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INTERVIEW

2024.12.20

5年の時を経て“三月春のパン(タシア)祭り”が帰ってくる!本イベントにかける想いを三月のパンタシア・みあ、ナナヲアカリ、Souに聞いた

5年の時を経て“三月春のパン(タシア)祭り”が帰ってくる!本イベントにかける想いを三月のパンタシア・みあ、ナナヲアカリ、Souに聞いた

ボーカル・みあを中心に活動するプロジェクト・三月のパンタシア(以下、三パシ)が、ゲストにナナヲアカリSouを迎えるイベント“三月春のパン(タシア)祭り 2025 -リベンジの春-”の開催が決定した。当初は2020年3月29日に開催を予定していたが、コロナ禍によって中止を余儀なくされた“三月春のパン(タシア)祭り”のリベンジ開催となる本イベント。開催中止から5年の間、2020年8月にはナナヲアカリ「チューリグラブ feat.Sou」がリリースされ、YouTube動画再生数が1億回に迫る大ヒット、2024年3月に開催された三パシのワンマンライブ“ブルーアワーを飛び越えて”の東京公演にはSouがゲスト出演し、三月のパンタシア「まぼろし feat.Sou」と「花冷列車」の2曲で初共演した。この5 年間でそれぞれが交流を深めているように見える3 組のアーテイストが再集結し、ついに実現することになった“三月春のパン(タシア)祭り 2025 -リベンジの春-”の開催に向けた想いを語う。

INTERVIEW & TEXT BY 永堀アツオ

改めてお互いに対しての印象を語り合う3人

――まずはみあさん、5年越しのリベンジ公演が決定した心境から聞かせてください。

みあ 本当にずっと願い続けてた“パン(タシア)祭り”だったので、ようやく願いが叶ったという嬉しい気持ちが一番大きいです。

――リベンジまでに5年かかりました。

みあ 5年空いた背景には様々な理由があるんですけど……。3アーティストのスケジュール的な都合が最も大きいですね。あかりん(ナナヲアカリ)のスケジュールが難しいとか、Souくんのスケジュールが難しいという話を聞いた時に、私の中では別のアーティストの方を呼んで“パン(タシア)祭り”を開催するという思考には絶対なれなかったんですよ。やっぱり“パン(タシア)祭り”の記念すべき第1回は、私が長らく愛聴して尊敬し続けているお二方に出ていただきたいという気持ちが強くありましたからね。結果、5年待つことになりました(笑)。なので、ようやく開催できたこと、本当に嬉しく感じています。

ナナヲアカリ 今の話を聞いてすごく嬉しい気持ちになりましたね。3月になるといつも頭の片隅に開催できなかった“三月春のパン(タシア)祭り”への想いがあって、「残念だったな、コロナの影響もあったしな」なんて思ってたけど、本当に4年経っても5年経ってもみあちゃんが声をかけてくれたことが嬉しくて。5年の時を経て、みあちゃんの愛によってやっと開催できるので、すでに感慨深い“パン(タシア)祭り”になる予感がしています。

Sou 僕も今の話を聞いて、すごく嬉しいなって思いました。もう5年経つんだっていう思いもありますけど、コロナ禍で開催できなくなった後も毎年誘ってもらっていて、「今回いけます!」という年もあれば、「ちょっと今回は自分のライブがあっていけません」という年もあった。さすがにもうできないんじゃないかな?と少し思ったりもしてたんですけど、毎年ラブコールをくださって。やっとこうして3人でできるようになったことが嬉しくて。今はとにかく頑張ろうっていう感じですね。

みあ 毎年、圧……じゃなくて、声をかけて良かった(笑)。

Sou あはははは。みあさんが諦めてないんだったら、自分も諦めるわけにはいかないなって思ってました。

みあ ありがたい。

――みあさんが初志貫徹してお二人に声をかけ続けた理由はどこににあるのでしょうか?最初にお声掛けした背景含めてお聞ききしたいです。まず、ナナヲさんは?

みあ 私、ナナヲさんのことは愛を込めてあかりんと呼んでるんですけど。あかりんは生きづらさや上手くできないことに対して「ダメポップ」という枠組みを設けて、もがきながらも必死に歌い上げていて、その姿に私は何度も励まされてきたんですよ。加えて、天使のモチーフが元々すごく好きで、自分の歌詞の中にも天使にまつわるワードが頻出しますし、MVにも天使をモチーフにした物もたくさんあるんですけど、あかりんが「ダメ天使」と名乗っていることに萌えてて(笑)。私もなかなか人と同じようにできないことがたくさんあって「なんでこんなにできないんだろう」って落ち込むことも多いんですけど、それをあんなに力強くポップに、ダメでもいいんだって歌ってくれるじゃないですか。その姿を見て、いつかご一緒できたら嬉しいなっていう思いがずっと、今に至るまであるんです。なので本当にご一緒できて嬉しいです。

――ナナヲさんは三パシにどんな印象を持ってますか?

ナナヲ 文学チックな女の子っていう印象もあるんだけど、本人は妖精みたいな雰囲気があるんですよね。すごくキャッチーな曲も多いし、ライブでは軽快に歌われるし、声もめっちゃ好きなんですけど、会った時の……なんだろうな。形容しがたいんですけど、“そこにいる妖精”みたいな(笑)。内に秘めたものがたくさんあるんだけど、それをあんまり多くの人には悟らせない雰囲気がある。一方で、私とはリスナー層が近しいと感じているんですよね。なので、今回のライブではお互いのリスナーの皆さんに刺さる部分がありそうだと感じています。

みあ 実はこれからではあるんですけど、コラボ曲を作ることになっていて。そういった意味でもお互いの色が混じり合える。その可能性に今、すごくドキドキしてます。

――Souさんに対しての印象はいかがですか?

みあ 本当に唯一無二の歌声を持っていると思っています。歌声からにじみ出るアンニュイさに耳を奪われて、ずっと聴き続けてしまう。Souくんの楽曲を聴くたびに、その表現力に圧倒されながらもうっとり聴き入っちゃうんですよね。明るくチャーミングな楽曲も、ダークでクールな楽曲も、浮遊感漂う不思議な感じの楽曲も、 Souくんが血を通わせることで、全部Souくんの世界になっちゃう。ちょうどこの間、ライブを拝見させていただいたんですけど、改めてそこは強く感じたんです。なので、ライブでご一緒できることを非常に光栄に思っています。

Sou 僕もみあさんには文学的なイメージがあるんですよ。ただ一方で、ライブで垣間見える輝いてる姿はそことギャップがある。2つのベクトルが上手く合わさっているイメージがありますね。あとは、ナナヲさんもそうですけど、ボカロP出身の皆さんから楽曲提供してもらって活動してるじゃないですか。そこに僕としては親近感があるというか、ルーツが同じだと感じていますね。

――みあさんとSouさんは「まぼろし feat.Sou」でデュエットもされてますね。

みあ 「まぼろし」は男女が花火大会で仲むつまじく花火を見ているような楽曲かと思わせて、実は楽曲の後半で切ない事実が明らかになるという構成になっているんですよね。なので、掛け合いをするにあたって、優しい歌声でありながらその裏側に憂いを帯びたボーカリストの方にお願いをしたいと考え、その時に真っ先に思い浮かんだのがSouくんの歌声だったんですよね。完成した音源を聴いた時は、ガッツポーズが出てしまうくらい最高でした。

――ネタバレになりますけど、彼氏は亡くなっていて、彼女にしか見えない存在ということが曲の中で明らかになりますね。

Sou これまで色んなタイプの曲を歌ってきましたが、その中でも「まぼろし」は小説のような起承転結があり、最後にぱっと裏切られるところが特徴だと思っているんですよ。普通に聴き流しても心地良いし、まじまじと向き合うとはっとなれる。すごいなって思いながらも、歌うにあたってはどう表現しようか悩みました。それで自分なりにも考え抜いて「どうすか?」みたいな感じで出したものに対して全然何も修正なく「もう、完璧すぎる」みたいな感想をいただけたので「きた!」ってなりましたね(笑)。

みあ 曲の後半で意味合いがガラッと変わるっていうギミックをSouくんが丁寧に噛み砕いてくれて。前半は優しい彼氏みたいな声色なんだけど、後半はちょっと裏側に哀れみとか、前に進まなきゃダメだよっていう気持ちが入ってくる。いつまでも立ち止まってちゃダメだよ、でも、忘れないでほしい、みたいな。1つのフレーズには還元しきれない色んな感情が声の裏側に込められていて、本当に震えました。すごく良かったです。

――ナナヲさんとSouさんも「チューリングラブ feat.Sou」でコラボしてます。

ナナヲ 昔のインタビューでも言ったんですけど、Souくんは歌詞と楽曲の解釈をする力がすごく高いし、自分らしさを出しつつもナナヲに合わせてくれるのが上手なんですよね。すごく助かりました。

Sou そこは常に意識しながら歌っているんですよ、色んな人に合わせて歌うのは、自分がやってきた“歌ってみた”文化に通ずる部分があると思っていますからね。原曲はボーカロイドが歌ってる曲のカバーなんですけど、僕は原作者が出してる作品のニュアンスも大好きなんで、あんまり自分の歌にしすぎたくないみたいな気持ちがあるんですよ。いつもそこのバランスを考えながら活動してたので、コラボになった時にもそこは意識してる部分なんで。思いっきり寄せることもできるんですけど、自分の良さを消しすぎるのもダメだっていう塩梅は本当に慎重に意識しながらやっているので、それが伝わってるのは嬉しいですね。

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