5月16日より全国公開中の、卓球に情熱を注ぐ少女たちの青春を描いた劇場アニメ『卓球少女 -閃光のかなたへ-』。中国発のオリジナルアニメーション企画として制作・WEB配信され、中国国内で話題を呼んだアニメ作品『白色閃電』の日本語吹替版となる本作で、メインキャラクター4人のうちのひとり、ディン・シャオ役を担当するのが戸松 遥だ。自由奔放でユニークな性格ながらも卓球に関しては抜群の才能を持つ、本作におけるムードメイカー的な役どころのディン・シャオを、戸松はどんな想いを込めて演じたのか。ディン・シャオに親近感を覚えたという彼女の視点から見た『卓球少女 -閃光のかなたへ-』の魅力に迫る。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
――まず『卓球少女 -閃光のかなたへ-』のお話をいただいた際の第一印象をお聞かせください。
戸松 遥 卓球と言えば誰もが知っているスポーツですし、それをテーマにした作品に参加させてもらうのは初めてだったので、すごく嬉しかったです。なおかつシナリオを読ませていただいたら、部活と言いつつもかなり真剣に卓球と向き合う作品だったので、私自身も卓球の世界に触れられるいい機会になりました。
――ちなみに卓球の経験はありますか?
戸松 本当に遊び程度なら。卓球台が置いてある施設で遊んでいる時に、ボーリングやダーツに飽きたら30分くらいやってみる、とかはあります。球を打てたら「やったー!」と喜ぶくらいのド素人ですけど(笑)。でも、少人数でできるスポーツですし、ラリーが続くと楽しくて達成感を感じられるので、今回この作品に参加させていただいて、久しぶりにやってみたいなと思いました。
――戸松さんはスポーツが得意そうなイメージですが、卓球はあまり得意ではないんですね。
戸松 よく「運動神経が良さそう」と言われるんですけど、子供の頃から球技のセンスは全然なくて、球技全般ダメなんですよ。足だけは速くて、学生時代はリレーで活躍していたんですけど。でも、卓球は子供からお年寄りまでが遊べるスポーツだと思いますし、私は生涯スポーツを何かひとつできたらいいなと思っていて、卓球かゴルフのどちらかをやってみたいんですよね。どっちもボールに当てることすらできないんですけど(笑)。卓球は力加減もすごく難しいですよね。ピンポン玉って軽いから、プロの方みたいに気持ち良くスパーンと打とうとすると、球があらぬ方向に飛んで行ってしまったりとか。
――普段、運動はされているんですか?
戸松 それが全然で、やらなくちゃいけないとは思っているんですけど、逃げまくっています(笑)。ここ最近声優さんの間で筋トレブームが続いていて、ガチ勢でなくても週1でヨガやピラティスに通ったり、パーソナルトレーナーに教わっていたりする方が多いんですよね。私からするとそれだけでもすごすぎて、「いや、もう十分やってますよ!」って思うんですけど。それくらい私は何もやってないです。
――でも、戸松さんは先日もスフィアとしてライブを行う機会がありましたし、それに向けて体力をつけなくてはいけないこともあるのでは?
戸松 そうなんです。なので、いつもライブのリハーサルがリハビリ代わりになっていて、リハをやりながら体力をつけていくみたいな感じです(笑)。短期集中で筋肉をつけていくっていう。逆に言うと私は普段ふにゃふにゃのゼロ筋肉なので、ちょっと動くとすぐ筋肉がつくんですよ。だから少し動くだけで次の日にすごい筋肉痛になったりして。で、ライブが終わるとまた筋肉がなくなってしまう。その繰り返しです。
――なるほど(笑)。体を動かすという意味でも、卓球を始めるのはいいかもしれないですね。
戸松 そうですね、今回の作品を通して卓球ってすごく楽しそうだなと思ったんです。さすがにあそこまでストイックに卓球と向き合うことはできないですけど、これから年を取って体を動かすのがどんどん億劫になっていくなかで、卓球のラリーができるくらいの力や技術があれば、体を動かすこと自体を楽しめると思うんですよね。
――そんな戸松さんが本作で演じているのが、メインキャラクター4人のうちのひとり、ディン・シャオ。プロフィールでは「卓球の神に愛されたと言えるほどの才能の持ち主」と紹介されているキャラクターです。
戸松 ひと言で言うなら天才肌。本当にセンスの塊で、努力型や大器晩成型というよりは、いきなりポーンと突出して出てきて「なんだあの人は!」と周りから思われるくらいの、イレギュラーな存在だと思います。すべての言動が脊髄反射というか、思ったことも全部言ってしまうし、習うより慣れろじゃないですけど、考えるよりも行動を起こすタイプで、多分卓球に関しても、説明やルールを聞く前にスパーンとできてしまうんだろうなと思っています。基本的にお調子者で、精神的にも落ち込まない、抱え込まない、引きずらないタイプなので、多分卓球のことに限らず、人生をずっと楽しんでいるんだろうな、という印象を受けました。そういう意味では羨ましいなと思います。
――ご自身と似ている部分、共感できるポイントはありますか?
戸松 私は別に天才肌でもなんでもないですけど、説明書は読まないタイプの人間なので、その意味では同じ方向性かもしれません(笑)。長い説明を聞いていると途中で頭がプシューってパンクしちゃうんですよね。基本的に頭で考えるよりも、脊髄反射で思ったことを出した方がうまくいくタイプなので、もしメインキャラクター4人の中で一番近いのは誰かと聞かれたら、ディン・シャオを挙げると思います。
――ディン・シャオはいつも明るくて本作におけるムードメイカー的な存在でもありますが、個人的に戸松さんにもそういう印象があります。
戸松 自分で言うのは恥ずかしいですけど、確かにそういう部分はあるかも。基本、楽しいのが好きですし、MCとかでも間を埋めるためにひとりで暴走して変なことをしゃべりがちですから(笑)。頭の中で考えていることがそのまま口に出てしまうタイプなんです。モノローグがモノローグになってないっていうか。
――その意味ではやっぱり近い部分があるのかもですね。ちなみにディン・シャオは「卓球に限らず素行も自由奔放なため、学校では問題児扱いされている」ということですが、戸松さんは……?
戸松 いや、あの、不良とかではなかったですけど、どちらかと言うとそっちタイプだったかもしれません(苦笑)。別に問題を起こそうとしているわけではないのですが、楽しいなと思って本能のままにやりたいことをやっていたら、結果、先生に怒られる、みたいなことはたまにありました。授業中も、ノートをとるより教科書の肖像画に落書きして歴史上の人物の顔をどれだけ変えられるかに情熱を注いだり(笑)。なのでディン・シャオが鉛筆を落として騒ぎになるシーンも、ちょっと親近感がありました。
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