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2014.05.13

永野愛理初センター曲「16歳のアガペー」をライブ初披露。『Wake Up,Girls!』単独イベント“イベント、やらせてください!”レポート!

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『Wake Up,Girls!』の単独イベント“イベント、やらせてください!”4月27日、品川ステラボールにて開催。ステージには島田真夢役の吉岡茉祐、林田藍里役の永野愛理、片山実波役の田中美海、七瀬佳乃役の青山吉能、久海菜々美役の山下七海、菊間夏夜役の奥野香耶、岡本未夕役の高木美佑、松田耕平役の浅沼晋太郎が登場し、トークとミニライブを行なった。

3月にTVアニメ放送が終了した『Wake Up,Girls!(以下:WUG)』だが、5月からは徳島での「マチ★アソビ Vol.12」への出演、全国七都市を周る「触れ愛プロジェクト」、6月1日の“@JAM2014”「アニソンDay」出演と予定が目白押し。夏にはさいたまスーパーアリーナで開催される「Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-」への出演や、大阪・東京・仙台でのライブツアーが決定している。ユニットとしての「Wake Up,Girls!」の本当の戦いは、この品川から始まると言ってもいいだろう。

アニメ放送前はTwinBox AKIHABARAでのショーケースイベントで経験値を積んだWUGだが、品川ステラボールのキャパはその約10倍。だが、先行応募の時点で定員を遥かに上回る応募があったとのことで、会場はもちろん超満員。彼女たちの頑張りと輝きが確かに届き始めている手応えを感じる。
イベントのオープニングは、アニメのキャラクターたちによる掛け合いナレーションでスタート。この台本はなんと吉岡が書いたというから、その多才さには驚かされるばかりだ。

ステージを覆う白い紗幕に、メンバーたち7人のシルエットが浮かび上がる。劇場版『Wake Up,Girls! 七人のアイドル』主題歌「タチアガレ!」のイントロが流れるなか、ステージを覆う幕が切って落とされると、キャラクターそれぞれが通う学校の制服姿のメンバーが現れた。最近は「7 Girls War」の揃いの衣装での登場も多いが、やはりファンの前に初めて登場したワンフェスや、年末の秋葉原UDXイベントでこの衣装で歌い踊っていた印象は強い。

初めての楽曲、初めての衣装。それだけにデビュー以来の彼女たちの変化がいちばんによくわかる。基礎体力やパフォーマンスの向上はもちろんだが、いちばん印象的なのは「表情」の変化だろう。キラキラとした笑顔からはいい意味での余裕と、メンバーそれぞれがステージに立つことを心から楽しんでいることが伝わってくる。そこには新しい何かが始まる予感はそのままに、ひと回り大きくなったWUGの姿があった。

トークコーナーには松田マネージャー役の浅沼晋太郎が登場。「メンバーが選ぶ最高のシーン」「Wake Up,Girls!裁判!」といったテーマでトークを行なった。非常に印象的だったのは、高木が最高のシーンとしてアイドルの祭典の一場面を挙げたときのこと。スクリーンにはWUGファンの太田たちがアイドルの祭典の客席で孤軍奮闘し、やがて会場中がWUGのイメージカラーである緑に変わっていくシーンの映像が流されていた。このとき、ステラボールに集まった観客も、映像の太田たちと同調して一斉に大「Wake Up,Girls!」を始め、画面のサイリウムの広がりとともに会場も緑一色に染まっていくのは感動的な光景だった。イベント中、二階席の一角にいたWUGファン役の声優陣が歓声に応えて「Wake Up,Girls!」コールをしていたのもこの作品ならではの空気感かもしれない。

「ここで懺悔させてください! Wake Up,Girls!裁判!」のコーナーは、メンバー同士の不満を告発する裁判コーナー。ところがメンバーからは「(リーダーの)よっぴーの寝起きが悪いうえに、起こしたら逆ギレする」「よっぴーの忘れ物が多い!」との告発が相次ぎ、「起こされても逆ギレしません、ごめんなさい!今日からは6時半に起きます」と謝罪に追い込まれる青山だった。トークでは「永野と奥野のお風呂が長すぎる!」「田中はお風呂からあっという間にあがりすぎる!」「山下と永野は寝言がひどい?」といったかわいらしい暴露が相次いでいた。

吉岡と青山がパーソナリティを務めるイベント内ラジオ「帰ってきたWake Up,Radio(仮)」のコーナーでは、「演じてみたいキャラは?」「自分のお気に入りの台詞は?」といったお題にメンバーが答えていく趣向だったが、「せっかくなのでやってもらいましょう」という吉岡の振りで、発表したメンバーは実際にその台詞やモノマネを披露する流れに。ところが最後は青山が、吉岡自身も生演技をやらざるを得ない方向に誘導。観念した吉岡が「戻ってきてよ、藍里!」と恥ずかしがりながら佳乃の名台詞をモノマネで見せるなど、名コンビぶりを見せていた。

浅沼がグッズ紹介など軽妙なトークで繋いでいる間に、メンバーは初披露となる「7 Girls War」の衣装にチェンジ。高木がツインテールにシュシュをしていたり、メンバーそれぞれに髪飾りをアレンジしているのがかわいい。

そしてここからは後半のライブコーナーだ。「7 Girls War」のライブステージで目につくのは、なんと言ってもステージ上でのポジション移動の美しさ。「7 Girls War」はメンバーの個性が詰め込まれた楽曲だけに、各メンバーに見せどころが用意されている。ソロパートを担当するときには自然に立ち位置が真ん中に来ているように見えるが、楽曲の流れに乗ったままスムーズに立ち位置を変えていく様子が二階席からだとよく見える。せっかくの見下ろしアングルなのでPVなどでは少し見にくい後列に注目していたが、山下が観客一人ひとりの目を見て語りかけるような、いきいきした表情をしているのが目を惹いた。

以前ワンフェスで「7 Girls War」を聴いたときは、楽曲の間で合いの手をメンバーが入れる際にブレスのタイミングがなく、やや苦しそうなのが気になった。しかし今回のステージでは、そのパートは会場の大合唱が担っていた。ステージのメンバーの頑張りに応えるために、客席のまとまりもどんどんよくなっている。初披露から感動的だった「言の葉青葉」だが、TVアニメでの夏夜と気仙沼のエピソードを見たあとではより感慨深い。

本編ラストの楽曲は、ライブ初披露となる「16歳のアガペー」。藍里として「あーあー、最後の曲かぁ。さみしいなぁ。でもやっぱり私、“Wake Up,Girls!”のことが大好き!そして、みんなのことが、大好きー!この想い、届けたい!」と想いを込めて叫んだ永野にとっては、初めてのセンター曲でもある。永野が担当した落ちサビのソロは、初めて主役として担当するソロの緊張にかすかに声を震わせながらではあったが、それだけに響いてくるものがあった。「出てきたときからこんなに集まってくれてありがたくって、泣きそうでした。初めてのソロですごく緊張しましたけど、皆さんすごく温かくて、ちゃんと歌えたかなと思います。この想い、届きましたか?(永野)」

いつまでも鳴り止まない「Wake Up,Girls!」コールに応えて、ライブTシャツに着替えたメンバーがステージへ。吉岡が「でも私たちもう持ち歌がないんですけど……」と話すと、ピンときた観客たちが大きく腕で○を作り(もう一度「タチアガレ!」でいいよ、という意味)、劇場版のライブを再現する場面もあった。この日を締めくくる二度目の「タチアガレ!」は、やはり感情とテンションの高まりがより大きい。最後に「タチアガレ!」と叫ぶ直前、吉岡が発した「行くよー!!」のひと言でステージと客席が完全にひとつにまとまったのは、やはり吉岡茉祐がこのユニットのセンターなのだと思わせるだけの引力があった。

それぞれに感謝を伝えた最後のあいさつは、青山がリーダーとして「4月はなかなかメンバーが集まれなくて、ちゃんと合わせられるかな、今日はお客さん来てくれるかなと心配していたので、こんなにうしろまできれいな色に染まってくれて、来てよかったです。これからも“Wake Up,Girls!”はもっともっと活躍する姿を、見せていきます!だから皆さん、ずっとワグナーでいてください!」と締めくくった。

Text by 中里キリ

Wake Up, Girls!FESTA.「イベント、やらせてください!」
2014.4.27@品川ステラボール

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