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INTERVIEW

2025.06.07

『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』公開記念!森久保祥太郎(寿 嶺二役)×鈴木達央(黒崎蘭丸役)がQUARTET NIGHTによるステージの魅力を語る!

『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』公開記念!森久保祥太郎(寿 嶺二役)×鈴木達央(黒崎蘭丸役)がQUARTET NIGHTによるステージの魅力を語る!

ST☆RISHのライブを描いた『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』に続く『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ 』の最新作『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』が5月9日から公開となった。作中で繰り広げられる、QUARTET NIGHTがコンセプチュアルに魅せるライブパフォーマンスについて寿 嶺二役の森久保祥太郎、黒崎蘭丸役の鈴木達央に聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな

※蒼井翔太(美風 藍役)×前野智昭(カミュ役)の対談はこちら
https://www.lisani.jp/0000284372/

驚くほど時間を忘れる充実のライブ

――ついにQUARTET NIGHTのライブが開催となりましたが、まずはQUARTET NIGHTの皆さんも会場で観ていたST☆RISHの『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』という劇場公開のライブの感想をお聞かせください。

森久保祥太郎 劇中でQUARTET NIGHTの4人が「刺激を受けた」と言っていましたよね。

鈴木達央 言っていましたね。『うたの☆プリンスさまっ♪』と言えばST☆RISHですし、すごくハッピーな空気感に溢れていました。とても多幸感があってポップなところがST☆RISHの魅力で、その魅力が存分に感じられた作品で、そういうところに彼らも刺激を受けたのかなと思います。

森久保 ST☆RISHのキャストたちのXの様子を見ていても「すごく盛り上がってるな、いいな」と感じていましたし、彼らが楽しそうにしているのを僕自身も見ていました。ST☆RISHらしい空気を感じましたし、映像の彼らだけではなくキャストからもそんな空気を感じましたね。

――そして今回、QUARTET NIGHTの『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』が公開となりました。今の率直なお気持ちをお聞かせください。

森久保 僕、何回も観ちゃってます。この作品はパートごとに何日もかけて収録をしていて、全貌がわかった状態で録ったわけではないんですが、素直に観ることができました。お客さんと同じ目線で楽しめましたし、圧倒されました。とにかくライブパフォーマンスがすごい!先日タツ(鈴木)が「一度観るだけでは目が足りない」と言っていたのですが、その言葉は本当に言い得て妙で。一度観た後に、二度目、三度目と観ても、舞台装置や演出がすごく新鮮に感じます。純粋に、何度も観たいと思える作品なんですよね。

鈴木 しかも驚くほど時間を忘れてしまうライブで、色々なものを浴びるんです。その情報量の多さに「もう一度観なきゃ」と思わされますし、わからないところを確認したくなるんです。観る度にもっと観たい気持ちにさせてくれるライブムービーになったと感じますし、観る度に彼らがどうライブに向かっているかの解像度がどんどん上がっていく気もするんです。それもすごい体験だなと思っています。

森久保 コンセプチュアルなライブなこともあって、本編は1つのストーリーを背負ってステージ上で演じているような演出ですが、それが終わってアンコールでTシャツ姿で出てきた時には、いつもの彼らに会えた感覚でホッとしました。「やっぱりQUARTET NIGHTはいいなあ」みたいに感じるんですよね。フランクな感じがいつもの彼らで純粋な気持ちで観られます。さっきまで映像を観ていたのですが、アンコールのMCではすごく大事なことをたくさん言っていることに改めて気付いて。このライブが出来上がるまでのことも感じ取れるので、アンコールのMCにも注目してもらいたいです。

ライブの始まりに響く「メドレーアイドルソング」を解説!

――続いてセットリストについて伺います。ライブの始まりは「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX メドレーアイドルソング」収録曲の「Jewelful XXXX」。幕開けは寿 嶺二のパート「Seize me if you can」です。この曲の感想をお聞かせください。

森久保 レコーディングした時にはメドレーの一発目だとは知らないまま、新曲としてレコーディングをしました。この曲に限らず今回のライブで歌った曲は、全員で歌う曲も含めてどれも新しいアプローチがあって、なおかつ各アイドルのまだ出していない部分や魅力をピックアップしてもらっている気がします。この曲も、今までの嶺二にはなかったタイプの楽曲ですよね。ああいう感じで一発目に登場することになるとは想像していませんでしたし、みんながコーラスでそれぞれに絡んでくる演出も初めてでしたが、これもQUARTET NIGHTだからこそできるのかなと感じました。その演出にもド肝を抜かれましたね。他の3人とアクションで絡んだり、ポップな演出も含めてそのどれもが真新しい気がしました。(蘭丸も)警備員でね?

鈴木 絡みましたね。カットが変わると持っている警棒の色も変わるんですよね。芸が細かいなあと思いました。

森久保 さすが、細かいところまで観ているね!

鈴木 あははは(笑)。あれはいいですよね。あのシーン、好きです。

森久保 ああいうふうにステージで絡む4人も面白いなと思いました。

――同じく「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX メドレーアイドルソング」で蘭丸のパートになる「Force & Faith」はいかがでしたか?

鈴木 実は「3人がコーラスで参加したら面白いんじゃないか」と思っていたのですが、思い描いていたものを実際にQUARTET NIGHTの面々がやるのは面白いですし、その中で蘭丸らしさや新しい可能性が見えましたね。彼は自分のやれることをどんどん探求したいところがあるのですが、その一面も出せました。「Force & Faith」にはボイスパーカッション的な音も入っていますが、実は元のトラックにはなかったんです。レコーディングの時に「こういう音を入れたらどうですか?」と提案させてもらって、その場でどうしたら蘭丸らしく音を入れ込めるかと悩みながら録った経緯もあったのですが、それがすごく挑戦的で楽しかったです。結果として蘭丸らしさという枠を出しながらも自らそれを打ち崩して、外側を作っていく形になった。クールめに歌っているところにみんながコーラスを入れてくれている部分、さらにボイスパーカッションで自分も“素材”となった蘭丸。それらをこの楽曲で表現できました。

――さらに美風 藍、カミュのパートも含めた4人の個性がまとまり、「Jewelful XXXX」にまとまり、怪盗としてのステージが作り上げられています。このメドレー全体をご覧になってどんなことを感じましたか?

鈴木 今回のコンセプトにすごく寄り添っていると思いました。演出自体は物語仕立てになっていて、ある種のコンセプトありきなので、それをこのメドレーで皆さんに知ってもらうことになっている。その意味で「TABOO NIGHT XXXX」の始まるきっかけと全容を見せているので、演出とのマッチングがいい曲だなと思いました。

森久保 冒頭の掴みとしてすごくいい演出ですよね。なおかつ新しいものに挑戦をしたアプローチも見えて、それを派手に見せる演出でもある。掴みの曲としても、この「メドレーアイドルソング」だけで、今回のQUARTET NIGHTは違うぞと思わせるには十分でしたね。

ソロ曲には新たな表情と緊張感が。新境地を見せた嶺二と蘭丸

――続いて「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX アイドルソング 寿 嶺二」収録の「零-Zero-」です。この曲はいかがでしたか?

森久保 いい曲ですよね。これまでの嶺二は大人の余裕を感じさせるポップな曲と、元気はつらつで、みんなに呼び掛けるような曲が多かったのですが今回は憂いのある曲。嶺二を演じてきたなかで一番ゾクゾクしました。嶺二は「元気」だったり「お兄さん」だったりする部分が多いのですが、たまに見せる「憂い」があるんです。いつも飄々としているけれど、根底には憂いある大人な部分を持っている。それが今回の楽曲では全体に出たように感じます。そこがいいなと思いましたし、すごくゾクゾクしながら歌いました。

鈴木 蘭丸視点で言うと、普段から見ている、よく知っている嶺二が出てきた感覚がありました。タレントとして、アーティストとして、アイドルとしてという嶺二を見ているからこそ、ドラマCDなどで出てくるよく知る嶺二の一面。これまでは楽曲に出さないできたものを、今回は和装と一緒に出すのが嶺二らしいし、やっとよく知る嶺二が出てきたなという感覚になれる楽曲です。今まではキメが多かったり、ブレイクが多かったり、みんなとコール&レスポンスを楽しみながらコミュニケーションを取っていたステージパフォーマンスだけど、今回はダンスも含めて流れるように「魅せる」ことに徹しているのもいなと思います。

森久保 これまでの嶺二があるからこそ、出すべき曲だった気がします。10あるうちの2割くらいの「憂い」の部分を見せている。それを全面的に表現することは、今までの楽曲を積み上げてきたからこそすごく効果的だし、まさにこのタイミングだったなという気がしました。

――同じく「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX アイドルソング 黒崎蘭丸」収録の「Black Panther」という楽曲から見えた蘭丸についてお聞かせください。

鈴木 すべてをさらけ出すようなメッセージがこの曲にはあるなと思ったので、蘭丸として何を出すか考えました。どう応えるかが僕自身のテーマになっていましたし、そうした経緯もあってレコーディングは今までで一番時間がかかりました。すべてを出し切って、後は皆さんで繋いでいただきたい、と託すくらい「歌う」ことをやり切りました。蘭丸自身がこの曲を通して、その先にあるものを探そうとしていただろうし、掴みたかったのだろうと思って。ありがたいことにレコーディングをする際には「この楽曲は、こんな感じのステージングでやります」や「歌詞ではこういうことを歌っています」と全部伝えていただいているので、そのうえで「蘭丸はなぜこの曲を出そうと思ったのか」と自問自答しながらレコーディングに臨みました。そういったうえで臨めたからこそ蘭丸の見ている「次」が見つかりましたし、この曲のレコーディングをきっかけに自分が蘭丸として『うたの☆プリンスさまっ♪』に、QUARTET NIGHTに関わっていくにはどうしていかなければいけないかがすごく見えて、「蘭丸としてこうしていこう」という指針が固まった、ある種のターニングポイントとなる曲でした。

――パフォーマンスもすごかったですね。

鈴木 ひりつくものにしたい、とずっと話をしていたので、それを歌で表現できましたし、映像でも表現していただきました。

森久保 ひりついていたねえ。

鈴木 全体的に今回の蘭丸は緊張感が高いですよね。それは歌からも強く感じていました。

森久保 タツがそういうふうな想いを持ってレコーディングしていたことを知らなかったのですが、今回のライブを観ていた時に、ある種のひりついた緊張感を感じていたんです。今作の公開に関する取材を2人で受けるようになって、蓋を開けてみればタツがそうした想いを持ってレコーディングに臨んでいたと知って。「なるほどな」と腑に落ちました。

次のページ:声が重なることでQUARTET NIGHTの個性になる歌

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