ロックバンドが作るアニソンロックフェス“FLOW THE FESTIVAL”が3年目を迎えた2026年は、主催のFLOWにとっては100年に1度のFLOW(26)の年であり、バンドと深く結びつくアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の放送20周年を迎えたアニバーサリーイヤーでもある。そんな周年イヤーとなったフェスを、前年は病気療養で休止していたベースのGOT’Sも帰還して完全体となったFLOWがパワフルに引っ張った。すべてのバンドによる熱いステージにフロアが震撼した2日間をレポート!
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TEXY BY えびさわなち
Photo by SUGI、佐藤広理、郡元菜摘、柊 舞
3年目となる“FLOW THE FESTIVAL”(以下「FTF」)の幕開け。DAY1のwelcome actとして最初にステージに登場したのはSunSet Swish。大歓声が巻き起こる。TVアニメ『冒険王ビィト エクセリオン』のEDテーマ「風のランナー」でライブをスタート。ピアノの旋律が軽やかに駆ける曲に続いたのはTVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』EDテーマである「モザイクカケラ」だ。佐伯大介の伸びやかな高音の背を押すようにスクリーンにルルーシュたちの姿が映し出され、紫のペンライトが揺れた。『コードギアス 反逆のルルーシュ』が放送から20周年を迎えた縁で今回の出演に繋がったと話す佐伯にフロアから拍手が送られる。TVアニメ『おおきく振りかぶって』の第2期EDテーマ「ありがとう」に続いた「マイペース」が大きな盛り上がりを生む。TVアニメ『BLEACH』のEDテーマであるこの曲。“一つ!数えて進めばいい、二つ!数えて休めばいい、三つ!数えて考えりゃいい マイペースで進めればいい”とサビの部分でオーディエンスが指を挙げながら大合唱を響かせた。同じく『BLEACH』のEDテーマ「さくらびと」まで全5曲で、「ようこそ“FTF”へ」と観客をフロアへと迎えたSunSet Swish。本編開始前の時間を笑顔でいっぱいにした。
会場にアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』からルルーシュ・ランペルージ(CV:福山潤)、枢木スザク(CV:櫻井孝宏)の2人の掛け合いでのナレーションが響く。FLOWとの関係が非常に深い作品の放送20周年を高らかに謳う2026年の“FTF”ならではの時間で、フェスは開幕を迎えた。
恒例のオープニングSEと映像によって大歓声に包まれたステージにSurvive Said The Prophetが登場。クラップに迎えられ、ダンサブルで圧倒的なパワー感のある歌を響かせると、“FTF 2026”から新設されたスタンディングエリアでは、「Useless」でYoshの声がフロアを席捲するなか、早くもモッシュが始まり、大合唱が沸いた。TVアニメ『炎炎ノ消防隊 参ノ章』第2クールEDテーマ「Speak of the Devil」の、畳みかけるビートとシャウトからサークルモッシュにヘドバンのスタンディングエリア、そして赤いペンライトが大きく揺れる客席という景色が。これこそロックバンドが創るアニソンロックフェスだからこそ見せられる景色だった。「素敵な景色を本当にありがとう、FLOW!」とYoshも言葉にしていた。劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道』主題歌「NE:ONE」ではコール&レスポンスと共に、伸びやかな歌声とクラップも起き、軽やかなステップを踏むメンバーと共に歌声が沸くなか、スクリーンにはルルーシュたちの姿も。「FLOWとは『コードギアス』兄弟です。アニメ放送20周年、おめでとうございます!」とYosh。ペンライトの光の海の中で音像が厚くエモーショナルなロックンロールを響かせ、オーディエンスの熱を上昇させていく。続けてTVアニメ『東京24区』のOPテーマ「Papersky」が「オイ!オイ!」という強大なコールと共にラウドに轟き、座席にいるファンもスタンディングエリアの観客と変わらず高く跳ねれば、TVアニメ『BANANA FISH』の第2クールEDテーマ「RED」ではフロアが赤一色に染められ、魂の叫びにも似た強烈なシャウトに「Wow Wow」と合唱が起きた。そして彼らのアニソン“代表格”でもあるTVアニメ『ヴィンランド・サガ』OPテーマ「MUKANJYO」が大歓声を切り裂くように響くと、クラップと会場のシンガロングが発生し、グルーヴを生み出す。全身から鳴らすように体を揺らすギターのTatsuya、慟哭のようなShowのドラムが会場を震わせるなか、ラストは「一緒にワチャワチャしちゃおうぜ!」とTVアニメ『BANANA FISH』の第1クールOPテーマ「found & lost」だ。モッシュにコールにクラップが響き、熱く楽しませたステージだった。
Survive Said The Prophetのライブが終わると、スポットはメインステージからサイドステージへ。“休む隙を与えないステージ”に「すごいね。今日はこれが6時間続くんだよ⁉」と言いながら登場したアナウンサーの吉田尚記。彼をMCに“アニソンおじさん(=音楽有識者)”を中心に“FTF 2026 DAY1”について語る時間だ。クリエイターズトークと題されたこのコーナーに登壇したのは音楽プロデューサーで音楽評論家の冨田明宏、音楽ライターの澄川龍一、声優でアーティストの結那、さらに新日本プロレスのプロレスラーであるグレート-O-カーン。SunSet Swish、Survive Said The Prophetの感想と、ここからの出演バンドの見どころをなどで会場を盛り上げた。
メインステージにHOME MADE 家族が登場。2016年に活動を休止していた彼ら。“FTF 2025”ではMICROとKUROがシークレットゲストとして登場したが、2026年5月に10年ぶりに3人での活動を再開した。そのステージはTVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』のOPテーマ「少年ハート」からスタート。前年はHOME MADE 家族ではなく、2人での出演だったために“カバー”で歌った1曲が、“オリジナルバージョン”で響く。FLOWとも繋がるこの曲に、フロアではトラパーを思わせるグリーンの光が、風を巻き起こすように揺れた。ステージ中央でソウルフルなトラックを響かせるDJのU-ICHIも含め、3人が笑顔になったのはTVアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』のEDテーマ「流れ星 〜Shooting Star〜」だった。「家族を紹介しよう」というと、KEIGOとKOHSHIが呼び込まれ、4MC+1DJで歌う。お互いに顔を見合わせ、視線が交わるたびに笑顔を見せるステージ上の様子にオーディエンスもオレンジ色のライトを揺らした。続く「FREEDOM」もTVアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』のEDテーマ。畳みかけるようなマシンガンラップで軽快に跳ねる楽曲に、フロアのオーディエンスは手を挙げ、声もあげ、高く跳ねて応えた。爽快なストリングスの音とゆるやかなビートがピースフルな「NO RAIN NO RAINBOW」は『劇場版 NARUTO-ナルト-疾風伝 絆』の主題歌。MICROが伸びやかに歌い出すと、ぴあアリーナMMに彼らが放つ音が虹をかけるようだった。「3人で帰って来られるなら最高のステージができると(去年出演したときに)思っていたら、その願いが叶いました」とMICRO。U-ICHIも「気持ちいいです。本当に嬉しいです」と言葉にした。そんな彼らのステージの最後の曲はTVアニメ『BLEACH』のEDテーマ「サンキュー!!」。「10年活動休止して、しみじみ思ったことがあります。本当にこの一言(「サンキュー!!」)に尽きる」と語るKURO。スタッフやFLOW、メンバー、集まった人たちへ伝えたい思いだ、と鳴り出したイントロに大歓声が起き、「ありがとう」と歌声が巻き起こり、会場はピースな空気に包まれたのだった。
サイドステージに「Project LEAP!(プロジェクト・リープ)」が登場。スタイルキューブ、Elements Garden、REAL AKIBA GROUPの3社が共同で立ち上げた「アイドル×声優」としてアーティストを発掘し、育成する次世代プロジェクトだ。オーディションを経て選ばれた総勢18人のメンバーから“FTF 2026”には 蒼乃 音、ひより、華山七彩、櫛田なるみ、咲田ゆなの5人が登場。キュートで元気なパフォーマンスを見せ、会場を華やかに盛り上げた。
ほんわかムードから一転。メインステージに打首獄門同好会が登場。いきなり菓子が配布され、大量に配布された菓子をペンライトのように振りながら「デリシャスティック」からライブがスタート。ヘドバンをしながら、菓子とペンライトが揺れ、轟音がぴあアリーナMMを震撼させる。「早速、我々のアニメソングを聴いてもらってもよろしいでしょうかー⁉」と大澤敦史の声に沸く大歓声。アニメ『極主夫道』の映像と共にOP主題歌「シュフノミチ」で重低音から轟くと、主夫の生き様をリアルに描写した言葉が放たれ、ペンライトの光が激しく揺れた。スタンディングエリアはサークルモッシュで波打ち、このフェスでの最高潮の瞬間を刻み付けた。唸りをあげるギターリフ、そして全身に打ち込まれる河本あす香のパワフルなドラムとラウドにグルーヴを紡ぐjunkoのベース、そして女性2人の透明感あるハーモニクスがフロアを席捲した。「次の曲は、番組内ではアニメが流れるから広い意味でアニソンと呼べるのではないだろうか」と『しまじろうのわお!』のうたのコーナーに書き下ろした「カンガルーはどこに行ったのか」が鳴り出す。スクリーンには「しまじろう」が映し出され、そのメロディックな歌を迎え撃つように響くオーディエンスのクラップが会場の熱を高めていった。続けてアニメーションスタジオ・WIT STUDIO所属の浅野恭司とのコラボレーションによるMVが躍動する「サクガサク」。アニメーター応援ソングである1曲がアニソンロックフェスを、熱気で彩っていく。FLOWとの対バンの際に、自分たちもアニソンを持っている、と“FTF”への出演を打診したという彼らだったが、「セットリストの半分をやりましたが、玉(アニメソング)は出し尽くしてしまいました」と言う大澤に笑い声が起きた。VJがアニメ映像を流す曲を歌うと宣言すると、「ここからはどこのテレビでも放送されていないアニソンを演奏します」の言葉でライブは怒涛の後半戦へ。「布団の中から出たくない」や「はたらきたくない」など大合唱を生んでいった狂乱の宴となったライブは、彼らの不動の代表曲「日本の米は世界一」で一体感をもって白米への愛を叫び、幕を閉じた。
サイドステージにはDJ KOOが登場。「残酷な天使のテーゼ」が響き出し、大歓声が眩いばかりに光を集めるDJへと送られる。デビュー45周年を迎えたレジェンドDJのプレイにフロアの熱気は一気にヒートアップ。重厚なラウドロックに占められていたフロアがミラーボールの光の似合うダンスフロアへと変貌する。アニソンの名曲の数々をDJ KOOカラーに染め上げ、ラストはTRFの代表曲「EZ DO DANCE」で会場を興奮のるつぼへと誘った。
眩しいDJタイムからバトンを受け取ったのはFLOWの盟友・GRANRODEO。3回目の開催となった“FTF”で皆勤賞を誇る彼らの登場がアナウンスされると、フロアの声は一層大きくなった。TVアニメ『黒子のバスケ』の代名詞の1曲「Can Do」からライブをスタートさせたGRANRODEO。赤く染まったフロアに高らかに轟くe-ZUKAのギターとKISHOWのハイトーンのボーカルに、フロアではクラップから「オイ!オイ!」の声があがり、大合唱も発生していく。ステージのパワーに負けないとばかりに熱を放つオーディエンス。スタンディングエリアはライブハウスの様相となり、会場の温度を上昇させた。華やかさのあるグラマラスなロックンロールがフロアを駆け巡ると、ライブはTVアニメ『拷問バイトくんの日常』のOP主題歌「GO GO PARADISE!!」へ。高音シャウトがオーディエンスを熱狂へと連れ出す。「このフェスに3年連続3回出演しているのは、FLOWと我々だけということで。ありがとうございます!FLOW兄さん!」とKISHOW。その言葉で会場は拍手に包まれた。「トリの前の会場を盛り上げる役を仰せつかっておりますので、往年のアニソンの数々をここで披露させていただきたいと思います」と言うと、2026年で10周年を迎えたアニメ『文豪ストレイドッグス』からOPテーマ「TRASH CANDY」が響く。「オイ!オイ!」と割れんばかりのコールが沸くフロアは、重厚なギターリフで紡がれるソリッドなロックチューンに熱狂した。続けて二胡の音が響き、TVアニメ『最遊記RELOAD -ZEROIN-』のOPテーマ「カミモホトケモ」へ。躍るようなメロディと畳みかけるビート、そして冒険譚を彷彿とさせるギターの音にフロアの赤いペンライトが大きく揺れた。さらにノスタルジックなイントロから重厚なヘビーロックが轟き、「オイ!オイ!」の声が沸いたのはTVアニメ『カーニヴァル』OP主題歌「偏愛の輪舞曲」だ。耽美かつカラフルなサウンドが疾走し、艶めく音にオーディエンスのテンションもヒートアップしていった。「盛り上がってますか?すごいね。“FLOW FES”ってこんな盛り上がるんだね」と笑顔を見せたKISHOW。ラストはTVアニメ『黒子のバスケ』のOPテーマ「変幻自在のマジカルスター」だ。掻き鳴らされるギターリフが躍動する疾風怒濤のメロディックなスピードメタルにフロアから大合唱が起きた。FLOWへと熱を渡す全7曲は灼熱のステージだった。
サイドステージでは挑戦者たちによる「のど自慢大会」が開催。FLOWに刺激を受け、マイクを握った挑戦者たちにフロアから沸いた大きな拍手は驚きの歓声へと変わる。なんときただにひろしが飛び入り参加したのだ。披露したのはOfficial髭男dismの「Cry Baby」⁉脱帽の歌唱力を響かせるという、まさかの展開にオーディエンスは大興奮。もちろんレジェンドアニソンシンガーは最後にTVアニメ『ONE PIECE』のOP主題歌「ウィーアー!」を歌う2重のサプライズ!会場一体の歌声が「のど自慢大会」を彩った。
メインステージにメディアミックス作品『BanG Dream!』から誕生した5人組のガールズロックバンド・RAISE A SUILENが登場。大きな歓声が会場を包むなか、ボーカル・ベースのRaychell (レイヤ役)、ギターの小原莉子(ロック役)、ドラムの夏芽(マスキング役)、キーボードの倉知玲鳳(パレオ役)、DJの紡木吏佐(チュチュ役)が姿を見せるとフロアはグリーンの光が揺れた。ロックバンドによるアニソンロックフェスでの自身のステージの幕開けを、Fear, and Loathing in Las Vegasの提供曲「Drown Out the Noise and Push Through the Trash」をラウドに響かせ、骨太なロック魂を感じさせた。Raychell のハイトーンボーカルが会場を撃つように駆け抜けると、観客席のオーディエンスは頭を揺らし、ペンライトを大きく振り、スタンディングエリアではヘドバンにサークルモッシュが巻き起こった。熱いDJプレイのイントロから重厚なバンドの音が地響きのように轟くなか、高音でメロディックなボーカルを掛け合いのような応酬で聴かせる「JUST THE WAY I AM」から、「全力で飛ばしていくよ!」のRaychellの声から始まった「OUTSIDER RODEO」へ繋ぐ。紡木吏佐のラップが印象的な1曲に、オーディエンスも声をあげた。ここでコール&レスポンスが巻き起こり、会場を1つにしていくと、観客と一体となって怪獣ポーズを決めた「V.I.P MONSTER」へ。コールが起き、一斉にヘドバンが見える景色は圧巻だった。アニメ『BanG Dream! 3rd Season』の挿入歌である「EXPOSE ‘Burn out!!!’」では「オイ!オイ!」とコールが起き、クラップの中で響く。アグレッシブなデジタルロックの音の波が押し寄せるように響くステージングに、会場は一気にクライマックスの様相に。さらに彼女たちのデビューシングル「R・I・O・T」はファンと共に育ててきたと感じさせる圧巻のパフォーマンスを見せ、ラストの「HELL! or HELL?」まで、“FTF2026”の紅一点バンドは圧倒的なパワーで熱を刻み付けた。
サイドステージは再びクリエイターズトークだ。吉田を筆頭に澄川、冨田、結那、グレート-O-カーンが登場し、ここまでの“FTF 2026”を興奮交じりに振り返る。ここで語られたのはスペシャルコラボレーションアーティストのhide with Spread BeaverとFLOWのKOHSHI、TAKE兄弟のこと。1996年の代々木第一体育館でのライブを観に行った2人は、観客をステージに呼び込む演出でステージに上がり、hideの背を見ながらライブを体感する。その瞬間が、彼らをFLOW結成へと動かすことに。運命が繋いだライブが奇跡の邂逅を果たすことへの期待感が高まるなか、遂にメインステージにFLOWの姿が。
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