INTERVIEW
2025.07.25
――作詞について伺います。今回は小鳩さんが担当されていますが、どのように作品を捉えて落とし込んでいったのかを教えてください。
小鳩 アニメの制作担当の方から「鬼ではなく、桃太郎側の目線で書いてほしい」という話をいただいたので、その意識で原作を読み進めさせていただきましたっぽ。小鳩もKANAMIと一緒で、もう止まらなくなってしまって(笑)。桃太郎側が正義なんだけど、「これって本当に正義なのかな?」と悩ましく思うシーンが多かったので、「正義っていったい何なんだろう?」というのをすごく考えさせられたんですっぽ。なので、それをテーマに持ってこようと思い、まず「What is Justice?」というタイトルを決めてから、その後に他の部分を考えていくという形で制作していきましたっぽ。桃太郎たちが自分の中の正義がありつつも、ここはやらなければいけないという場面で、自分の思いをぶちまけながら戦っているようなイメージがあったので、とにかく勢いのあるような歌詞にしたいと思ったんですっぽ。「正義とは何か」は自分の中でも分からないけど、その事実をかき消してでも進んでいく、抗いながら戦い続けていくという部分を歌詞に組み込んでいこうと思って書き始めましたっぽ。
――“正義”というのは一般的には正しいとされていることだけれど、それを疑うという考え方は、想像性を喚起させますね。
小鳩 そうですっぽね。現代社会においても、正しいと言われていることが、人によっては正しくなかったりとか、考え方の違いが問題になったりするのはよくあることだとも思うので、そういう部分も共感できましたし、すごく深いところを考えさせられる作品だなと感じましたっぽ。
――歌詞の中で“What is Justice?”と“わからなくて”という言葉が常に対になって登場するところにメッセージ性の打ち出しを強く感じました。
小鳩 そうですっぽね。そこをまずは強く記憶に残したいと思ったので、サビの頭で同じ言葉を繰り返し、最後はより強く打ち付けたかったので“わからないよ!”と変えていますっぽ。リズムがしっかりある曲で、言葉が強く残るセリフも多かったので、インパクトのある言葉を落ちメロに入れることを意識した結果、こういう風になりましたっぽね。鬼が語る理想を桃太郎が否定しつつも、自らが抱えているわだかまりについて考えさせられることが多かったので、落ちメロで想像できるようにしたいなと思って書きましたっぽ。
――SAIKIさんはボーカリストとして、どんなところに注目して歌のプランを考えられましたか?
SAIKI サビの音がとにかく高いので、それを準備していました。小鳩もそれを見越して、私が歌いやすいように全部「ア」の音になるよう言葉を選んで作詞してくれました。なので、ハイトーンでもちゃんと歌えるようになっていますし、サビでボーカルが目立つというリクエストにも応えられたかなと思っています。サビの歌詞を毎回同じにしているので、レコーディングにおいてもここが強く強く伝えたいところなのだと意識し、1サビ・2サビ・ラスサビと勢いがきちんとありつつも、飽きさせないよう意識して歌っていました。普段は(レコーディングのテイクを)重ねるタイプなんですけど、これはワンテイクが多くて、どんどん進めていけました。
――お二人の間で声を出しやすい歌詞の語句などは阿吽の呼吸で分かっているんですか?
小鳩 普段から結構、この部分は高いから「ウ」音は嫌だなとか、他の楽曲でもよく話をしていますっぽね。
SAIKI 「この言葉だったらここのメロに移すのはどう?」みたいな。私が詞を書くときはもう私が歌うので好き勝手に書いていて、小鳩のパートは確認を取って、って感じですね。
小鳩 確定する前にSAIKIに一旦見てもらって、「ここは歌いづらいから変えてほしい」と意見をもらうようなやり取りをしていますっぽ。
――今回はロングトーンも聴かせどころですね。
SAIKI そうですね。ラスサビのロングトーンはワンテイクです。メロディ自体がリズミカルで、色んな楽器と絡まり合っているので、そこは意識してリズム感を大切に、言葉がちゃんと届くようにハキハキと歌いました。ここまで高くてサビ全部がハイトーンというのは本当に何年ぶりだろうという感じです。
小鳩 一年とかじゃないっぽね。
SAIKI 多分「I can’t live without you.」(2018年作)以来の感じ。
KANAMI こんなに限界突破のハイトーンなので、ライブのリハーサルでSAIKIが歌ってるところを見て、かっこよすぎてメンバー全員感動しちゃって。
AKANE リハーサルでもライブ感がありました。
小鳩 SAIKIとしてはかっこよく歌ったというよりは、もうそうやって歌うしかないという。
SAIKI 全身で歌うしかない。リハ仕様で歌うとかが叶わない曲、1日1回しか歌えないみたいな曲です。本当に、今までBAND-MAIDの曲を歌ってきたから歌える曲で、私の集大成になっています。
――MVの撮影の様子についても教えていただけますか。
SAIKI BAND-MAIDはロケが似合うので、デモの段階からこのダークさを洞窟で、自然光で撮りたいと思ってリクエストしました。ロケ地は有名な採石場なのですが、激しい演奏シーン中心のミュージックビデオにしようとしたところ、みんなのパフォーマンスがすごいので、どんどん砂に埋もれていくんですよ(笑)。足場を均したり、足元に砂が舞ったりするのがかっこよかったです。
小鳩 自然のスモークみたいな(笑)。
AKANE 躍動感を感じました(笑)。
SAIKI あとは、普段そこまでCGを使わないのですが、血の部分の表現は作中とリンクさせるためにリクエストしました。
KANAMI ギターとベースが武器です(笑)。
SAIKI それで戦ってるんだぞというのを伝えられたらなと思って、ああいう形になりました。
――“BAND-MAID TOUR 2025”は5月からのFIRST ROUNDを終え、現在はSECOND ROUNDの真っ最中で、秋からはFINAL ROUNDと銘打っています。コンセプト立ての狙いについて教えてください。
SAIKI メンバーの間でも「2025年はツアー回ろうね」とずっと話していて。BAND-MAIDがお給仕(ライブ)を通しても楽曲を通しても、どんどん成長していく姿を皆さんに見届けてもらいたかったんです。BAND-MAIDには世界征服という大きな夢があるので、そういうバンドのスタイルそのものをツアーに落とし込もうと、3段階のツアーにさせてもらいました。
小鳩 セットリストもね、それぞれ変えて。
SAIKI 毎回同じセトリにしないバンドだというのが定着してきまして、「次は何を聴けるんだろう」というワクワク感をご主人様、お嬢様(ファンの呼称)がメッセージで届けてくれるので、それにメンバー全員も応えたいという気持ちが強く、曲をちょっとずつ変えたりしています。BAND-MAIDのお給仕の魅力の1つであるセッションをみんなでアレンジしていったり、1つのお給仕の中でも各人にスポットが当たるようにセトリを考えています。SECOND ROUNDでも相当ハードなのですが、FINAL ROUNDではさらに熟成された私たちを届けられたらなと思っています。
配信中
https://BAND-MAID.lnk.to/What_is_justice
●ライブ情報
“BAND-MAID TOUR 2025”
SECOND ROUND
7/26(土)北海道 SAPPORO FACTORY HALL OPEN 16:45/START 17:30
8/2(土)熊本 B9. V1(SOLD OUT) OPEN 16:45/START 17:30
8/3(日)福岡 DRUM LOGOS(SOLD OUT) OPEN 16:45/START 17:30
8/8(金)愛知 DIAMOND HALL OPEN 17:15/START 18:00
8/9(土)愛知 DIAMOND HALL(SOLD OUT)OPEN 16:45/START 17:30
FINAL ROUND
10/24(金)大阪 NAMBA HATCH OPEN 17:00/START 18:00
11/1(土)金川 CLUB CITTA’ OPEN 16:30/START 17:30
12/7(日)東京 TOKYO GARDEN THEATER OPEN 16:00/START 17:00
チケット詳細はこちら
https://bandmaid.tokyo/contents/869736
エンディング主題歌:BAND-MAID 「What is justice?」
オープニング主題歌:THE ORAL CIGARETTES「OVERNIGHT」
2025年7月11日より毎週金曜よる 11 時から
日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」枠にて全国30局ネットで放送
放送終了後、ABEMAで国内最速配信 各種配信プラットフォームにて順次配信
7月12日より毎週土曜深夜0時30分からBS日テレで放送開始
※放送・配信時間は変更となる可能性がございます
<あらすじ>
「お前は鬼の血を継いでいる……」
一部の人間に脈々と受け継がれる「鬼」と「桃太郎」の血。
はるか昔、自らの凶暴性を自覚するが故にひっそりと暮らしていた「鬼」だったが、
そこに「桃太郎」が攻め入った。
それぞれが「桃太郎機関」「鬼機関」を組織し、抗争すること何千年。
突然の“桃太郎”の襲撃で、自分が“鬼”だと知る主人公・一ノ瀬四季。
自らの血に棲む“鬼”と出逢った四季の宿命とは———。
———新世代ダークヒーロー鬼譚、ここに開幕!
【キャスト】
一ノ瀬四季:浦 和希
無陀野無人:神谷浩史
皇后崎 迅:西山宏太朗
屏風ヶ浦帆稀:石見舞菜香
矢颪 碇:坂田将吾
遊摺部従児:花江夏樹
手術岾ロクロ:三浦 魁
漣 水鶏:愛美
花魁坂京夜:木村良平
桃宮唾切:岸尾だいすけ
桃草 蓬:伊瀬茉莉也
一ノ瀬剛志:小山剛志
桃屋五月雨:増谷康紀
校長:緒方恵美
【スタッフ】
原作:漆原侑来「桃源暗鬼」(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:野中阿斗
監督補佐:橋本裕之
シリーズ構成・脚本:菅原雪絵
キャラクターデザイン:網サキ涼子
美術設定:別役裕之
美術監督:Scott MacDonald
色彩設計:多田早希
撮影監督:芹澤直樹
CG監督:福島涼太
編集:岡崎由美佳
音響監督:飯田里樹
音楽:KOHTA YAMAMOTO
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:スタジオ雲雀
Ⓒ漆原侑来(秋田書店)/桃源暗鬼製作委員会
BAND-MAID オフィシャルサイト
https://bandmaid.tokyo/
BAND-MAIDオフィシャルX
https://x.com/bandmaid
TVアニメ「桃源暗鬼」オフィシャルサイト
https://tougenanki-anime.com/
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