INTERVIEW
2025.12.27
次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』の出発点にして、この10年、キラキラドキドキのバンドドリームを体現してきたPoppin’Partyが、通算21作目となるNew Single「Drive Your Heart」をリリースした。2025年は、2月に3rd Album『POPIGENIC』を届け、5月26日には自身3度目となる日本武道館ワンマン“Poppin’Party 10th Anniversary LIVE「ホシノコドウ」”を開催。さらに上海公演や「Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!”」出演など10周年のアニバーサリーイヤーに相応しい活躍ぶりを見せてきた彼女たち。その先に広がる新たな夢と未来が詰まった本作について、ギター/ボーカルの愛美(戸山香澄役)、ギターの大塚紗英(花園たえ役)、ベースの西本りみ(牛込りみ役)にたっぷりと語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子
――2025年、皆さんにとってどんな1年になりましたか? 10周年イヤーを駆け抜けてきた感想をお聞かせください。
愛美 ひさしぶりに「ずっとPoppin’Partyしてるな」って感じる1年でした。デビューから5年くらいまでは毎日濃密にPoppin’Partyしてたんですけど、「バンドリ!」にいろんなバンドが増えたこともあって、自然とライブ以外の活動が少し減っていた感じがしていたんですよね。なのでここ数年は、毎日メンバーと顔を合わせるというよりも、ライブの時に集まって「ヤッホー」みたいな感じで。でも、この10周年イヤーは「ぽぴばん!~ぽぴぱのばんぐみ~」(Poppin’PartyのYouTube冠番組)が再始動したり、ライブ以外の活動もたくさんあったので、ずっとポピパを感じることができて嬉しかったです。
大塚紗英 確かに「ぽぴばん!~ぽぴぱのばんぐみ~」もそうですし、トークイベント(3月20日に行われた「ポピパの新学期!」)とかも含めて、みんなでいつもの話をメディアの前でする機会が増えましたよね。ここ数年はバンド活動中心で、ライブのためにみんなで集まって話し合いやリハーサルすることは多かったですけど、ゆるっとした活動は昔よりも少なくなって。
愛美 「ポピラジ」(「バンドリ!ポッピンラジオ!」/2022年6月で放送終了したPoppin’Partyの冠ラジオ番組)大好きだったなぁ。私は結構「ポピラジ」で仲を深めあった自覚があるので。
大塚 わかります。なので今年はみんなでいろいろなことができて大塚にとっても嬉しかったし、やっぱりポピパは安心する場所というのを個人的にすごく感じました。このお仕事していると、いろんな現場に行くので「いつも通り」なことってあまりないなかで、「そのいつも通り」があるっていうのがすごく貴重でありがたいなと思いましたね。
愛美 おおー。さえチ(大塚)がそう言ってくれるのは嬉しいな。りみりん(西本)は、よく言ってくれているもんね。安心するって。
西本りみ そうなんです。私は人見知りで、人の輪の中に溶け込んでいくのが苦手だからこそ、帰ってきたときにどんな素の自分でも受け入れてくれる仲間がいるのがすごく心強くて。だから、ポピパの現場とか毎週のスタジオ練はいつも安心するんですよね。メディアを通してポピパの素のトークを聞いてもらえる機会は減りましたけど、会えばいつものポピパなんです。今年はそれを実感できる機会がすごく多かったです。
愛美 ポピパのトークや活動が増えることで、すごく喜んでくれる人もたくさんいた印象だったので、その意味では、ファンの皆さんに恩返しができているのかなっていうのを実感した1年でもありました。ショートアニメの『つれづれポピパ』も、ポピパメンバーの素みたいな日常部分の受けが良くて。なので私たちはそういうバンドなのかもしれないですね。キャラもキャストも!
――日常や素の温度感も含めて愛せるバンド、ということですね。10周年イヤーの中で、特に思い出に残っていることを挙げるとすれば?
愛美 いやー、やっぱり日本武道館ライブ(5月26日に開催された“Poppin’Party 10th Anniversary LIVE「ホシノコドウ」”)になりますね、私は。語り始めると日本武道館インタビューになっちゃうかも(笑)。
――その日本武道館公演の映像を収めたBlu-rayが、今回、New Singleと同時にリリースされますので、ぜひそのお話もお聞かせください。
愛美 2025年の上半期はこの日本武道館に向けていろんな調整をしました。ひさしぶりにライブ前に自分がヒリついているのを感じて。初めての日本武道館(2017年8月21日に行われた“BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017! at 日本武道館”)の時を思い出すくらい、自分の中で意識が研ぎ澄まされていたので、「ライブ前は絶対に心の余裕がないので、ちょっとスケジュール調整をお願いできませんか」って事務所に頼み込みました。
西本 そうだったんだ。
愛美 ソロアーティスト活動の方でも楽曲制作が続いていたので、その時期はレコーディングや作詞作業を入れないようにするとか、細かい調整を多方面でして。個人的にはそれが効果的に出たと感じていて、これまでのバンドリ!のライブ活動を踏まえて、ある程度の予測を立てられたのが良かったです。なので日本武道館は満足のいくライブができて本当に良かったです。
――ポピパの日本武道館ライブは、2017年、2019年に続いて3度目だったわけですが、やはり今回の公演に懸ける思いは強かったんですね。
愛美 10周年を背負ったライブでしたし、ファンの方も日本武道館に特別な思いを抱いてくださっているのはわかっていたので、相当なプレッシャーでした。10周年って、やっぱり特別なんだなって思いましたね。
西本 私もあいちゃん(愛美)と一緒で、日本武道館公演には並々ならぬ思いがありました。元々日本武道館という場所自体、私にとってはすごく特別な夢の場所でしたし、ポピパの単独としては約6年ぶり。もう立つ機会はないのかな?と思ったりもしていたので、決まった時はものすごい感情になってしまって。だからこそ絶対に後悔を1ミリも残さないライブにしたいと思って張り切って挑みました。だから、当時おへそくらいの長さまであったロングの髪の毛を、日本武道館のタイミングで牛込ちゃん(西本が演じる牛込りみ)の髪の長さまで切って、この10年を経て牛込ちゃんと一心同体になった状態で日本武道館に臨もうと決めて。
大塚 すごい覚悟ですよね。髪は女の命ですから。
西本 なかなか切るタイミングがなくて伸ばし続けてたら、いつの間にかバンドリ!声優で一番髪が長いんじゃないか、くらいになってしまって(笑)。牛込ちゃんへの愛と皆さんへの感謝も込めて、今だと思って切りました。自分の好み的に私服はロックに寄ることが多いので、牛込ちゃんのキャラとは乖離してしまうことが多いからこそ、この日本武道館は絶対に一心同体になろうと思って。
大塚 私は正直、最初は10周年を迎えられる想像がついていなかったんですよ。自分の場合はオーディションから参加させていただいて、ギターも演技も未経験の状態からのスタートだったので、10年後も同じ活動を続けている想像がつかなかったし、だからこそ、この10周年のライブのお話をいただいた時、自分の中でこれが最後になるかもしれないっていう怖さがあったんです。多分ファンの方にも感じていた人はいると思うんですけど、10周年は大きい節目である反面、そこで燃え尽きちゃうんじゃないかっていう怖さというか、ある種フィナーレみたいな感覚があって。
――なるほど。
大塚 なのでこの10周年ライブは、もしも最後になったとしても後悔したくない気持ちがすごく強くて、この2年くらいはずっと強い気持ちで活動に臨んでいました。実際に10周年ライブを終えた今、変わらないペースで活動を続けられているのは本当にありがたいことで、ファンの皆様のおかげではあるんですけど、今の未来があるかないかということが日本武道館にかかっていると思っていたので、応援してくださる皆さんにとっても満足いく日本武道館ライブにしたい思いが強かったです。
愛美 ファンの方だけじゃなくて、関わってくださるスタッフさんやコンテンツチームの方々にもいいライブだったと思っていただきたかったし、ポピパの未来を見せられるような、これからポピパとこんなことをしていきたいというビジョンを、10年経った今でも想像できるようなライブにしたくて。それはできたんじゃないかと思います!
大塚 めっちゃ話し合いをしたんですよ。日本武道館会議。何時間、何日にもわたって。
愛美 練習している時間よりも長かったかもね(笑)。演奏は個人で詰めるとこは詰められるので、どう見せるかっていうところをみんなで話し合って。
大塚 難しかったのが、ポピパの場合は、まずキャラクターがいて、アニメーションやゲームの世界観もあって、そのうえでリアルな活動もたっぷりしてきていること、多軸にわたってこの10年があるので、それをどう集約するのかっていう。それと楽曲も、かっこいい系からかわいい系、面白い感じとか、いろいろなタイプがあるなかで、ライブのカラーをどう作り上げていくのか、というのが会議の白熱ポイントでした。
――実際、どういう風に見せていこう、という結論になったんですか?
愛美 もちろん「感謝を伝える」というのは大前提なんですけど、自分たちにとってもご褒美ライブにしたい、というのがあって。それで1人1曲ずつ特別な思い出がある曲を選んだ“スターソング”というパートを作りました。本当は会議の時に、1人2曲ずつやりたい曲を挙げたんですけど……。
西本 そうそう、キャラとしてとキャストとして1曲ずつ。
愛美 でも、それでセットリストを組んだら収拾がつかなくなってしまって(笑)。なので「これだ!」っていう1曲に決めました。結果、ファンの方の嬉しい曲とリンクしたりもしたので、良かったなと思います。
――せっかくなのでBlu-rayの見どころポイントをお1人ずつ聞いてもいいですか?
愛美 「二重の虹(ダブル レインボウ)」で香澄(愛美が演じるキャラクター)が花道からメインステージに帰っていく時に、床に虹が現れてその虹を渡る演出があったんですけど、ぜひ観てほしいです。あの演出は、どのタイミングで虹を渡るかすごく協議を重ねたんです。香澄に注目が集まって大丈夫なベストタイミングとか、歌詞的に意味合いのあるポイントとか、すごくこだわったので。
西本 私はステージ上からあいちゃんが渡ってくるのを見ていた側なんですけど、めっちゃ綺麗だったんですよ。だから私もそこはぜひ観てほしいですし、あとはみんながサプライズで掲げてくれた10周年のおめでとうの紙。みんなは掲げてくれていた側だから、そんなにわからなかったかもしれないですけど、本当に一面ピンクで、ステージ上から見たら、愛しか溢れてないような景色ですごく綺麗だったんです。あの瞬間は、すごく嬉しかった場面の1つですね。
大塚 私はメンバーみんなの表情ですね。日本武道館ライブを3回もできることは本当にありがたいことですけど、回を経て、みんなの10年間やってきたことや考えてきたことが、本当に表情に出ているなって思いました。
西本 え、なんか私、めっちゃ恥ずかしいかも。確か日本武道館の日、どうしたん?っていうぐらいめっちゃテンション高かったから。メイク中もずっと1人でしゃべっていて。
愛美 そうそう。ずっとニコニコだったよね、りみりんは(笑)。元気で嬉しいなと思いながら聞いてた。
大塚 寝ないできたんだよね?
西本 そう、楽しみすぎて寝れなくて(笑)。遠足の前みたいな気分で、すごく嬉しくて、多分ライブ中もずっとテンション高かった。
大塚 それとやっぱり“スターソング”は見どころのひとつだと思います。5人で楽曲の世界観を表現しているなかで、メンバーそれぞれに明確にスポットが当たること自体が貴重で特別な演出だと思うので。
――大塚さんがセレクトした「Returns」では、ソロでの弾き語り演出もありました。
大塚 あの曲はTVアニメの2期(アニメ「BanG Dream! 2nd Season」)でおたえ(大塚が演じるキャラクター・花園たえ)がポピパに帰ってくるための曲として使われたもので、今までタイミングが合わずリアルライブでの再現が叶っていなかったんです。それを日本武道館という特別なライブで実現できたのも嬉しかったし、自分的にはおたえのセリフを言うのがめっちゃこだわりポイントで。絶対にアニメを再現したくて、劇中のセリフをそのまま言わせていただきました。
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