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INTERVIEW

2026.02.13

TVアニメ『最強の王様、二度目の人生は何をする?』OPテーマも収録!世界的強豪eスポーツチーム「Cloud9 Esports Inc.」所属・KALAインタビュー

TVアニメ『最強の王様、二度目の人生は何をする?』OPテーマも収録!世界的強豪eスポーツチーム「Cloud9 Esports Inc.」所属・KALAインタビュー

カナダ出身のアーティスト・KALAから初の配信EP「SEKAI//DIVIDE」が届けられた。
TVアニメ『最強の王様、二度目の人生は何をする?』OPテーマ「KINGSBLOOD」を含む本作は、“分断され続ける世界”に対するKALA自身の視線に貫かれた作品。デジタルとアナログを融合させたヘビーなサウンド、日本語と英語を行き来するリリック、そして、鋭さ、パワー、エモーションを共存させたボーカルを含め、KALAの音楽的なスタイルを実感してもらえるはずだ。
世界的強豪eスポーツチーム「Cloud9 Esports Inc.」に所属するゲームプレイヤーでもあるKALA。そのユニークなキャリア、音楽との向き合い方、そして配信EP「SEKAI//DIVIDE」について聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之

プロのゲーマーからミュージシャンへの転生

――まずはKALAさんのこれまでのキャリアについて教えてもらえますか?

KALA どこから話せばいいか……。まず音楽については、子供の頃からずっとやっていて。今回のEP「SEKAI//DIVIDE」もこれまでの自分の人生の音楽が集まっているんですよね。日本で活動するきっかけとしては、rui(fade)さんがネットで僕の音楽を見つけてくれて、「日本に音楽を作りにおいでよ」と言ってくれたことが大きいです。もっと遡ると、過去には制作費を自分で負担して、セルフプロデュースのアルバムを作ったこともありますし、アメリカの有名な音楽プロデューサーと一緒に曲を作ってリリースしたこともあって。今回のEPは初めて生楽器でレコーディングしたので、自分にとっても新しいスタイルを提示できたと思っています。

――なるほど。KALAさんの音楽的ルーツは?

KALA 音楽に興味を持ったのは8歳の頃ですね。家庭環境がちょっと難しかった頃でもあって、音楽を使って自分の気持ちを整理したり、助けてもらったこともたくさんありました。その後、独学で音楽を学び、歌い始め、無料の音楽制作ソフトを使って、自分で曲を作り始めて。好きなアーティストは、まずはアメリカのポップパンク。グッド・シャーロット、ブリンク182などですね。あとはリンキン・パークなどのニューメタル。最近は日本のバンドにも興味があって、the GazettE、coldrain、Pay money To my Painなどを聴きます。日本のヒップホップも好きですね、千葉雄喜さんとか。

――一方でKALAさんはeスポーツチーム「Cloud9 Esports Inc.」に所属するゲームプレイヤーでもあって。ゲームも子供の頃からやっていたんですか?

KALA 3歳くらいからずっとやっていました。ゲームと音楽はずっと近くにあったので。ゲームをやりまくって、これを仕事にしようと思っていたら、親から反対されて。一応大学に行って就職もしたんですけど、すぐに会社務めが嫌いだとわかって、一時期はゲームにフォーカスしようと決めました。YouTubeやTwitchでゲーム実況の配信などをやりつつ、自分でe-スポーツのチームにアプローチして。Fnatic(ロンドンに本拠を置くeスポーツ組織)から声がかかったことをきっかけにプロとして活動するようになりました。

――音楽とゲームがKALAさんの両軸なんですね。

KALA 実はここ数年でそれが少し変わってきていて。以前は“ゲームはプロとしての仕事、音楽はパーソナルなもの”という感じだったのですが、3~4年くらい前から「音楽をただの趣味にしていたら、自分の人生において、やりたいことをやり切ることができない」と思うようになって。音楽を通して、もっと色んな人と繋がりたいという気持ちが出てきたんです。ゲームを完全に切り離したわけではないんですが、「ゲームプレイヤーとしてはこれ以上伸びなくてもいい。アーティストに比重を置きたい」という気持ちが強いですね、今は。eスポーツの状況の変化も影響しています。以前は「Heroes of the Storm」(ブリザード・エンターテインメント)のプレイヤーとして活動していたのですが、ブリザードがeスポーツの分野から撤退してしまったんです。その後はまたYouTubeやTwitchで配信していたんですが、対戦できないし、つまらなくなってしまって。就職していた時と同じような気持ちになってしまったんです。

「SEKAI//DIVICE」の背景にある“分断され続ける世界”

――なるほど。ではここからは配信EP「SEKAI//DIVIDE」について聞いていきます。今作はKALAさんのキャリアにおいてとても大事な作品になると思います。まずはタイトルの由来を教えてもらえますか?

KALA そのまま“世界が分かれている”という意味です。自分から見ると、今の世界は歴史上いちばん分かれている気がして。色々な場所で戦争が起きているし、SNSの影響によってネガティブなコメントが溢れている。そういう状況によって、あるべき自分になれない時代なのかなと。つまり「SEKAI//DIVIDE」は今の自分の気持ち、“こういうことが起きている”というステイトメントなんですよね。

――とても共感します。日本でも分断が進み、さらに煽られているので。

KALA 半年ほど前から日本にいますが、自分もそう感じています。北米も本当に色んなことがあって。もう笑うしかないという状態ですね。

――本当ですよね……。「SEKAI//DIVIDE」のサウンドは憂鬱を吹き飛ばすようなパワーがあって。制作はどのように進めているんですか?

KALA 曲によっても違うんですが、基本的には私とruiさんと、それからSugi(coldrainのギタリスト)さんの3人で制作しています。誰かがアイデアを持ってきて、ワンコーラス分のインストを作る。それがかっこ良ければ進めて、そうでなければ破棄するか、保留しておく。さらにSugiさんがギターのフレーズを入れたり、ruiさんが色々なプロダクションを重ねたり、3人でバトンタッチしながら進めていくことが多いですね。日本語の歌詞を入れる場合は、私が書いた英語詞をドラムのT2さんに渡して、「ここにこういう日本語を入れるのはどう?」とアドバイスをもらっています。

――1曲目の「DEFIANCE」はダンサブルなビートとヘビーなギターサウンドがぶつかり合うアッパーチューン。「DEFIANCE」は“反抗、抵抗”といった意味ですね。

KALA 「SEKAI//DIVIDE」というEPのタイトルとも繋がっているんですが、今、世界中で起きていること、それぞれが置かれている環境、嫌なことに対して「音楽で抵抗していきたい」という楽曲ですね。これまではずっと自分の声を抑えてきたし、何も言えなかった。それは邪悪なものが自分の声を奪っていたから。これからはもっと声を響かせようというストーリーです。“響かせて”という日本語の歌詞は、もともと“Let them here you sing”つまり“歌ってください”という英語だったんですよ。

――そして2曲目の「KINGSBLOOD」は、TVアニメ『最強の王様、二度目の人生は何をする?』のOPテーマとして大きな話題を集めました。

KALA この曲は元々“separation anxiety”(分離不安/愛着のある人や家から離れる際に感じる強烈な恐怖・不安)というタイトルだったんです。ロサンゼルスに住んでいた頃なんですが、カナダにいる兄が亡くなってしまって。ロサンゼルスから出られない状況で、お葬式にも行けなかったんです。自分の環境をコントロールできない状況、その時に経験した悲しみを表現したのがその曲だったんですよね。その後、ソニー・ミュージックのスタッフの方から「この楽曲をアニメのオープニングとして使いたい」と連絡があって。私は楽曲を書いた経緯を話してなかったんですが、元々のストーリーやメッセージを壊すことなく、(アニメのオープニング曲に合うように)もう一度歌詞を書き直すことは思ったよりも難しいことではありませんでした。というのは『最強の王様、二度目の人生は何をする?』自体、生まれ変わることをテーマにしたアニメだったからです。

――『最強の王様、二度目の人生は何をする?』は、富と名声を極めた王様が異世界の赤ん坊・アーサーとして転生し、前世で失った人との絆を学び直すストーリー。KALAさん自身も<この機会をいただいたとき、すぐに“最強の王様”の世界に深く没入しました。その物語と「苦難と勝利」というテーマに強く共感し、心を惹かれました><“転生”はフィクションの中だけのものではなく、誰もが体験できる力を持っています。あなたの中のヒーローを、決して死なせないで>とコメントしていました。

KALA そうですね。「KINGSBLOOD」というタイトルは、小さい頃から好きだった「World of Warcraft」というゲームに出てくる花の名前から取っていて。アニメでは王様が小さい子供として生まれ変わりますが、自分にとっては“ゲームプレイヤーがミュージシャンに転生する”という意味合いもあって。好きだったゲームに出てくるアイテムを題名にできたのは、我ながらパーフェクトだと思います。

――日本のアニメ―ションも以前から親しんでいたとか

KALA 大好きです。今ハマっているのは『葬送のフリーレン』。『東京喰種トーキョーグール」』などのホラーテイストも好きですし、ファンタジーや転生モノもよく観ますね。

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