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2025.01.14

1年の締め括りに8人が抱かせてくれた、“これから”への期待――“DIALOGUE+ LIVE「DIALOGUE+3」”レポート

1年の締め括りに8人が抱かせてくれた、“これから”への期待――“DIALOGUE+ LIVE「DIALOGUE+3」”レポート

12月29日、声優アーティストユニット・DIALOGUE+がTOKYO DOME CITY HALLにて“DIALOGUE+ LIVE「DIALOGUE+3」”を開催。タイトルにも冠した、最新アルバム『DIALOGUE+3』の楽曲全曲を披露したこの日のライブは、その期待度の高さもあってチケットはソールドアウト。満員のログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)の前で、既存曲と新曲を非常に高い完成度で披露し、最高の形で1年間を締め括ってみせた。

TEXT BY 須永兼次
PHOTOGRAPHY BY 金子 弘(Kaneko Hiroshi)

次々繰り出す全力ナンバー、これが“DIALOGUE+ LIVE”だ!

まずはキーボードのソロから始まるバンドセッション中に逆光に照らされながらメンバーが1人ずつ入場。一列に並んでスポットに照らされると「かすかでたしか」のサビ部分を稗田寧々が歌い始め、そのままアカペラでリレーして“声”だけで歌を届けると、バンドの演奏を背負って改めて本楽曲をスタートさせる。ハーモニーを重ねる相手と向き合いながら丁寧に、温かく切ない想いを会場へと歌声で広げていく8人。ノビよく広がる緒方佑奈の1サビソロの高音部をはじめ、どのメンバーも特にソロパートでぐっと気持ちを込め、ハモを含めて絆や繋がりを感じさせる。1曲目としては少々意外な曲ではあったものの、「ログっ子の心を捉えるためにこういう手法もあるのか」と、気付かせてくれたようにも思えた。

そのまま続いた「FU-TSU-TSU-KA I love you」は、イントロ部分でペアダンスを見せたり、1-Aメロではサークルを作ってソロを歌うメンバーがかわるがわるその中央へと入ったりと、8人のチームワークがないと不可能な美しくもめまぐるしいフォーメーションを披露。守屋亨香が“両思い”のフレーズでメンバーの顔をのぞき込むなど各々の絆をまたも感じさせながら、美しくも温かいエモーショナルを表現していく。「かすかでたしか」からの流れもあって早くも大団円感が漂いかけるが、ラストに稗田の“「これからも、よろしくね」”とのセリフが未来を感じさせ、そこで「よろしくね」と言ったからには自己紹介をするのが筋とばかりに「ダイアローグ+インビテーション!」をスタートさせる。

その稗田がイントロ部分のMCを「かかってこいや!」とパワフルに締めてから、8人がそれぞれ個性を見せる自己紹介ナンバーでログっ子のボルテージを上げる。1サビの終盤では楽しさ余ってか、村上まなつがステージの端まで飛び出していく。そこからシームレスに「イージー?ハード?しかして進めっ!」を続け、さらにログっ子をアゲに。頭サビの最後に宮原颯希が高々と跳ねて、彼女自身の高まり具合も感じさせる。特に2サビでの指差しの動きの大きさからステージを楽しむ心がにじみ出ていた飯塚麻結など、どのメンバーも元気に躍動。一方で2サビ明けのセリフ後のダンスではフォーメーションをきっちり揃えて、見せどころはしっかりと決めていく。

こうして4曲歌ってからバンドセッションを挟み、それをバックに宮原がメンバーを代表してログっ子へと挨拶すると、そのまま「everything!」へ。ハッピーさを届けるナンバーで、8人は笑顔でパフォーマンス。落ちサビで内山悠里菜の歌声が温かさと多幸感を感じさせ、大サビソロでは鷹村彩花が楽しさを溢れさせるなど、様々なアングルから曲が持つハッピーさを発揮させていくと、そこから「絶景絶好スーパーデイ!!」とさらにアグレッシブなナンバーを続けるDIALOGUE+。2サビではフォーメーション外にいた内山がやや大きめのダンスで目を引いたりと、どのメンバーも元々の振付をほんの少しだけはみ出してパッションを表しつつ、コンビネーションもしっかりきっちり揃える。

そしてベースのソロ演奏によって少々メロウになった雰囲気に乗せて「たびのとちゅ」へ。暗転中に8人が輪になって内側を向くと、イントロではログっ子からのクラップが響き渡る。村上が序盤のソロでは歌声に柔らかさで深みも持たせたり、1サビ冒頭のソロでは澄みわたるように歌って聴かせるなど、キラリと光る。また2コーラス目冒頭のラップ部分では内山のふわっとしたフロウや、グルービーさがより乗った飯塚の節回しといったように、それぞれの魅力を発揮していく。続く「トーク!トーク!トーク!」はライブアレンジとして冒頭にサビを歌ってからスタート。コロコロとしたサウンドに乗せて、ここでも揃ったフォーメーションを見せていく。またDメロではラップをリレーして一層のキュートさを積み重ねていき、最後のソロで守屋がたまらないラブリーさを炸裂させて心を掴んだ。

そこからほぼシームレスに「凍てついて秒速」へと続いたのも、またひとつ驚きの出来事ではなかっただろうか。一気に表情を変えた8人は力強く切れ味抜群なダンスと、攻撃的で鋭い歌声を繰り出していく。譜割りが非常に難しい曲ではあるものの、1サビの緒方のソロに代表されるようにどのパートでも歌声にかっこ良さを感じさせる。まさに8人一丸となってぶつかっていくと、ラストの“(諮るな これは訓練ではない)”とのセリフどおりに「これは訓練ではない」へ。冒頭の守屋のセリフはこの日も不敵でたまらなく魅力的だ。序盤からこの曲では飯塚のダンスへの力のこもり方にパワフルさがあった。また、この曲は全体を通して稗田の歌声のパワーがとにか活きる曲で、特に1サビでのセンターで村上と向き合ってのボーカルバトルには、たまらない熱さが。鷹村も振付の中でキックを繰り出すなど、誰もが凛々しく“強い”パフォーマンスをみせていく。

そこから一転して、今度は「おもいでしりとり」で切ない恋心を表現していくDIALOGUE+。8人はまたも表情を変えて、サビのリレーソロなどでは初々しさや愛らしさを各々が発揮して曲を彩っていき、ピアノソロに続いて「誰かじゃないから」へ。歌声ではハモも含めてコンビネーションを取りつつ、温かくもグルービーに披露していくと、「dialogue+kawaii」では少し肩の力を抜いた歌声で、またもキュートに見せていく。この曲で特に印象深かったのが村上のソロ。1-Bメロではほんのちょっとだけ切なさをにじませる一方で、1月のワンマンライブでは自身の言葉に紐づく最後のフレーズを温かく届けてくれた。そんな村上が次曲のイントロ中に「私たちは“DIALOGUE+っぽい”を目指したい!」と宣言して「花咲く僕らのアンサーを」へ。今年も駆け抜けてきた彼女たちが、「まだまだこれで終わりじゃない」という姿勢を提示する非常に意義の大きな1曲だ。その村上の落ちサビでのエモーショナルなソロパートも胸を打ち、大サビでは緒方も上半身を大きく振って高ぶりを表すなど、どのメンバーも歌声・身振りに今の想いを乗せていた。

次のページ:強くなった今だからこそ伝えられる「私たちを信じて、見ていてほしい」という想い

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