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INTERVIEW

2026.03.25

トランペットソロにも挑戦!メジャーデビュー6周年を迎えるアーティスト・樋口楓の新たな可能性――にじさんじ・樋口楓×TAKE(FLOW)が語るミニアルバム『PLATFORM』とVTuber音楽の未来

トランペットソロにも挑戦!メジャーデビュー6周年を迎えるアーティスト・樋口楓の新たな可能性――にじさんじ・樋口楓×TAKE(FLOW)が語るミニアルバム『PLATFORM』とVTuber音楽の未来

2026年3月25日にメジャーデビュー6周年を迎えるにじさんじのバーチャルライバー、樋口楓。その当日に2ndミニアルバム『PLATFORM』がリリースされる。彼女の音楽活動のベースとなっている“ロック”をテーマにした1枚で、FLOWなど豪華アーティストが集結した。今回は樋口楓と5年越しの念願が叶って楽曲を提供したFLOWのTAKEとの対談をお送りする。アーティスト・樋口楓のアイデンティティを余すところなく表現したという楽曲作りや、そして本人によるトランペットソロも実現したレコーディングなどの制作秘話を聞いた。

INTERVIEW BY 澄川龍一
TEXT BY 金子光晴

5年越しにFLOWのTAKEとのコラボが実現

――今回リリースされる樋口楓さんの2ndミニアルバム『PLATFORM』ですが、樋口さんの中でこういった作品にしたいというイメージはあったのでしょうか?

樋口楓 ちょうど2026年3月25日が水曜日で、CDをリリースしやすい日というのもあり、ランティスさんのほうから「1枚目のシングルは2020年の3月25日発売だったので、ちょうどメモリアルな日だし曲を作りませんか?」というふうにご提案いただきました。6周年でしたし、当時作っていたテーマがロックだったので、ロックな曲を作ろうという流れになって、このミニアルバムを作っていこうと決めました。

――ロックということで、今回はFLOWのTAKEさんも参加されているわけですね。お会いしてみて印象はいかがでしたか?

樋口 実は出会ったのは……。

TAKE 5年前だよね。

樋口 そうなんです。私が所属しているにじさんじというグループの3周年記念楽曲(2021年発表の「虹色のPuddle」)をFLOWの皆さんに作っていただいたことがあって。その楽曲のレコーディングの時に初めてお会いして、歌のディレクションをしていただいて。ご一緒させていただくのはそれ以来なので、本当にお久しぶりでした。

――ではTAKEさんやFLOWの楽曲のイメージというのは、樋口さんの中でその頃からあったわけですね。

樋口 私、『NARUTO』が大好きで、FLOWさんの楽曲も幼い頃から聴いてたからこそ、にじさんじの楽曲を作ってくださるのがすごく嬉しかったんです。その時からTAKEさんには「何かしたいね」とおっしゃっていただいていて、今回は念願叶ったという感じです。

――TAKEさんは樋口さんの音楽性やボーカルについてはどんな印象がありましたか?

TAKE その時、全体曲で13人くらいのライバーさんの歌を録らさせてもらったんですけど、ひぐっちゃん(樋口)の音楽に対する姿勢はマジでミュージシャンだなと思って。TDミックスのオーダーもみんな1行くらいなのに、ひぐっちゃんはA4の紙3枚くらいの物量で書いてあったから、「この人はしっかり音楽を聴いてるし、向き合ってるな」という印象があったんですよね。というのもあって、また一緒に楽曲を作れたらいいね」という話はさせていただいていたんです。なので本当に、5年越しに念願が叶ったなと。やっと声を掛けてくれたかと(笑)。

樋口 はい!(笑)。

――そのTAKEさんが手掛けた「Golden Road」が今回のミニアルバムに収録されています。TAKEさんにオファーするにあたってまずはどういうオーダーをされたのでしょうか?

樋口 メモリアルな曲をミニアルバムの中で1曲作りたいとなって、私は勇気をもらえるような音楽が好きなので、そういう方向性で楽曲を作りたいなと思ったんですね。そんななか、私がよく聴いているFLOWさんの楽曲が前向きになれるような楽曲が多かったのもあり、FLOWさんにお願いしたいと思いオファーさせていただきました。

――樋口さんがイメージされる楽曲に「FLOWのような楽曲」というのがあって、それならご本人にお願いしようということだったんですね。

樋口 そうですね。「ロックといえば昔から聴いてたFLOWさんでしょ!」と思って、すぐに(スタッフ経由で)連絡を取っていただきました。

――TAKEさんとしてはオーダーが来ていかがでしたか?

TAKE 打ち合わせさせていただいたんですが、チームで今おっしゃったようなテーマを明確に持ってらっしゃったので、そういう意味ではイメージしやすかったですね。

――イントロから盛り上がりがすごいというか、お祝い感がありますけど、TAKEさんの中ではこういう軽快なスカっぽい感じというのはイメージされていたんですか?

TAKE 今回、ひぐっちゃんと一緒にやらせてもらううえで、彼女のアイデンティティがしっかり前に出るような楽曲になると良いなと思っていたんですよ。で、以前から(樋口が)トランペットを吹くことができるという話は聞いてたんですね。それであれば、今回はブラスのアレンジみたいな形でアイデンティティを表現するのが良いんじゃないかと思って。なのでそのサウンドスケープのイメージは最初にありました。で、それならひぐっちゃんに実際トランペットも吹いてもらおうと。

――おおっ!そんなTAKEさんの想いがこもった楽曲を最初に聴いた印象はいかがでしたか?

樋口 まさに「これだ!」という感じでした。本当にイメージしていたとおりの楽曲があがってきて、ビックリしたというか、「これでいきます!」という感じだったんですが……、トランペットソロだけは「どうしようかな……」と何回か検討させていただきました(笑)。

TAKE 検討に検討を重ねてね(笑)。

樋口 はい、3、4回ほど話し合いを経て、やることになりました(笑)。

――樋口さんがご自身で作詞もされていますが、作詞に関してはいかがでしたか?

樋口 そんなに大変ではなかったという感じですね。樋口楓チームってランティスさんの制作チームが「このテーマにしてこの曲を作りたい」とオーダーするというよりは、私が歌いたい曲を言語化してクリエイターさんにお願いしていただくという流れがほとんどなんですよ。今回も私が明確に書きたかったことや思っていたことをTAKEさんにお願いしたので、作詞に時間はかからなかったですね。ただ、英語だけはちょっと苦労しました。

――サビのところは英語が多いですよね。

樋口 日本語で歌うのもいいけれど、英語ってかっこ良く聴こえるし、少ない単語で意味を込められるというのが学びでしたね。普段英語の歌詞を書かなかったから、それは今回挑戦したところかもしれないです。

――中盤のラップパートのリリックもそういった感じで書かれていったんですか?

樋口 そうですね。ラップも自分で書きました。

TAKE すごくないですか?なんでラップも書けるの?(笑)。才能が溢れすぎでしょ。

樋口 嬉しい……!ありがとうございます!

アーティスト樋口楓の器用さが詰め込まれた1曲に

――レコーディングもTAKEさんが立ち会われたんですか?

TAKE はい。ディレクションさせていただきました。

――TAKEさんから見て、樋口さんのレコーディング風景というのはいかがでしたか?

TAKE いやー、もう爆笑に次ぐ爆笑でした(笑)。和気あいあいとしていて。彼女の歌が素晴らしいのは知っていたので、彼女がうたいたいような歌を紡いでいく作業で楽しくやらせていただきました。

――テイクもスムーズに進んでいく感じだったんですか?

TAKE そうですね。彼女自身のこだわりも感じる部分もあったので、そういうところも取りこぼさないように録っていったという印象です。

――樋口さんとしてはTAKEさんのディレクションを受けてのレコーディングはいかがでしたか?

樋口 にじさんじの周年の記念曲の後、ライブぶりにお会いしたので……変わってないなって(笑)。

TAKE 5年も経ってるんだけどね(笑)。大人になってない(笑)。

樋口 いや、相変わらずパワフルで、ディレクションの時もすごく盛り上げていただきました。的確にアドバイスをくださるので思い悩むこともなく、自分の中ではスムーズに進んだと思いましたね。

――レコーディングといえば、トランペットのソロの収録はどういう感じでしたか?

樋口 まずはボーカルを録ったんですけど、その時期TAKEさんがツアー中で。

TAKE そうそう、ちょうどワールドツアー中で、ヨーロッパと北米の間の日本にいる3日間のうちの1日だけひぐっちゃんと一緒に歌のレコーディングをさせてもらったんです。その後、トランペットを録っていただいたデータを北米で聴いて、歌とトランペットそれぞれのデータをガッチャンコして、更にギターを弾き足して、それを日本に戻ってから最終的にTDミックスに入ったという流れです。

――ではギターを加えたり、アレンジしたりという作業は北米でやってたということなんですか?

TAKE はい。移動のバスの中でやっていました(笑)。

――すごい!では樋口さんはトランペットはお一人で録られたわけですか?

樋口 トランペットはサウンドプロデュースをしてくださっている光増ハジメさんがディレクションをしてくださって。最初、デモの時のトランペットソロがプロすぎて……。

TAKE なかなか前衛的なジャズっぽいのが入っていたんだよね(笑)。

樋口 高校生で吹ける人なかなかいないでしょ、みたいな音が入っていて(笑)。それで内心めちゃくちゃ不安だったんですけど、光増さんが高校生の私でも吹けるような楽譜に難易度を落としてアレンジしてくださって、TAKEさんに確認してもらった後にレコーディングしたという感じですね。

――ボーカルのレコーディングと比べてトランペットのレコーディングは緊張しましたか?

樋口 そもそもトランペットの録音をしないので……。一番最初に、2020年に出した「For you」という曲はプロの方にトランペットソロを吹いてもらっていたので、今回もその流れになるかと思いきや、TAKEさんに「トランペットソロ吹いてよ」ってすっっっごく言っていただいて(笑)。

TAKE 自分の中でひぐっちゃんがトランペットソロ吹くというのはマストだったんで、ゴリ押しさせていただきました(笑)。

樋口 それもあってかなり緊張しましたね。ちゃんとCDとして出す音源にふさわしいトランペットを吹けるかなという緊張が大きかったです。

TAKE でも結果、素敵なソロを吹いていただいて。高校野球の応援歌に使われそうなフレーズですごくキャッチーですよね。ちなみに後半で自分のギターソロが絡むんですけど、それはひぐっちゃんのトランペットの音に僕のギターを足すことでよりコラボ感が増すんじゃないかなと思って。

――自分で吹いたトランペットソロを楽曲として聴いた感想はいかがでしたか?

樋口 うーん、どうだろう……私は結構そわそわしています。でも、時間を置いて聴くと「めっちゃ馴染んでるじゃん」と思ってそこはすごく安心しました。感動というより安心のほうが大きかったです(笑)。

――緊張感があっただけに。

樋口 そうですね。レコーディングからTDまでの間、ずっと不安だったので。

TAKE 彼女の器用さが詰め込まれた楽曲になったなと思います。メロディも歌うし、ラップもするし、トランペットも吹くし。ガヤのところでも自分のキャラクターを6人格くらいやっていただいて、そこが一番の爆笑ポイントだったんですけど(笑)。「そんな色んな声出るんかい!」って、ヘッドホンとかで聴くと実感できて楽しめるような内容になったんじゃないかなと思います。

――色んな人たちのシンガロングが入るコーラス録りって、よくその場にいるスタッフさんとかが参加したりしますけど、今回は全部樋口さんなんですか?

TAKE はい、色んな樋口楓が楽しめます(笑)。

――最後のパートなんて絶対他に誰かいるって思ったんですけど(笑)。

樋口 あはは(笑)。

TAKE 最高でした(笑)。ライブでやってもファンのみんなと一緒に盛り上がれるような楽曲というイメージで作ったので、ファンの人たちも参加して盛り上がっているというのをひぐっちゃんに表現してもらったセクションですね。

次ページ:五大陸の次はバーチャル空間を制覇

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