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REPORT

2025.05.23

fhána結成からの14年間を振り返ることができるスペシャルなステージ『fhána Billboard Live 2025』を振り返る

fhána結成からの14年間を振り返ることができるスペシャルなステージ『fhána Billboard Live 2025』を振り返る

2011年5月5日に結成されたfhána。結成当初は曲によってゲスト・ボーカルを採用するスタイルだったが、2012年秋にはtowanaが正式加入してボーカルを担当するようになった。Billboard Live YOKOHAMAで行われた『fhána Billboard Live 2025』は、そんなfhánaの結成14周年を記念して1日2回公演で開催されたライブ。そのなかから懐かしい楽曲も多く演奏されたレアなセットリストとなった2ndステージの模様をレポートする。

TEXT BY 塚越淳一
PHOTOGRAPHY BY 笹原清明

fhánaの歴史を辿るスペシャルなステージ

客席を通ってステージに上がるというのは、Billboard Liveの1つの特徴だ。大きな拍手を受けながら、fhánaの3人とサポートメンバーがステージに登場。ボーカルのtowanaが中央、その両脇に佐藤純一(key、cho)とkevin mitsunaga(sampler、etc.)、Bassにfhánaのライブではお馴染み、andropの前田恭介、Drumsに北村望、GuitarはHoneyWorksの中西とインナージャーニーの本多秀がスタンバイする。ステージに立つ男性全員が白いシャツで統一していたのは、ビルボードの雰囲気に合わせてのことだろう。ライブは昨年のアニメ主題歌「天使たちの歌」(TVアニメ『義妹生活』OP主題歌)からスタート。その伸びやかで真っ直ぐな歌声を、会場中に響かせていく。

ミラーボールに光を当て、会場に星を煌めかせながら歌ったのは「星をあつめて」(劇場版『SHIROBAKO』主題歌)。一歩一歩前へ進むような、どこか希望を感じさせるメロディと歌声に胸が弾む。「fhánaの音楽と、Billboard Live YOKOHAMAの音響と空間と美味しい食事とお酒……。五感すべてで、ライブを楽しんでいただければ幸いです。最後までよろしくお願いします」と、佐藤が短く挨拶をすると、大きなクラップを起こし、イントロでtowanaがピアニカを弾く「アネモネの花」へ。どこか切なさを感じる歌声とメロディ、それと相反するような間奏でのギターやドラムの分厚い音の壁。その対比が心地良かった。

続く「city dream city」では観客も巻き込んだ盛り上がりを作り出す。グルービーなサウンドにtowanaがステップを踏みながら楽しそうにパフォーマンスをすると、佐藤が鍵盤を激しく叩き、kevinはラストには勢い余って持ち場を離れてステージを動き回る。客席もそれに呼応し激しくクラップ!ステージと客席がスウィングしている感じが気持ち良い。

佐藤が「実は久しぶりに日本でライブするんです。その間、香港でワンマンライブをやったり、先々週はカナダに行ったりして、演奏ついでに食べ物を楽しんできました(笑)。海外でライブをたくさんしてきたんですけど、日本に帰ってきてのライブは本当に気持ちが良いですね!こうして行く先々で曲を聴いてもらい、聴いてくれた人が喜んでくれる。それは僕らにとっても贈りものだと思います」と言うと、美しいピアノの旋律を奏で始める。そこに楽器の音色が重なっていくと、towanaが想いを込めて「gift song」を届けていく。どこか希望を感じる優しい歌声がとても印象的だ。続く、サックスの音色が印象的な「ユーレカ」はグルービーな楽曲で、客席からも自然とクラップが起きると、リズムに揺れながらtowanaが気持ち良さそうに美しい歌声を響かせていく。fhánaで初めてtowanaが作詞をした本楽曲。彼女の平歌の声の良さと、そこから一気に激しくエモくなっていくボーカルの魅力を存分に感じることができた。

印象的なピアノのリフからポップに展開されていく「ケセラセラ」(TVアニメ『有頂天家族』EDテーマ)は、fhánaのメジャーデビュー曲。彼らの初期を代表する曲がアコースティックアレンジの“先斗町バージョン”で披露され、切なく、そして新鮮に響く。続けてメジャーデビューから2期連続のタイアップ曲としてリリースした「tiny lamp」(TVアニメ『ぎんぎつね』OPテーマ)を披露。アッパーな楽曲での突き抜けてくるtowanaの歌声。結成14周年記念ライブで、デビュー直後のfhánaの衝撃を再び味わっているような気持ちになる。楽器隊も熱い演奏に、観客もずっと盛り上がっていた。

次のページ:fhána始まりの曲「kotonoha breakdown」も披露

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