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REPORT

2025.03.05

「第3期fripSideをやってて良かった!」――47都道府県全国ツアーのフィナーレ“fripSide concert tour -the Dawn of Resonance- in 2024-2025 supported by animelo”レポート!

「第3期fripSideをやってて良かった!」――47都道府県全国ツアーのフィナーレ“fripSide concert tour -the Dawn of Resonance- in 2024-2025 supported by animelo”レポート!

第3期fripSide3年間の進化の過程を見せるステージ。そしてそれは歓喜のクライマックス

久々のMCではバンドメンバーの紹介のあと、改めてボーカル2人が47都道府県ツアーの振り返る。阿部は「ステージ上からみんなの顔を見て本当に47都道府県ツアーが終わるんだと今感じています。私たちもそうだし、皆さんにも全力で楽しんでいただけたらと思います」と語り、上杉も「(昨年からの47都道府県ツアー)第4弾の時点で、もうすぐ終わってしまうという寂しい気持ちが湧いてきつつも、今日は絶対みんなに楽しんでもらおうって来たので、みんな……いくぞーっ!」と威勢良く宣言。そして八木沼も観客の熱気を受けて、「どんどん会場の温度を上げていこう」と語りかけて、次のブロックへ。エレクトロニックな「Newage」のイントロが流れると、ステージ袖からダンサーが登場し、ボーカル2人と息の合ったダンスを見せる。ダンサブルなステージに風景が変わったあとは、そのまま最新アルバムから「Turn Night Into Day」へ。

全編英詞でのハードなトランスナンバーという、fripSideの新たなチャレンジをここでは見せる。アルバムリリース以降のライブでも存在感を発揮してきた楽曲で会場を沸かせると、そのままステージは「trust in you -version2022-」でキラキラとしたサウンドを聴かせる。そこから上杉がステージをあとにすると、阿部のソロ楽曲「with a smile」とポップでキュートな楽曲が続いていく。阿部のイメージカラーである黄色いペンライトが光るなか、ダンサー2人を連れた阿部が持ち前の切れ味抜群なダンスを見せていった。そしてMCでは阿部が「初披露の楽曲をやります!」と言って、先日発売されたばかりのライトノベル「イマリさんは旅上戸」(GA文庫)とのコラボ楽曲「Wandering Traveler」を披露。阿部のソロ楽曲ということもあり、彼女らしいキュートでポップな一面もありつつも疾走感溢れるかっこいい一面も覗かせる仕上がりだ。ここでも阿部はダンサー2人と共にアグレッシブなパフォーマンスを展開。歌って踊れる阿部の持ち味が存分に活かされたステージとなった。

そこから上杉がステージに戻り、ライブも終盤戦へ。まずはエモーショナルなメロディを聴かせる「Hesitation Snow -version2024-」で白く輝くフロアを盛り上げたあとは、「black bullet-version2023-」で一転して赤く染め上げる。観客ももちろん“black and red bullet!”の大合唱だ。続けてダンサー4人をを迎えたなかで、上杉&阿部の細かいマイクリレーが心地よい「an Effect of Fate」でクライマックスに向けてボルテージが急上昇していくなか、その曲のエンディングから間を置かずに「Unbroken Resolve」へと繋がっていく。ここでの5曲連続で聴かせる構成も、前半同様テンションを切らさずに畳みかけるという、今のfripSideらしいステージだ。

そんなパフォーマンスを受けての観客の熱狂を見た八木沼も、「……この会場の雰囲気よ」と舌を巻く場面も見られたあとは、「ここからラストスパートいっちゃっていいですか? お前ら行けるのか!?」と煽ってクライマックスへ突入。その幕開けはロッキンな「Your Way」だ。現在のfripSideでもバンドの演奏と共にライブ映えのするこの楽曲。Phase 3のキャリア初期から八木沼が目指していたツインボーカルでの熱量がより感じられるパフォーマンスだ。それに熱を受け止めた観客も飛び跳ねたりしながらフロアを盛り上げていく。そこから、この日は終盤まで温存していた「Starlit Moment」を経て、そのまま「Secret Operation -fripSide Edition-」へと続く。クライマックスに相応しい性急な、そしてドラマチックな展開が繰り広げられるなか、桜色に染まった会場に上杉と阿部のパワフルなハーモニーが響き渡る。序盤からタフなセットが続いたこの日だが、さらなるタフネスが要求される終盤での、どこか振り絞るようでもありつつ、変わらず強靭なボーカルを聴かせるパフォーマンスはやはり圧巻だ。

そして本編最後のMCでは、上杉と阿部の2人から、47都道府県ツアーを走破した思いが語られた。キャリア初期は自分のことで精一杯で、現在のfripSideのコンセプトである共鳴(Resonance)することまで頭が回らなかったと語る上杉。しかし経験を積むことによってメンバーや観客と「共に音楽を奏でることがこのツアーで学んだし、音楽ってめちゃくちゃ楽しいなって知ったツアーでした」と自身の成長を噛み締めていた。そして阿部も自分1人の力じゃ何もできなかった出発から、長く歴史のあるユニットの中で新人ボーカルとして困惑もあったという。だが、「私たちを受け入れてくれたり、たくさん愛を送ってくれたみんなの存在が私たちにとって大きいです」と感謝を述べた。改めて2人の進化が今のこの光景を生んでいるのだと感じさせるひと幕だ。「今日はこのfripSide3人とバンドメンバーさん、ダンサーさん、スタッフの皆さん、そして何よりこの日会場に来てくれた皆さんが一体となって、共鳴し合っている最高のライブだと思います!」という上杉の言葉がすべてを表していた。そんな充実した表情の中で本編の最後に披露されたのは、第3期fripSideのテーマソングとも言える「infinite Resonance」。上杉と阿部のステージングも、ダンサーを迎えてよりゴージャスに、そして堂々としたものだ。冒頭の「dawn of infinity」同様に彼女たちが成長しているというものがありありとわかるし、そこで鳴らされる八木沼のサウンドもまたそんな大きくなった彼女たちとしっかり呼応したものになっている。この曲が発表された2022年から比べて、八木沼が追い求める音楽に彼女たちが到達した、現在のfripSideというトライアングルがより正しい形となって目の前に現れたと感じさせるものだった。

そうした集大成、成長と進化を実感できる本編を終えたあとのアンコールでは、このツアーでついに解禁となった不朽のアンセム「only my railgun」からスタートする、というのもやはり今のfripSideなりの意図があるのだろう。あえて伝家の宝刀を頼らずにキャリアを重ねてきたことへの手応えとプライドというのもこの位置での演奏に至ったのかと思わせる。しかし、それはそれとしてやはりfripSideとしてこの曲が鳴らされるのは格別だ。言うまでもなく、会場はアンコールになってもなお熱狂的な空間を維持し続けている。そんな会場の雰囲気、そしてここまでパフォーマンスを続けてきて、八木沼がふと「fripSide第3期になって3年経ちまして、こんなに素晴らしい仲間のみんなと今日を迎えたということは、第3期fripSide……やって良かったと思います!」と語ったが、その言葉とそれに対して起こった万雷の拍手がすべてを物語っているだろう。そして最後には「今日イチの盛り上がりを見せていただきたい」と言って、この日最後の曲にして第3期屈指のアンセム「Red Liberation」へと突入していった。スリリングなサウンドのなかで2人のシリアスなボーカル、そしてそれが高いテンションを持ってサビに突入するという展開はいつ見てもゾクゾクする。そして今となってはサビで観客が飛び上がる=親衛隊ジャンプも見慣れた光景だ。赤く染まったフロアがうねるなか、この日最高のテンションのまま、この日のライブは幕を閉じた。

八木沼は第3期が始まったばかりの頃、「3年かけて今のユニットを育てる」という主旨の発言をしていた。その言葉どおり3年経った現在のfripSideは、あの頃からは比べものにならないほどの成長を遂げて我々の目の前に立っている。一方でその道中ではメンバー個々をあえて過酷な状況に置きながらも、いわば絶えず戦い続けて現在のポジションまで辿り着いた。この日「dawn of infinity」から始まったセットリストは、そんな彼らの歴史を辿るようでもあった。だからこそアンコールでの「Red Liberation」での歓喜の光景は、辿り着いたfripSideの現在を示すような感動的なものだったのだ。
八木沼はMCで「第3期fripSide、まだまだやれることがある」とも語っていた。それはこの日集まった人たちがみな感じていたことだろう。これからもfripSideと見たい景色がまだまだある。そこにはこの日以上の歓喜と驚きが待っているはずだ。

<セットリスト>
M01:dawn of infinity
M02:Regeneration
M03:Solitude in Autumn
M04:Winterfade
M05:freezing rain
M06:Salvation(Vo:上杉真央)
M07:Invisible Wings
M08:killing bites -version 2024-
M09:Newage
M10:Turn Night Into Day
M11:trust in you -version 2022-
M12:with a smile(Vo:阿部寿世)
M13:Wandering traveller(新曲)
M14:Hesitation Snow -version 2024-
M15:black bullet -version 2023-
M16:an Effect of Fate
M17:Unbroken Resolve
M18:Your way
M19:Starlit Moment
M20:Secret Operation -fripSide Edition-
M21:infinite Resonance
En1:only my railgun -version 2024-
En2:Red Liberation

関連リンク

fripSide オフィシャルサイト
https://fripside.net/

fripSide オフィシャルサイト(レーベル公式)
https://nbcuni-music.com/fripside/

fripSide オフィシャルX(八木沼悟志)
https://twitter.com/sat_fripSide

fripSide オフィシャルX(上杉真央)
https://twitter.com/maouesugi

fripSide オフィシャルX(阿部寿世)
https://twitter.com/hisayoabe

fripSide オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCp8U4DpexC_DbOrQzjwc7Tw

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