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INTERVIEW

2026.03.13

水瀬いのり、涙と笑顔で溢れた10周年ツアーを振り返る!ライブBD「Inori Minase 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR Travel Record」ロングインタビュー

水瀬いのり、涙と笑顔で溢れた10周年ツアーを振り返る!ライブBD「Inori Minase 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR Travel Record」ロングインタビュー

ライブ前半戦の演出やセトリのこだわりポイントをプレイバック!

――ここからは各ブロックのこだわりについてお聞きします。まずは1着目、白いリボンモチーフの衣装のブロックから。オープニングムービーを経て、ライブはデビュー曲「夢のつぼみ」から始まりました。

水瀬 カラフルなリボンと白い衣装、そしてシルエットでの登場というのは、私の1stライブ(“水瀬いのり1st LIVE Ready Steady Go!”)と同じ演出なんです。ライブチームの皆さんが私の楽曲への理解度や思い入れを年々深めてくださっていて、今や私を超えるほどの熱量で演出や見せ方を提案してくれるのですが、「1曲目は絶対にシルエットで『夢のつぼみ』だよね」と皆さんが提案してくださり、私も「確かにそれしかないな」と納得して、この演出になりました。

――ライブスタッフの皆さんと積み重ねてきた信頼関係が反映された演出だったんですね。

水瀬 1stライブの頃は人見知りで目も合わせられなかった私が、10年経ってスタッフの皆さんと北海道で夜パフェを食べに行くような関係になれました(笑)。スタッフの皆さんも、以前よりも私に向ける眼差しが慈愛に満ちていて、まるで“公式お父さん・お母さん”がいっぱいいるような環境で歌わせていただいています。幕が開く前の円陣で「行ってらっしゃい」と送り出してもらった時点で、もう私だけの10年が詰まっていて泣きそうでした。それが追い風になって、幕が上がるとファンのみんながいてくれて……本当に幸せなアーティスト活動を続けているなと感じた空間でした。

――そこから「まっすぐに、トウメイに。」「Ready Steady Go!」と爽快なナンバーを立て続けて、いきなり全速力な展開でしたね。

水瀬 ロケットスタートのような、私のアーティスト活動の一歩目を象徴するような盛り上がりでした。当時はたくさんの方が自分の活動を応援してくれることが信じられなくて、「みんな、新しいおもちゃとか追加戦士みたいな感じで珍しがってくれているのかな?」なんて思いながら、必死に歌っていました。今はみんなの顔を見て煽ったり、バンドメンバーと肩を並べたりする余裕も出てきて。当時との変化が個人的にも面白かったですし、あの頃からの成長を感じてもらえるブロックになったと思います。

――ご自身で作詞された最初の曲「Catch the Rainbow!」を、このブロックに置いたのは?

水瀬 「Catch the Rainbow!」は大団円のイメージもある曲ですが、今回はあえて序盤に置きたいというのがチームの総意でした。定番をひっくり返す面白さもありますし、1着目の衣装には虹色のリボンがプリントされていたので、“希望”を歌うという意味でも、あの衣装とすごくマッチしていたと思います。

――その後の幕間のバンド演奏パートでも、様々な水瀬さんの楽曲がインストとして演奏されていました。

水瀬 そうなんです。ベストアルバムには入っていないけれど10周年を語る上で欠かせない「Happy Birthday」、そして1stシングルのカップリング曲「笑顔が似合う日」「あの日の空へ」と「コイセヨオトメ」をバンドアレンジに組み込んでいただきました。テンポダウンして既存曲が入り込みながら、また「Happy Birthday」に戻っていく構成と選曲は、バンマスのみっちーさん(島本道太郎/Ba)の粋な計らいです。私も完成したものを聴かせてもらった時、サプライズだったので「えー!何ですかこれ!」と驚きました。ここでもまた“公式お父さん”の愛を感じました(笑)。

――次のターコイズカラーのドレス衣装のブロックは、最新作となる2ndハーフアルバム『Turquoise』からの新曲を中心に構成。

水瀬 ここは私の中の“目標とするアーティスト像”が具現化されているゾーンです。キラキラしていて可愛くて、少し儚さもあって、ステージに現れた時に「本当に実在するんだ!」と思われるような、少し高嶺の花のような憧れの存在。線は細いけれどちゃんと軸がある、上品でパワフルな女性像が理想なんです。年齢を重ねるごとに逆行している気もしますけど(笑)。

――いやいや(笑)。

水瀬 衣装も普段は着ないようなフリルがたくさんついていて、みんなに守られているような、でもセーラームーンやプリキュアのような“戦う女の子”の強さも感じられるイメージです。このブロックでは動きや歌い方も少しエレガントでチャーミングになっていると思います。私は衣装に感情を引っ張られるタイプなので、1着目の時はみんなに幸せを伝えていく元気なラッキーガール!という感じだったのが、2着目ではまたちょっと雰囲気が変わって、体感温度がちょっと涼しくなるような気持ちでステージに立っていました。

――確かに、このブロックで歌われた「アニバーサリー」や「My Orchestra」では、ステージ上での動きや所作も優雅さを感じました。その2曲と「まだ、言わないで。」は本ツアーでライブ初披露の新曲でしたが、歌ってみていかがでしたか?

水瀬 リハーサルから入念に練習しました。特に「まだ、言わないで。」は拍の取り方が難しくて。でも歌っていてすごく楽しいんですよ。テクニカルな要素が決まった時の達成感が嬉しくて、手がかかる子ほどかわいい、という感じです。「My Orchestra」も本当に難しくて、歌いながら必死でした。もちろん今回だけのスペシャルな気持ちを乗せましたけど、私の中では「もっと良くできる」と思っているので、次回以降の“達成したいリスト”入りですね。このブロックはとにかくカロリーが高くて、涼しい顔をしていますけど、インナーマッスルをフル活用して集中していました。

――そして3着目のスタイリッシュなパンツ衣装を着たブロック。水瀬さんがよく自分で話している“かっこつけゾーン”に当たるのかなと。

水瀬 そうですね。今回のちょっとクールなセクションは、あえて「動きすぎない」をテーマにしました。「動くのは映像とみんなだ」という感じで、私は不動(笑)。プロデューサーさんからも「必要以上に煽らず、どっしりと構えて」と言われて。本当は間奏で手を上げたりしたかったのですが、映像に任せて自分は動かず、高いところからみんなを見据えるかっこよさを追求しました。特に新曲の「NEXT DECADE」は、背後のスクリーンでは幾何学的な映像が激しく動き回っているなか、それを背負っているボーカリストはただ前を見据えているというコントラストが、映像を通してもかっこよく仕上がったと思います。

――「NEXT DECADE」は歌も演奏も過去最高級の難度の楽曲だと思いますが、水瀬さんのパフォーマンスのみならず、バンドメンバーの超絶技巧も光っていましたね。

水瀬 本当にすごいです。普段の“いのりバンド”のみんなは完璧すぎて、緊張すら楽しんでいる感じなのですが、今回は休憩中にじっじーさん(植田浩二/Gt)やどらちゃん(沢頭たかし/Gt)がコード練習をしている姿を初めて見かけて、「あ、嬉しい!同じ痛みを分け合っている!」と親近感が湧きました(笑)。回を重ねるごとに休憩に行くメンバーが減っていくのを見て、「みんなもやらなきゃいけないことがあるんだな」と一緒に頑張れていることが嬉しかったです。

次ページ:あの日のステージで流した涙の理由、ダブルアンコールの魔法

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