INTERVIEW
2025.05.21
halcaの12thシングルは、現在放送中のTVアニメ『mono』のEDテーマ「ウィークエンドロール」。halcaの優しい歌声が、いつまでも残したい誰もが心に抱いているかけがえのない瞬間への想いを、彼女自身がしたためた歌詞と爽やかなサウンドと共に届けてくれる。『mono』の舞台でもある山梨県で撮影されたMVも話題。『mono』ファンにも大好評のこの曲をhalcaに語ってもらった。
INTERVIEW TEXT BY 阿部美香
――新曲「ウィークエンドロール」はTVアニメ『mono』のEDテーマとしてオンエア中ですが……『mono』めちゃめちゃかわいくてほっこりしますよね。
halca そうなんですよ！原作は4コママンガですけど、だからこそ輝くオチってあるじゃないですか。『mono』のように、それこそ『けいおん！』や『ぼっち・ざ・ろっく！』や『NEW GAME！』など『きらら』さん系雑誌から4コママンガでアニメ化された作品はたくさんあってどれも楽しく拝見していたので、今回のお話をいただいてからずっと、『mono』はどうなるのかな？って、ずっと楽しみにしていたんです。キャラクター1人1人の個性もすごく魅力的だし、原作の明るいイメージがそのままアニメになっていて、毎週ワクワクしてます！
――『mono』はマンガ家の秋山春乃さんと高校のシネフォト部の女の子たちが仲間になって、色々なところでカメラの撮影を楽しむお話ですが、halcaさんも写真は好きですか？
halca スマホで何かを撮るのはもうクセになってますね。人だけじゃなくて、ほんと瞬きするくらいの感じで、身の回りにあるものを何でも（笑）。
――何でも？（笑）。
halca 私、本当に忘れっぽいので、思い出として心に残っているハズなのにそれを誰かに伝えられないと、まるでなかったことみたいになるのが、すごく怖いし寂しくなっちゃうんですね。それが嫌だから、写真に残しておきたいんです。誰かと一緒にいる時も必ず撮るし、1人の時も道端に落ちてるものとか、机の上にあるものとか、気になるものは全部写真に残しておきます。
――日記みたいですね。
halca そんな感じかも。いつかの自分が昔を振り返った時に「こういうことがあったよ」って知らせたいから。
――そうなると、保存されてる写真の数も大変なことになってません？（笑）。
halca なってます！えーっと……（スマホのアルバムを開いて）今は、26万1535枚ありますね（笑）。でもやめられないんですよ。自分がいた空間を、1つの画面に残したいと思うので、食べ物を撮る時も、角度を変えたりして最低5枚は撮っちゃって。ご飯を食べるまでにもすごく時間がかかっちゃうし、一緒に食事をしているスタッフさんが美味しい顔をしているところも写真に全部収めたいから、キリがないんですよね。
――そんな時こそ『mono』の序盤にも登場する360°カメラがあると便利ですよね。
halca それ、すごい話があって。偶然なんですけど、私、劇中で「ヴィータ」って呼ばれている360°カメラのモデル機種を持っていたんですよ。今まで使ってなかったんですけど、家で見つけて『mono』をきっかけに使い始めました。
――どのキャラクターも魅力的なお話ですが、halcaさんのお気に入りはどなたですか？
halca 霧山アンちゃんです！明るくて元気だしかわいいですよね。でも元気すぎて突っ走るところが、ほっとけなかったり（笑）。一緒にいたら、絶対楽しいだろうなって思います。
――カメラに興味津々のhalcaさんにもぴったりの『mono』のEDテーマ「ウィークエンドロール」を、どんな曲にしたいと考えていきました？
halca エンディングに流れる曲なので「今週も終わったなあ」という哀愁が漂う感じ、夕暮れの河川敷のような雰囲気や気持ちを入れられたらなと思いました。候補は何曲かあったんですけどスタッフさんとの打ち合わせの中で、この「ウィークエンドロール」が一番、誰が聴いても「これ好きだな」って思える曲だったので、皆さんにも気に入っていただけるんじゃないかと思います。
――作曲・編曲が⼭崎真吾さんですが、山崎さんとのタッグは、昨年2月リリースのシングル「Good Luck Waker」のカップリング曲「IN THE BRAIN」に続いて2度目。痛快なポップロックだった「IN THE BRAIN」とは雰囲気が随分違いますよね。
halca そうなんです。いい意味でとてもシンプルなんですよね。私も最初「これ、真吾さんの作られた楽曲なんですか？『IN THE BRAIN』と全然違う！」ってびっくりしたんです。「ウィークエンドロール」はすごくハートフルでピースフル。こんな曲も書けちゃうんだ！って、私の知らない真吾さんを見つけたみたいで嬉しかったです。
――すべてにほっこりさせられる『mono』の世界観にぴったりですよね。
halca そうなんです！ふんわり始まって、サビでふわって広がって、シンガロングもあって。私が『mono』の曲として欲しかったものを、全部入れてくれたような気がしましたし、私がライブで歌うことも考えて、みんなと一緒に歌えるパートも入れてくれたんだなというのが伝わってきました。
――そして歌詞も「IN THE BRAIN」に続き、halcaさんと⼭崎真吾さんの共作になりました。halcaさんが作詞した楽曲が、アニメタイアップになるのは初なんですよね？
halca はい、そうなんです。いつもはカップリングとアルバム曲を書かせてもらっていたんですけど、いつか表題曲やタイアップ曲を書くのが目標だったんです。特に今回は『mono』の曲として書きたいことが私の中にもあったので、ぜひ書かせてください！とアピールして実現しました。
――halcaさんが歌詞にしたかったこととは？
halca “誰もが心に抱くかけがえのない瞬間”ですね。『mono』のキャラクターたちが過ごしているような穏やかで楽しい日常って、こんな日がずっと続けばいいと願いながらも、いつかは終わってしまうじゃないですか。さっきの写真の話のように、私も忘れたくないものをいつでも取り出して、「いい時間だったな、いい日々だったな」と思い返せるように、色んなものを形に残していきたい気持ちがあるから、『mono』に寄り添いつつ、それぞれの生活にも当てはめて聴ける曲にできたらなと思いました。
――『mono』のキャラクター達も、日々の楽しいことを写真や動画にたくさん残しています。halcaさんと同じように、後でそれを見返して、かけがえのない思い出を反芻するんでしょうね。
halca きっとそうだと思いますし、そうだったらいいなって思います。今この日、みんなと一緒にいる時間、瞬間を写真や動画に収めた感動みたいなのが、かつての楽しい日々があるからこそ効いてくるんだなと思うので、そういったシーンが自分にはグググッと刺さるお話なんですよ、『mono』って。なので、私が受けた感動を、この1曲に込められたらなと思いました。
――歌詞はどんなふうに書いていきました？
halca 「ウィークエンドロール」は1番を真吾さん、2番は私が書きました。いつもなら私、歌詞を書く時のために一言日記みたいに言葉を書きためておくんですけど、今回は完全に『mono』の原作からインスパイアさせてもらいました。原作の「わ、このセリフいいな！」とか「このシーン好きだな」というところから、歌詞のシーンやフレーズを考えていきました。
――原作のどんな言葉が印象的でした？
halca たくさんあるんですけど……例えば原作の1巻で、みんながワイナリーに行った時、大人の春乃さん達がお酒を楽しんでいるのを見た（雨宮）さつきちゃん達が温泉に浸かりながら、「お酒ってそんなにいいものなのかな」「ハタチ過ぎて飲めるようになったらまた来ようよ」って話しているのにグッときました。あと、実際に歌詞にさせてもらったのが、原作2巻で春乃さんがカレーを食べにドライブするエピソードですね。お店が休みだったり、売り切れだったり、お目当てのカレーが全然食べられなくて、結局、ようやく食べられたのがコンビニカレー。でもそこで春乃さんが、「あの苦労はカレーを美味しくするための最高のスパイスだったのよ！」って言うんですよ。すごく素敵なセリフ！と思って、「ウィークエンドロール」の2番に“思えば最高のスパイスだ”というフレーズを入れました。
――タイトルの「ウィークエンドロール」は、どちらのアイデアですか？
halca 真吾さんが付けてくださいました。『mono』のみんなが週末に色んなところに遊びに行く“ウィークエンド”と、エンディングの曲だから“エンドロール”をかけてくださったんだと思います。アニメのスタッフロールと一緒にこの曲が流れたのを観て、本当に感動しました！ED映像、すごくいいですよね！絵コンテ・演出・原画を入江泰浩さんお一人で担当されてるのもすごいし、サビの“360度の景色を撮って”のところで360°カメラを使っているアニメーションを重ねてくださったのが、すごく嬉しくて。ぜひ入江さんにお会いしてお礼を伝えたいです！
――毎回、回想シーンもエンディングに出てきますしね。
halca そうなんですよ。それも『mono』っぽくていいですよね。あと、最後の最後に毎回違った原作のネームの絵が出ますけど、あれは原作者のあｆろ先生が書かれた本物。貴重ですよね。
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