REPORT
2026.10.01
2026年9月21日、東京・LINE CUBE SHIBUYAにて、fripSideのライブツアー“anime blast presents fripSide Concert Tour 2026-2027 -infinite Resonance 4- supported by animelo”の東京公演が開催された。8月にリリースされたばかりのニューアルバム『infinite Resonance 4』(以下『iR4』)を伴うツアーの初日ということで、当日は荒天ながら多くのファンが詰めかけた。第3期fripSideの円熟とさらなる未来を示唆した傑作と共に第3期fripSideの進化が示された熱狂の一夜をレポートしよう。なお、以降もツアーが続くなかではあるが、今回はセットリストを含めてネタバレありでのレポートとなるのをあらかじめ了承いただきたい。
※本記事はセットリストのネタバレがございます
PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな[SHERPA+]
TEXT BY 澄川龍一
昨年から今年にかけてのツアー“fripSide concert tour 2025→2026 -Liberation Protocol-”に続いて、ホールでの開催となった今回の“iR4”ツアー。第3期fripSideとしてキャリアが5年目に入ったということもあり、グループのパフォーマンスは円熟味も覗かせてきている。この日は荒天のなかでの開場となったが、客席を見ると3階席まで多くの観客が詰めかけ、天候の悪さと反比例した熱気が会場を包んでいる。それだけ『iR4』というアルバムが傑作だったこと、それをライブでいち早く体験したいというファンの期待があったということだ。
開演時刻を過ぎ会場が暗転すると、SEと共にバンドメンバー、八木沼悟志が入場して定位置のキーボードの前に立つ。そこから上杉真央、阿部寿世のボーカリスト2人がステージ中央へと現れた。そして” This desire is bound in the melody.”というサウンドロゴが流れる……という、ここまで幾度となく観てきたシーンだ。しかし次の瞬間聴こえてきたのは、八木沼のシンセの音に乗せて上杉、阿部によって歌われる「Where the Light Leads Us」のメロディ。『iR4』の幕開けを飾るこの曲の冒頭、上杉と阿部のソロの時点でその歌声の説得力が感じられる。そしてそのサビのラストでバンドが加わると共に2人の声がハーモニーを聴かせる、ここで一気に視界が開けたかのような感動がホールに満ちていった。第3期fripSideのこれまでは、八木沼悟志が新たなイマジネーションを展開する一方で、上杉・阿部という若きシンガーの進化を見る過程でもあった。その1つの到達を見たのが本作『iR4』だったのだが、そうした作品の魅力をステージ上で展開する、いわば歌と音が織り成す説得力というものがこの1フレーズで証明されてしまった。ゆったりとしたテンポのなか、今のfripSideの状態の良さがじっくりと伝わるようにできており、上杉&阿部もそれぞれが力強いボーカルを聴かせ、時に分厚いハーモニーとなって放たれる。また中盤のインストパートも含めたダンスも堂々としたもので、ボーカルも含めて身体的な表現としてこのうえないパフォーマンスを見せていた。それに対して、まさに自分たちが観たかったfripSideの姿であると言わんばかりに、オレンジ色に染め上げられた客席からはとてつもなく大きな歓声が響き渡る。たった1曲で、これまでを遥かに凌駕するスケールへと進化したfripSideのライブを見た、そんな冒頭となった。
そして、ここで早くも最初のMCへ。阿部が「皆さんこんにちはー!fripSideでーす!」と言ってご挨拶。八木沼も「本日は大雨のなか、この渋谷に集まっていただきありがとうございます!」と多くの観客に感謝を述べた。そこから続いての楽曲は、同じく『iR4』から「Brand New Me!」へ。先ほどまでの落ち着いた雰囲気から一転してポップなサウンドに包まれた楽曲だが、ここではキュートかつスタイリッシュなアプローチのボーカルとダンスが楽しむことができる。こうしたスタイルは阿部の得意とするところだが、上杉もまたキュートな声色とダンスがキマっている。そしてすぐさま第3期らしいアッパーな「Re:build the Order of Stars」へ続くと、今度はキリっとした表情を見せ、一気にステージをビルドアップしていく。『iR4』はかっこいいものからかわいいものまでバラエティに富んだ楽曲が詰め込まれているが、それをアルバムの流れとは異なるシャッフルした構成にすることで、よりコントラストのはっきりしたステージとなっているのがライブ序盤の印象となった。またこの曲でも注目すべきは上杉と阿部のハーモニー。これまで以上に2人のボーカルが有機的に絡まる仕上がりとなっているのは、現在のfripSideの実力を見せたいという八木沼の狙いであるが、これも実に効果的にステージで展開されている。
阿部が「みんなの歓声がすごくて私めっちゃ汗だく!」と舌を巻く一方で「ここからがすごい」とも予告する。八木沼も「僕たちが倒れるか、君たちが倒れるか。怒涛の7曲連続」と言って、上杉が「My Own Way」とタイトルコール。ミディアムテンポのメロディアスなナンバーだが、ここでの上杉の低域が光る。また繰り返しになるが、第3期のバージョンではやはり2人のハーモニーが分厚く聴かれ、そこが八木沼の切ないシンセの音色とも合わさるハーモニーを響かせていった。そこからシフトアップしての「Where We Belong」でも同様に、とにかくバンドも合わさった音圧の大きさ、分厚さは過去最高で、まさに大きなホールで聴かれるにふさわしいスケール感を伴っている。続いて、阿部が退場して上杉だけが残り、ソロ曲「unwavering One thing」を披露。ここまで高出力のツインボーカルから一転してのソロなのだが、上杉のボーカルはよりパワフルさを増し、ソロならではの存在感が抜群の印象だ。改めて、fripSideとしての成長・進化が見られてきたこれまでだが、やはり個々でも進化をしていることを証明した格好だ。そんな上杉と入れ替わって登場した阿部は、すっかりお馴染みとなった「Wandering traveler」へ。阿部のチャームポイントであるキュートなダンススキルだが、それを観客に向けて上手下手と広く見せていくところも成長の1つだろう。それゆえここでの盛り上がりもすごいものがあった。
そして連続パフォーマンスの後半は上杉が再合流しての「Secret Operation -fripSide Edition-」。攻撃的なサウンドとハーモニーのなか、会場はとてつもない熱狂に包まれる。そして「Starlit Moment」でより熱気を高めた後は、このブロック最後の「Across the Changing Sky」へ。『iR4』のクライマックスを飾るこの曲は、夏らしいポップさが光るナンバー。ここでのボーカルもキュートさも感じられるもので、終盤に見せるかわいいポージングも含めて、こういう変化をさらっと見せられるのも今のfripSideの強みなのだろう。
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