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REPORT

2025.10.11

多彩なゲストを迎え、ヒット曲たっぷりの大盤振る舞い! 2日間でガラリと違うセットリストと豪華な演出で、自身の“アニソン人生”をファンと辿り、未来に繋げた“オーイシSSA 〜オーイシマサヨシ ワンマンライブ at さいたまスーパーアリーナ〜”をレポート!

多彩なゲストを迎え、ヒット曲たっぷりの大盤振る舞い! 2日間でガラリと違うセットリストと豪華な演出で、自身の“アニソン人生”をファンと辿り、未来に繋げた“オーイシSSA 〜オーイシマサヨシ ワンマンライブ at さいたまスーパーアリーナ〜”をレポート!

2025年9月27、28日。埼玉県・さいたまスーパーアリーナにて開催された“オーイシSSA 〜オーイシマサヨシ ワンマンライブ at さいたまスーパーアリーナ〜”。2014年「君じゃなきゃダメみたい」で鮮烈な“アニソンシンガー”デビューを果たしたオーイシマサヨシが、多彩なゲストを迎えて歌声を届けた2日間。ヒット曲たっぷりの大盤振る舞い! ガラリと違うセットリストと豪華な演出で、自身の“アニソン人生”をファンと辿り、未来に繋げた2daysを丸ごと振り返る!

TEXT BY 阿部美香
PHOTOGRAPHY BY 大参久人、二上大志郎、濱谷幸江

【DAY1】
ヒーローショーも健在!オーイシマサヨシのアニソン人生を一緒に体験するセットリスト

さいたま新都心駅の改札を抜けると、彼が特命広報アンバサダーを務める電力会社J-POWERの広告に描かれた大きなメガネのイラストが見えた。メガネの下の「みんなのおかげや。ここまで来れたで。」の文字が目に飛び込み、ずっしりとした感慨が早くも襲ってくる。けやき広場のフォトスポットには長蛇の列。ペデストリアンデッキ下に配置された各種のコラボキッチンカーにも、物販エリアにもたくさんの人が並んでいる。2日間ともチケットはソールドアウト。どれだけ多くのオーイシファンが、この2daysを楽しみにしていたことか。初日だからこそなおさら膨らむ、はやる気持ちを抑えながらアリーナに吸い込まれていく人々の後を追う。

開演前から終演まで、持てるアイデアを出し惜しみせず、全力でファンを楽しませてくれるのがオーイシ流だ。昨年の“オーイシ武道館”でも披露されていた開演前映像も、今回はニュースの街頭インタビューを演出した“覚醒”がキーワードのSSA仕様の新作に。客席からは大きな笑いが起き、「オーイシが人生をかけた覚醒を刮目せよ」とのメッセージが送られる。そして開演の18時。再び会場は暗転。沸き上がる歓声をバックにスタートしたオープニングムービー。口上を担当しているのが声優・中村悠一だと分かると、ますます会場の熱は高まり、「アニソン王の伝説を、皆でともに刻みましょう、いざ開幕です!」の言葉とともに、センターステージのせり上がりから笑顔で手を振りながらオーイシマサヨシが登場する。

オープニングナンバーは、彼のアニソンシンガーとしての矜恃を感じさせる「エンターテイナー」。ステージに座り込み、客席のクラップに身を委ね、まさに今この場所がそうじゃないか!という笑みを浮かべて、“1万を超える人が手を叩き大声を上げる なんてこった”と嬉しそうに歌う。お馴染みのオーイシバンド――ギター&バンマス・奈良悠樹、ドラム・髭白 健、ベース・工藤 嶺、キーボード・半田彬倫、トランペット・Atsuki (FIRE HORNS)、サックス・ヒロムーチョ、トロンボーン・Tocchi (FIRE HORNS)が待つメインステージに走り寄ると、「最高の1日にしようぜー!」と声を挙げる。メインビジョンの上手と下手に置かれた縦長ビジョンには、これもオーイシワンマンではもうお馴染み、配信視聴者の喜びのコメントがスピードを上げて流れ、伸びやかなオーイシの歌声が「インパ-フェクト」へと熱を繋ぐ。

大きく手を広げて「オーイシSSAへようこそ!アニソン界のおしゃべりクソメガネことオーイシマサヨシです!」と挨拶。いつものようにオーディエンスの大歓声を自虐を交えていじりつつ、「自分ら、ちょっと情緒おかしいんとちゃいますか? でも情緒おかしくなるのもわかるわ。だってここ、さいたまスーパーアリーナだもんね、エグない?」と笑うオーイシ。SSAは自分にとっては特別な場所だから、生半可な気持ちでは埋まるわけがないと思っていたからこそ「今日は人生をかけて、このオーイシSSAを楽しんでいきたいと思ってます。最後までどうぞよろしくお願いします!」と宣誓し、ユーモラスなMCを続ける。そして「この方の成長とともに、僕はアニソンシンガーとして成長してきたなと思う」と言って、最初のゲスト、ウーリャを呼び込んで「オトモダチフィルム」を一緒にダンス。これまでもワンマンライブにはよくゲスト出演してきたウーリャだが、今回は2018年のMVと同じ衣装で登場。会場も沸きに沸き、続く「ギフト」では、ウーリャとオーイシダンサーズを引き連れてセンターステージに赴き、華やかなダンスショーを繰り広げた。

改めて「今回はゲストの方にも来ていただいて、オーイシマサヨシのアニソン人生をみんなと一緒に体験していく感じの内容になっています」とコンセプトを紹介し、続いての曲が「死んだ!」であることを告げる。この曲のMVにオーイシのそっくりさんを公募。その彼らが“オーイシナカヨシ”としてファンにも有名なことに触れ、客席に向かって「(オーイシ)ナカヨシって今日来てるの?」と問いかけると、4人中3人がいることが発覚。さっそく「お前ら、来い!」と呼び込むサプライズ!「こういうのって事前に声を掛けるはずなんやけど、ガチです。1人足りないっていうのがリアリティ」と笑いながら、ぶっつけ本番の見事な振りつけで「死んだ!」をパフォーマンスし、喝采を浴びる。

サプライズはまだ終わらない。MCの途中、不穏な鳴き声とともにステージに現れたのは、宇宙恐竜ゼットン!そしてオーイシが「大きな声で助けを呼べば、あの兄弟が助けにきてくれるハズです!」と先導し、『ウルトラマンR/B』の変身の合い言葉「オレ色に染めあげろ!」「ルーブ!!」を全員でコール。メインステージのポップアップからウルトラマンロッソとウルトラマンブルが飛び出し、勇壮な「Hands」をバックに、2人のウルトラマンとゼットンがバトルを繰り広げる。だが戦況は厳しく、ロッソとブルにピンチが訪れると……ついに2人が融合し、新たにステージにウルトラマンルーブが出現!曲のクライマックスにはゼットンを撃退し、オーイシとルーブが勇ましくガッツポーズを決める。さらにもう1曲、ウルトラマンロッソとウルトラマンブルにウルトラウーマングリージョも参戦して届けたのは「Hands」のカップリング曲「ウルトラ Sing!!」。3人の仲間達は客席に降りて練り歩き、元気いっぱいにSSAをウルトラ色に染め上げた。

トロッコには“あの人”も!鈴木愛理と一緒に“あの曲”もカバー!

賑やかなヒーローショーから一転。次に放たれたのは「英雄の歌」。シリアスなMVを彷彿とさせるように、黒一色の背景に白い光とリリックが舞い、スモークが流れるステージで真っ白な衣装のダンサーが幻想的に踊り続ける。客席で揺れるのは白いペンライト。さっきまで繰り広げられていたヒーロー達の活躍に思いを馳せるかのように、“僕は救世主にならなくていい 世界を歌う主役より 君だけの英雄になりたい”と感情を溢れさせるオーイシの歌声は、ミラーボールから放たれる美しい光に鮮やかに溶けていく。そこからまた景色は一変。雄々しいコーラスと重厚な4つ打ちリズムが広がり、世界は黒から赤へと色を変える。センターステージに歩み寄ったオーイシを取り囲んだのは、妖しい和装のきつねダンサーズ。EDMな最新ナンバー「かごめかごめ」をクールに踊りながら歌い上げ、SSAをダンスフロアに変えた。

「久しぶりに(女性ファンの)黄色い声聴いたわ!」と言って、アコースティックギターを抱えたオーイシ。彼のファンにいかに男性が多いかをコール&レスポンスで確認し、「お風呂にする?ご飯にする?それとも僕と寝るー?」のセリフから始まったのは「枕男子」だ。“電気消して”のコールで会場の照明が消え、オーイシによく似たローディーのタカザワくんが、オーイシと同じ衣装で登場するお馴染みの演出は健在……だったが、2度目の“電気消して”では、暗転の中で響く「こんな大舞台ですからね、さぞかし似てる人にスポットライト当たるんでしょうね」というオーイシのアナウンスに続いて、なんとセンターステージに彼と瓜二つの親戚、シンガーソングライター・大石昌良がせり上がりから登場し、「ファイヤー!」を弾き語りだす。火花を上げながらブルージーでテクニカルなスラム奏法を駆使し、パワフルな歌声をSSAいっぱいに響かせた大石の勇姿は圧巻だった。そして再び暗転。センターステージに戻り、スタッフと「バレてないバレてない」とオフマイクで小芝居をしながら、元に持っていたアコギをセッティングして再び「枕男子」へ。途中に挟み込まれたメンバー紹介のバンドセッションでは、オーイシを紹介する順番になってもう一度ローディーのタカザワくんが登場。一人二役のメドレーをトリッキーな演出で楽しませてくれた。

そしてまた会場は暗転。ステージのLEDビジョンに大きく「ソイヤッ」の文字が走り、「禊」の文字が書かれた白い半被の男の背中が映る。リズミカルな和太鼓の音と「ソイヤッ」の声にのって、ステージ下手からトロッコが出現し、ビジョンには「加藤純一参戦!」の文字が浮かぶ。トロッコに真剣な表情で座り込んだ加藤とそこに乗り込んだオーイシが一礼を交わし、「あとの祭り」がスタート。アグレッシブな歌詞で観客を煽りながら歌うオーイシと、厳粛な顔の加藤のコントラストに、会場を揺るがすような大歓声が送られた。そしてトロッコにオーイシが残り、弾むブラスがお祭り気分をさらに助長する「ギャンブリングホール」で会場をゴージャスに盛り上げた。

ダイナミックな演出はまだまだ続く。今度はビジョンに「お手持ちのペンライトをOFFにしてください」の文字が浮かび、ペンライトが消灯。軽やかなクラップとファンキーなカッティングギターに乗せて、スポットライトを浴びたオーイシがラップを刻む「エレクトリックパレード」へ。MVと同じようにダンサーズ(J-POWERマン)が着込んでいる作業服がカラフルなネオンカラーに発光すると、オーディエンスから「おおー!」と声が挙がる。そして曲がブレイク、ビジョンに「ペンライトをつけてください」と映し出されると、一斉に客席がイエローの光で埋め尽くされた。

めくるめく歌と演出の連なりを「立て続けでしたけども、脳みそ整理できてますか?」と話すオーイシに「最高!」と声が飛ぶ。「エレクトリックパレード」のスマホを点ける演出を「マジで街に光が灯っていく感じが、こちらから見てたらすごかった」と言うオーイシが、自分のスマホでもう一度、同じ光景を撮影するひと幕も。そして「ここでもう1人ゲストの方に来ていただこうと思います」と呼び込んだのは、鈴木愛理!ピンクのフリフリのミニドレス姿で彼女が登場するやいなや、客席のペンライトが一斉にピンクに変わる。10月8日から放送を開始する、鈴木愛理主演ドラマ『推しが上司になりまして フルスロットル』(テレビ東京)に、オーイシが主題歌として「一生☆キミ推し」を鈴木に提供したこと、オーイシがドラマにも出演することが報告され、温かな拍手が沸く。そして2人のデュエット曲「主人公になろう!」とTVアニメ『【推しの子】』挿入歌となったアイドルソング「サインはB」を軽やかに届け、キュートな魅力を振りまいた。

ライブアンセムを一挙に放出!SSAがひとつに!

名残惜しそうに鈴木がステージを降りると、「続いてもう一度、この方に登場していただきましょう」とアナウンスし、センターステージにやってきたのは加藤純一。オーイシと固く握手とハグを交わす。昨日も夜寝られず、「あとの祭り」の前は緊張で震えていたという加藤。出会った頃、それぞれの業界の端にいた同士だった2人がビッグになって、こうしてSSAという大舞台で共演できたことを喜び、彼らは「泣きそう」と言葉を重ねる。いつものライブでは、録音した加藤のナレーションをバックに歌っていたが、「今日みんなに本物を見せてやりましょ!」と、披露したのはもちろん「ドラゴンエネルギー」。オーイシがプラカードを掲げてコールを呼びかけ、加藤が力を込めてパフォーマンス。肩を組み合った2人の笑顔に、会場は沸きに沸いた。

改めて、今日のゲスト陣を振り返り「すげーな。いろんな出会いがあったんだね。今日1日だけでめっちゃ自分の歴史のページをめくってるような気分。俺のアニソン人生ヤバすぎ」と微笑むオーイシ。「俺、まだまだアニソンシンガーやり続けます。うちのファンの方々は優しいからさ、俺のことをもう“アニソン王”だよと言ってくれるんですけど、僕は正直、まだまだアニソン王への道は遠いなと思ってます。ただ、これからみんなと作る未来の中で、すげぇ楽しい国、めっちゃ楽しい空間作り上げて、幸せなひとときをたくさん過ごして、その延長線上にアニソン王があるんだったら、いってみたくない? 俺たちの国を築き上げて、ここを幸せな場所にしましょう。そんな気持ちを込めて歌います」と、「ロールプレイング」を朗々と歌い上げた。そしてもう一度アコギを掻き鳴らし、「一言言わせてもらっていいですか? さいたまスーパーアリーナじゃなきゃダメみたいー!」と叫んだ本編ラストの1曲は、ファンへの思いを重ねる「君じゃなきゃダメみたい」。力強く美しいオーイシの声が、SSAを満たしていった。

待ち望んだアンコールは、白いペンライトに迎えられた「なまらめんこいギャル」からスタート。オーディエンスが一体となって掛け声を飛ばし、オーイシがギャルピースで応える。「これで1日目なの、ヤバない?明日、セトリガラッと変わんねんけど、どないしよう。俺、持つかなこれ。今日何回か意識なくしてるからね、マジで」と苦笑いするオーイシ。そして「でも、まだみんなは元気が残ってるみたいやから、ちょっと賑やかな曲やりましょうかね」と言うと、響いてきたイントロは「ようこそジャパリパークへ」。オーディエンスの大合唱と合いの手、そして頭上から舞い落ちるゴールドの花吹雪を、オーイシは嬉しそうに受け止める。そして高らかに右手の拳を突き上げて始まったのは、まさにファンと彼を一体にするアンセムソング「uni-verse」!センターステージから360度を見回し “ここが僕らのユニバース”と歌い上げるオーイシマサヨシと彼を包み込む大合唱。銀テープが降り注ぎ、いつの間にかメインステージに揃った今日のゲストたち。鈴木愛理も涙で頬を濡らし、歌い終えたオーイシも「ヤバいね、俺、ちょっと泣いちゃった」と感動を共有。ゲストを送り出したオーイシは、もう一度みんなのところに行きたいとトロッコに乗り込んで、何度も「ありがとう」の言葉を伝える。「ようこそジャパリパークへ」を再び合唱したSSAには、どこまでも幸せな空間が広がっていた。

次ページ:【DAY2】オーイシのエンターテインメントショー、DAY2の幕開けは『アースグランナー』 OP主題歌から

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