――そしてSI-VISといえば、音楽の存在が非常に重要ですが、実際にSI-VISの歌が流れている本編をご覧になった感想はいかがでしたか?
斉藤 実はアフレコの段階で楽曲が入っていたんですよ。
――なるほど。そこに合わせて演じていくんですね。
斉藤 はい。なのでやりやすかったですね。バトルシーンとかは、「あ、こういう曲に乗ってこのシーンが描かれているんだ」というのが非常にわかりやすかったので、「だったらここはリアクションが欲しいよな」とか、逆に「ここはいらないかも」みたいな判断もしやすかったですし、物語に没入しやすかったですよね。
潘 うん、本当に。シーンに合わせた歌詞でもあるし、楽曲の内容と同期した盛り上がりになっているところもあったので、流れは本当に掴みやすかったですし、ありがたかったです。
斉藤 すごく大きなアクションをしているけれど、その歌詞を聴かせたいかもしれないから、いったんバトルのリアクションボイスは入れなくてもいいのかな、みたいなことは考えましたよね。ただ何が必要で必要じゃないかは僕らが決めることじゃないと思うので、必要だと言われればやるし、いりませんと言われたらそれを受け入れるだけというか。
――そしてその楽曲の中でも、JUNEとクリオスのシーンで印象的だったのが、第8話と第20話で流れる「エレジー」と第9話で流れる「ロマンティスト・キラー」ですよね。
斉藤 やっぱり「エレジー」は印象に残っていて、シーンの中でも感情を表現してくれている楽曲であると同時にクリオスとの出会いの曲というか。そして急に潘さんは収録の後、「あれを収録します」と言われて、すごく大変だっただろうなと思います(笑)。
潘 そうですね(笑)。この作品では歌い手さんと演じ手が分かれているんですが、クリオスが歌うシーンは私が歌わなくてはならない。
斉藤 しかもそのレコーディングもちょっと拝見していたんですけど、クリオスも耳コピというか聞いて覚えた曲だから、歌詞とかも途中で「ふんふんふん~♪」とかなったり、結構色んなアプローチで録っていましたよね。
潘 ありましたね。どう見せたいかにもよるんですが、クリオスにとっては初めて聴いた曲ですしね。歌えるわけがないんだけど、もう歌えちゃうっていうファンタジーでいくのか。それともこの星に降りてきて、言葉も感情もまだわからないクリオスが実際どう歌ったのかな、みたいな表現の幅をもたせてやらせていただきました。
――確かに、クリオスとしては歌というものに初めて出会うわけで、完璧に歌えていたら変ですしね。
潘 だから初めてこの曲を聴いたときにクリオスはどう紡ぐのか?というのは思いました。あと第8話で流れたものと第20話で流れた時と聴こえ方もかわってきますし。「エレジー」って、亡き人のための哀悼を歌うものではあるにしても、第20話では、亡くなってしまった大切な人はいるけれども、僕たちはその人たちとの思いも胸に共に生きていこうとする歌に変わるというのが、なんて素晴らしいんだと思って。「エレジー」が共に生きていくための歌になるとは私も思っていなかったので、「エレジー」というタイトルですが、そこに何か光を見出してもらったなというのはすごく感じましたね、
斉藤 監督からは最初「SI-VISは王道のヒーローものである」と説明をいただいて、今もその要素もすごく感じると同時に、かなり盛りだくさんな作品なんじゃないかなと思っていて。でもそれだけ多彩な要素が詰め込まれているんですけど、観ている側は例えば音楽軸で観ることもできるし、クリオスとJUNEの人間ドラマや感情ベースで観ることもできるし。すべての要素を際立たせようとしているというよりは整理された混沌というか、すごく観やすい作品だなという気持がしていて。セリフや音楽の気持ち良さや心地良さに身を委ねていくと、気づいたら30分が経っているというのは、結局これはやはりニチアサ的な作り方になっているのかなというか。これが深夜だったらJUNEとクリオスは4週分くらいバトルして殺戮し合っていたかもしれない(笑)。
潘 確かに(笑)。
斉藤 全体の視聴後の感覚としては、どこか清涼感があるというのがすごいですよね。
潘 これだけセリフと歌と言葉で繋がれてるのに、想像の余地がたくさんあるはすごいですね。観ている人によって解釈も違っていいですし、それを許してくれる作品でもあると思います。あと、説明もしすぎなくていいですよね。色んな設定も、きっともっと事細かく設定はされているんでしょうけれど、設定やSF的なところもすべてを説明しないのが親切というか、逆にその親切さがあっていいなと思いました。
斉藤 現場でもね、聞いてもあんまり教えてくれない。そこは不親切という(笑)。
潘 そうね(笑)。
斉藤 「クリオスはこうなりますよ」というのを教えてくれる時もあれば、みんなニコニコしながら頑なに教えてくれないとか。あと、その人によって言っていることが違う(笑)。だから面白いんですよね。自分が何を選び取るのか、というのが大事なんだというのがめちゃくちゃ面白かったですね。
潘 説明されすぎない親切さみたいなものって、こちら側にとっても多分そうだったんじゃないかなって。
斉藤 「自分たちがどう感じてどう考えるか」ということがこの作品のすごく大事なところだと思うので。多分観てくださる皆さまもそうだし、我々もね。自分なりに汲み取って、感じながら言葉を紡いでいきましたし、演じていて非常に楽しかったですね。
――では最後に、最終話に向かって今後の展開を楽しみにしている皆さんに、メッセージをお願いします。
斉藤 ここまでお話ししてきて、SI-VISの魅力は皆さんにも十二分に伝わっているんじゃないかなと思うんですが、おそらく最終話は予想だにしない展開になるんじゃないかなと思います。僕からは2点、特に好きなキャラクターについてお話ししたいです。まず僕、一番好きなのサマエルなんですよ。
――おお、あの掴みどころのない破壊願望の。
斉藤 これは視聴者としても好きだし、役者としてもああいうキャラクターをやってみたいっていうのはあります。笠間(淳)さんのお芝居、めちゃくちゃ素晴らしいんですけど、サマエルってそもそも何がしたいんですか?って思うじゃないですか。それが最終話でわかるんですか?と。そこも観てほしいですね。
潘 最終話に期待したいところは他にもたくさんあるけどね(笑)。
斉藤 そうなんですけど、個人的に気にしてほしいのはサマエルなんです!あとはやっぱりセイレーンですよね。リュコスのせいで命を落としかけているわけですから。僕、セイレーンもすごく好きなんですよ。なんか……部活の先輩とかにああいう人いてほしかったなって(笑)。そんな彼女がクライマックスに向けてどうなっていくのかという。だからSI-VISサイドだとセイレーンで、XENOSサイドだとサマエル。僕の推しキャラ2人がどうなっていくのかというのをぜひ注目してほしいので、最後まで目を離さず楽しんでください!
潘 サマエルねー。いや、ずるいよ。あれはずるいんだから、うん。私からサマエルに言えることは「ずるい」というだけなんですけど(笑)、そのずるさも見届けてほしいです。他にも種族の存亡をかけた壮大な戦いがあるなかで、“何を選ぶのか”が最終回の見どころではないかなと思います。決着のつけ方はどうなる?もそうですし、キョウヤは一体誰を選ぶのか?という。
斉藤 これはそうですよね(笑)。
潘 それぞれに対して戦うことを選ぶのか、歌うことを選ぶのか、誰を選ぶのか。そういった選択が迫られているんですよ。なので、その選択をぜひ見届けてほしいなと思います。でも……私としては、キョウヤはソウジを選んでいただきたい。
斉藤 えっ?(笑)。
潘 ヒロインは2人だと言われてますが、私は3人だと思っていますので!(笑)。皆さん思い出してください。キョウヤが落ち込んだ時、誰が迎えに行きましたか!
斉藤 ほんとだね(笑)。
潘 だから、誰エンドかも楽しんでほしいな(笑)。
●作品情報
TVアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』
<ストーリー>
圧倒的人気を誇る音楽ユニット「SI-VIS」。
そのリーダー・YOSUKEに憧れてオーディションを受けるため上京した主人公・キョウヤは、初めて訪れた渋谷の街で不思議な少女・凪に出会い、「SI-VIS」の新曲プロモーションの世界に誘われる。
そこで目にしたのは、世界を壊す謎の現象ミラージュに立ち向かうという、「SI-VIS」の真実の姿だった。
表向きはアーティストとしてライブ活動をする「SI-VIS」は、地球を守るために戦うヒーローでもあった。
ミラージュを食い止めることができなければ、その地域は存在ごと消滅してしまう――世界の恐ろしい真実を知ったキョウヤは、「SI-VIS」の一員として命を懸けて戦うことになるが……。
【スタッフ】
監督:吉田大輔
シリーズ構成・脚本:丸戸史明
キャラクター原案:左
キャラクターデザイン:大槻菜穂、藤井奈美
サブキャラクターデザイン:高橋美香、山中正博
モンスターデザイン:尾之上知久
総作画監督:大東百合恵
アクション作画監督:平山貴章
美術監督:牧野孝雄
色彩設計:堀川佳典
撮影監督:三上颯太
CGディレクター:高橋将人
編集:神宮司由美
音響監督:名倉 靖
音楽:睦月周平
アニメーション制作:スタジオヴォルン
【キャスト】
キョウヤ:古屋亜南
凪:石見舞菜香
セイレーン:佐倉綾音
μ(ミュー):鬼頭明里
ソウジ:島﨑信長
JUNE(ジューン):斉藤壮馬
YOSUKE:浪川大輔
神里泪:河瀬茉希
三枝聖那:高垣彩陽
クリオス:潘 めぐみ
リュコス:内田真礼
アポロン:鳥海浩輔
メーデイア:喜多村英梨
サマエル:笠間淳
アルコーン:河本邦弘
アーティスト
キョウヤ starring 馬越琢己 from SI-VIS
凪 starring 成田あより from SI-VIS
セイレーン starring IZUMI from SI-VIS
μ starring 月乃 from SI-VIS
ソウジ starring 鮫々 from SI-VIS
JUNE starring ふるーり from SI-VIS
YOSUKE starring Taisho from SI-VIS
©2025 ハルモニアエンタテインメント
TVアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』公式サイト
https://si-vis.live/
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