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INTERVIEW

2025.06.04

「神崎エルザ starring ReoNa ×ReoNa Special Live“AVATAR 2024”」、そして「ReoNa ONE-MAN Concert“Birth 2024”」という異なるコンセンプトのライブが映像化。ライブ当日の想いをReoNaが振り返る。

「神崎エルザ starring ReoNa ×ReoNa Special Live“AVATAR 2024”」、そして「ReoNa ONE-MAN Concert“Birth 2024”」という異なるコンセンプトのライブが映像化。ライブ当日の想いをReoNaが振り返る。

昨年10月19、20日に東京ガーデンシアターにて2デイズライブを開催したReoNa。神崎エルザとReoNaによる対バンライブ「神崎エルザ starring ReoNa ×ReoNa Special Live“AVATAR 2024”」、デビューから節目に開催してきた、今回3回目となる「ReoNa ONE-MAN Concert“Birth 2024”」という異なるコンセンプトでありながら、どちらもReoNaが辿ってきた足跡を示す記念碑的なライブとなった。このたび映像作品となって甦る2公演を通して、ReoNa自身のこれまでの歩みをも振り返る。

★「ReoNa ONE-MAN Concert“Birth 2024”」ライブレポートはこちら

★「神崎エルザ starring ReoNa ×ReoNa Special Live“AVATAR 2024”」ライブレポートはこちら

INTERVIEW BY 北野 創 TEXT BY 松井恵梨菜

ReoNaと神崎エルザにしかできないライブをお届けできた

――ライブからもう8ヵ月くらい経ちました。記憶に残るご自身のライブとしてはベスト何位くらいですか?

ReoNa 絶対、トップ5には入ります。

――1番記憶に残っているのはどのライブなんですか?

ReoNa 記憶に焼き付いてるっていうイメージで言うと、最初のマイナビBLITZ赤坂での「神崎エルザ starring ReoNa × ReoNa Special Live“AVATAR”」(2018年開催)。あの日の熱い、焼けるような空気とか、初めて裸足でステージに立った時の足裏の冷たさとか、感覚的なところがすごく記憶に残っています。

――今回の東京ガーデンシアター2デイズライブも、その思い出深い“AVATAR”に繋がるライブかと思います。ReoNaさん史上過去最大規模のライブでしたが、そこに“AVATAR”と“Birth”という、過去にやってきたライブシリーズを数年ぶりに打ち当てる話はどこから始まったのでしょうか。

ReoNa まず“AVATAR 2024”は、『GGO』(『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』)との再会とは切っても切れないストーリーがあった思っています。ガーデンシアターでの2デイズライブが決まっていたときに、アニメ『GGO』が帰ってくるという(6年ぶりに第2期を放送)。

――それはもう“AVATAR”をやるしかないよね、ってなりますね。

ReoNa なりました。AVATARの開催が決まってからは、「神崎エルザのライブってどういうものなんだろう?」って考えるところから始まりました。前回“AVATAR”当時(2019年)の私は右も左もわからない状態で、どちらかというとエルザの胸を借りるような気持ちで。『GGO』が好きで、エルザが好きな人に、少しでもReoNaの音楽に触れてもらえたらっていう気持ちだったんです。それから5年経って、今回は神崎エルザとReoNaの真剣勝負、“ガチで対バン”というテーマに決まって。神崎エルザを顕現させるために、エルザってこうなんじゃないか、ああなんじゃないかというのをみんなで考えました。今まではReoNaがエルザを招待してたけれど、今回はエルザから「なんだ、ReoNaちゃん。10月20日にガーデンシアターを抑えたんだったら、私と19日に一緒にライブやろうよ」って。

――今までの“AVATAR”とは意味合いが異なる部分が大きかったんですね。

ReoNa その時その時の最大限の力でエルザとライブを作ってきました。それから5年の道のりを経て、ReoNaとしてできることの幅が広がってきたり、新しいスタッフとも出会い、考える余地が広がったりして。今回初めて日笠(陽子)さん(神崎エルザ/ピトフーイ役)に生でMCをしてもらえたことも含めて、“AVATAR”の形が出来上がった日だったと思います。

――エルザを顕現させるために日笠さんの存在は必要不可欠だったと思いますが、日笠さんを招くというアイデアはどのように出てきたんですか?

ReoNa かなり早い段階から、絶対にお声がけさせていただこうと決めて、お引き受けいただいていました。そこから、加東(岳史)さんに演出・脚本をお願いして。ReoNaをデビュー前から知っていて、『GGO』もすでに見ていて、ReoNaの楽曲も知っているうえで、改めて原作を何度も読み込んでいただいて。そうしてできた脚本を日笠さんに演じていただいて。会場でその場の空気を感じながら言葉を発して、最後は一緒にステージにも立っていただけて、今回は本当に超スペシャルなライブだったと思います。

――ReoNa vs. 神崎エルザという対バン形式で、ReoNaとしてもエルザとしてもステージに立つ形になったわけですが、その切り替えについてはいかがでしょうか。

ReoNa ワンマンライブでエルザのお歌を歌うことと、“AVATAR”でエルザのお歌を歌うことは自分の中で違って。“AVATAR”の時はエルザが前にいて。会場には純粋なエルザファンもいると思って、エルザのことを好きな人のことをすごく意識しました。ReoNaパートの時は「エルザに負けたくない」という、本当に対バンの意気込みで歌っていました。

――セットリストはどのように考えていかれたのでしょうか。

ReoNa 自然と“Birth 2024”の存在がこの日をこうさせてくれました。これだけ楽曲数を抱えてくると、ライブでお届けしたい曲も山のようにあって。色んなアニメに寄り添わせていただいたお歌だけじゃなく、絶望系アニソンシンガー・ReoNaとしてお届けしてきた楽曲もたくさんあるなかで、“エルザとガチで戦う”となったら、未だかつてなく激しく熱く、『ソードアート・オンライン』(以下、『SAO』)楽曲で殴り込みにいくみたいなセットリストに辿り着きました。「Weaker」から始まり、「VITA」で終わるという。

――『SAO』との縁が長いからこそできたセットリストでもあるわけですね。

ReoNa 『SAO』『GGO』楽曲で対バンする。ReoNaと神崎エルザにしかできないライブをお届けできたんじゃないかと思います。

――色々と繋がった公演が“AVATAR 2024”だったんですね。ReoNaさん的にライブの見どころを挙げるとしたら?

ReoNa まず、「Disorder」「Independence」「Dancer in the Discord」のパートは山場の1つだったと思います。神崎エルザの中に潜む狂気だったり、日笠さんのピトフーイを匂わせるようなMCだったり。あの日あの場所に日笠さんがいてくださらなかったら、今回のようなかたちでこの3曲をお届けできてなかっただろうなと思います。

――そもそも、ReoNaさんのライブで煽りを入れること自体それまでなかったですよね。

ReoNa その日は神崎エルザ starring ReoNaとして、やるんだったらもう振り切って、しっかり拳を振り上げて、エルザだったらこうするはず、と。それに反応してくれた“AVATAR 2024”を楽しみ尽くしに来てくれてたみなさんのエネルギーは忘れられないですあの日は日笠さんが要所要所でアドリブを挟んでくださっていて。「何座ってるの。立って立って」とか、 “エルザだったらこう言うだろう”というMCを挟んでくださって。ああ、神崎エルザと日笠陽子さんと、一緒にライブをしているんだなあと思ってました。

――ちなみに、投げキッスはアドリブですか?

ReoNa 日笠さんのアドリブです。私としてはちょっとおもはゆい気持ちもあったのですが、「エルザが言ってるんだから、エルザがやらなきゃダメでしょ」って、開き直ってやりました。

――そのあとに開催した「ReoNa ONE-MAN Live Tour 2025“SQUAD JAM”」(https://www.lisani.jp/0000280252/)でも、ReoNaさん自身が煽りを入れる瞬間がありましたが。

ReoNa 私の中ではすごく太いパイプで繋がっていて。“SQUAD JAM”という言葉自体が『GGO』の中では大事な戦いの場で、そのタイトルをお借りして全国を回るというツアーの、前日譚になるようなライブが“AVATAR 2024”だったと思います。

――“AVATAR 2024”では、初の試みとしてアンコールもありましたね。

ReoNa 「ReoNaのライブにアンコールないけど、エルザのライブにアンコールあっから」「エルザにそう言われたら、やらないわけにいかないよね」と。

――そのアンコールで「GG」を初披露されましたが、感触はいかがでしたか?

ReoNa 「GG」という楽曲の門出にふさわしい舞台だったと思います。ReoNaがライブで初めてお歌を披露する時は、原曲に忠実にやることが多いんですけど、「GG」に関しては“AVATAR”だからこそ、日笠さんとの掛け合いが間に入ったり、日笠さんの声が一節重なっているところがあったり、最後は登壇してくださったり。楽曲の“楽しんだもん勝ち”という言葉がそうさせたような初披露だったと思います。

次のページ:今まで生きてきた足跡がたくさん散りばめられています

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