2025年10月10日にClariSによる「コネクト -season 03-」が公式YouTubeチャンネルにて公開された。2011年にリリースされたClariSの代表曲である「コネクト」の、新体制でのセルフカバーとなった本作だが、今回は3人が出演したMVの収録にリスアニ!編集部が密着。2日間にわたって行われたシューティングの模様を追いかけた。ClariSの代表曲のMV、それは同時にクララ、エリー、アンナの3人が新体制ClariSとして集結する過程を描いた、”今のClariS”を映し出すものでもあった。
TEXT BY 澄川龍一
2025年9月某日。
2日間に渡るClariSの「コネクト -season 03-」MV撮影、その初日はMVでいうところの後半のシーンを中心に野外でのシューティングが行われた。ロケの舞台となったのは長野県・霧ヶ峰の大草原。この日の天候は晴れ、秋の心地よい風が吹く広大なロケーションのなかでの撮影となった。
午前中にClariSのメンバーが到着すると、早速撮影に向けての準備が開始され、まずは個々のメンバーによるソロカットからの収録となる。子供の背丈をゆうに超えるススキがうっそうと茂った草原をかき分けるようにして撮影場所に進んでいくと、すでに収録スタッフが撮影の準備を整えている。
午後12時、いよいよ「コネクト -season 03-」MV撮影がスタート。まずはエリーのソロカットから始まった。今回のMVのおおまかなストーリーはそれぞれ別の場所にいたクララ、エリー、アンナの3人が、ソウルジェムを思わせるペンダントの輝きに導かれるように集結していくというもの。まるで、今年1月にお披露目となった新体制ClariSが生まれるまでのエピソード0を見るような構成である。そのなかでMVの監督から個々にディレクションされていたのは、今のClariSになる前の3人がそれぞれ抱える内面を映し出すような、各々の表情というものをフォーカスした撮影であるというもの。それに応えるようにエリーは木の下に座って、主に2番のAメロから自身のパートを口ずさみながら、カメラを見つめたり遠くを見つめたりとさまざまな表情を見せていく。すでに「Umitsuki」でMV撮影の経験はあるものの、その表情は今年活動を始めたばかりとは思えない豊かなもので、あどけなさのなかにもたしかな成長を感じさせるものだった。また今回のMV衣装である白いワンピースにヴェールを羽織ったルックスは、広い草原のロケーションにもぴったりで、穏やかな風に衣装や髪が揺れる幻想的な光景に、スタッフからも思わず「妖精みたい」という称賛が相次いだ。
エリーのソロカットから1時間後、続いてはクララのソロカットへと移行。場所を写して、ススキが生い茂るなかでの撮影となった。風に揺れるススキのなかで立つクララが、同じく白い衣装をたなびかせて見せるリップシンクや物憂げな表情、そして笑顔といったさまざまな表情は、1stテイクから「完璧……!」との声がスタッフから溢れるほど。また時折雲にかかった太陽が顔を出すまでの待ち時間も集中力を切らさずにテイクを重ねていくクララに、最初の撮影を終えたエリーとすでにメイクを完了したアンナもまた感嘆の声をあげていた。モニターを眺めながらふたりは顔を合わせて「すごいね……!」とクララの神秘的な姿に感想を述べながら、互いに「……私たちも頑張ろう」と漏らしていた姿が印象的だった。この日に限らずMV撮影では、ソロカットでもメンバーがほぼ帯同しており、自分の出番以外でも他メンバーの動向をしっかり確認していた。特にクララは、エリーとアンナの動きを見ながら時折アドバイスを送るなどの気配りを見せていた。かといって撮影中は緊張感たっぷりというわけではなく、メンバーが自前のカメラで他メンバーを撮影するなど、終始和気藹々とした雰囲気で進んでいたのもまた印象的だった。
そうした実にいい雰囲気のなかで行われたこの日のソロカットの最後を飾ったのはアンナ。エリーとクララの撮影を見ていたこともあってか、さまざまな表情を見せながらスムーズに撮影を進めていく。そのなかでもやはり彼女の特徴といえばその笑顔。カメラに向かって微笑む姿は観るものを一気に引き込む魅力があるが、その笑顔も含めた表情をテイクごとに試行錯誤しながらいくつものパターンを見せていく。ここもまたエリーと同様にまだ1年目とは思わせない引き出しを見せていきながら、またあらたなアンナの魅力を見せていった。「Umitsuki」でも個々の表情がよくわかるソロカットは多く使用されていたが、そこから短いスパンのなかでClariSとしての経験を積むことで大きな成長を遂げたのだと感じさせる、個々の表情の深みを感じさせるシューティングとなった。
そしてソロカットを終えたあとは、この日のクライマックスとなる3人でのダンスシーンだ。MVでいうところの最後のサビでのシーンとなる。このあたりになると時間も夕刻に差し掛かり、外ロケの大敵でもある日没という時間との戦いとなる。スタッフは急いでセットチェンジを行い、ソロカットから離れただだっ広い草原でセッティング、3人も立ち位置の確認を急ぐ。またここでの撮影がドローンでも行われるため、その準備も含めて急ピッチで行われていった。日没が迫るなか、重ねられるテイクもわずかというなかで、撮影はスタート。ドローンで広く撮影されるため、収録スタッフは映り込まないように彼女たちから遠く離れたところでその動きを見守っていた。そしてテイクを終えるとすぐさまチェックが入り、立ち位置から振り付けの、指先までの細かなところまで修正を指示、そのまま次のテイクへ……と迅速な収録が進んでいく。おそらく、この2日間でもっとも緊張感のあるシューティングはここだった。日没のギリギリまで行われた撮影は無事納得のいくテイクが収められ、3人のダンスパートは完了となった。
最後は沈みゆく夕日を眺める3人の晴々とした表情を収めたあと、3人が手を繋いで歩いていくという「コネクト -reformare- Music Video」を思わせるシーンを撮って、監督からこの日の撮影の終了が告げられる頃には、辺りは真っ暗となっていた。メンバー・スタッフともに撤収をして翌日の撮影に挑むために撮影場所から退去という、あっという間の撮影初日となった。
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