INTERVIEW
2026.02.18
――シングルのカップリングには『Fate/strange Fake』絡みの2曲を収録。Lacoさんが歌う『Whispers of Dawn』のテーマソング「FAKEit」は、リアレンジバージョンになります。
澤野 シングルのカップリングはどうするかを考えた時に、表題曲は『Fate/strange Fake』のOPテーマなので、せっかくなので作品と関わりのある曲の方が喜んでもらえると思って収録しました。「FAKEit」に関しては、今までとはまた違った聴こえ方のものを入れられたらと思い、ボーカルデータは原曲と同じ音源を使っていますが、サウンドはリアレンジしました。
――リアレンジ版はパーカッシブなリズムが立っていて、よりトライバルになった印象です。
澤野 そうですね。原曲は結構打ち込みのリズムをベーシックに作っていたので、今回は藤崎(誠人)くんのドラムの演奏を押し出したアレンジにしていきました。パーカッシブにタムを回してもらうとより違いが出るかなと思ったので、そういう演奏をお願いして。あとはBenjaminとmpiに歌ってもらったラップのコーラスも、一回目のサビの部分はカットしてLacoさんのボーカルだけにしました。あのラップは原曲を作っていた時、デモの段階でサビにラップのループ素材を入れていたんですけど、その後にLacoさんが歌っているメインのメロディを作ったら、ラップを残した方がそのメロディも勢いが出て引き立つと思ったので、そのままBenとmpiにラップをお願いしたという経緯があります。
――もう1曲の「BELONG」も、今回はYosh(Survive Said The Prophet)さんが歌った原曲ではなく、Benjaminさんとmpiさんが歌うバージョンを収録しています。
澤野 これは2022年の年末に放送された『Fate』シリーズの特番(『Fate Project 大晦日TVスペシャル2022』)で、僕が『Fate/strange Fake』のために制作した楽曲のライブ映像を何曲か流してもらったことがあって、その時にBenとmpiに歌ってもらった「BELONG」が音源化されていなかったので、せっかくだからと思って今回のCDに収録しました。オケは原曲と同じです。
――「BELONG」はご自身のライブで演奏しているほか、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でもYoshさんと一緒に一発撮りのパーフォマンスを披露しました。ご自身のキャリアの中でどんな楽曲に育っている実感がありますか?
澤野 育ったというよりは、ある意味「BELONG」が自分の作りたいロックサウンドを追求してきた中での一区切りになる曲だった気がしています。当時はサーティー・セカンズ・トゥ・マーズ(30 Seconds to Mars)というアメリカのバンドにも影響を受けて、スタジアムロック感を意識して楽曲を作っていたんですよね。それ以降もバンドサウンドは大事にしていますが、海外で流行っているものを取り入れていくなかで、最近は打ち込みベースのサウンドを多く作るようになっていて。そんななかでも、やっぱり大きい会場でみんなが一緒に合唱できる曲が自分の理想としてあるので、今もそういう意識は常にあるかもしれないです。
――ありがとうございます。今回のシングルは『Fate/strange Fake』尽くしの一枚になりましたね。
澤野 『Fate/strange Fake』に関しては、僕はこの絵のテイストや世界観がめちゃくちゃ好きなんですよ。漫画をそのままアニメにしたみたいな質感があって、最近のアニメの絵のタッチとはまた別のかっこよさがあるので。僕自身も一視聴者として、今後その絵でアクションなどをどうハイブリッドに見せてくれるのか楽しみにしていますし、この『Fate/strange Fake』ならではの世界観を、僕が作った音楽も含めて視聴者の方に楽しんでもらえることを期待しています。
――2026年は本作のみならず、澤野さんが劇伴を担当する劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』の公開や、初のエッセイ「錯覚の音」など、大きなトピックが重なっています。本の執筆はどんな経験になりましたか?
澤野 自分が著書を出せる機会なんて滅多にないと思いますし、子供の頃からプロになるまでのことを自分の手で書くことができたのは、すごく重要な時間でした。普段のインタビューではあまり自分の心情や考えまで話すことはないですし、それを具体的に言葉にしてしまう怖さもありますけど、それも踏まえて出すことに意味があるのかなと思っていて。「澤野ってこういうやつなんだ」というのを踏まえた上で音楽を聴いてもらえたら、また聴こえ方も変わるかもしれないですし、その意味で、自分にとっては音楽を出すのと同等ぐらいの大事なものを出せたと思うので、興味を持ってもらえたら嬉しいですね。
――最後に2026年の抱負をお聞かせください。
澤野 2026年の抱負としては、[nZk]だけでなく、とにかく作った音楽を色んな形で放っていきたいです。『閃光のハサウェイ』に関しても、自分がプロデュースしているSennaRinとコンセプトEP『LOSTandFOUND』を制作しましたし、色んなプロジェクトに対して作った音楽を皆さんに届けて、それを踏まえた上でライブなども形にしていければと思います。
●リリース情報
SawanoHiroyuki[nZk] 14th Single
「PROVANT」
2月18日発売
【通常盤(CD)】

品番:VVCL-2844
価格:¥1,430(税込)
【期間生産限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:VVCL-2845~6
価格:¥2,200(税込)
<CD> ※通常盤・期間生産限定盤共通
01.PROVANT by SawanoHiroyuki[nZk]:Jean-Ken Johnny & TAKUMA
02.FAKEit by SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
03.BELONG by SawanoHiroyuki[nZk]:Benjamin & mpi
04.PROVANT (TV size)
05.PROVANT (instrumental)
<Blu-ray> ※期間生産限定盤のみ
01.PROVANT Music Video
02.TVアニメ「Fate/strange Fake」ノンクレジットオープニングムービー
©成田良悟・TYPE-MOON/KADOKAWA/FSFPC
澤野弘之オフィシャルサイト
http://www.sawanohiroyuki.com/
SawanoHiroyuki[nZk] オフィシャルサイト
http://www.sh-nzk.net/
澤野弘之オフィシャルX
https://x.com/sawano_nZk
澤野弘之オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/user/SawanoHiroyukiSMEJ
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