澄み切った歌声を生かした「歌ってみた」の動画投稿で注目を集め、自身の高校卒業に際してリリースした2024年の「青春最後の1ページ」以降はオリジナル曲の発表も行なっている期待の若手シンガー・ゆう。が最新シングル「綺麗。」をリリースした。
この楽曲は、2026年1月よりオンエア中のTVアニメ『綺麗にしてもらえますか。』のOP主題歌。じんが作詞作曲、すくろーすが編曲を担当し、爽やかで温かいメロディやゆう。の歌声によって、作品内で描かれる温泉地・熱海の片隅にある「キンメクリーニング」の日常に魅力的な色どりを加えている。
わずか12歳で始めた「歌ってみた」投稿から現在までの活動の中で彼女が大切にしてきたことや、自身初となるアニメタイアップ曲の制作過程について聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 杉山 仁
――ゆう。さんが「歌ってみた」の投稿を始めたきっかけについて教えてください。
ゆう。 特定の何かがあったわけではないとは思うのですが、小さい頃から歌は大好きでした。それもあって、インターネットに足を踏み入れた時に自分で歌を歌って投稿する「歌ってみた」という文化を知って。「いいな」「自分もやってみたいな」と思ったんです。
――それにしても、12歳で投稿を始めるというのはすごい話ですよね。
ゆう。 昔から、行動力はあるタイプだったのかもしれないです(笑)。もちろん、独学で始めた活動なのでクオリティは高くはなかったと思いますが、大変だったかというとそんなこともなくて。ただただ「楽しい!」という気持ちでした。自分が歌ったものに聴いてくれた方の反応が返ってくることも嬉しかったですし、そもそも自分が歌ったものが音源になったり形になることも嬉しくて。そういうすべてが楽しかったですね。
――その後、より本格的に音楽をやっていこうと思った瞬間はありますか?
ゆう。 「歌ってみた」の投稿を続けていくうちに、ありがたいことに、思ったよりも私の歌を聴いてくれる方が増えていって。その辺りで「もっと力を入れてみよう」と思うようになりました。特に「歌ってみた」のYouTubeショートを上げ始めたタイミングから色んな方に観てもらえることが増えて、その辺りからじわじわと「頑張ってみたらもっと本格的に活動ができるのかな」と思うようになっていきました。
――2024年以降は、ゆう。さん自身の高校卒業に際して制作された「青春最後の1ページ」や、「ハイライト!」のようなオリジナル楽曲のリリースが始まっています。こうした最近の活動についても振り返っていただけますか。
ゆう。 私はそれまでかなり長い期間、ボカロ曲やJ-POPのカバーを続けてきたので、自分の歌をうたって上げる、「自分が一次創作になる」経験は、実際にやってみると結構難しい部分もありました。それまでは最初に曲を出している方がいて、その方の解釈をかみ砕いていくということをしていたのに対して、今度は自分で考えていかないといけなくなったので。
――ゆう。さん自身が正解になるわけですもんね。
ゆう。 そうなんです。そこが結構難しかったですね。でも、例えば最初に「青春最後の1ページ」が出来た時も、すごく楽しかったですし、「ようやく出来たぞ……!」という達成感も覚えました。
――そして、3曲目となる今回の「綺麗。」はTVアニメ『綺麗にしてもらえますか。』のOP主題歌となりました。まずは話がきた時のことを思い出してください。
ゆう。 最初にお話をいただいた時は、まだ全然実感が湧いていませんでした。ただ、昔からアニメの曲を歌ってみたいという気持ちはあったので、すごく嬉しかったです。元々、歌を聴いてくださった方に「青春を感じる声」とか「透明感がある声」と言っていただけることがあって、そういう雰囲気に合う作品の歌を歌わせてもらえる機会があればいいなと思っていたんです。
――「青春を感じる声」という例えはとてもよくわかります。ゆう。さん自身は、自分の声の特徴ってどんなものだと思っていますか?
ゆう。 正直、私は自分の声が好きなわけではあまりなくて、自分ではよくわからない部分があるんです。ただ、活動を続けていくなかで色んな方に聴いていただけるようになってきて、色々な感想をもらうなかで、テクニカルな歌が流行っている今の時代の中でも、真っ直ぐで明るいタイプの歌声というのは、逆に自分の武器になるのかなと思ったりしています。
――最初に楽曲をもらった時の感想はいかがでしょう?
ゆう。 まずは、とにかく曲が良すぎて。じんさん節も感じられて、まずはこの曲を歌えることがすごく嬉しかったです。それに、『綺麗にしてもらえますか。』という作品にもすごく合っていると思いました。今まで色んな曲を制作してきたじんさんだからこその楽曲への落とし込み方なんだろうなあと思います。あと、個人的にはBメロがすごく好きで。ちょっとテクニカルなコード進行になっているんですけど、それがメロディとも合っていて、最初にいただいた時に何回も聴きました。
――歌う時はどんなことを意識しましたか?
ゆう。 作品自体も、この楽曲自体もそうですけど、とにかくこのきれいな雰囲気をくずしたくないと思ったので、いかに私もそこに馴染めるかを意識しました。落ち着いた繊細な雰囲気と、なおかつ爽やかさのようなものを上手く出しながら難しいメロディを歌うのがすごく大変でした。
――レコーディングにはじんさんも同席されたんですか?
ゆう。 じんさんはちょうどその時この曲のインスト部分をレコーディングしてくださっていたみたいで。なので事前にお話をさせていただきました。一番印象に残っているのは、歌い方で迷っていたことについてアドバイスをいただいたことですね。「綺麗。」のサビにはちょくちょく裏声が出てくるんですが、最初はそこを裏声で歌うか地声でいくかで迷っていたんです。そこでじんさんに聞いてみたところ、「ゆう。さんの裏声はすごく良いので、ぜひ裏声で歌ってください!」と強く言っていただきました。
――アニメのOP主題歌として、特に作品に寄り添った部分はありますか?
ゆう。 1つ1つの言葉を大切に歌うことは意識していました。「綺麗。」は“ふ、と気が付く”とか“あ、と思い出す”とか、歌の最初を一文字で入ることが多いですが、それをいかに丁寧に歌うかは大切にしました。あと、特にサビ以外の落ち着いた部分では、サビより息を増やして、精細さを出すのが大事だと思ってそれも意識しました。
――だからなのか、サビだけでなく、AメロやBメロの歌声も同じように印象に残ります。この辺りはかなり考えて生まれた工夫だったんでしょうか?
ゆう。 もちろん、歌詞や作品を見ながら、どうやって歌うかを考える時間は取ったんですが、じんさんが作ってくださった曲自体が、どういう展開でどういう言い回しにしたほうがいいかをすごく想像させてくれて。ナチュラルに出てきたものだったような気がします。
――この曲で特に好きな歌詞もあれば教えてください。
ゆう。 私、最近色々な曲の歌詞を見たりするのが好きなんですが、この曲の“鮮やかな透明”という歌詞は、絶対自分からは出てこないような言葉で衝撃を受けました。
――『綺麗にしてもらえますか。』の魅力でもある、何気ない日常の愛おしさや楽しさのようなものも連想する歌詞ですね。
ゆう。 そうですね。『綺麗にしてもらえますか。』は日常が大切に描かれている作品で、時間がゆっくり流れていて、その中で人の温かさのようなものが映し出されていて。そこがすごく魅力的に感じました。繊細で、だけど温かい、みたいな。
――ゆう。さんの歌もまさにそうした雰囲気ですね。
ゆう。 そうなったらいいなということはかなり心がけて歌っていました。
――歌っていて特に難しかったところはありますか?
ゆう。 それは全部です(笑)。この曲はニュアンスがどうしても難しくて。特に難しかったのは、Bメロのちょっと落ち着くパートです。ここは他の部分よりも更に繊細に歌いたいと思って、語尾の息遣いもより心がけました。あとはもう1つ、ラスサビ前のCメロの部分も難しかったです。Cメロの頭から後ろのほうにかけて、ラスサビに向けて強くしていくニュアンスがすごく難しかったです。
――オンエアで自分の歌が流れた時の感想も教えてください。
ゆう。 最初に観た時はまだ実感が湧かなかったんですが、その後に何度もオープニングを観返すうちに、「本当に主題歌を歌わせてもらったんだ」という思いがじわじわと湧いてきて。映像も素敵で、とても良いオープニングだなあと思いました。
――初回限定盤と通常盤でそれぞれ違うカップリング曲についても聞かせてください。初回盤収録収録の「オーバーチュア」はナユタン星人さんの提供曲ですね。
ゆう。 ナユタン星人さんも以前から曲を聴かせていただいていた方で、今回ぜひお願いできればと思ってお声がけしました。ナユタンさんの魅力がすごく感じられるような楽曲に仕上げていただけたことがとても嬉しかったです。この曲では、楽曲を作っていただく前に、ナユタン星人さんから質問状のようなものをいただいて。私の活動に対する思いや向き合い方のようなものを曲に入れていただきました。それもあって、自分の歌いたいように、思うように歌うことができたと思います。
――ゆう。さんが活動するうえで大切にしているのはどんなことなんでしょう?
ゆう。 特に大事にしていることが2つあって、1つは、「自分が楽しいと思えることを大事にする」ことで、もう1つは「リスナーさんや周りの方への感謝を忘れてはいけない」ということです。この2つはずっと大切にしたいと思っています。
――一方で、通常盤に収録されている夏代孝明さんが手がけたカップリング曲「あいらぶなのだ」についても教えてください。
ゆう。 最初に聴いた時に、楽しさが全面に出ている楽曲だと思ったので、その雰囲気を出せるように歌いたいと思ってレコーディングに臨みました。特に“高まる鼓動はあいらぶゆう”のところは、私の名前ともかかっていてポイントになる部分かなと思ったので、気合いを入れて歌いました。全体的に、セリフっぽい感じを心がけて歌った曲ですね。
――改めて、今回の制作作業はゆう。さんにとってどんなものになったと思いますか?
ゆう。 これまでオリジナル曲を制作する時は、1曲ずつ作って、出して、作って、出してという形だったので、新しい曲がいくつも同時にできること自体が初めての経験で。それがすごく楽しかったです。完成したタイミングで全編を聴いた時も、「これが今からリリースされるんだ……!」と思ってワクワクしていました。私の場合、名前的になかなかエゴサーチが上手くできないのですが、「綺麗。」や『綺麗にしてもらえますか。』で検索をすると、普段は見かけない方や、今回の作品を通して私のことを知ってくださった方が色んな感想をポストしてくださったりしていて。それもすごく嬉しかったですし、新鮮な経験になりました。
――これからどんな活動をしていきたいかも教えてください。
ゆう。 今こうして活動をしているみたいに、オリジナル曲をたくさん出していけたら嬉しいですし、いつか自分が作詞作曲した曲も出せるといいなと思っています。あとは、ライブもたくさんやっていきたいですし、ライブイベントのようなものにも出演させていただきたいですし……。活動の幅が更に広がっていったらいいなと思っています。
――やりたいことは色々なんですね。
ゆう。 そうですね。やっぱり、オリジナル曲を出し始めてからも、まだまだやっていないことやできていないことがたくさんありますし、これからだと思うので。具体的なゴールのようなものは決めていないというか、まだ想像ができていない部分もありますが、とにかく「やれるまで走り続けたい」「頑張ってみたい」と思っています。アニメの主題歌をやらせていただいたり、活動の幅が増えてきたりしたことで、「どんなふうに活動していけばいいのかな?」ということも、これまでより鮮明に見えてきていますし、とにかくこれからどんなことができるのかワクワクしています。結局は、これまでも自分が「楽しい!」と思えることをずっとやってきたと思うので、「歌を楽しくうたう」という自分の芯はこれからも忘れずに活動していきたいです。
●リリース情報
ゆう。
「綺麗。」
3月4日 リリース
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:VTZL-267
価格:¥3,850(税込)
購入はこちら
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VTZL-267.html
【通常盤(CDのみ)】

品番:VTCL-35392
価格:1,430(税込)
購入はこちら
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VTCL-35392.html
<CD>
初回限定盤
01. 綺麗。
02. オーバーチュア
03. 綺麗。(Instrumental)
04. オーバーチュア(Instrumental)
通常版
01. 綺麗。
02. あいらぶなのだ
03. 綺麗。(TV size)
04. あいらぶなのだ(Instrumental)
<Blu-ray>
ゆう。 Online Live「renew.」LIVE映像
収録内容
01. アスノヨゾラ哨戒班
02. サマータイムレコード
03. UNDEAD
04. 怪獣の花唄
05. 綺麗。(FULL ver.)
●ライブ情報
『ゆう。2nd One-man Live「◎(にじゅうまる)」』
開催日時:2026年4月3日(金)17:30開場 / 18:30開演
会場:Zepp Shinjuku(TOKYO)
チケットはこちら
https://eplus.jp/yuu_mr/
ゆう。
公式X
https://x.com/Yuu_mr_
オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/@Yuu_mr
オフィシャルTikTok
https://www.tiktok.com/@yuu_mr
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