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INTERVIEW

2026.03.10

Himika Akaneya(茜屋日海夏)が自身の“武器”を通じてまとわせた、きれいさと切なさ――「予感の途中 Prod. ☆Taku Takahashi (m-flo)」リリースインタビュー

Himika Akaneya(茜屋日海夏)が自身の“武器”を通じてまとわせた、きれいさと切なさ――「予感の途中 Prod. ☆Taku Takahashi (m-flo)」リリースインタビュー

声優・女優でありi☆Risのメンバーとしても活躍する茜屋日海夏が、「Himika Akaneya」として3月11日に3rdシングル「予感の途中 Prod. ☆Taku Takahashi (m-flo)」をリリース。表題曲は1st Season、2nd Seasonに続き、TVアニメ『MFゴースト 3rd Season』のEDテーマに起用された、今まで以上の大人さやお洒落さを感じさせる、きれいで切ないナンバーに仕上がった。そんな本作を表現するにあたって、茜屋は何をイメージし、そして何を大切に歌っていったのか。じっくり語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

囁くような歌声が表現する、1st Season、2nd Season 以上の距離感の接近

――まずは近年のソロアーティスト活動について、ご自身としてはどう捉えられているのかをお聞きできますでしょうか?

茜屋日海夏 活動を通じて、だんだん自分の武器がわかってきたような感覚があります。グループでは地声で、しかもパン!と張って歌うことが多かったんですが、ソロでは3作目に近づくにつれてファルセット成分多めの歌になってきていまして。そのなかで、普通に出せる音域をあえて裏声で歌う、みたいなお洒落な歌い方も上手く使えるようになってきたんですよ。他にもソロライブにダンスコーナーを作ったりと、“私だからできること”がわかってきたように思います。

――裏声については、何かきっかけが?

茜屋 実は元々、ちょっと前まで裏声の一部が出なかったんです。中学生の時にインフルエンザと肺炎に同時にかかった時に、無理して歌の練習をしてから出なくなってしまって。多分気持ち的に(裏声を出すのが)少し怖くなってしまったのもあってだと思うんですけど。でも前作「Side U (Prod. AmPm)」が「めっちゃサビ裏声やん!」みたいな曲で、その時に今のボイトレの先生と出会って練習して……良い意味でハードルを設けてもらえて、それを乗り越えたことで自由に歌えるようになったので、諦めなくて良かったなと思います。

――その取り組みを通じて、今ではひとつの武器になったわけですからね。

茜屋 はい。多分相談すればキーを下げてもらったり、全然やりようはあったと思うのですが、私はそれはしたくなくて。曲を作ってくださった方の意思も尊重したいし、何より作品のEDテーマなので、できれば自分で近づけて頑張りたかったんです。良い曲だから、それを表現することを諦めたくなかったんですよね。

――その「Side U」に続き、『MFゴースト 3rd Season』のEDテーマに起用されているのが、今回の表題曲「予感の途中 Prod. ☆Taku Takahashi (m-flo)」です。今回は初めて☆Taku Takahashiさんが参加されていますね。

茜屋 今までの2曲もAmPmさんの色が出ていてとても素敵だったんですが、今回はダンスミュージック的な要素が入っていて、最初に聴いた時は「めちゃくちゃかっこいい!これ、絶対に歌いたい!」と思いました。それに、今まで2作が夕暮れを連想させる曲だったのに対して、今回はより深い夜の時間帯が見えてきて。大人になった感じがするというか……なのでレコーディングがすごく楽しみで、聴いてすぐに「どうやって歌おう?」とワクワクしながら考えていました。

――そのなかで、割と具体的なアイデアも出てきていましたか?

茜屋 はい。やっぱり歌詞も、2-Aメロの“3秒黙った後”から“思っても、止められない”までの一連の流れとか、リアルに情景が浮かぶフレーズが多くて。私、少女マンガが大好きなので「めっちゃわかる!」と思いながら、歌詞をすごく楽しんでいました。「これ、付き合う前くらいの、恋愛で一番楽しい時間かな?」みたいな(笑)。

――それは『MFゴースト』のヒロインである、西園寺 恋とも結び付く要素でもありますね。

茜屋 そうですね。1st Season から徐々に徐々に距離が縮まってはいますけど、ギリギリあと一歩のところでとどまるもどかしさも強く感じました。それに、その他にも『MFゴースト』との繋がりは結構感じていて。物語が進むにつれて、主人公の(片桐)夏向くんの表情がちょっと優しくなっていたり豊かになっていたりしますし、恋ちゃんも昔よりも大人びたというか……その2人が同じようなタイミングで大事なことに気づいたりするところとのリンクを、すごく感じて。この曲も、前の2曲よりもちょっと距離が縮まったような感じがするので、作品と結び付く部分は結構あるように思います。

――そんなこの曲のレコーディングでは、特にどんなことを大事にされましたか?

茜屋 その距離の縮まりを表現できるように、全体的に囁くように歌ってみました。今までは“車の運転席・助手席”というイメージだったのに対して、今回は囁くだけで声が聴こえるくらい隣にいる、くらいのイメージで。余計なアレンジは加えず、本当に近くで言葉を喋っているように歌えたらと思いながらのレコーディングでした。

――となると、適度に肩の力を抜いた歌唱というのもポイントだったのでは?

茜屋 そうですね。実際すごくリラックスして歌ったんですが……実は私、このレコーディングの直前まで風邪を引いていまして。だいぶ治ってはいたんですけど「うわ、これはまずいかも」と思っていたくらい喉にもきてしまっていたので、そもそも声にウィスパー成分があったうえで歌ったんです。でも、自分が準備していたものとその時の声の調子が、ベストマッチしまして。結果的に、「これ良いんじゃない?」となったんです。

――奇跡的にそれが噛み合った、といいますか。

茜屋 そうなんです。それに風邪明けだったからこそ、「今さら何をどうあがいても、今日やるしかないんだ」といい意味で開き直れて、無駄な力が入らなかったのかもしれません(笑)。

――その力の抜け具合だからこその、ファルセットやミックス調の部分での歌声のきれいさを非常に感じました。

茜屋 自分でも「すごく良いものを録れたな」と思いました。こんなに裏声で歌っているのは、ソロでしか聴けないかもしれないくらいというか……本当に自由に、好きなように歌わせてもらいましたね。

――そのきれいさがあるからこそ、こういった楽曲に欲しい切なさも、歌声からも生まれていたように思います。

茜屋 私自身、歌っていて切なくなりましたね。自分の中にある少女マンガ由来のトキメキの知識や、小学校・中学校とかで片思いしてた人に「行きたいけど行けない……」みたいな子のじれったい感じを思い出したり。あとはドラマを観たりして感情移入するなかで感じた切なさみたいなものも出たらいいなと思って、ありったけの自分の知識を出していきました。

――ちなみにレコーディングには、☆ Taku Takahashiさんはいらっしゃったんですか?

茜屋 いや、実はまだ直接お会いできていなくて……ただ、先日Instagramで『MFゴースト』の映像と合わせてこの曲を投稿してくださって、その時「共同投稿者になりませんか?」みたいなご連絡をいただいたんですね。そこに私の歌のことなどコメントを書いてくださっていて、それで初めてコンタクトを取りました。

――レコーディング自体はご一緒できなかったけれども、そのメッセージの中で歌についての感想をもらえた。

茜屋 そうですね。「歌詞や歌の世界観を拾ってくださる歌声で……」みたいなことを書いてくださっていたので、「伝わって良かったな」って。こんなすごい方に書いていただけたのだから、私もちゃんと期待に応えたかったので、不安みたいなものが少しほどけたといいますか。「あ、良かった……!」みたいに、肩の力が一気にふーってなりました。

――お会いしないままの制作だと、そういう不安はありますよね。

茜屋 そうなんです。あとはミックスなどをおまかせするだけになってしまいますし、その後は世に出て皆さんがどう評価するかだけなので、ドキドキでした。

――そしてこの曲ではMVも撮影されました。冒頭からダンサー2人を従えてチェアに座りながら歌われている、非常にお洒落なものになっていますよね。

茜屋 私自身、ダンサーさんと一緒にMVを撮るということにすごく憧れていたので、そこが一番嬉しくて。撮影前から自分の中でイメージも湧いていましたし、ダンサーのお二人のダンスから着想を得て、現場でイメージが浮かんだところもあったんです。2コーラス目、ソファに座ってお二人が踊っているのを見ながらリップシンクをしているところなんかは、まさにそんなシーンでした。

――憧れていたとおっしゃいましたが、ダンサーさんが出てくるMVもソロでは初なんですよね。

茜屋 そうなんです。憧れもありましたし、ずっと1人だったから「寂しいな」と思って(笑)。あと、序盤の無機質な部屋の中というのもお洒落ですよね。

――お洒落といえば今回の衣装もですが、非常に大胆で。しかもMVの終盤ではその衣装で踊られていたので、初めて観た時は本当に驚きました。

茜屋 実は、元々は踊る想定じゃなかったんですよ。撮影の前日に「踊ってもらえませんか?」と連絡をいただいて、振付のビデオが送られてきまして(笑)。

――本当に突然。

茜屋 はい。「ひえー!」ともなったんですけど、今回は監督がかなりこだわりのある方で、世界観も全部絵コンテで出してくださったくらい熱意をもって取り組んでいただける方だったんです。それに、背景の壁などから私の好きな“古のエイベックス”を感じたりもしたので、「お洒落になるなら、ちょっと頑張ってみようかな」と思って。覚えるのに苦戦しましたが、ダンスシーンの撮影前のお昼休憩でダンサーのお二人に丁寧に教えていただいたおかげで、なんとか踊ることができました。

次ページ:カップリング曲は“今の自分”だから伝えられるファンへの前向きなメッセージ

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