振付”は、女子5人がやることでどこかゲスというよりも三下感が強い、かわいさとおかしさの同居したものに見えた。そして客席は気づけば5色に染まり、楽曲のテンションと5人のステージングも相まって、会場はパーティ感であふれていた。

最後に出演者全員による挨拶。温かい黄色い光に再度包まれた荒井が涙ぐむひと幕もありつつ、東山発案により玄田に“ゲンゲン”というあだ名がつけられ、ゲンゲン自身もノリノリに。そしてLynnは、挨拶の最後にオフマイクで「ありがとうございました!」と全力の感謝の想いを会場に届ける。そして挨拶の最後を務めたのは大橋。実はこの日ノドの状態が万全でなく、モモカのソロ曲の歌唱がかなわなかった彼女。言葉を詰まらせながらも、この作品を愛してくれた人たちへ、そして支えてくれたキャスト・スタッフへ、感謝の想いをいっぱいに届ける。そのまっすぐな想いに、心打たれたファンも多かったはず。それは、彼女の「皆さん、『さばげぶっ!』は好きですか?」という問いかけに対する、この日いちばんの大歓声が証明していた。

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だから、この公演は余計このままでは終われない。「全女子力でExterminating!」を引っさげて、まずはゲスかわ☆ガールズが再登場。ステージがゆっくりと回転していたため、必然的に全員がぐるりとすべての観客と目を合わせることとなったのだが、ここではもう大橋は完全復活。歌声と、そして何より全開の笑顔を届けてくれた。

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MC2人と玄田も再度登場し、オーラスではなんとOPテーマ「YES!!」を、今度は出演者全員で歌唱。通常の状態でもプレミアムなステージには違いなかったのだけれども、意図せずにできてしまった“座長・大橋を全キャストが支える”という構図もまた、グッとくる。もちろん、存在しない方がよかったアクシデントであることは言うまでもない。大橋も、万全の状態で最高のモモカを届けたかったことだろう。しかし、その辛さを乗り越えた先には、この日にしか成し得なかった大団円感が待っていたのだ。
1コーラス目は奥側のステージで、2コーラス目は全キャストに絡んで笑顔を振りまきながら歌う、大橋を始めとしたキャスト陣。一方玄田と荒井とカモちゃんは、バズーカでサインボールを客席へとプレゼント。最後に発射された銀テープの一部は、キャスト陣も思い出として首にかけたまま降壇していった。

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その後、「ぴてぃぱてぃサバイバード」のインストともに再度スライドを映しつつ、映画のラストのようにスタッフクレジットが流れるモニター。名残惜しくもイベント終了の時間だ。そして最後に、再び玄田のナレーションが流れる。その締めくくりの言葉は、『さばげぶっ!』ファンにはお馴染みで、だけど何よりもうれしいひと言だった。「今度またどこかで、戻ってくるぜ!」という。ファンみんながその言葉を、信じているぜ!

Text by 須永兼次


『さばげぶっ!』ゲスかわガールズJAPAN TOUR 2015 FINAL 夜の部
2015.02.15@舞浜アンフィシアター
【PROGRAM】
●オープニング
大橋彩香「YES!!」
●トークショー
●朗読劇:「さばライブ」
●歌唱ライブ
豪徳寺かよ(東山奈央)「マジカル・カモフラージュ」
経堂麻耶(Lynn)「グラマラス・サバイバル」
園川モモカ(大橋彩香)&豪徳寺かよ(東山奈央)「LONELY DOLL」
鳳 美煌(内山夕実)&経堂麻耶(Lynn)「Fashionable Passion」
園川モモカ(大橋彩香)&春日野うらら(大久保瑠美)「リリカル☆ロマンチヰク」
春日野うらら(大久保瑠美)「狙い撃ちっ!」
鳳 美煌(内山夕実)「銃で美しく撃つ~サバイバルのばら~」
ゲスかわ☆ガールズ「ぴてぃぱてぃサバイバード」
●エンディング~アンコール
ゲスかわ☆ガールズ「全女子力でExterminating!」
全出演者「YES!!」

<INFORMATION>
さばげぶっ! 特装限定版 6<最終巻>【Blu-ray】
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発売中(2015年2月20日発売)
品番:BCXA-0917
価格:¥7,000+税
発売元・販売元:バンダイビジュアル

(c) 松本ひで吉・講談社/「さばげぶっ!」製作委員会

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