大西亜玖璃(通称、あぐぽん)にとって8枚目となるニューシングル「イニミニマニモ」。タイトル曲は大西亜玖璃の音楽活動に欠かせない2ピースである鶴﨑輝一とhabanaが手がけ、今までにないパンクロック要素と、タイアップであるTVアニメ『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました ~そのに~』のエッセンスを交えた逸品となっている。カップリング曲は、男性アイドルグループへの楽曲提供などで活躍するサトダユーリによる王道アイドルソング「ときめきプロローグ」。両楽曲への取り組み方を語るあぐぽんの言葉には彼女らしさが光る。
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司
――まずは、「イニミニマニモ」がどのように制作されていったのか教えてもらえますか?
大西亜玖璃 作曲のhabanaというのはディレクターを担当していただいている井上哲也さんのことなんですけど、1期『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』(以下、『スライム倒して300年』)でも音楽を担当されていたということもあり、「自分がこの作品の曲作りについては一番わかっている」ということで今回手を挙げたみたいです。
――「habana」呼びされているんですか?
大西 あ、そうですね。自分でもそう名乗られているので自然と私も。
――「夢で逢えなくても」でもタッグを組んだ仲ですしね。
大西 そうですね。「夢で逢えなくても」もすごく好きな楽曲でしたし、エンディングっぽさがある曲だったので、最初は「今回もそういう感じかな」と予想していました。
――では、楽曲を受け取った時は少し驚きましたか?
大西 驚きました。でも、いただく前に「パンクロックを作っている」という話はいただいていて、私が「パンクロックって?」と聞いたら「オトナ、バカヤロー!って感じかな」と言われていたんです。ただ、完成した曲を聴いたら確かに曲調にはかっこ良さはあるけど、明るくてアニソンっぽいし、私も歌えるパンクロックという感じはしました。
――歌詞は、大西さんの楽曲を数多く手がけてきた鶴﨑輝一さんですね。
大西 はい、女の子のかわいさが出ている歌詞なので共感できて歌いやすかったです。あと、“いっせーのせ”は『スライム倒して300年』の1期EDテーマである「Viewtiful Days!」にあったフレーズで、habanaと鶴﨑輝一さんだからこその歌詞や曲だな、と思いました。ただ、英語詞の部分は心配でしたけど。全然歌ったことがないので。
――家でかなり練習しました?
大西 音声が聞ける翻訳サイトに英語詞の部分を喋ってもらって、発音を調べました。でも、歌だと歌詞が詰まってもっと早口になるので……。レコーディングでもあまり自信はなくて、歌えているか何度も聞いてはいました。
――そうしたら?
大西 「大丈夫ですよ」って言われました。
――大西さんのレコーディングはいつもスムーズですね。通常、どれくらいの時間で録られるんですか?
大西 3、4時間くらい?途中でラーメンを食べたり雑談したりの時間もありますけど。いつもミニチキンラーメンが(スタジオに)常備されているので、本線を録り終わったらエネルギー補給のために食べるのが定番になっていて。
――では、エネルギー補給もいつものルーティーンで。
大西 そうですね。いつも麺を食べたり汁を飲んだりしています。
――お腹にご飯を入れたほうが歌いやすいんですか?
大西 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会でのライブの時はお腹がぱんぱんになるくらいまで食べて、ステージでは「ちょっと苦しいな」と思ってます。でも、お腹が空いている方が気になるんですよね。あと、以前にイチゴの差し入れがあったんですけど、「本番が終わったらご褒美に食べよう」と思っていたら、ステージが終わって戻ってきた時にはもうなくなっていて……。「(食べたいものが)なくなっていたらどうしよう?」と思いながらステージに立つのも嫌なので、つい食べてしまいます。周りからも「すごく食べるね」って言われます。
――以前にはイベントでトイレに行ったらビル内で迷子になったこともありましたが、やっぱりマイペースですよね。
大西 ありましたね。あと、カードキーで出入りする外にトイレがあって、気付かずに行ったら帰れなくなったこともあります。「すみませーん」ってドアを叩いたんですけど誰も気付かなくて、なんだか面白くなっちゃいましたね。「このまま帰れなかったら(イベントが)始まらないんだー」と思ったら。
――(笑)。レコーディングの話に戻りますが、歌いながらイメージを浮かべたところはありましたか?
大西 歌詞に「私が選ぶ思いのまま」とあるんですけど、レコーディングではファンの皆さんのことを思い浮かべていました。「私の歌を聴いたり、私の選んだものについてきたりしたら最高の気分になれるよ」という気持ちで。
――では伸び伸びと歌えました?
大西 伸び伸びと歌えたと思います、英語詞の部分以外は。
――英語詞以外で苦労したところはありましたか?
大西 いつもハモも入った全録りのデータを聴いて覚えるんですけど、“毎日がオンリー 初めての向こうに続くストーリー”のところは上ハモがしっかりあって、そっちが主メロだと思っていたんです。でも実際は違っていて、レコーディング当日にトラックのボリュームを変えて聴いた時、すごくびっくりしました。何も言わずに歌いましたけど。でも、それくらいに上ハモのメロディも良かったです。ハモ感が少なめというか。
――本楽曲はすでに“大西亜玖璃FCイベント〜大西サミット〜”で披露しましたが、ファンの反応はいかがでしたか?
大西 アニメPVなどですでに聴き慣れているところはノリノリになってくれて、すごく素直に反応してくれていました。ノってくれているのがわかりやすくて、私も100%楽しく歌えました。
――良い子(ファンの間で大西を「あぐぽん先生」と呼ぶため、ファンのことを「子」と呼ぶことがある)たちですね。
大西 はい、良い子たちです。苦手な英語部分もみんなに歌ってもらおうと思っています。そういえばhabanaも「一緒に歌ってほしい」と言っていました。
――今回の「イニミニマニモ」はPVも公開されています。髪はウィッグですよね?
大西 はい、ウィッグです。
――今までこういう髪の色にしたことはありましたか?
大西 もう少し赤茶っぽくしたことはありました。仕事で19歳くらいの時に1ヵ月くらい。実は、ジャケット写真の撮影時に被っていたものとPVでは変えていて……自然なオレンジ色のものになりました。オレンジは以前にも被ったことはあったんですけど……。
――「はじまるウェルカム」のPVの時ですね。
大西 はい。でもやっぱりオレンジは目立つので「いいな」と思って。でも、ウィッグには苦労していた気がします。ジャケット写真みたいに内巻きで撮影していたら「外ハネのほうが良いんじゃない?」という話になったんですけど、衣装を着たら「やっぱり内側に巻こう」という意見が出てきて……。結構みんなが迷走していました。やっぱり見慣れていないから、本当にかわいいのかどうかわからなくて、悩んでしまったんだと思います。
――そんな試行錯誤の成果を見た感想は?
大西 見るまでは少し心配だったんですよ。顔がよく見えるようにオン眉にしたんですけど、メイクさんが撮影中に「なんかオン眉すぎる?」とか呟いていたので。「大丈夫かな?」と思っていました。でも、PVを見たらすごく明るい子に見えるのでオン眉で良かったと思いました。曲にも合っていますね。
――頬にチョコレートを載せるところはかわいかったですね。あれはアドリブですか?
大西 アドリブですね。他に、お菓子を口いっぱいに入れたりもしたんですけど、「これじゃ歌えないじゃん!」ってなりました(笑)。
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