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INTERVIEW

2025.11.28

挑むは世界へ!相羽あいな・工藤晴香が語る、Roseliaが築き上げてきた王道と新たな挑戦――18th Single「Steadfast Spirits」インタビュー

挑むは世界へ!相羽あいな・工藤晴香が語る、Roseliaが築き上げてきた王道と新たな挑戦――18th Single「Steadfast Spirits」インタビュー

次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』発のリアルバンドとして、その原点であるPoppin’Partyと共に、黎明期より作品の人気を牽引してきたRoselia。不可能を可能にする“青い薔薇”の信念のもと、これまでも幾度となく大きな挑戦に取り組んできた彼女たちが、通算18枚目となるNew Single「Steadfast Spirits」をリリース。そして、自身初となるアジアツアー“Roselia ASIA TOUR「Neuweltfahrt」”を、11月22日の大阪公演よりスタートさせた。今回の新曲は、スマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のシナリオと連動しつつ、いよいよ5人で世界に打って出るリアルバンドとしての想いにも重なるもの。頂点の夢に向けて羽ばたくバンドの今と、Roseliaにかける覚悟と信念について、ボーカルの相羽あいな(湊友希那役)とギターの工藤晴香(氷川紗夜役)に語ってもらった。

※本記事ではRoselia ASIA TOUR「Neuweltfahrt」に関する一部ネタバレを含んでおります。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 堀内彩香

“不屈の精神”と“世界”へ挑む覚悟を込めた、王道と決意のナンバー

――早速ですが、まずは新曲「Steadfast Spirits」の印象についてお聞かせください。

相羽あいな やっぱりギターの印象が強いですね。イントロはギターで始まって、アウトロもギターで終わりますし。この曲は『ガルパ(バンドリ! ガールズバンドパーティ!)』のシナリオ(イベント「果てなき距離の、その果てへ」)に合わせた楽曲なんですけど、そのストーリーが(氷川)紗夜にフォーカスした内容だったので、それも関係しているのかなと思っていて。Roselia全体の精神的な成長を描いたお話でもあるなかで、紗夜が妹の日菜との関係性に改めて向き合うことで前進するんですよね。そのストーリーとのシンクロをすごく感じました。

工藤晴香 確かに。ギターがガツンとくる感じだもんね。『ガルパ』あるあるとして、そのシナリオにフィーチャーされているキャラクターが楽曲のアレンジに関わることが多いんです。歌詞も、特に2番の“暗闇で磨き続けた音は”や“積み重ねてきた数々の想いは”というフレーズは、今まで紗夜が歩んできた道をすごく象徴しているなと感じて。余談ですけど、コーラスのレコーディングの時にいただいた仮音源は打ち込みがメインだったので、あんまりギターが入っていなかったんですよね。なので紗夜のイベントストーリー曲っぽくないなと思っていたら、完成版はめちゃめちゃギター曲になっていたので、これはライブでやりがいがあるなと思いました。

相羽 ライブで絶対に盛り上がる曲だよね!“(Wow wo wow)”とか“(Show me)”のところは、皆さんにもぜひコールしてほしい。ちなみにサビの“We’ll not give in”のところはメンバー全員で歌っているんですよ。

工藤 そういう部分もみんなで一緒に歌ってほしいよね。あと、この曲はメインボーカルも歌うのが楽しそうだなと思いました。ライブのリハで初めてこの曲の音合わせをした時に、楽器隊は正解を探る感じで少し迷いも見えるなかで、相羽さんだけ最初から迷いなく歌っていて、私、めちゃくちゃ感動した。

相羽 それで言うと、この曲はRoseliaとしての“THE 王道”みたいな曲なので、気持ちを入れやすいんですよね。全体的に重めの音で肝が据わっているなかで、ボーカルは高いところもあって、感情の置き方としても「どこまでも進化していく」って覚悟を決めた感じがあるので、歌っている時に迷いはなかったかも。久しぶりの王道曲、来たなって思います。

工藤 今回のシングルは2曲ともそういう感じだよね。

――タイトルも直訳すると“不屈の精神”ですし。そういったRoseliaとしての王道感は、今の『ガルパ』のストーリーで描かれているバンドの状況と重なる部分もあるのでは?

工藤 確かにそれはあるかも。ストーリー的には、メジャーデビューしてプロになり、2ndアルバムも好評のなかで、ツアーに向けてニューシングルを制作するという話の流れがあって。

相羽 そんななかで(湊)友希那が曲を作るんですけど、紗夜の気持ちの前進もそうですし、(白金)燐子も(宇田川)あこも(今井)リサも、それぞれがRoseliaに対して覚悟を決めていて、新しいフェス「Cross×Point Fes.」にみんなで挑戦するという話になった時に、友希那は今の楽曲ではみんなの覚悟に応えられないと思って、シングル曲の書き直しを提案するんですよね。そうして出来上がったのが今回の「Steadfast Spirits」という曲で。だからこそ、より強く、絶対に負けないという想いが込められているんだと思いますし、友希那もメンバーからすごく大きなものをもらっているんだと思います。

工藤 書き直して正解です!

相羽 本当に。『ガルパ』の最初の頃と比べると、みんなのRoseliaとしてやっていきたい想いがめちゃくちゃ強くなっているよね。最初の頃はみんな高校生と中学生で、「FUTURE WORLD FES.」出場を目標にしていたけど、今やプロになって、それぞれが試練と戦いながら、バンドと向き合っている。もちろんいまだに落ち込んだりすることも踏まえたうえでの今回の歌詞だと思うので、成長してきたからこその楽曲だと思います。

――そこであえて原点回帰的な王道曲を持ってくるのもかっこいいですよね。工藤さんは、先ほど歌詞に紗夜らしさを感じるとおっしゃっていましたが、紗夜のどんな心情に寄り添っていると感じますか?

工藤 紗夜は妹の日菜に対してずっとコンプレックスを抱いていて、それを象徴するのが「私にはギターしかないの!」というセリフだと思うのですが、その中でRoseliaと出会って、自分の音を見つけるために突き進んできて、新しく「日菜と同じステージに立ってギターを弾きたい」という目標ができて。今回の楽曲はそこに向けてのものだったので、新しい目標に迷わず突き進んでいく決意をすごく感じましたし、個人的には「その目標が叶ってしまったら紗夜はどうなってしまうんだろう?」って、ちょっと怖くなりました。実は先日、新しいシナリオ(イベント「交差点、ふたつ星が笑って」)でその目標は叶ったんですけど、ファンの方からも「おめでとう」という声が多くて。何よりも一番幸せなのは紗夜と日菜なので、やっぱり良かったなと思いました。

相羽 本当に良かったし、さらにこの曲が好きになった。

工藤 紗夜の目標は叶ったけど、それでもRoseliaとしての誇りを忘れずやっていくという意志がさらに強くなっていて。これからもこの曲や今までの楽曲に背中を押され続けるんだなって思いました。

――その意味では、1番Aメロの“信じることから 信じ合うことへと”という歌詞も、メンバーたちの成長を感じさせてグッとくるポイントです。

工藤 歴史の流れというか、信頼関係がより深まってる感がありますよね。5人で1つ感が強まってる感じがする。

相羽 そうだよね。歌詞も最初の頃と比べると“私たち”という言葉が増えていて、「みんなで一緒に行きたい」ということを歌った楽曲が多くなったように思います。

工藤 Roseliaの楽曲は基本、(作中の設定では)友希那が書いているんですけど、最近は他のメンバーが楽曲や歌詞を書くことも出てきたので、そういう意味でも、お互いを信じ合う感じになっているのかなって。

相羽 1年目にこの曲は絶対合わないもんね。説得力がない。

――作中のメンバーの絆が深まっているのはもちろんですが、キャストの皆さんの成長や進化とも重ねられる部分があるのではないでしょうか。それこそお二人はバンドの立ち上げ時から9年近く活動を共にしているわけですが。

工藤 9年前の自分たちは、今みたいなライブは絶対できなかったもんね。

相羽 今はモニターでみんなの音を聴けるようになったし、ステージングでの目配せとか、なんか変わったよね。

工藤 うんうん。前は自分のことでいっぱいいっぱいだったんですけど、もっと広い視野で見られるようになったのが大きいですね。

相羽 あとは去年に開催したツアー(“Roselia LIVE TOUR「Rosenchor」”)の影響が大きかったと思います。定期的にリハはしているものの、やっぱりライブの中でしか得られないものがあって、例えばミスした時にどう切り返すかとか、対応力が全国ツアーで身についたと思います。ツアーは各公演のスパンが短かったので修正しやすいし、上手くいっている時の気持ちの保ち方やペース配分とかもそれぞれわかってきて、視野が広がる余裕ができたのかなと思います。

工藤 昔だったらライブの1週間前なんて不安でしょうがなかったですけど、今はみんな結構どっしり構えていて。

相羽 それは「何かあってもなんとかなる」っていう、メンバーみんなに対する信頼感が増したのも大きいと思うんですよ。例えば、YouTubeに公式の動画(https://www.youtube.com/watch?v=59kPRviWjAo)が上がっていますけど、(“Roselia LIVE TOUR「Rosenchor」東京公演 -Final- DAY2”の)「FIRE BIRD」の途中で私のマイクの音声が切れてしまった時も、そこで演奏を止めるっていう選択肢はなかったので。

工藤 ね。

相羽 「絶対になんとかなる!」と思ったので、焦ることなく「マイクが違います」ってジェスチャーで指示して。前だったらもっとワタワタしていたと思いますけど、今はメンバーもきっと慌てないだろうなっていう気持ちがあります。

工藤 確かに。あの時も「トラブってんな。まあ、なんとかなるでしょう」みたいな感じでしたね(笑)。

相羽 なおかつ、そこですごかったのは、ファンの方も助けてくれたんですよね。みんなが大声で歌ってくれて。あれはメンバーだけでなく、みんなが作ってくれた絆だなと思いました。

工藤 今までの集大成みたいだったよね。「FIRE BIRD」が完成した!って思ったもん(笑)。

――まさに歌詞の“信じることから 信じ合うことへと”を、リアルのメンバーでも体現されているんですね。

相羽 そう、もうここに書いているんですよ、“信じることから 信じ合うことへと 此処に生まれゆくは 代え難い絆”って(笑)。それとRoseliaは青薔薇がモチーフなので、“咲き誇る”というフレーズが入っているのもポイントで。今までもそういうワードが入っている曲が多いので、より王道感が出ていると思います。

――それで言うとサビの“We’ll not give in 挑むは世界へ”というフレーズは、初のアジアツアーを控えているリアルバンドの皆さんに向けた言葉でもあるのかなと思いました。

相羽 そうなんですよね。この曲に限らず“世界”というキーワードはRoseliaの楽曲の中で増えてきていて。それこそ「FIRE BIRD」でも“歌え新世界へ”と言っていますし。

工藤 多分、“薔薇”に次ぐくらい登場頻度が高いんじゃないかと思う。

相羽 それは、色んな形で世界中の人にRoseliaの曲を知ってもらいたいという思いの表れでもあるだろうし、自分たちの新たなステージを“世界”と表現しているのかなと思っていて。この楽曲はアジアツアーのために作られたわけではないですけど、“挑むは世界へ”なので、その意味も入ってるように受け取れますし、作中のRoseliaももしかしたら世界を目指すような展開になるのかもしれないですし。

工藤 そうだね。『ガルパ』内の我々にもぜひアジアツアーのオファーが来てほしい!

――ちなみに相羽さん、この曲のレコーディングはいかがでしたか?

相羽 この曲は、自分が持っていったものをそのまま歌わせてもらいました。そもそも私はレコーディングの時、「こういう感じはどうですか?」というのを2~3パターン出したうえで調整していくことをよくやるんですけど、この曲の場合は「私はこうだと思っているんです!」とお伝えしたものが「あ、そうですね」ってすんなりと受け入れてもらえて。なので方向性がすぐ決まりました。

――その方向性というのは?

相羽 もう、力強く迷いなく覚悟を決めて歌います!みたいな。他のRoseliaの楽曲で言うと、例えば「礎の花冠」みたいに優しくて爽やかな曲調の時は、レコーディング前にどれくらいの力加減で歌うかの調整をするんですよ。でも、この曲は本当に迷いなく、スパッてそのまま行けた楽曲でした。あとは気持ちの切り替えがわかりやすい曲なので、ライブで歌うとしたらどんな表現ができるか想像しやすかったです。それと最後の“Fly free now”というフレーズを歌うのが、とにかく気持ちいいです(笑)。いつものRoselia曲に比べたらベースラインが低いので、その後にスカーンって高い音を歌えるのは、カラオケとかで歌っても楽しんでもらえると思います。

――カラオケで歌う時のコツはありますか?

相羽 もう迷いなく歌ってほしい。

工藤 素晴らしい!(パチパチ)。

相羽 己を信じて、自分はかっこいいんだっていう自信を持って歌ってほしいですね、この曲は。

――では工藤さん、この曲のギターを弾きたい人へのコツや、ご自身が演奏するうえで苦労したポイントはありますか?

工藤 この曲、暗譜がめちゃ大変で。アウトロとかも転調しているので、難しい分、やりきった時はめっちゃ達成感を味わえる楽曲だと思います。それと一番こだわったのはイントロ。このアジアツアーのセトリの中で一番最初に練習を始めました。私、最初はこの曲アジアツアーでやらないと思ってたんですよ。

相羽 そうだ!本当は別の楽曲をやる予定だったんですよ。

工藤 でも、プロデューサーがこの曲にめっちゃこだわりを持っていて。それこそ歌詞に“挑むは世界へ”というフレーズがあるので、「これをやってほしいんです!」と言われて。あとはリリース時期が近いというのもあって、メンバー全員が「あ、じゃあ……」という感じで練習し始めたら、みんなこの曲が大好きになって。

相羽 いや、この曲、本当にメンバーの演奏がめっちゃ良くて。もちろんCDの音源もいいですけど、ライブの生音を聴いたらマジで印象が変わると思います。これは絶対に生で聴くべき!

工藤 ね。この曲は絶対に化けると思う。

9年活動を共にしてきた2人が語る、Roseliaであり続けるための“信念”

――「Steadfast Spirits」の曲名にちなんでお伺いしたいのですが、お互いに対して“不屈の精神”や“揺るぎない信念”を感じる瞬間はありますか?

相羽 なんだろう?でも、やっぱりそれぞれの正義感を持って活動しているなとは思います。

工藤 確かに。しかもこの2人は似た正義感を持っているのか、「え?」って思うポイントが一緒なんですよ。

相羽 そうだね。何かしらのことを感じた時は、お互い静かに顔を見合わせて「……同じ気持ち?」って確認することがよくあって(笑)。

工藤 わかる!9年前に初めて出会った時からずっとそうなんですけど、「Roseliaってこうだよね」という明確なビジョンがお互いにあって、それが多分一緒なんですよ。なおかつ、それをずっと貫き通してきている。色んな人が関わっている現場なので、時には違う意見を言われることもあるなかで、私と相羽さんは折れずにずっとそれを突き通してきて。で、最近になって、ようやく「私たちが言い続けてきたことは間違ってなかったよね」っていう会話をしました。

――その「間違ってなかったもの」とは具体的に何でしょうか?

工藤 それはやっぱり、キャラクターとの向き合い方です。私たちは最初に「キャラクターと声優がリンクするリアルライブ」を押しにしていきたいという説明を受けて、今までずっとそれをベースに活動してきたので、ライブのMCはキャラクターとして行っていますし、幕間映像もキャラクターでやるというのが前提としてあって。その中で「ライブではそこまでキャラクターを見せなくてもいいんじゃないか?」とか「もっとプロ志向の活動を目指すべき」みたいなご提案をいただくこともあったのですが、「ごめんなさい、そこだけは譲れないです!」というのを貫き通してきて。

相羽 それで言うと一番わかりやすいのは幕間映像の「キャラくず」ですよね。でも、私たちにしかできないもの、作り上げてきたものは何なのかを考えた時に、大事にすべきものはあるのかなと思っていて。他の『バンドリ!』のバンドの見せ方は置いておいて、うちらが完全に台本ありきでキャラクターを演じたら、多分、私たちの良さは出ないと思うんですよ。

工藤 そのやり方で良さが出るバンドもいるんだよね。

相羽 そうそう。でも、私たちはキャラクターを背負いながらもアドリブで自由に喋るというのをやってきたので、それを今なくしたらライブの雰囲気も変わってしまうと思うんですよね。プラスして、そのやり方だからこそ、お客さんと会話できるというのもあるので、そういう譲れない部分を含めて話し合いを重ねながら、今までライブを作ってきて。それで言うと今回のアジアツアーも一部、これまでと変えた点があるんですけど、自分たちのベースはなるべく崩すことなく新しい挑戦をしていければと思っています。これまでライブで起きた出来事やハプニング、『ガルパ』のストーリーに反映されないかな?(笑)。

――リアルバンドのエピソードを逆輸入するわけですね。

相羽 それこそ『ガルパ』のストーリーで、Roseliaのメンバーとスタッフが揉めるみたいな話もありましたけど、他のバンドのストーリーも含めて、『ガルパ』って結構リアルなバンド活動の事情を書いていたりするんですよね。そう思うと、うちらのリアルストーリーもいつか入れてもらえると……。

工藤 アハハ(笑)。でも、うちらがブレブレだったら、きっと今のRoseliaはなかったよね。

次ページ:『ヴァンガード』タイアップだからこその熱を纏う、もう一つの王道曲

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