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REPORT

2025.12.27

“さらに前へと進み続ける”Ave Mujica——その過去と未来の交差点がここに“Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」”東京公演レポート

“さらに前へと進み続ける”Ave Mujica——その過去と未来の交差点がここに“Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」”東京公演レポート

2025年12月14日、“Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」”の東京公演が東京国際フォーラム ホールAで開催された。“Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」”は12月10日に両A面Single「‘S/’ The Way / Sophie」をリリースしたばかりのAve Mujicaの2025年の総決算にして、2026年の幕開けを飾るワンマンライブ。2025年12月14日の東京国際フォーラム公演に加え、2026年1月15日にはグランキューブ大阪 メインホールでも同名の単独ライブが実施される。その内容はラテン語で“さらに前へと進む”を意味する「Ulterius Procedere」の看板に偽りなし。東京国際フォーラムのステージに立ったドロリス(Gt.&Vo./CV:佐々木李子)、モーティス(Gt./CV:渡瀬結月)、ティモリス(Ba./CV:岡田夢以)、アモーリス(Dr./CV:米澤茜)、オブリビオニス(Key./CV:高尾奏音)の5人は、2023年のステージデビュー以来確かな足取りで前進を続け、今なおさらなる未来を模索し続けている。今回の公演ではその現在地を示す、盤石かつアップカミングなライブを見せつけてくれた。

PHOTOGRAPHY BY ハタサトシ
TEXT BY 成松 哲

縦横無尽なセットリストで会場の熱量は一気にピークに

この日、文字通りの“幕開け”を飾ったのはアモーリスのフロアタムだった。真紅のオペラカーテンで遮られたステージの奥から、深くディレイを効かせた低音を何度となく響かせた彼女がそのまま高速ジャングルビートを叩き出すと、ドロリス、モーティス、ティモリス、オブリビオニスがこれに合流。そして5人が「Choir ‘S’ Choir」のイントロを奏で始めたのを合図にカーテンがゆっくりと開くも、5人の姿はいまだに見えず。彼女たちからの自己紹介とばかりに、オペラカーテンの向こうに張られていた透過型スクリーン越しにそれぞれのシルエットが順々に映し出されていく。いかにもAve Mujicaらしい、妖しげでミステリアスな演出と共に年内最後の公演をスタートさせた。

グリーンとレッドの照明に照らされながら「Choir ‘S’ Choir」をプレイした彼女たちは、間髪入れずにアモーリスのボトムヘヴィな16ビート、ティモリスが牽引する弦楽器隊のワイルドでグルーヴィなリフ、ドロリスのリズミカルなボーカルが混ざり合う「顔」へとリレー。まずはヘビーメタルバンドならではのダンスナンバー2曲で客席のご機嫌をうかがった。

ところが、その後は1曲ごとに方向性が振り切れた楽曲群のつるべ打ち状態に。その音色、フレーズ共にゴシックなオブリビオニスのリードシンセが楽曲を彩る「ふたつの月  〜Deep Into The Forest〜」では彼女とドロリスがセクシーに視線を交わし合い、「黒のバースデイ」では正統派ハードロックアレンジに乗せ、キャッチーなボーカルとメロディアスなコーラスが掛け合わされると、真摯になにかに祈りを捧げるかのようなドロリスのパフォーマンスがオーディエンスを魅了。そこにモーティスのダーティなアルペジオと、タッピングも交えたドロリスの単音オブリガードのコンビネーションが寂寞感を煽った「Symbol IV : Earth」が続く。その冒頭のエモーショナルながらも正確にビートを刻むアモーリスのドラムソロが生み出した大歓声を背に、モーティスとティモリスがステージ最前列へと歩を進めながら、ドロリスとオブリビオニスと共にテクニカルなユニゾンリフや強烈なブレイクダウンを繰り出した「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」を畳みかける。これに客席は即座に呼応。ときに「ハイ!ハイ!」とのコールと共に無線制御式リストバンド型ライトを巻いた腕を高々と突き上げ、ときにはバンドの放つ8ビートにステップを踏み、またときには悲しげなバラードに大きな拍手を贈ってみせ、バンドの仕組んだ変幻自在のセットリストを巧みに乗りこなしていた。

そしてひとときの暗転ののちにもAve Mujicaは極から極へと突っ走る。ドロリスがいつもの7弦ギターからアコースティックギターへと持ち替え、オブリビオニスがピアノを奏でると、フォーキーなサウンドを響かせるバラード「Imprisoned XII」でまたも万雷の拍手を集める。さらにはオブリビオニスのドリーミーなピアノに乗せてドロリスがセリフ交じりのリリックを切々と歌い上げるシアトリカルな「碧い瞳の中に」を初パフォーマンス。そして妖しげなメロディとダンサブルなビートが印象的な「八芒星ダンス」と、複雑に変化し続けるリズムに乗せてどこまでもポジティブなメッセージを届ける「天球(そら)のMúsica」という、ヘビーメタルに軸足を置きつつもそこから延長線を引っ張りに引っ張った先に辿りついたのだろう“Ave Mujica流メタル”を2連発してみせる。「八芒星ダンス」ではギターを降ろしたドロリスが側転を織り交ぜたハードなダンスと共に「Jump!」と挑発すると、跳ねるオーディエンスたちが文字どおりホールを揺らす。「天球(そら)のMúsica」ではその“let’s sing along    let’s sing along”のリリックの通り、5つのミラーボールがホールいっぱいに光を乱反射するなか、バンドとオーディエンスで“ゆこう  明日へと  美しい時代(とき)よ”の大合唱を響かせていた。

“さらに前へと進む”姿を予見させる怒濤のパフォーマンス

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