INTERVIEW
2024.09.19
声優アーティストユニット・DIALOGUE+が、9月18日に3rdフルアルバム『DIALOGUE+3』をリリース。「一度DIALOGUE+の音楽を完成させる」という総合プロデューサー・田淵智也の宣言のもと制作された本作は、ログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)をはじめ、様々な大切な存在への愛を歌に込めたリード曲「FU-TSU-TSU-KA I love you」など多彩な新曲8曲を収録した、メンバー8人の進化と真価を味わえる1枚となった。
リスアニ!では本作のリリースを記念し、メンバーと田淵智也 の対談インタビューを4回にわたってお届け。今回は稗田寧々・村上まなつの2人との対談。リード曲へ込めた想いやおすすめ曲への取り組みなどアルバムの話題を中心に、その他前作以降約1年半の変化や成長などについても語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――まずは、前作のアルバムからの約1年半間でのご自分の変化や成長について、どう感じられているかからお聞きしたいのですが。
稗田寧々 ちょっと作業的な話になっちゃうんですけど、まずはレコーディングにあたっての準備の時間が短くなったのを感じています。あと、この1年ぐらいでダンスを褒められることが増えました!それはライブの積み重ねとかもあるでしょうし、5年以上基礎的なところから積み上げてきているというのもあるとは思うんですけど……この1年で、歌じゃなくて“動き”の表現を褒めてもらうことが増えたんですよ。
――特にどういう部分で増えましたか?
稗田 私、上半身がすごく動いて、しなやかみたいなんですよ。元々そうだったのかはわからないし、自分では気づかなかったんですけど。それこそダンスの(沢口)かなみ先生も、先日の“DIALOGUE+学概論”ツアーのあたりでダンスをすごく褒めてくださって。それが嬉しかったし自信にも繋がって……その自信というのも大きいんでしょうね。ステージに立つ自信や度胸がついたから、堂々と自分らしく踊ることもできているのかもしれません。
田淵智也 やっぱり元々本人に備わっている素養みたいなものの中には、「自分じゃ気づかないけどまわりが見ると気づく」ものってあるんですよね。正直僕も、最近の稗田さんを見ているなかで「踊りうまいな」って思います。それはたぶん元々あったもので、身体の使い方みたいなものを研ぎ澄ましていったなかで他の人には追いつけない力がついたのかもしれないですね。
村上まなつ 私は逆に、歌のほうなんですけど……前までは自分の性格的にも明るかったり元気な曲が得意で、逆に「そういう楽曲しかできないんじゃないか?」ぐらいの気持ちだったんです。でもこのアルバムで、特に「凍てついて秒速」や「これは訓練ではない」みたいなかっこいい曲でソロパートをいただけるようになったりと、この1年半でかっこいい曲や力強い曲もしっかり歌えるように成長したんじゃないかなと感じています。
――そのきっかけは、何だと思われていますか?
村上 一番大きいのは、発声がちょっと良くなったことだと思っています。前まではかっこいい部分を歌うときには「とにかく声の圧を出そう」という意識があったんですね。でもいろんな曲を歌ったりライブしていく過程で、歌い方の基礎がつきまして。元々の歌声に圧が出るようになったことで、変に作らなくてもかっこよさが出るようになったような感覚があります。
田淵 村上さんって、「同じことを何回も繰り返してできる」というすごい才能を持っているんですよ。へこたれないってすごいことだから。
村上 ふふふ(笑)。
田淵 時間はかかるかもしれないけれども、それがたぶん彼女の成長には一番向いている。しかもずっと続けているから、長い目で見ると他の人よりもすごい伸びになっているんです。これはさっきの稗田さんの話にも共通しているんですけど、だからこそ元々の「この子の特技と言えばこれだよね」みたいなもの以外のものが出てきた1年だったように感じていて。きっと、そういうところをこっそり研ぎ澄ませていった結果別の魅力が出てきていることに、そろそろみんなが気づいてくるタイミングだと思いますよ。
――では、ユニット自体についてはこの約1年半で変化などを感じられていますでしょうか?
村上 ちょうど『DIALOGUE+2』以降、ライブ作りのための話し合いをメンバー主導でやるように変わっていったんですよね。それこそレッスン中の次のライブに向けた話し合いの時間以外にも、メンバー同士のメッセージでのやり取りもしていますし。スタッフさんとの話し合いの時間以外にも、私たちで時間を見つけて話し合うように変わっていって……どんどん能動的に、ライブ制作やDIALOGUE+の活動に関わってくるようになりました。ライブ以外の部分でも、ゆーなさん(=緒方佑奈)だったらコラムを書いて送ってたり、私も動画を作ってみたり……そういうふうに自分たちでやりたいことをやるようになっているのが、変化かなぁとは思います。
稗田 私は、そのうえで「できるようになったことが、すごく増えた」かもしれないなと思っています。最近だと個人のイベントを初めて開催してみたり、対バンも先輩の夏川椎菜さんとの対バンを組んでいただけるようになって。もし1~2年目だったら、個人イベントなんて不安でできなかったでしょうけど、今なら「ついてきてくれる人がいる」という自信があるからできるようになったし。対バンも「光栄だ」という感情もありつつ、同じぐらい「よっしゃやったるわ!」ぐらいの(笑)、自信みたいなものを持てているんですよね。
――その「自信」というものが、ご自分についてもユニットについても大事な要素として存在するように思いました。
稗田 はい。今でも多少の緊張はありますし、自分のコンディションによっては不安なときだってありますけど(笑)、昔に比べたらステージに立っている間はずっと堂々としていられるようになりました。
田淵 やっぱりやらされている限りは本人たちのやる気も続かないし、どこかで「自分たちが作って、お客さんにこれを届けてるんだ」という自覚みたいなものって、この業界でこの商売をする以上絶対に必要になってくると思うんですよ。それができないと、人を感動させてその人と一緒に歳を取っていくといういわゆる“アーティストとファン”みたいな関係性って成立しないから。だから、そこに一歩踏み出すようになったというのはとても大きいことですし、2人が感じている変化はそこに向けて踏み出したからこそのものなのかもしれない。そういった、自分が考えて何かできたことをもって「じゃあ次どうしよう?」と進んでいくモードに入れたというのは、ユニットとしてとてもいいことだなと思っています。
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