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REPORT

2026.02.28

藍井エイルの今、そして未来を提示した――『Eir Aoi LIVE“BLUE FLAiR”FINAL』レポート

藍井エイルの今、そして未来を提示した――『Eir Aoi LIVE“BLUE FLAiR”FINAL』レポート

2026年2月23日、恵比寿ザ・ガーデンホールにて藍井エイルによる“BLUE FLAiR”がファイナルを迎えた。2025年3月、東京・EX THEATER ROPPONGI公演にてライブ活動を再開して以降、“BLUE FLAiR”冠したライブで、およそ1年間にわたって香港、広州、上海、台湾を巡ってきた藍井エイル。並行して“Animelo Summer Live”や“ナガノアニエラフェスタ”などのフェスにも精力的に参加するなど、その復活を世界中に知らしめてきた。そんな1年間の締めくくりともいえる本ステージ。この1年の集大成としてどんな景色を見せたのか。また、その先に見えた藍井エイルの新たなチャプターとはどんなものだったのか。衝撃のアナウンスもみられた一夜をレポートしよう。

TEXT BY 澄川龍一
PHOTOGRAPHY BY “SUGI” Yuya Sugiura

“BLUE FLAiR”の1年を、そして藍井エイルの15年を見せつけるステージ

この日の会場となった恵比寿ザ・ガーデンホールの長方形のフロアには、まさにすし詰めといわんばかりの観客がぎゅうぎゅうに埋め尽くされていた。国内でのワンマンとしてはおよそ1年ぶりとなるわけだが、この1年間で藍井エイルの存在、あるいはその復活が広く知れ渡り、それを直接目にしたいという期待がこのフルハウスという光景にも現れている。およそ15年前よりシーンに数々の名曲を届けてきた彼女が、FINALという場所で何を見せるのか――。開演前のフロアはどこか緊張感をはらんだ静寂に包まれ、独特な雰囲気となっていた。そして定刻と同時に会場が暗転すると、それがわっという歓声へと転じる。次にこの日のバンドメンバーがゆっくりとステージに現れると、ステージ後方に置かれた縦型のモニターには2025年3月以降“BLUE FLAiR”の模様が映し出されていく。そこからヘビーなギターサウンドのSEが流れるなか、この日の主役である藍井エイルがステージに現れ、いよいよ“BLUE FLAiR”FINALの幕が開いた。

オープニングSEに連なるようにバンドが鳴らしたのは、2024年にリリースした彼女の最新楽曲「POLYHEDRA」だ。最新の藍井エイルという姿で始まったそのステージは、アグレッシブなバンドサウンドと、それに呼応するような観客の熱のこもった歓声、青一色のペンライト、そしてそれを受けてステージ中央で堂々と立つエイルで構成されていた。幕を開けたセットの熱量を、そしてこれまでの道程をしっかりと踏み締めるように、激しさのなかに落ち着きも感じられる。のちにMCで「開演前まで緊張していた」と語っていたが、その表情は自信に満ちていて、会場の隅々まで見渡すようなそのまなざしには、改めてその復活を感じさせる力強さに満ちていた。

そんな独特の雰囲気でのオープニングのあと、観客の歓声と混じり合うようにエフェクトがフェードインする。次の瞬間にエイルが「AURORA」のフレーズを歌うと観客はさらなる盛り上がりを見せる。この日は、15年にわたるキャリアのなかで生まれた数々の代表曲を余すことなく披露する、いわばベスト盤的なセットとなっていた。そのため以降はイントロが鳴るたびに客席から歓喜の悲鳴が起こるという、これぞ藍井エイルのライブといった光景がみられた。その口火を切るような「AURORA」でエイル自身にも火がついたようで、ステージ上で動きを増して観客を煽っていく。そこから間を置かず「シンシアの光」でエモーショナルなメロディを歌ったあとは、ドラムのフィルインからライブアンセム「シリウス」を早くも披露。この日は出し惜しみなし、とでもいうかのような彼女からの表明に、観客もサビで拳を突き上げ“叶える”とシンガロングするというお馴染みの光景も見られた。

最初のMCでは、「シリウス」の時にタイミングが合わなかったライブのタイトルコールをやり直すという彼女らしい一幕を見せつつ、改めてこの日を迎えられた喜びを爆発させた。そこから続いては「みんなと私の繋がりの曲になります」と言って2024年の活動再開後初の楽曲となる「BEYOND GAZE」を披露。ミディアムテンポのなかでエイルの情感たっぷりな歌唱を堪能できる一曲だ。特に尻上がりに感情が高ぶらせながらの終盤のパフォーマンスは流石の一言。そこから壮大なサウンドのなか「GENESIS」へと続く。前曲で高ぶったエモーションはここで極まった感があり、エンディングのファルセットを含め、切なくもスケール感のある歌唱が実に素晴らしい。これぞ藍井エイルだ。そこからピアノの高速フレーズへとつながってロッキンな「心臓」で会場を再び沸かせたかと思えば、エンディングでステージ後方にあるお立ち台にのぼってデビュー曲「MEMORIA」を歌い始めると、一瞬息を呑むような静寂のあとに一気に歓声を放つ。やはりこの曲は、数ある藍井エイルの代表曲のなかでも特別だ。客席が一斉に白いペンライトで埋め尽くされる光景は幾度となく見たが、その光のなかで歌われるエイルの無垢な歌声は色褪せることはない。そんな神秘的な光景のあとには、躍動感あふれるビートが加わって「ラピスラズリ」へと繋がる。代表曲の連発という贅沢なセットに、加えて、エイルの歌唱もここでは情熱的に転じる。彼女の豊かな表現力が遺憾なく発揮され、前半のステージを終えた。

大成功のライブのあとに、エイルの口から語られた“未来”

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