「こういう麻倉ももの姿が見たかった」と喜んでもらえるようなシングルに！麻倉もも、ニューシングル「めいきゅーらぶみー」リリースインタビュー

やりすぎなくらいに“やりにいった”楽曲「Lemon Candy」

――カップリングの「Lemon Candy」はどんな楽曲になっていますか？

麻倉　アップテンポで明るくて元気で、こんな曲を歌ったのは久しぶりです。ちょっと初期を思わせるようなテイストですよね。初期に歌っていたような曲を今の私で歌うっていう面白さがありました。普段はデモの段階から歌詞を変えてもらっていくことが多いんですけど、この曲はデモに入っていた「Chu Chu Chu Chu Pa Candy!」が耳に残り過ぎて「これはこのままの方がいい」とそこから広げて書いてもらった感じです。

――こちらは作詞作曲編曲が浅野尚志さんということで、「めいきゅーらぶみー」の岸田勇気さんと合わせて最前線のグループアイドルソングを手掛けている作家陣が揃いましたね。

麻倉　「もしかしてもしかする」（アルバム『ChouChou』収録）もそうなんですけど、1人で歌うのは難しいようなメロの重なり方をしていたり面白いですよね。ライブでどうやって歌うんだろうって自分でも思います（笑）。

――元々の麻倉さんは80年代アイドルソングなどがお好きなイメージがありましたが、好みに変化が訪れているんでしょうか？

麻倉　今でもそういう音楽は好きなんですけど、見るほうが好きになってきたのかもしれません。昔は自分がその音楽に対して、見るのが好きなのか歌うのが好きなのかわからなかったんですよ。色々と楽曲を作っていくなかで、自分は昭和のアイドルの方を“見るのが好き”なんだって気づきました。もちろん歌うのも好きなんですけどね。でもその時のライブやお客さんのこと、ステージングのことを考えた時に、たまにはいいなと思うんですけど「やるよりは見る方が好き」という感じです。新しいものも古いものもどっちも好きになれているのは良い変化だと思います。良いなと思うもの、好みのものが増えてきていて。初期の頃はわかりやすく王道なものが好きだったんですけど、今はフックがあるお洒落だなと思うものに心がときめきます。

――最新のテクニカルな楽曲を歌いこなすことで快感を得られたりはするんでしょうか。

麻倉　……不安でいっぱいです（笑）。なるべくならみんなで歌いたいですよ、大変！でも面白さみたいなものは感じています。多くの人が歌ってセクションごとに声が変わっていってサビで全員になって盛り上がる、みたいなかたちに聴く人は慣れていると思うんですけど「あれ!?次も私!?次も私!?」「私がいっぱい！」という作りは面白いんじゃないかと思います。

――個人では難しそうな曲も採用するのはどういったモチベーションで？

麻倉　選んでいるときにもちろんライブのことも想像はするんですけど、それよりはただただ「この楽曲が良い！」と感じたのが結果的にテクニカルな曲だったという感じですね。聴いて良いと思ったものはシンプルに自分の曲したい、という。

――「Lemon Candy」のレコーディングはいかがでしたか？

麻倉　楽曲も歌詞もだいぶラブリーで、歌い方としてもどこまでもやっちゃえるなという感じだったのでどうしようと思いましたね。これもレコーディング現場で相談だなと。当日一言目にみんなで「これどうしましょうか……？」から始めました（笑）。どういう歌い方にするか、どこまでやり過ぎるか、キーを下げて大人っぽくしてみるか、何種類も試しながら作っていきました。

――結果的に「やりにいく」度合いはどれくらいになったんですか？

麻倉　色々試した結果、最終的には「やりすぎよう」となりました（笑）。さっきもお話ししましたけどソロ活動では「麻倉ももなんだけど曲の主人公に寄り添って歌う」みたいなことが多くて、でもやりすぎると本当にキャラクターソングみたいになってしまうから。気をつけている部分ではあるんですけど、でも楽曲の音や歌詞を聴いていて大人っぽく歌うことに違和感があったんですよ。オーガニックにやっちゃうと世界観が全然違うなって。それで色々試していくうちに「この曲はやりにいっていいんじゃない！？」という結論になりまして（笑）。

――レモン味の甘味料が入っていていい曲ですもんね。

麻倉　まさにそうです。歌詞もラブリーでずっと甘いですし、振り切った面白さがあるな思って。やりすぎちゃっていいんじゃない、という曲になりましたね。

――その振り切り方が曲自体のテーマにも合っていますよね。

麻倉　本当にそうだと思います。この曲の主人公も中学生くらいで、「めいきゅーらぶみー」よりもっとクラスのムードーメーカーみたいな。結構はっちゃけていて好きな人とかなんでも友達と共有してるタイプ。「あの子のことが好きなんだよね」って周りのみんなから認知されているようなイメージです（笑）。恋してる自分のことも好きだし恋って素敵なんだって考え方を持っている、「今が一番楽しい！」と思っているような女の子です。

――オーガニックな「めいきゅーらぶみー」とやりすぎなくらいの「Lemon Candy」、ご本人的にどちらの方が表現していて楽などはあるんでしょうか。

麻倉　どっちがやりやすいとかはあまりないかもしれないです。どっちが難しいというのもないですし。

――ナチュラル感もやりすぎ感も、どちらも等しく技術なんですね。

麻倉　そうですね、本当にもうスイッチの切り替え方という感じなので。自分の中で1回そのスイッチがはまってさえしまえば割とそのままやり切れると思います。

――「Lemon Candy」のサビ前の「好きになっちゃーえ！」の部分など、極端にやりにいってはいるものの意外と萌えアニメっぽくはなっていないと思うんですよ。どこまでやりすぎても麻倉さんの表現は女の子が主人公の少女漫画感があると言いますか。男子が接種した時に案外ナチュラルに感じるというか、調味料の味はそれほど感じない気がするんです。

麻倉　「こういうキャラクターだったらこうするよね」みたいなやり方は外しているかもしれないですね。例えば「あいうえお」の「う」の発音を極端にするとかわいいキャラクターっぽくなったりとか。口の形を絞って「う」を強調するとキャラクター感が出るんです。そういう方法を使わないようにはしています。

――なるほど！かわいさを足すこととキャラクター化していくことは別なんですね。それはソロ活動初期などから意識してできることだったんですか？

麻倉　いや、それができなくて。何が違うんだろうと思って色んな人に相談してた時期があります（笑）。その時に教えていただきました。

――終盤に随分面白そうな話が！どんなことを聞いて何を得たか伺ってもいいですか？

麻倉　気持ちなのかなって最初は自分の中で思っていて。でも気持ちは大事だけど、気持ちを切り替えたところで音の響きってそこまで変わらないじゃないですか。だけど1音1音、単語じゃなくて「う」の出し方1つで変わるんだって。「い」とか「え」も潰した口の形にするとよりキャラクターっぽくなったり、というのを教えていただいたんです。1音を意識して1音で捉えて、それを組み合わせていけばよりこってりさせられるということを学びました。

――キャラクターの等身をデフォルメしていくような作業なんですかね。

麻倉　それはありますね。等身大のキャラをミニキャラにしていくような感じ。それを自分の中で試してみて、自分だとこれくらい潰せばこういう音が出るんだ、この口の形だとこう変わるんだというのを研究していったんです。

――では改めて最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いいたします。

麻倉　初期を思わせる初々しさもありつつ、でもそれを今の自分が表現するという相反する面を持った面白い楽曲になりました。最近は大人っぽかったり挑戦的な楽曲も多かったんですけど、皆さんに「こういう麻倉ももの姿が見たかった」と喜んでもらえるようなシングルになったんじゃないかと思います。2曲どちらもたくさん聴いていていただけると嬉しいです！

●リリース情報
15th Single
「めいきゅーらぶみー」
7月30日発売

【初回生産限定盤（CD＋Blu-ray）】

品番：SMCL962～963
価格：￥2,500（税込）