INTERVIEW
2024.09.20
声優アーティストユニット・DIALOGUE+が、9月18日に3rdフルアルバム『DIALOGUE+3』をリリース。「一度DIALOGUE+の音楽を完成させる」という総合プロデューサー・田淵智也の宣言のもと制作された本作は、ログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)をはじめ、様々な大切な存在への愛を歌に込めたリード曲「FU-TSU-TSU-KA I love you」など多彩な新曲8曲を収録した、メンバー8人の進化と真価を味わえる1枚となった。
リスアニ!では本作のリリースを記念し、メンバーと田淵智也 の対談インタビューを4回にわたってお届け。今回は守屋亨香・飯塚麻結の2人との対談。今回もアルバムにまつわる話題はもちろん、2人やユニット、さらには披露を重ねた楽曲の変化と成長などについてもじっくり語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――『DIALOGUE+3』は、アルバムとしては約1年半のリリースになります。そこでまずは、その間の活動を通じたご自身の変化や成長を感じられている部分からお話しいただきたいのですが。
守屋亨香 まず「1年半経ったんだ……」っていう感覚なんですけど(笑)。
飯塚麻結 ね(笑)。
守屋 私は、ライブとかで緊張はしても、不安になったり「どうやってやったらいいんだろう?」みたいに迷うことがなくなったのは、すごく大きいなと思っています。自分からあまり「できるようになった」みたいには言えないかもしれないけど、そこは自分で感じる成長ではありますね。
飯塚 私は……えー、どこだろう……?(笑)
守屋 まゆは、最初からまわりが見えていて「自分よりもできている人」という感覚がすごくあるから、私はそういう目線で見てないからなぁ……なんなら「自分も追いつかなきゃ」みたいな気持ちだから。
飯塚 あ、最近昔のライブ映像を観たら、全員すごく上手になっていることに気づきました(笑)。たまに観る好きな映像があって、すごく一生懸命で大好きなんですけど、本当にめちゃくちゃで。でもこんな子たちが、何もわからない状態でも最初からがむしゃらに続けてきたら、今みたいに成長できるんだ……と思います。
田淵智也 そういう成長を結構顕著に感じられるのは、それこそ『DIALOGUE+2』までで「人前に立って歌って踊るなら」というスタートラインに立つまでのプロセスみたいなものを設定していた時期かもしれないね。逆にそこからの1年半に関しては、ライブごとに大きな変化があったりするわけではないけれど、「勝手に成長する」ゾーンに入ったといいますか。「やればやるほど成長できる」という上昇曲線に入った……ような感覚が、2人ともしています。
――その「やればやるほど」という意味だと、例えば今回収録の既存曲の中にも、披露を重ねられるなかで変化を感じられた曲もあるのでしょうか?
飯塚 そうですね……特に「にゃんぼりーDEモッフィー!!」ですかね?
守屋 うん。「にゃんぼりー」はやっぱ去年すごくやる機会が多くて、田淵さんからも去年盛り上げていきたい曲として名前が挙がっていたので、「精度を上げていこう」という気持ちでみんなでやっていて。実際ライブのたびに精度が上がっていって、今はしっかり披露できる楽曲になっている感じがあります。かわいい曲なんですけど、いざやるとなると踊りと歌のバランスが大変な曲なので。
飯塚 私も同じような感覚です。本当に、私たちがライブで披露することで、この曲をどんな場面でも使えるものに成長させてきた感じがするといいますか……最初は「育てるって、なんだろう?」と思っていたんですけど(笑)、今はもう確実にレコーディングの頃とか初披露前とは全く別物のパフォーマンスになったと感じています。
田淵 特に「にゃんぼりー」って結構異色な曲なので、シングル曲としてしっかり機能するようにならないと、後々使いづらくなるだろうなという感覚があったんですよね。でもそれこそよく飯塚さんがやってくれていましたけど、最初に煽りみたいなものを付け足していくことで曲の個性が出てきて、お客さんが「その曲待ってた!楽しみ!」となっていく。そのプロセスを外から見ているとより驚きますし、「やって良かったなぁ」とも思います。
――では続いて、ユニットとしてのその間の変化についてもお聞きできますか?
守屋 「にゃんぼりー」の話じゃないですけど、前作で歌わせていただいたいろんな曲たちも、披露するにつれて完成されていくような感じもあったので、難しい曲をやっているぶん私たちのパフォーマンスも精度が上がっていっているような感覚はあります。
――それは、ライブ中のお客さんの反応などから感じるもの?
守屋 それもありますし、ライブ中に体感することもあります。あと、ライブ後にSNSで「#ダイアローグ」で検索すると、みんな結構細かく感想を書いてくれていたり。人によってはレポートみたいにまとめてくださる方もいるので、そういうのを通じて「私たちのすごいところを書いてくれる人たちが、たくさん増えたなぁ……」って思いますね。
飯塚 あと、前作のアルバムが出た頃が、自分たちで「どんなライブにしたいか?」を考えていく挑戦を始めた頃だったんですよ。そのときは、ツアーで3回連続で同じセットリストでやるとなっても、毎回思ったようにはいかなくて。1回目は意外とスタートダッシュが落ち着いちゃって、それを踏まえた2回目では逆にやりすぎて早めにバテちゃったり……。
守屋 自分たちでも「どうなるか?」っていう予想が、イマイチ掴めてなかったんですよ。
飯塚 そう。でも最近では、ライブについて話し合うときの共通言語も生まれるようになってきて、よりスムーズにライブづくりをできるようになってきた気がします。
――試行錯誤の時期を経て、だんだんユニット内で意識が統一されていった。
飯塚 はい。それに、例えばやかんちゃん(=鷹村彩花)はライブのストーリー付けが得意ですし、他にもそれぞれ得意な分野を生かしていろんな提案をしてくれるんです。なので「すごいみんな……頼りになる!ありがとう!」みたいな気持ちです(笑)。
田淵 これこそが、前作以降の変化と成長の証左ですよね。やっぱり演者自身が自分で考えて動き出さないと……最終的には“その人から発信するもの”じゃないと、本当の意味でお客さんを感動させることはできないと思うので、「自分たちで考えられるようになった」のは本当に大きな変化なんですよ。僕の中の正解とは違っても、自分たちの考える正解を「正解だ!」と言ってお客さんに発信していかないときっとこのあと長続きしないだろうから、それは話を聞いていて嬉しいところでした。最終的には僕がいなくても転がっていくぐらいのほうが理想だなと思っているので、そこを目指して僕はなるべく最低限のことだけ言って、あとはみんなの考えに任せる……ということをしたいんですけど、おしゃべりだからあれこれ言っちゃう。ここは、僕がもっと成長しないといけないところですよね(笑)。
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