今年最大と言っても過言ではない、大型新人のCDデビューだ。4月にスタートしたオリジナルTVアニメ『プリンセッション・オーケストラ』(以下、『プリオケ』)内にて、プリンセスを演じる3人によるユニット・オルケリアが、OPテーマ「ゼッタイ歌姫宣言ッ!」とEDテーマ「君とつなぐオーケストラ」を収録したCDを4月23日にリリースした。楽曲制作を手がけるのは同作の音楽を一手に引き受ける、アニソンファンにはお馴染みのElements Garden(通称、エレガ)。そのサウンドはキャッチーかつパワフルな仕上がりとなっている。今回はすでに“リスアニ!LIVE 2025”で日本武道館のステージも踏んだ、プリンセス・リップル/空野みなも役の葵 あずさ、プリンセス・ジール/識辺かがり役の藤本侑里、プリンセス・ミーティア/一条ながせ役の橘 杏咲による、「リスアニ!」初インタビューをお届けする。
INTERVIEW & TEXT BY はるのおと
――リスアニ!初登場ということで、自己紹介として担当しているのがどんなキャラクターか一言で教えてください。
葵 あずさ 私が演じるみなもちゃんを一言で表すなら「一生懸命!」です。
藤本侑里 かがりちゃんは凛々しく、みんなを引っ張る女の子です。
橘 杏咲 ながせちゃんは、プリンセス・ミーティアの名前に相応しくまさに流星みたいな感じですね。
――皆さんは1月に日本武道館で開催された“リスアニ!LIVE 2025”に出演されました。オルケリアとして初のステージながら堂々としたパフォーマンスでしたが、振り返ってどんなステージでしたか?
葵 必死に生きたステージでした。結構ギリギリまで本番がどうなるかまったく想像が付かないまま当日になって、舞台袖で本当に緊張MAXになった時に藤本さんが「背中を叩くと良い」と言ってくれてみんなで背中をものすごい力で叩き合うと急に気が楽になったんですよ。
橘 他の2人は別作品で人前に出た経験がありましたが、私は完全に初ステージでしたので、緊張のせいか直前まで日本武道館に立つということに実感がありませんでした。本番前に背中を叩き合った時にあのステージに立つという実感が初めて湧きました。
藤本 背中叩くのって気合いが入るよね。私はお客さんにすごく助けられたステージだったと思っています。『プリオケ』はオリジナル作品なのでどんな反応が来るのかわからなかったんですけど、いざステージで曲名を言うだけで、もう50年くらい続いているコンテンツのような盛り上がりになって(笑)。すごく素敵な空間で初ライブをさせていただくことができました。
――そのステージでも歌われたOPテーマ「ゼッタイ歌姫宣言ッ!」について伺います。まずはこの曲についての印象をお聞かせください。
橘 スタッフの皆さんが「この曲は気合いが入っている」とおっしゃっていたんです。楽器の音が生演奏なのも今時珍しいと。そういう話もお伺いしていましたので『プリオケ』の代表曲というか、これが作品の軸になるというイメージがありました。
藤本 歌詞がすべて『プリオケ』の世界を表しているしね。私たちが演じるキャラクターがどんな気持ちでプリンセスとして危機に立ち向かうのか表現しているというか。
葵 私はかっこいい、怪しい、かわいいのバランスがすごく良い歌だと感じました。最初に聴いた時は「すごくカロリーが高い曲が来てしまった!」と思ったけど、最後の“ドレミファ空へと Dancin’☆”は子供のハートを掴みそうだし、“ねぇ…子供ハ 子供ノ フリヲシテ”のところで怪しさもあったりして。大人にも子供にも刺さりそうな曲ですよね。
藤本 私はどう歌うかが難しいなと感じたし、実際に歌った時も難しくて大変でした。かがりちゃんとしての歌い方を探る必要がありましたから。レコーディングがトップバッターで、例えば“ねぇ…子供ハ 子供ノ フリヲシテ”をどんな雰囲気にするかや、“…ゼッッッッタイ負けない”をどれだけ溜めるかが決まっておらず、本当に色んなパターンを収録しました。
橘 その次に歌ったのは私のですが、(藤本による)15パターンくらいの“…ゼッッッッタイ負けない”を聴いてから収録しました。その時点でもどの感じでやるか決まっておらず何テイクも録りました。しかも全然タイミングが合わなくて、一言だけなのにこのフレーズに一番時間がかかりました。
――その“…ゼッッッッタイ負けない”も含めて2番以降の歌詞もすごく良いですよね。
全員 そうなんですよ!
橘 2番のAメロでは“波紋-リップル-”“熱意-ジール-”“流星-ミーティア-”というフレーズが歌詞に出てきて、それでいて美しさもあるという。みんなそうだと思いますがすごく好きなポイントです。
――先ほど話に出た“ドレミファ空へと Dancin’☆”の部分なども印象的ですが、アニメのOP映像で好きな部分はどこですか?
橘 やっぱりサビです。躍動感がすごく何が起きているかわからないくらい(笑)。かっこ良すぎてお気に入りです。
藤本 私はAメロで3人が歩いてるところ。後ろに映っている3つのジュエルベル(『プリオケ』に登場する変身アイテム)の回転の仕方がそれぞれのキャラクターを表している感じがしてお洒落ですよね。
葵 私は“波になって広がれ”から始まる、みんなが横並びで走って変身する前に……。
橘・藤本 わかる!
葵 だよね。あそこで各々のモチーフがキラキラするところがあって、そこがすごくきれいで大好きです。
橘 すみません、もう1個いいですか?私“だって夢だもん”のところが大好きです。
葵 あと、最後のほうにアリスピア(『プリオケ』に登場する不思議の国)に住むキャラクターたちが、もう「多過ぎだろ!」って言いたくなるくらい出てきて。あそこはみんなが温かく迎え入れてくれる感じがして『プリオケ』らしさを感じます。
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