INTERVIEW
2026.01.02
『花とゆめ』で連載中の師走ゆきによる少女漫画『多聞くん今どっち!?』が待望のTVアニメ化!
アイドルに夢中な主人公の高校生・木下うたげは、推しへ貢ぐ資金のために家事代行のアルバイトをしていた。ある日、バイトで向かった先は、なんと推しのアイドルF/ACEのメンバー福原多聞の家!しかしそこにいたのは、ステージ上でのキラキラした姿とはまるで別人のような、自己肯定感ゼロのジメジメ陰キャな推しで……。
主人公のうたげを演じる早見沙織と、“裏の顔”をもつアイドル多聞を演じる波多野 翔に、本作の見どころや、アフレコ時のエピソード、そして自身の“推し”について語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 加賀谷優子
――まずは本作に出演が決まった時の感想をお聞かせください。
波多野 翔 オーディションを受けたときに、絶対に多聞くんを演じたいと思って挑んだので、出演が決まって本当に嬉しかったです。ただ、僕はTVアニメのメインキャラを演じるのが初めてなんです。とても素敵な作品で、共演するキャストの皆さんも豪華なので、僕が足を引っ張ってダメにするわけにはいかないので、緊張しました。どうやったら多聞くんの魅力が伝わって、今多聞くんを好きな方が、さらに彼を好きになってくれるかというのを考えたら、俺で大丈夫なのかなという不安もあり……。多聞くんは “表の顔”と“裏の顔”があるのですが、そうは言っても多聞くんは一人の人間です。だからそれぞれが別の人に見えないようにしたいとも思いました。
早見沙織 読者としてファンになってしまうくらい原作が面白い作品でしたので、そこに関われるのが嬉しかったです。原作の熱量が高く、テンポのいい会話劇がアフレコでどう作り上げられていくのかが楽しみでドキドキしました。
――原作も読まれていたとのことですが、原作や脚本を読んでどのように感じましたか?
波多野 僕の中では、男性アイドルのファンの女の子がヒロインという設定が新鮮で。多聞くんはネガティブになると、普段考えもつかないようなワードがどんどん出てくるんですが、それがページにびっしりと詰まっているんですよね(笑)。でも、ちゃんと少女マンガらしくキュンとできる場面もあって、たくさんの魅力があって面白い!というのが第一印象でした。
早見 「なんて面白い作品なんだろう!」ってびっくりしました。次にどうなるかが気になって、ページを進める手が止まりませんでした。多聞くんとうたげちゃんの関係はもちろんですが、ほかのキャラクター同士の関係性も気になりますよね。
――演じるときに大切にしたことを教えてください。
早見 うたげちゃんは推しの話になるとスイッチが入って、毎分毎秒で表情が変わり、多聞くんとF/ACEへの愛を全身で表現します。アフレコのときは体力と気力と自分の中にある熱いエネルギーを全開にして体当たりで臨んでいますね(笑)。その一方で、推しに荒ぶりつつも、ハウスキーバーとしての役割をまっとうするために頑張ったり、推しに対する線引きをしようと意識したりしている部分もあります。推しができたことで、“平坦”だった世界にめくるめくきらめきが広がって人生が変わっていった――そんな部分を声でも表現できたらいいなと思って演じています。原作の師走(ゆき)先生のワードチョイスや、絵柄とセリフの掛け合わせが本当に面白いので、アフレコしていても楽しいです。
波多野 多聞くんは頑張ってキラキラしている“イケ原くん”とネガティブになっている“ジメ原さん”の2つの顔があるんですけど、個人的にはネガティブなときのほうが多聞くんの素が出ているように感じています。多聞くんのネガティブなところの表現が面白くて。その表現に、多聞くんの思いや感情が詰まっているということを意識するようにしています。僕もネガティブ思考の人間なんで「多聞くんの気持ちはわかるよ」って思いながら演じていました。逆に“イケ原くん”のようなキラキラしたセリフは普段はなかなか言わないので、そこは頑張って演じました。“キュン”とさせるだけで終わるのではなく、“悶える”までいかないときっとダメだろうなと。そうじゃなかったらうたげちゃんの顔は爆発しないと思うんです。
――かなりのセリフ量だと思うのですが、アフレコ時のエピソードなどがあれば教えてください。
波多野 原作通り、台本にもセリフがびっしりありました。掛け合いが一番多い早見さんがフォローしてくださるので、とてもやりやすいです。暴走するうたげちゃんをちょっと引き気味で見ている多聞も好きですし、ネガティブ思考になっている多聞くんをうたげちゃんが励ましたり、逆に「そこまでは言ってないんですけど」ってうたげが冷静になったりしているドタバタ感も面白くていいですよね。演じているという感覚を忘れてしまうくらい、僕自身と早見さんとの会話に近いリアリティーさがありました。
早見 うたげちゃんは表情が1カットごとにくるくる変わっていって、1つのセリフに3つくらい表情があることもあるんです。テンポのいい作品なので、気持ちが置いてけぼりにならないように、必死で向き合っていますね。ただ、大変ではあるんですけど、うたげちゃんにとってそれは愛ゆえであり自然なことなんです。なので、私自身も多聞くんとF/ACEへの愛をマックスにして臨んでいます。マイク前で“イケ原くん”になっている多聞くんのボイスが聞こえてきたときは心の中で「ありがとう」って思っています(笑)。原作やアニメが持っている素敵な魅力がそうさせてくれるんですよね。実は、うたげちゃんが推している人たちがどんなグループなのか知りたかったので、アフレコ前に音楽のデータをいただいたんです。かっこよくって自然に覚えてしまったんですけど、ここに掛け声入れるのかな、とか収録にはまったく関係ない遊びをしていました(笑)。推しを持つ人ってきっとうたげちゃんに共感できる部分がたくさんあると思うんです。だから「これは私のことかな?」って感じてもらえたらいいですよね。
SHARE