REPORT
2025.05.29
2025年でアーティストデビュー20周年を迎えたMay’n。それを記念したコンサート“SANKYO presents May’n 20th Anniversary Concert Gratz from MACROSS F”が2025年5月9日、10日の2日間にわたってパシフィコ横浜・国立大ホールにて開催された。1日目は「With you -Sheryl On Stage-」と題して、May’nがアーティスト人生の大半を共に歩んだアニメ『マクロスF』の歌姫シェリル・ノームをフィーチャー。銀河の妖精が、横浜の夜に降臨した。
TEXT BY 仲上佳克
シェリルのテーマカラーであるピンク色のペンライトで染まった客席。2008年のTVアニメ『マクロスF』放送開始以来、多くのライブ会場で「シェリル・ノーム starring May’n」として歌を披露してきたMay’nだが、シェリルの楽曲のみで1本のライブを開催するのは今回が初めて。パシフィコ横浜に集まったファンの期待も最高潮に高まるなか、開演時間となり会場に流れた音声はシェリルのマネージャー、グレイス・オコナー(CV:井上喜久子)のアナウンスだった。観客が予定通り入場できたことを確認して、開演の準備に入るグレイス。各セクションのスタッフへの最終確認の呼びかけが行われるなかで、バンドチームへの確認に対してはステージにスタンバイしていたMay’nのサポートバンド「TEAM ONGAKUSHITSU」のメンバーが実際に音を出して応える、という心憎い演出も。
「私の育てたフェアリー9。いいえ、シェリル。銀河の妖精、シェリル・ノーム。あなたの歌でパシフィコ横浜を、銀河を震わせなさい!!」──グレイスに送り出されて、大勢のファンが待つステージへと向かうシェリル。その1曲目は、ライブのオープニングナンバーにふさわしい「Welcome To My Fanclub’s Night!」だ。舞台上に設置されたステージセットの上段にMay’nが堂々と姿を現すと、観客のボルテージが一気に上昇する。その衣装はシェリルの軍服風コスチュームを思わせる姿で、間違いなくこのライブが“Sheryl On Stage”であることを歌声でもビジュアルでも実感させた。1曲目を歌い終えたところで、両手を広げて観客からの声援を全身で浴びるMay’n。続けて歌った2曲目は『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』で使用された「禁断のエリクシア」。ここではダンサーチームによる前衛的なパフォーマンスも相まって、妖艶な雰囲気を醸し出していた。
「精いっぱい、一日シェリルとして生き抜きます! 最後までよろしくお願いします!!」
そう宣言して始まったのは、シェリルの代表曲ともいうべき名曲「射手座☆午後九時Don’t be late」。これまで数えきれないくらいの回数を歌われてきた曲ではあるが、サビの「持ってけ!」「飛んでけ!」で観客の声が揃うところは何度聴いても気持ちがいい。間奏では“声シェリル”としてMay’nと共にシェリルを支えてきた遠藤綾による「あたしの歌を聴け!」の名セリフも流れ、ライブをさらに盛り上げる。歌の終わりに帽子を取って、モニターに映し出されたどこか挑発的な表情も、歌姫として絶対的な自信を見せるシェリルを彷彿とさせた。「What’bout my star?」では浮遊感のあるメロディーにMay’nの歌声が心地よく響き、まるで宇宙空間を旅する船団の一員になったような感覚にもなっていく。
次に歌った「ゴ〜〜ジャス」は2017年にPVが公開された、今回のセットリストの中では新しい部類に入る曲。「ちょうだいちょうだい」と繰り返すセクシーな歌声も魅力的で、曲の途中ではダンサーが用意したサングラスや帽子を身にまとい、セレブのごとく振る舞うというパフォーマンスも披露した。『劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜』で使用された「ユニバーサル・バニー」は白いうさぎと黒いうさぎの声色を使い分けながら歌う異色のナンバーでファンの人気も高く、イントロが流れた瞬間には客席からどよめきが起きていた。そして、同じく『イツワリノウタヒメ』の楽曲「pink monsoon」で、このブロックをしっとりと締めくくる。
「今回、歌シェリルとして表現したい“Sheryl On Stage”にはもちろんこだわっているんですけど、でも、シェリルの一ファンとして『こういうシェリルが見たいなあ』とか『きっとこのとき、こういう想いだったんじゃないかな』とか『描かれていないけど、実はこういうシーンって絶対あったはずだよ』って思う、ファンとしての見たかった“Sheryl On Stage”をお届けさせていただきたいなと思って今日を迎えています」
そんなシェリルの秘められた想いを届けるように、「会えないとき」はピアノの伴奏のみで歌い上げる。その後ろには、シェリルの想い人である主人公・早乙女アルトの姿が映し出されていた。その次の「天使になっちゃった」ではギターが加わり、「ふなのり」「リーベ~幻の光」と合わせた4曲はアコースティックアレンジでの披露となった。もちろん激しく熱いステージもシェリルの魅力ではあるが、銀河の妖精としてのスター的な一面とはまた違った1人の少女としての胸のうちがMay’nの歌声を通じて伝わってくる、温かい時間となった。
ここでMay’nがいったんステージを降りると、会場内には舞台裏で繰り広げられるシェリルとグレイスの会話が流れ出す。息を切らしながら、観客の反応をグレイスに確認するシェリルと、各セクションとの連携をシェリルに確認するグレイス。「パシフィコ横浜の観客も最高だわ!」と喜ぶシェリルと、そんなシェリルを見て「いつになく楽しそうね」と言うグレイスの微笑ましいやりとりは、アニメ本編における2人の激動のドラマを知ったうえで聴くと束の間の平和のようにも感じられた。でも、ここではそんな感傷的な思いは忘れて、目の前のライブに集中するのみ。
「これだけの環境が整っているんだから、あとは私、シェリル・ノームが命を込めて歌うだけよ!」──シェリルのセリフと共にライブへ後半戦へと突入すると、純白の衣装に着替えてステージへと舞い戻ったMay’nが歌ったのは「妖精」だった。まさに幕間の音声ドラマで語られたシェリルの想いを歌ったような1曲で、パシフィコ横浜に集まった最高の観客たちも改めてその想いを受け止めていた。
続く「イゾラド」は重厚感のあるロックで、再びシェリルが力強く、かっこよく立ち上がる。そのままセットリストはラストスパートへ向けて、「インフィニティ」「永遠」「オベリスク」「ノーザンクロス」と、力のこもった楽曲たちがつながっていく。1曲1曲重ねるごとにMay’nの表情や歌声にもどんどん迫力が増していき、まさにシェリルと一体化して、シェリルそのものがそこに存在しているかのようなオーラさえ放っていた。そして「サクリファイス」を歌い終えたところで、画面に映し出されたのはシェリルのイヤリング。それをじっと見つめるMay’nだったが、そのイヤリングを実際に身につけて歌ったのはTVアニメ『マクロスF』前期のエンディングテーマであり、シェリルの原点ともいえる「ダイアモンド クレバス」。粋な演出に胸をいっぱいにしながら、観客はMay’nを見送った。
止まらない「シェリル!」コールに応えて三度ステージに戻ってきたMay’nは「イヤリングを返してもらいました」と、アニメ本編でのシェリルのイヤリングのゆくえを意識した発言で笑いを取っていた。そんな和やかな雰囲気にも包まれるなか、最後は「あと1曲、みんなで一緒に歌いませんか?」と、ポップなナンバー「ギラギラサマー(^ω^)ノ」でド派手にフィナーレを飾る。歌ったり、踊ったり、間奏で客席にウェーブを巻き起こしたり、みんなで楽しく騒いで“Sheryl On Stage”は笑顔で締めくくられた。
この日のステージでは、9年ぶりとなるシンフォニックコンサート“May’n 20th Anniversary Symphonic Concert「TWENTY Around for You」”の開催も発表された。2025年10月12日(日)東京芸術劇場コンサートホールにて行われる当公演のチケットは、5月29日(木)18:00よりHP先行抽選受付が開始となる。
▼コンサート2日目「With you -May’n Space-」のレポートはこちら
2025年5月9日(金)
SANKYO presents May’n 20th Anniversary Concert Gratz from MACROSS F
「With you -Sheryl On Stage-」
セットリスト
01. Welcome To My Fanclub’s Night!
02. 禁断のエリクシア
03. 射手座☆午後九時Don’t be late
04. What’bout my star?
05. ゴ~~ジャス
06. ユニバーサル・バニー
07. pink monsoon
08. 会えないとき
09. 天使になっちゃった
10. ふなのり
11. リーベ~幻の光
12. 妖精
13. イゾラド
14. インフィニティ
15. 永遠
16. オベリスク
17. ノーザンクロス
18. サクリファイス
19. ダイアモンド クレバス
En1. ギラギラサマー(^ω^)ノ
●ライブ情報
May’n 20th Anniversary Symphonic Concert 「TWENTY Around for You」
HP先行(抽選)受付中
【日程】
2025年10月12日(日)
[昼公演]開場13:30 / 開演14:30
[夜公演]開場17:30 / 開演18:30
【会場】
東京芸術劇場コンサートホール
住所:〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1 HP:https://www.geigeki.jp
【チケット料金】
・全席指定:¥12,000(税込)
・昼夜通しチケット:¥24,000(税込)
*昼夜通しチケットは特典クリアファイル/コンサートプログラム付
*未就学児入場不可
[オーケストラ]グランドフィルハーモニック東京
[音楽監督]大嵜慶子
受付期間:2025年5月29日(木)18:00~2025年6月9日(月)23:59
お申し込みはMay’nオフィシャルHPまで
Mayʼn オフィシャルWEBサイト
https://mayn.jp/
マクロスシリーズ公式WEBサイト
https://macross.jp/
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