リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2025.05.22

自身の最高と最速を更新し続ける強靭な意志がそこにはあった――。KOTOKO、メジャーデビュー20周年を締め括るツアー“KOTOKO ASIA TOUR 2025”ファイナル公演をレポート!

自身の最高と最速を更新し続ける強靭な意志がそこにはあった――。KOTOKO、メジャーデビュー20周年を締め括るツアー“KOTOKO ASIA TOUR 2025”ファイナル公演をレポート!

名曲と共に強度を増し続ける驚異的なステージ

感動的なブロックを終えた後のMCでは、この日のツアーのモチーフとなった紫陽花について語るKOTOKO。それに合わせて次のブロックは紫陽花とその季節をイメージさせる楽曲を披露。まずは「水無月の恋~mimetic memory~」のセンチメンタルなムードがKOTOKOのボーカルも雨を思わせるウェットな切なさを響かせる。大島のギターをはじめ、ここでの繊細なバンド演奏も素晴らしい。そこからの「Éclat」は原曲に比べてバンドサウンドも効いたエネルギッシュなサウンドを聴かれた。続いてのMCでは20年のキャリアを振り返り、シンガーだけではなく作詞家としてのキャリアについて語る。「せっかくなのでここでそんな楽曲からセルフカバーで聴いてください」と続いてのブロックへ。KOTOKOが歌詞提供した楽曲たちが披露されていった。まずは2023年リリースの『リデコレイト・マイセルフ』にも収録された「Pure Heart ~世界で一番アナタが好き~ -Redecorate ver.-」から。2000年にAKIに提供したこの曲、懐かしさを感じるなかでKOTOKOも少しキュートに寄せた歌唱を聴かせていた。そこから2016年にRayに提供した「a-gain」へと続く。これも意外な選曲だが、爽快感溢れるサウンドと共に聴かせる穏やかな歌唱がサビではパワフルに転じるあたり、KOTOKOらしい。そしてここでもその穏やかな余韻を切り裂くように攻撃的なシンセが鳴らされる。2011年にRO-KYU-BU!に提供した名曲のセルフカバー「SHOOT! -KOTOKO ver.-」の幕開けだ。ここでの地鳴りのような歓声はすさまじく、再び会場に火がついたような盛り上がりを見せた。そしてここからは怒涛のセットが続いていくこととなる。

 

MCを挟んで披露されたのは、中国スマホアプリゲーム「牧羊人之心」に提供した「新緑のユートピア」。大陸的なサウンドにKOTOKOのハイトーンが響き渡る1曲だ。そこから2010年代の代表曲の1つ「→unfinished→」へと続いていくと、観客は爆発的な歓声を返す。奇しくも「SHOOT!」から3曲続いて八木沼悟志(fripSide)の提供曲が続いたこともあり、終盤に向けてボルテージは最高潮に達していた。そしてそれを受けて、KOTOKOも「みんな……すごいね、最高。すごい!」と感服した様子。しかしここで彼女は「みんなの元気はどこまで続くのかな?みんなのことを試しちゃっていいかな?」と問いかける。観客はもちろん歓声で返せばKOTOKOも「お前ら絶対ついてこいよ!」と叫んで、ライブもクライマックスに突入した。このくだりも、本来ライブ終盤でよくあるやりとりだと思って聞いていたのだが、とんでもない、ここからは想像を遥かに超える本当に怒涛の展開が待っていた。まずはノイジーなギターも印象的な「ZoNE-iT」からロッキンに幕を開けたこのブロック、まさにタフなパフォーマンスがステージ上で展開されていく。そこから「Face of Fact」のイントロが鳴らされると、客席の至るところで悲鳴が。「Face of Fact」を1コーラスと最後のサビというショートバージョンで締め括ると、そのまま「jihad」のイントロが打ち鳴らされ、ここでも会場からは悲鳴があがる。それはもちろん歓喜の悲鳴であったに違いないが、もしかするとそこには別の意味――文字通り体があげた悲鳴なのかもしれない。それほど前半のセットを凌駕するようなタフな楽曲たちがハイスパートで展開されていく。そこからすかさず「Fatally」をフルコーラスで繋いだ後は、KOTOKOがタオルを持って「Loop-the-Loop」へと突入。タオルを振り回して、ブートキャンプさながらのフィジカルを刺激するパフォーマンスを見せる。そんな「Loop-the-Loop」のショートバージョンからビートが加速して「Special Life!」へ。KOTOKO式のブートキャンプはまだまだ終わる気配はなく、「Princess Bride! -りでこれいとばーじょん-」がスタート。この終盤でパフォーマンスの強度を上げ続けた末に隠し刀ともいえる電波ソングをドロップするという展開は驚異的というほかない。会場の酸素も薄くなっていくなか、ステージ上のアーティストたち、そしてそれに食らいつくオーディエンスへも畏敬の念を抱いているなかでもセットは熱量高く、そして置かず粛々と続いていく。続く「七転八起☆至上主義!」では観客全員の汗の一滴まで絞り切るかのようにヘッドバンギングを要求し、このブロック最後には「Fastest!」で締め括るという、 冷酷無比だが熱く最高なクライマックスを駆け抜けた。

 

会場全体が肩で息をするような熱気のなか、しかしライブはまだ終わらないことを告げるようにビートを刻み続けている。そこでKOTOKOは「みんなパワーすごいよ、こんな、こんなメニューについてきてくれるなんて……最高!」と叫ぶ。そして次のブロックが最後であることを告げ、「今日がそうであったように、音楽は私たちを繋いでくれる。そして、未来へと運んでくれる、そう思わない?」と語りかけ、そんな思いで作られた「開け!ソラノオト」のけたたましいギターリフが鳴らされる。そして最後までロッキンなパフォーマンスを見せた後に鳴らされたのは、こちらもエネルギッシュなロックアンセム「覚えてていいよ」。KOTOKOも残ったエネルギーを振り絞るように、最後までアクティブなステージングを見せながら、驚異的な歌唱を聴かせる。それに呼応した観客も歓声、そしてサビではシンガロング。こうして、世界中で少なくともこの瞬間だけはもっともタフで熱いステージを終えた。

 

本編を終え、観客は体を休めながらも絶え間なくアンコールのチャントを送る。この無尽蔵のスタミナの観客に応えるようにしてスタートしたアンコールは、不穏な電子音から幕を開ける。そこから続くのは、近年のKOTOKOの新たな電波アンセム「INTERNET YAMERO -DECO×DECO MIX-」だ。変則的かつ高速のフレーズが速射砲のようなステージ上から放たれるなか、観客も“インターネットや・め・ろ!”と大合唱。そんな暴力的かつ摩訶不思議な電波世界に身を委ねたあとは「PRINCESS BRAVE!」、ファストにロックアレンジされた「さくらんぼキッス ~爆発だも~ん~」と電波の名曲たちがアグレッシブに続いていく。そこから「燃え尽きろーっ!」とKOTOKOが叫び、ラストナンバー「Light My Fire」が披露された。大爆発のような歓声と共に、ラウドかつ強靭なバンドサウンドとKOTOKOのアグレッションが極まる強烈なボーカルが響き渡るなかおよそ2時間強に渡る、しかしそれ以上の情報量が詰め込まれた圧巻のステージは幕を閉じた。

 

かつて“リスアニ!LIVE”のステージ上にて“ラスボス”と称されてからのここ数年のKOTOKOは、生涯現役を掲げながらシーンの最前線での自身のポジショニングというものを意識しながらの活動を続けてきたように見える。それは2020年からのコロナ禍での自身あるいは音楽そのもののあり方を模索し続けてきたこともそうだし、彼女の背中を後輩が見つめるなかでいかにたくましくあるか、1人のシンガーとしての矜持というものを提示してきた近年であり、その末に見えたのがメジャーデビュー20周年という金字塔だったはずだ。しかしその背中というものはこれほど広く、彼女が進もうとしている道が果てしないものであることを痛感したのが今回のツアーおよびこの日のステージだった。ここまでセットリスト、パフォーマンスにおいて強度を増し続け、それをファンと共有し続ける。それはKOTOKOという偉大なキャリアと数多の名曲たち、そして彼女のたゆまぬ鍛錬があってこそのものであることには違いないが、そこに落ち着くことなく今なお自身の最高と最速を更新し続ける強靭な意志がなくてはならない。それを証明するように、この夏と秋には自身の楽曲を喜怒哀楽に分けたコンセプチュアルな全国ツアー“KOTOKO LIVE TOUR 喜怒哀楽”が幕を開ける。この日のステージのように、22年目を迎えるKOTOKOに休息というものはまだまだ訪れないようだ。

 

<セットリスト>
M01. SticK Out
M02. Re-sublimity
M03. being
M04. allegretto~そらときみ~
M05. Chercher~シャルシェ~
M06. Shooting Star
M07. 水無月の恋~mimetic memory~
M08. Éclat
M09. Pure Heart ~世界で一番アナタが好き~ -Redecorate ver.-
M10. a-gain
M11. SHOOT! -KOTOKO ver.-
M12. 新緑のユートピア
M13. →unfinished→
M14. ZoNE-iT
M15. メドレー(Face of Fact/jihad)
M16. Fatally
M17. メドレー(Loop-the-Loop/Special Life!)
M18. Princess Bride! -りでこれいとばーじょん-
M19. 七転八起☆至上主義!
M20. Fastest!
M21. 開け!ソラノオト
M22. 覚えてていいよ

―ENCORE―

EN01. INTERNET YAMERO -DECO×DECO MIX-
EN02. PRINCESS BRAVE!
EN03. さくらんぼキッス ~爆発だも~ん~
EN04. Light My Fire


●ライブ情報
KOTOKO LIVE TOUR 喜怒哀楽 ~Joyful Summer~

7月19日(土) 京都・京都 FANJ
7/20(日) 兵庫・神戸 Harbor Studio
7/26(土) 大分・DRUM Be-0
7/27(日) 佐賀・GEILS
8/3(日) 茨城・club SONIC mito
8/10(日) 神奈川・横浜 BAYHALL
8/16(土) 山形・ミュージック昭和SESSION
8/17(日) 福島・郡山 CLUB #9

[開場・開演時間]16:00/16:30
※神奈川公演のみ開場16:00/開演17:00
[前売りチケット代]¥6,900(税込・別途ドリンク代必要)
※山形公演は¥6,900(税込・ドリンク代無し)
[席種]オールスタンディング(整理番号付き)

KOTOKO LIVE TOUR 喜怒哀楽 ~Anger Autumn~
9月27日(土)長野・LIVEHOUSE J
9月28日(日)新潟・NEXS
10月4日(土)岐阜・Club-G
10月5日(日)石川・AZ
10月11日(土)香川・高松 Olive Hall
10月12日(日)岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
10月25日(土)埼玉・HEAVEN’S ROCK Kumagaya VJ-1
10月26日(日)山梨・甲府 KAZOO HALL

[開場・開演時間]16:00/16:30
[前売りチケット代]¥6,900(税込・別途ドリンク代必要)
[席種]オールスタンディング(整理番号付き)

関連リンク

KOTOKOオフィシャルサイト
https://www.kotoko.asia/

KOTOKO NBCユニバーサルオフィシャルサイト
https://nbcuni-music.com/kotoko/

KOTOKO オフィシャルX
https://x.com/KOTOKO_Dwarf

KOTOKO オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/@KOTOKO_Official_Channel

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP