REPORT
2025.06.05
先日、正式サービス開始から1周年を迎えたスマートフォン向けアプリゲーム「学園アイドルマスター」(以下、「学マス」)。本作に登場するアイドル12人を演じるキャストが初めて勢揃いしたライブ“学園アイドルマスター The 1st Period”が、立川ステージガーデンで2週に渡って開催された。1週目は“Spotlight Star”と題し、ソロにフォーカスしてアイドルたちが魅力を発揮。本稿では、2025年5月25日の“Spotlight Star”DAY2の模様をお届けする。
TEXT BY 千葉研一
昨年8月から開催された「学マス」初のライブツアー“学園アイドルマスター DEBUT LIVE 初 TOUR”(以下、“初TOUR”)では、“初声公演”“初心公演”“初恋公演”“初陣公演”と題し3人ずつが出演することでライブパフォーマンスの第一歩を飾った。そんな“初TOUR”を経てついに、長月あおい(花海 咲季役)、小鹿なお(月村 手毬役)、飯田ヒカル(藤田 ことね役)、七瀬つむぎ(有村 麻央役)、花岩香奈(葛城 リーリヤ役)、伊藤舞音 (倉本 千奈役)、湊 みや(紫雲 清夏役)、川村玲奈(篠澤 広役)、薄井友里(姫崎 莉波役)、松田彩音(花海 佑芽役)、春咲 暖(秦谷 美鈴役)、陽高真白(十王 星南役)が勢揃いした今回のステージ。彼女たちが身につけていたのは、各アイドルの最初のソロ曲での衣装を再現したもので、各アイドルたちが個性溢れる姿で躍動し、プロデューサー(「アイドルマスター」シリーズのファンネーム)たちを熱くさせた。
期待の空気が充満する会場。スクリーンに初星学園の学園長・十王 邦夫(CV:大塚明夫)とプロデューサー科担任・根緒 亜紗里先生(CV.古賀 葵)が登場し、2人の「開演じゃ!(大塚)」「開演です!(古賀)」の言葉でステージの幕が開く。DAY2のトップバッターを飾ったのは小鹿。歌ったのは「叶えたい、ことばかり」だ。いきなりDAY1未披露の楽曲に、驚きと喜びの歓声があがる。その期待をゆうに上回るほど感情をむき出しに突き上げる小鹿の歌声や表情は圧巻で、プロデューサーの心を揺さぶっていく。“初TOUR”にはなかった演出として、複数の大きなスクリーンを使った演出があり、その映像に小鹿の歌唱力・表現力が合わさることで更なる魅力を生み出していた。
続いて、長月が「Fighting My Way」を熱唱。最初のソロ曲で難易度も高い曲だからこそ、披露するたびに長月の成長を感じるこの曲。歌やダンスの実力、体力もアップした見事なパフォーマンスは、まさに咲季が「私を見なさい!」との声が聞こえてくるかのようなかっこ良さだ。キックアクションで眼の前のカメラがノックバックするなど“初TOUR”を通じて培われた演出に加え、今回はスクリーンに長月の影が映し出されて一緒に踊る演出もパフォーマンスを彩る。撮影は2時間かけたそうで、より良いものにしたい努力の結晶が最高のステージを作り上げていた。
その熱さを受け、軽快にステージインした湊は「Ride on Beat」を初披露。マイクを客席に向けて声を求めつつ、プロデューサーたちと一緒になってテンションを上げる。キレッキレのダンスや美声の響き、表現力など様々な面でクオリティが高く、何よりステージを楽しむ姿が印象的。MCでは湊自身「Ride on Beat」を初披露するにあたり正解が見つからなかったと振り返っていたが、プロデューサーたちの声を聞いて、自分の気持ちを溢れ出して歌えば良いと感じたという。
すると今度は、薄井がお洒落なイントロから「clumsy trick」を歌い上げる。莉波の魅力を表情にも仕草にも込めて歌う薄井。何より今回はゲームと同じようにカメラが仕込まれたマネキンが置かれ、それに向かって歌ったり、背中から近づいて身体をあずけたりするパフォーマンスがあり大歓声が沸き起こる。薄井本人は少し恥ずかしかったようだが、愛情たっぷりに歌い上げる姿はプロデューサーたちをドキッとさせていた。
「The Cute!!!」を初披露した飯田は、ことねの内面を振り絞るような声で届けていく。泣きそうな表情や“悔しい”と叫ぶシーンは痛いほど胸に突き刺さるもので、その説得力はことねと向き合ってきたからこそ。想いを全て吐き出し、最後に“可愛い私が好き”と笑顔を浮かべる姿も素敵だ。そして、最初の息遣いから自らの世界に引き込んだのは春咲の「ツキノカメ」。雰囲気たっぷりに歌い上げる彼女は神秘的でもあり吸い込まれる。かと思えばキッとした表情を浮かべて内に秘めた激しさも垣間見せ、みんなを没入させていった。
ここでいったん全員が揃って挨拶をし、更にソロ曲を畳み掛けていく。花岩は「Fragile Heart」で最初のフレーズから彼女の魅力でもある透き通る美声を響かせ、リーリヤの芯の強さや想いと共にステージで躍動。安定感が見違えるほどにアップしたことで、それがダンスのキレや表現力にも繋がり、白い羽根が吹き上がる映像をバックに気持ちを込めて歌い上げていく。
元気いっぱいに「The Rolling Riceball」を披露したのは松田。“初TOUR”に参加していない彼女にとっては今回が初めてのステージとなったが、ここに向けた努力と潜在能力の高さを感じさせるパフォーマンスはかわいく楽しく、コール全開で盛り上がるプロデューサーたちのテンションも青天井で上がっていく。印象的な大きなおにぎりを作ってかぶりつく振付は松田自身が考えたそうで、佑芽の魅力が満載。多彩な楽曲が存在する「学マス」において、佑芽と松田の存在も欠かせないことを改めて感じさせる超絶楽しいステージとなった。
ここで七瀬がお洒落さいっぱいに「Fluorite」を披露。伸びやかな歌声は凛としていて美しく、ただ聴かせるだけでなく、この空間を自分の世界に染め上げていく。指先まで気持ちの入った動きに加えセリフパートもかっこ良く決めると、続いて登場したのは陽高。「Choo Choo Choo」で美しい高音を響かせ、矢を放つポーズでもみんなの心を釘付けにする。長い手足を活かしたダイナミックなダンスもインパクトがあり、その姿は一番星(プリマステラ)としての貫禄充分だった。
さらに、個性の光るソロ曲が続く。川村は広の独特の雰囲気を「光景」で表現。今回はゲームの振付をしっかり再現したためダンスの難易度が上がっていたそうだが、それを感じさせない動きを見せつつ、美しい歌声をも響かせる。そして、伊藤は「ときめきのソルフェージュ」を披露。ステージを軽快に駆け回る動き、にこやかな表情、かわいく歌う姿……すべてが千奈そのもので、音符が飛び交う映像を背に、歌声にもステップにも嬉しさが滲み出ていた。
12人が12色のソロ曲を披露した後は、全員が集結して「Campus mode!!」へ。12人バージョンは現時点での完成形と言えるもので、曲中で12人がバトンを繋ぐ振付も感慨深い。躍動する彼女たちはセリフ調のパートでも気合入った声をあげ、会場を一体にしていった。そして、そのままステージに残った七瀬、小鹿、飯田、長月、松田、花岩がMCでソロ曲や衣装の推しポイントについて話し、ライブは折り返しに。
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