――そんな「KiLLKiSS」が今回ニューシングルとしてリリースされたわけですが、豊田さんはこの楽曲にどんな印象を受けましたか?
豊田 これまでの楽曲だと「Ave Mujica」が好きで、あの楽曲は始まりを感じるのですが、それと同じ衝撃を「KiLLKiSS」からも受けた気がします。アニメのオープニングということもそうですし、ここからまたAve Mujicaのストーリーが始まっていくんだな、という高揚感が上乗せされていく感覚が楽曲の中にあって。疾走感があってライブでも盛り上がるところ、メタルを楽しめるところを含めて、Ave Mujicaの魅力を詰め込んだ真骨頂と言えるような1曲だと思います。
渡瀬・高尾 嬉しい!
――演奏するのも大変そうですが、ライブで披露するにあたってこだわったポイントは?
渡瀬 ギターは今までで一番難しい曲かもしれないです。とにかくテンポが速いので、みんなで合わせた時も「(BPMが)あと20くらい遅かったら弾きやすいのに……!」という話になって。みんなで練習を重ねて作っていった楽曲です。
高尾 しかも音源の制作期間にメンバー5人でストリングスの収録を見学させていただいたことがあって。今までの楽曲にはない豪華さ、厚みの違いを感じたので、ライブではその音源を背負って演奏する心意気で臨みました。
――サウンドだけでなく歌詞や歌も含めて、衝動的で激しい楽曲ですよね。
渡瀬 そもそもタイトルが「KiLL」に「KiSS」ですから攻めてますよね。りこちの歌声も相まってすごく力強く、かつ訴えかけるものがあって。2番で少し雰囲気が変わるところも、りこちが耽美というか気持ちの入った歌をうたっていて。本当にいい曲だなって思います。
高尾 特にサビの歌は本当にキルしそうな勢いがあるよね……もちろん誰もキルはしてはいないですけど(笑)。
豊田 私はまだ#3までしか観られていないので、歌詞の内容に関しては絶賛考察中です(笑)。毎話ごとに歌詞を見ながら「これはどういうことかな?」というのを考察していて。そういう楽しみがあるのもAve Mujicaの楽曲の魅力ですよね。それとオープニングアニメもびっくりしました。表情が豊か過ぎて「こっち側のふり幅もあるんだ!」と思って。特に睦ちゃんはMyGO!!!!!のアニメではあんなに無表情だったのに、こんなに表情筋が動くんだ!と思いました(笑)。
渡瀬 私たちメンバーも初めてオープニングアニメを観た時は皆さんと同じような反応でした。「誰?」と思って(笑)。
高尾 みんなで絶叫しながら観たよね。「いやーっ!」という声があちこちから上がって(笑)。しかも速くて情報量が多いので1回観ただけでは追えないんですよね。
――せっかくの機会なので、現在放送済みのアニメ#3までの感想もお伺いしたくて。#1は高尾さん演じる豊川祥子の過去にフォーカスが当たっていました。
高尾 #1ではお母さんが亡くなるシーンや、お父さんに物を投げつけられるシーンもあったので、泣いているところが多くて。その中でもCRYCHICを辞めた直後のシーンでは、収録の時に映像も何も観ない状態で「今から号泣してください」というディレクションをいただいて、その場でワーッて泣いて、その良いところを切り取って使ってくださっているんです。
豊田 えーっ!すごいエピソード。
高尾 テストを含めて何度も号泣させていただいたので体力もすごく消費しました。でも、こんなにも気持ちが昂る収録はなかなかないので、声優としてすごくありがたかったです。しかも柿本(広大)監督も一緒に涙を流してくださったんですよ。「(高尾が泣いている姿を)見ていたら泣いてしまいました」とおっしゃってくださって。みんなが熱い気持ちで作品に向き合っていて、すごく良い現場だなと思いました。
――素人質問で恐縮ですが、すぐ泣けるものなんですか?
高尾 私は結構泣きがちで、台本を読んでいてもウルウルしてしまうタイプなんです。祥子の境遇を想像したら、絶対にしんどいだろうなと思って感情移入してしまって。それにMyGO!!!!!のアニメの祥子は悪役っぽく描かれていることが多くて、SNSの反応を見ても「祥子はなんでこんなことをするんだ!」みたいな反応が多く書かれていたのですが、私は祥子のバックボーンを知っていたので「早くわかってほしい!」という想いがずっとあったんです。なので#1で皆さんの祥子に対する目線が少しでも変わってくれたら、と思いながら演じさせていただきました。
豊田 あのシーンを観たら印象は全然変わりますよ。MyGO!!!!!のアニメのラストで祥子が「クソ親父」と言うシーンを観て、「えっ!祥子ってもしかして……?」と思っていましたけど、祥子はあんなにも苦しみながら(CRYCHICを辞めることを)決断していたことを知って、私も泣きそうになりました。
高尾 しかもプライドが高いから言えないのではなくて、周りに迷惑をかけたくないという祥子の優しい性格があるからこそ、あの境遇に陥ってしまった子なので、最後には報われて欲しいなと思います。
渡瀬 #1はひとつひとつのシーンが心苦しいよね。#3に、睦の深層世界みたいなところで、祥子が大泣きしている後ろで傘を持っているシーンがあるんですけど、その意味では祥子が苦しんでいた時の睦の心情も描かれているんです。多分、祥子の境遇やCRYCHICを辞めると言った時の彼女の気持ちを唯一知っている睦だったからこその、あのシーンだったと思っていて。
――その睦の深層世界に登場するキャラクターたちを、渡瀬さんは兼ね役ですべて演じていました。全部で何役を担当したんですか?
渡瀬 何役でしたっけ?(笑)。(キャストクレジットを確認して)睦以外にも12役やってました!多分、一番印象に残るのは宙づりになっているニワトリさんだと思うんですけど。
高尾 「ケンコウによくない!」っていう鳥だよね(笑)。
渡瀬 睦のお母さんのみなみちゃんと、お父さんのたーくんの役もやらせていただいたんですけど、たーくんはお笑い芸人で関西弁なんですよ。私は出身が千葉で周りに関西弁の人もいないので、アフレコの時に関西出身の声優の方にイントネーションを教わりながら収録したんです。お父さん役も初めてだったのに、なおかつ関西弁だったので要素が多くて大変でした(笑)。みんなは誰が好きなんだろう?
豊田 あの中で推しを探すんだ(笑)。
高尾 私はクラゲかなあ。
渡瀬 私もクラゲは好き。普段出さない声で演じたので。
高尾 (キャストクレジットを見ながら)ハリネズミもいたよね。えっ、蛍なんていた?
渡瀬 いたよー!でも、ギターは睦に直接話しかけるし、結構グサッとくるような言葉を言っていたので印象に残っているかも。あとはモーティスが語り部のような感じでナレーションをするところも。大変だったなあ。
――役作りはどのようにやったのですか?
渡瀬 柿本監督と相談しながら「この役は男の子として演じましょう」というのを決めたうえで演じさせてもらいました。ニワトリは「ニワトリな感じでやってください」と言われたので結構ニワトリに寄せて演じたら「それはニワトリ過ぎです」と言われてしまって(笑)。
豊田 「ニワトリ過ぎ」って新しいですね(笑)。この話を聞いたうえでもう一度#3を観るとさらに楽しめそうですね。
渡瀬 エンドクレジットを見たら「渡瀬結月」の名前がズラッと並んでいたので、自分でも笑ってしまいました。しかも私の名前は画数が多いので集合体感がすごくて。自分でも「うわっ!」ってびっくりした記憶があります(笑)。
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