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INTERVIEW

2025.09.17

“声優音楽最大の衝撃”を与える作品は、いかにして生まれたのか?内山悠里菜・稗田寧々・村上まなつが裏側を語る!DIALOGUE+、ニューEP『PENTA+LOGUE』リリースインタビュー

“声優音楽最大の衝撃”を与える作品は、いかにして生まれたのか?内山悠里菜・稗田寧々・村上まなつが裏側を語る!DIALOGUE+、ニューEP『PENTA+LOGUE』リリースインタビュー

声優アーティストユニット・DIALOGUE+が、この秋声優音楽シーンにまたも新たな衝撃をもたらす。その発火点となるのが、彼女たちが9月17日にリリースしたEP『PENTA+LOGUE』だ。本作ではユニットの総合プロデューサーも務める田淵智也が、「ずっと尊敬している作曲家に声をかける」という構想を元に作家陣を招聘。清 竜人、じん、玉屋2060%(Wienners)、宮野弦士に加え、田淵自身も手掛ける新曲も収録。これまで磨き上げてきた持ち味を発揮しつつ新たな魅力も引き出す、盤石の5曲を収録した作品となった。
本稿ではそのリリースにあたって、メンバーの中から内山悠里菜・稗田寧々・村上まなつ3人へのインタビューを敢行。この衝撃作をどう受け止め、それぞれの楽曲に向き合い表現したのか。制作のなかでの取り組みを中心に、たっぷり語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

幕開けを飾るのは、「表題を取りに来てる!」と感じるほどの衝撃作

――今年の夏も様々なフェスに出演されまして、そのなかで“リスアニ!LIVE2025 ナツヤスミ”にも出演いただきました。パシフィコ横浜に立たれたのはワンマンライブ“LIFE is EASY?”以来、約1年半ぶりでしたね。

村上まなつ はい。私は「懐かしい!」という気持ちが大きかったです。それこそ会場に入ったときの楽屋の雰囲気とかを通じて、戻ってこられた嬉しさも感じましたね。

稗田寧々 前回は8人で今回は学業のため活動制限中の宮原颯希を除く7人でのステージ、という違いはあったんですけど、5月から6月にかけてのツアー“カクノゴトキロックンロール!”で、よりみんなとの結束力や“ライブを作る力”みたいなものも培うことができて。7人体制としての基盤を作れたと思っているんです。そのツアー後だったので、割とみんな仕上がった状態で臨めたように思うんですよね。だから、初めて私たちを観るお客さんもいらっしゃったと思うのですが、「私たちは私たちらしく、堂々とパフォーマンスをしよう」みたいな気持ちはあったように思います。

村上 それで言うと、リハーサルの時から「もうちょっと曲間を詰めたほうが、私たちらしいんじゃないか?」みたいな話もしたよね。「気持ちがいい繋ぎはどこだろう?」っていうところを探っていって……。

稗田 やっぱり初見の人に「なんだあれは!?」というインパクトを与えたいなら、いつもの私たちらしいノンストップな感じがいいのかな?……という考えが多分みんなに共通しているから(笑)、詰めたくなっちゃうんですよ。

内山悠里菜 それと、パシフィコ横浜って「イージー?ハード?しかして進めっ!」を初披露した会場だったんですけど、今回7人バージョンの初披露もここでやらせていただいたんですよね。

稗田 みんな気づいてたのかな?

内山 ねぇ!どうなんだろう?

稗田 うちら的には初めて7人バージョンをやったから結構ドキドキだったけど。

内山 そういうのも含めて、「やっぱり、ここなんだ……」みたいな気持ちにもなりました。

――そんな夏を経てこの度リリースされる『PENTA+LOGUE』は、「声優音楽最大の衝撃」とも謳われている作品です。皆さんは本作の中でどんな部分が衝撃的だと感じられていますか?

内山 私はあまり音楽に触れてこなかった人生だったので、音楽的な“衝撃”はわからないところがあるんですけど……「ずっと信頼して一緒にやってきている田淵さんが『尊敬している作家陣を集めました!』と言っている」というところにまず衝撃を受けまして。「『田淵さんよりもすごい人たちがいる!』ということ?」みたいな……。

稗田 あはは(笑)。なるほどね。

内山 それと同時に、田淵さんの「これにかけるんだ!」といった覚悟みたいなものも感じて。そこも合わせて「これはすごいぞ……!」みたいな印象は、すごく受けましたね。

――それは、プレッシャーはなりませんでしたか?

内山 いや、きっと「私たちならできる!」と思ってくれているからこそ、田淵さんも皆さんにお声がけできたのかな?と思っていて。多分、信じてくださっている部分と賭けみたいな部分の両方があると思うんですけど。でもそのくらい私たちに期待してくれているということも勝手に思って、嬉しくなっていました。

――以前『DIALOGUE+2』リリース時の対談で、田淵さんが「“面白い曲”を単なるネタ曲じゃないところに着地させるには、何を歌っても“DIALOGUE+らしさ”みたいなものを出せるようになることが必要」というお話をされていたのを思い出しまして。そういう“らしさ”みたいなものが自然に出るようになったからこその、今なのかなと思いました。

稗田 私もそう思います。それにこの作家陣の方々も色んなアーティストさんに楽曲提供をされていて、それを通じて有名な曲をお持ちだったり、世間的なイメージもあったりする方々じゃないですか?だから、そんななかで「1つ出来上がっているDIALOGUE+というユニットの中にこの作家さんが入るとどう交わるか?」みたいなものが、試されているような感じはすごくしました。

村上 それと、ちょっと小さい話かもしれないんですけど……夏の終わりに出すEPなのに、「2人、降り積もっていく」って雪の歌じゃないですか?季節に合わせてみんなが求めているであろう音楽じゃなくて、「DIALOGUE+が表現したい曲はこれなんだ!」というのを自分たちの軸で出しているというのが、そこに表れているように思って。私も最初は驚きましたけど、それも私たちの形なんだなぁ……と思いました。

稗田 たしかに(笑)。それと私は「声優さんに楽曲提供をされている」というイメージがそんなにない方々が結構いらっしゃるという意味でも、この布陣って“最大の衝撃”なのかな?と思います。

村上 うん。もう声優音楽業界にとどまらないというか、「外に外に!」みたいな感じがするよね。

――ちなみにそんな作家陣の中で、楽曲を聴かれている方もいらっしゃいますか?

稗田 そんなにたくさんではないですけど、玉屋さんだったらそれこそ学生時代にはでんぱ組.incさんを、最近だとKAWAII LAB.のアイドルさんとかを聴いていましたし、あとはまなつと一緒にTikTokを撮った、ナナヲアカリさんの……。

村上 そうだ!「明日の私に幸あれ」撮ったね!

稗田 あとは清さんも、中高生の時に聴いていた堀江由衣さんの曲を作られていたことを知って、すごくびっくりして。アイドル楽曲のイメージが強い方は「声優に!?」と驚くかもしれないけど、実は戻ってきていることになるんですよね。それもちょっと嬉しかったりして。それに、じんさんは鷹村(彩花)もすごく好きですし、やっぱりうちらの世代だと『カゲロウプロジェクト』はみんな好きで聴いていましたからね。あと宮野さんも私、“TOKYO IDOL FESTIVAL”で私たちの前がフィロソフィーのダンスさんだった時に「曲、素敵だな」と思って。それで曲を聴いて、宮野さんのことを初めて認識した記憶があります。

――ではここからは、収録曲順に各楽曲についてお聞きしていきます。まず玉屋2060%さんが手掛けた「DIALOGUE+THE MOVIE」は、聴いているだけで音から皆さんが飛び出してくるようなアグレッシブなナンバーです。

稗田 田淵さんもおっしゃっていたんですけど、最初「このEPの表題を取りに来てる!」と思いました(笑)。タイトルにユニット名が入っているし、「THE MOVIE」ってドラマとかアニメをTVシリーズでやった後の集大成みたいなものじゃないですか?だからまずタイトルから「すごいな」と思って。でも聴いたらやっぱり玉屋さんっぽいBPM感というか、勢いもあって。いつものDIALOGUE+も結構テンポ速くて歌詞の文字も多いですけど、それとはちょっと違うハチャメチャさを感じました。

村上 たしかに。箇所によって全然違う曲と思うようなくらい雰囲気が変わっているのが面白かったし、DIALOGUE+って一本道じゃなかったというか……真っ直ぐな、簡単な道じゃなかったから、その雰囲気から「私たちが色んなことを経験して、今があるんだよ」というのも伝わるような気がしました。

――楽曲全体としても、非常に皆さんに寄り添っているという印象も強かったです。

村上 実は私たち、事前にZoomでインタビューみたいなことをしていただきまして。

稗田 そのなかで、「どうしてこの仕事を始めた」とか「どういう気持ちでやってる」といった、今この仕事をしている私たちがどういう軌跡を歩んできたか……みたいなことをヒアリングしてくださって。それを踏まえて曲を作ってくださったんです。

村上 そこで私たちが話した内容が、結構入っているんですよ。特に2サビ明けのセリフパートには、その時言った言葉が使われているように思います。

稗田 あと、この曲は仮歌も玉屋さんだったんです。

村上 あ、そうだ!他にも、清さんも……。

稗田 清さんの曲は、清さん版と田淵さん版、2つ仮歌があるんです。全然印象が違うので、「どっちをベースにしたらいいんだろう?」って迷っちゃいましたけど(笑)。

――そして「MOVIE」というタイトルらしく、終盤にはまさにカーテンコールの光景が見えるような部分もあります。

内山 そうなんです。「本日はご来場ありがとうございました!」から、エンドロール感がすごいんですよ!

稗田 だから、今後ライブでどこにハメるかが結構難しいと思うんですよ。だって「本日はご来場ありがとうございました!」って言っちゃってるから(笑)。

内山 ただ……そもそもこの曲、「ライブ大丈夫かなぁ?」ってすごく思う(笑)。

稗田 ね、ほんとに(笑)。振付もすごく面白いんですよ!

内山 たしかに!私とまつ(=村上)のところで、すごいところがあって……。

村上 1サビ明けのラップのところだよね?ここは1人のダンスがヤバいというよりは、みんながいるからこそヤバいダンスというか(笑)。集団行動みたいな……。

稗田 初めて観たら笑っちゃうかもしれない(笑)。本当に、今まであまり見たことのないタイプのダンスになっていると思います。

超豪華作家陣から提供の各楽曲への、それぞれの向き合い方とは?

――そして続く「ジントニック・ディスコ」は宮野弦士さんが作編曲を手掛けられた曲で、「DIALOGUE+THE MOVIE」直後というのもあって、よりソロの歌声が際立つ印象もありました。

稗田 私、宮野さんの楽曲にはちょっとお洒落というか、大人な感じのイメージがあったんですね。でも意外と聴いてみたら、DIALOGUE+ならではのかわいらしさや元気さもありつつ、サウンドはちょっとお洒落で……という感じがしました。

村上 ちょっとささやくような「oh, phase1」みたいなフレーズで、大人っぽいけど私たちならではの、「声優だから」といういい声の強みがすごく出ていて。「お洒落だけどかわいい」がすごく表れているんですよ。

稗田 ちょうど今日はメモを持って来たんですけど、この曲は色々書いてありまして。「表情」とか「癖強い」とか「引き出し」とか……「ライブで歌ったらどんな感じかな?のわくわく」というのもあります。

村上 ライブだと、なんだかお客さんを誘惑しちゃいそうだよね。バーで隣の席に座ったログっ子を、落としてやるぜ!……みたいな気持ちというか(笑)。

内山 うん。それくらいお洒落な曲だよね。でもこの曲、私、歌うのが難しかった印象があります。サビの2行目の、「揺れる⾝体が⽣きる理由って証明して!」という部分も、「『る』を発音しなくていいよ」みたいな……。

村上 あ、言われた!

稗田 私も「誇張!」って書いてある。わかりやすく「る」を発音しなくていい、っていう意味で書いたのかな?

内山 「『る』を『る』って言わなくていいよ」というのは田淵さんのディレクションで結構あることなんですけど、私にはすごく難しくて。ここも苦戦した覚えがあります。

村上 私も事前に田淵さんに音源を送って聴いてもらっているんですけど、この曲では「全部の単語を綺麗に発音しようとしすぎちゃうと歌に乗れないから、この曲に関しては全部をちゃんと発音しなくていいよ」というフィードバックをもらったのを覚えています。

――そして清 竜人さん提供の「2人、降り積もっていく」は、ストリングスが効果的に使われていて、メロやコードの展開も相まって綺麗さの中の切なさみたいなものを非常に感じる曲となっています。

村上 最初、歌詞を見てキュンキュンしすぎちゃって!「甘い!甘いよこの歌詞!」って思いました。

稗田 私、清さんの仮歌を聴いて泣きそうになっちゃいました。清さんの歌い方もあったのかもしれないけど。別に悲しい曲じゃないのに、ちょっと切なさも感じて。きゅってしちゃいました。

内山 うん。ストレートな歌詞だし、切なさもある曲だよね。

稗田 特に“さよならなんてないように”というところが、私はもう切ないなって思って。そう信じたいけど、だいたいの恋愛ってやっぱりさよならがあって、それを想像しちゃうものだから。この歌詞の主人公の女の子は幸せもあるけどそういう不安もきっと抱えていて、この「さよならなんてないように」というのは願いでもあり、同時に不安もあるんだなってすごく思うんですよね。

村上 わー!深い……。

内山 他の部分も含めて、すごく色んな解釈ができそうな曲なんです。

稗田 だから私は、この5曲の中では一番歌い方とかを考えて行った曲だったかも。いわゆる“元気”とか“明るい”という曲ではないので、みんなのアプローチに応じて歌い方を変えないと浮くだろうなと思ったんです。なので、そこは事前に田淵さんにお聞きして、「『恋は世界定理と共に』くらいのかわいらしさでやっているので、それをイメージしてもらえたら」と言われていました。

村上 私、この曲を歌うときには“かわいい系”でいくか、“ウィスパー系の優しい感じ”でいくかを田淵さんとも結構話し合って。それぞれツルッと歌ってみて、私はウィスパー系でクセ強で、やらせてもらうことになったんです。その時田淵さんが「クセがある歌い方だからオーディションは取れないかもしれないけど、この曲の中でハマったところはきっと取れると思うから、頑張ってその1個を狙いにいきましょう!」みたいに言ってくれたんですよ。

――それが特にハマったと思われている部分はありますか?

村上 大サビ直前の“どんなことを考えているの?”のところですね。クセ強で感情たっぷりめなんですけど、ここにはハマる歌い方だったのかな?と思って。すごく「やってよかったな」と思ったポイントでした。

内山 私も結構ウィスパー気味に。ねねと同じように「恋せか」に近いような感じで、ディレクションを受けながら歌わせていただきました。

稗田 私、この曲絶対ゆりにゃ(内山)に合うと思ってた。

村上 うん、思った!

内山 あはは(笑)、恥ずかしい……。それに、清さんが仮歌を歌われていたのもあって、田淵さんの書く恋愛ソングとの違いもすごく感じたんですね。でも田淵さんの仮歌も、きっとDIALOGUE+らしさというものも大事にしているはずだし、ディレクションでは「私らしくなくなっちゃう」というところを気にして見ていただいているところもあるから……2つをガチャンと合わせた時に、どこがマッチするのかはすごく考えました。

――そしてじんさん提供の「午前6時の友達へ」です。最初じんさんの参加が発表された際にはロック曲を予想したのですが、切なげなポップソングだったことに驚きました。

稗田 そうなんですよ。私もそれは意外で。でも情景が浮かぶ歌詞ですよね。ここまではっきりと1曲の中にひとつの物語があるような曲って、今までそんなに多くなかったと思うので、それもすごく新鮮に感じました。

村上 きょんちゃん(=守屋亨香)が言っていたんですけど、この曲のカギカッコ付きのセリフは全部同じ人が言っているものみたいで、しかもそれを全部きょんちゃんが歌っているんですよ。それを知って私も「うわー!そこまで考えて、歌割りも決められていたんだ!」って驚きました。それに、やっぱりじんさんが作っているので、音程も言葉も今まで私たちが触れてきたものとはちょっと違っていて。

稗田 リズムというか、音のハメ方が結構難しいんだよね。

内山 だから、ライブで披露するときにも勢いでは絶対にできない、丁寧さがすごく必要な曲になってきそうな気がしています。

――テンポ的にはそこまで速くはないのですが、冷静にメロを追うと実は非常に難しいことがわかります。

村上 そうなんです!でもそのぶん、みんなの耳を離れない曲になっている気もします。

稗田 終盤にクロスボーカルみたいなものが結構しっかりあったりもするので、この曲もライブでは音源とまた違う感じになるんじゃないでしょうか?

村上 私、その後の最後のゆりにゃのソロ大好き。

稗田 うん!

内山 えー!?嬉しい!

村上 正直、取りたかったところでもあるけど……。

稗田 わかる。私もここ、気合い入れて歌ったから。

村上 悔しいけど、ゆりにゃの歌、めちゃくちゃいい!

稗田 まなつとかもそうだけど、私が歌うのでは出ない、メンバーみんなの味があるじゃない?ここも「これは、私には出せない雰囲気だ!」ってすごく思いました。

内山 逆に私は、自分が歌っていない2-Aメロがめっちゃ好きなんですよ。特に、まつの「こうやって何度も――」のパートのあたりが、すごく好きで。ダンスをしながらみんなの声を聴くのも好きですね。

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