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REPORT

2025.07.04

ずっと忘れない、きっと忘れることのできない、集大成のステージ――「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours Finale LoveLive! ~永久stage~」Day.2レポート

ずっと忘れない、きっと忘れることのできない、集大成のステージ――「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours Finale LoveLive! ~永久stage~」Day.2レポート

6月21日・22日、スクールアイドルプロジェクト『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場する9人組スクールアイドルグループ・Aqoursによるワンマンライブ、「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours Finale LoveLive! ~永久stage~」が開催。Aqoursのキャスト9人(伊波杏樹(高海千歌役)、逢田梨香子(桜内梨子役)、諏訪ななか(松浦果南役)、小宮有紗(黒澤ダイヤ役)、斉藤朱夏(渡辺 曜役)、小林愛香(津島善子役)、高槻かなこ(国木田花丸役)、鈴木愛奈(小原鞠莉役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役))揃ってのワンマンライブは最後と銘打たれて開催されたこのライブには、彼女たちのステージを心に刻もうと、両日ともに多くのファンが足を運び声援を送った。本稿ではそのうち、DAY2の模様をお伝えする。

TEXT BY 須永兼次

磨き上げられた“Aqoursの魅力”が、僕らの胸を熱くする

開場中には、Aqoursの始まりを想起させる波打ち際の映像と波音のSEが流れ、そのたもとには砂浜のセットが。またステージ両端の輪の中には、ライブロゴにも描かれていた砂時計が映し出され、時が進みゆく様を描く。
そんななか、開演時間を迎えると、まずはセット裏から小宮がひょこっと顔をのぞかせ、ステージに登場。砂浜セットに大きく「Aqours」の文字を描くと、大きな拍手が場内を包むなか「内緒!」と言わんばかりに口元に指を当て、観客と指切りを交わしてステージを降りる。その「Aqours」の文字が大映しになると、沼津の街並みや出発する千歌の姿を描いたライブのOPアニメが上映。それに続いて、波打ち際に重なる形でメンバーのイラストが映されるのと同時にキャストが登場。1人ステージに上がるたびに、客席からは毎回“2人”の名を呼ぶ声が上がる。

そして9人が揃うとメインスクリーンにライブロゴが映し出され、「DREAMY COLOR」から楽曲披露が始まる。冒頭からフォーメーションは美しく、それでいて細かい動きを1つ1つピシッと決めたパフォーマンスを展開。表情も豊かにステージ上でも視線を交わしながら、寂しさのようなものを取り去ってくれるような歌声とパフォーマンスをみせていくと、続く「GEMSTONE“DE-A-I”」では、近年さらに磨きをかけた“魅せる”力を存分に発揮。ダンサブルなサウンドに合わせてグルービーなパフォーマンスで魅了しつつ、サビでは一糸乱れぬダンスを披露。2サビ明けの間奏では逢田や小宮は美しく、他方伊波や鈴木は切れ味鋭く、降幡はキュートに……といった具合に、ソロダンスでフィーチャーされるメンバーを中心に更に観客を沸かせてみせると、「Aqours☆HEROES」では9人がステージいっぱいに広がり、手を振るなどの観客とのコミュニケーションやステージ上のメンバー間での掛け合いなどを通じて、元気いっぱいかつハッピーに届けてさらに盛り上げる。そして曲前のコールタイムで爆上げされたボルテージと共に、「届かない星だとしても」を大盛り上がりのなか披露。2サビ明け間奏の終盤では、大サビにかけてダッシュで斉藤が帰還する姿から、改めてパワフルさも感じることができた。

この日最初のMCでは、9人揃っての「Aqoursです!」の名乗りを経て、各々の自己紹介へ。ここでは逢田が「今日は気合いが入っております。明日どうなろうと知ったこっちゃないので!」と意気を上げる。また恒例・諏訪のハグがこの日は1人だけではなく全員と交わされていたのも、アツいポイントだったのではないだろうか。

そして斉藤の曲振りを導入に、曜がセンターを務める「恋になりたいAQUARIUM」からライブは再開。メインスクリーンにはアニメPVが、両サイドのサブスクリーンにはキャストのパフォーマンスがそれぞれ映し出され、改めてそのシンクロぶりを感じられる1曲に。さすがは披露機会も多かった2ndシングル、高い練度で充実かつ盛り上がるステージを繰り広げていく。少々レトロで切ないダンスポップ「Deep Blue」では、『幻日のヨハネ』関連曲ということもあり、冒頭でソロを歌う小林がパフォーマンスでも引っ張っていく形に。1サビ明けの間奏でも、わずかな隙間にもウインクやファンサを盛り込んでいく。そして「Daydream Warrior」では、全員が凛とした表情でパフォーマンス。1-Bメロのソロでの、逢田の美しくも力強い歌唱がぐっと心を引き付ければ、2サビ明け間奏での斉藤・小林・伊波によるダンスタイムもまさに圧巻。ここでも今の“魅せる”力を堂々と提示すると、疾走感溢れるナンバー「スリリング・ワンウェイ」がスタート。ステージ両サイドの花道では花火も噴き出すなか、さらに心までも熱くさせるような、パワフルなパフォーマンスを展開していく。

ここで9人は一旦降壇。1年生組をフィーチャーしたダイジェストや新規アニメ映像を挟み、普段のメンバー紹介VTRを導入に「TV Animation Season2 Special Medley」がスタート。その幕開けを飾ったのは、アニメのOP映像をバックにしての「未来の僕らは知ってるよ」だ。この曲らしい、フレッシュかつエネルギッシュなパフォーマンスを9人が展開すれば、2サビ明け間奏のコール部では会場中から大きな声が発せられ、場内には“愛”が反響する。続く「MY舞☆TONIGHT」はサビ後半でアリーナ中央のセンターステージに移動。360度ぐるりと観客に囲まれながら、艷やかなステージングをみせていけば、「MIRACLE WAVE」ではトロッコに乗車。笑顔で観客とコミュニケーションを取りながら更なる盛り上がりを呼び込んでいくと、そのままミドルバラード「空も心も晴れるから」もトロッコで歌唱。新たな一歩への想いを温かな歌声に乗せて届けると、トロッコ3台は客席の奥側通路で合流し、拳を掲げ伸びやかに歌い始めた鈴木のソロから「WATER BLUE NEW WORLD」へ。客席中を染めるブルーの輝きに囲まれながら再び動き出すトロッコは、9人の大海原への出航を想起させるもの。一番間近でファンに向け、笑顔と共に次の一歩を踏み出すという意思を提示するかのようにも見えた。

  

メインスクリーンに映されたアニメのシーンと場内の景色がリンクしたところで、更に明るく次の夢を歌うナンバー「WONDERFUL STORIES」へ。歌い出しサビ明け後には伊波が千歌として、自身が探していた“輝き”へのセリフをエモーショナルに披露すれば、そんな彼女に微笑み寄り添いながら逢田と斉藤も歌唱。作中の3人の関係性を現出させたようなその姿もまた、胸を熱くさせる。そしてセンターステージに戻った9人は、直前のセリフで語られた“輝き”に辿り着くまでの9人の姿と結びつくナンバー「キセキヒカル」を披露。ベルーナドームの屋根の隙間からちょうど夕陽が差し込んでいた光景は、非常に美しく尊いきらめきを放っていたように思う。こうしてスペシャルメドレーを締め括った9人へ、温かく大きな拍手が長く長く響いていた。

  

 

続いては3年生組をフィーチャーしたダイジェスト映像と新規アニメを挟み、衣装チェンジした9人が登場して「HAPPY PARTY TRAIN」を披露。客席はこの曲のセンター・果南のイメージカラーであるエメラルドグリーンに染まる。その果南として、甘くも切なげな歌声でソロをとり彩っていく諏訪。2サビラストにはウインクも織り交ぜたりと、センターらしく見せ場でバシッと決めてみせた。気づけばこれが16曲目。折り返しも過ぎたこのタイミングでの“旅立ち”の歌は、また心に沁みるものだったのではないだろうか。心に沁みるといえば、続く「僕らの海でまた会おう」の冒頭で伊波の「Aqours Don’t forget」のフレーズも。加えてそんな彼女の指から伸びる糸をリレーするような斉藤の振付や、諏訪と鈴木が2人で作ったハートマークなど、決して消えない絆を感じさせるパフォーマンスもまたぐっとくる。
気づけば落ち続ける砂時計の砂は、残り半分ほどに。しかし続くナンバー「僕らの旅は終わらない」のタイトルどおり、まだまだAqoursのフィナーレライブは終わらない――と宣言するかのように、アッパーチューンに乗せて会場の熱気を再度ブースト。2サビ明けには再びセンターステージへと“旅”に出発だ。そして「未体験HORIZON」のアニメPVが流れると、ベルーナドームはこの曲のセンター・花丸のイメージカラーであるイエロー一色に。その中心で高槻が「永久stage、行くずら!」と意気を上げる。その高槻を筆頭に、1-A・Bメロでは1年生組3人が順にソロを担い、各々個性を際立たせつつ新しい世界への希望を伴わせながら場内を盛り上げていく。更に大サビでは金吹雪が噴き出し、楽曲の持つ希望の色と組み合わさって、ステージはますますきらびやかさを増していた。

歌唱後には2年生組をフィーチャーしたダイジェスト映像と新規アニメが上映されたところで、満を持して披露されたのが、劇場版での“9人のAqours”としての最後の曲「Brightest Melody」。とにかく笑顔できらめき溢れるステージングに乗せて、ここでも希望や「忘れない」のメッセージを、晴れやかに響かせ発していく。砂時計の砂が刻一刻と落ちゆくなかで晴れやかに歌われるこの曲が、またもたまらなく胸を熱くさせると、「SAKURA-saku KOKORO-saku」では和のテイストを含むEDMに乗せて、艶やかに麗しくダンスやフォーメーションを魅せていく。過ぎゆく時を惜しむ想いの込められたこの曲に、落ちサビのソロフレーズで溢れる想いを歌声で乗せた逢田の姿は非常に印象的だったし、その感情の発露に共感したファンも、きっと多かったのではないだろうか。

  

曲明け、伊波が次の曲がラストナンバーであることを告げ、「皆さんの心に刻んでください」の言葉に続く形で「永久hours」がスタート。笑顔で温かさと明るさを持たせた歌声と共に思い出を振り返りながら、決して“終わり”ではないこと、そして様々な想いを「忘れない」と誓い合うかのような1曲に。落ちサビではメンバーと視線を交わしながら歌った伊波が、一瞬だけ声を震わせ想いを爆発させれば、ラストもAqoursとファンとの「忘れない」の誓い合いが交わされ、始まりの景色・波打ち際をバックに締め括った。

次のページ:Aqoursの時は、これからも刻まれ続ける

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