INTERVIEW
2024.09.18
声優アーティストユニット・DIALOGUE+が、9月18日に3rdフルアルバム『DIALOGUE+3』をリリース。「一度DIALOGUE+の音楽を完成させる」という総合プロデューサー・田淵智也の宣言のもと制作された本作は、ログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)をはじめ、様々な大切な存在への愛を歌に込めたリード曲「FU-TSU-TSU-KA I love you」など多彩な新曲8曲を収録した、メンバー8人の進化と真価を味わえる1枚となった。
リスアニ!では本作のリリースを記念し、メンバーと田淵智也 の対談インタビューを4回にわたってお届け。初回である今回は内山悠里菜・鷹村彩花の2人との対談。苦手としてきたことにも取り組み、メンバー同士の関係性をさらに深くしてきたこの1年半を振り返りつつ、そのなかでの成長を詰め込んだアルバムについてもしっかり語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――まずは『DIALOGUE+2』からの1年半のご自身の変化や成長について、内山さんと鷹村さんにお聞きしたいのですが。
鷹村彩花 そっか……!
内山悠里菜 1年半か!
――そんな感覚ないですか?
内山・鷹村 うん、ないですね。
一同 (笑)
――声が揃うぐらいに(笑)。
内山 はい。でも改めて振り返ってみると、私は自分の意志で「リズムを知りたい」という気持ちというか、欲が強くなったのはすごく感じました。
――「リズムを知りたい」ですか?
内山 そうなんです。私は音楽を楽しむことを軸に活動している部分が大きいんですけど、プラスしてこのアルバムを作っている最中には、課題として「リズムを知ること」を目的に、田淵さんにかなり協力していただいた部分が多くて。今までもなんとなくはやれていたかもしれないんですけど、「リズムを知ることで、きっと今の『楽しい』よりも爆発した『楽しい』が生まれるのでは?」みたいなことに気づきまして。それから、リズムを探してその楽しさを感じ始めるようになってきたところが、変化だと思います。
田淵智也 今年のアタマの面談の時に内山さんから「そもそもリズムというものがわかってないかもしれない」と言われて、初めて「“わかってない”ということがあるんだ」と気づいたんです。まずそれで拍子に合わせて手を叩いたり実演をするようになりまして。レコーディングで時間を割いて、リズムの確認をするようにもなりました。正直、僕はずっと「苦手なことはやらなくていいから、得意なことだけ伸ばせばいいよ」と思っていたんですけど、そんななかで「ここ、やってみたいかも」と言ってもらえるのは嬉しいですよね。調子に乗っちゃいそう(笑)。
内山・鷹村 (笑)
田淵 そうなるとレコーディング時の会話の仕方も変わって、より歌の精度や質も上げられるかもしれないし、それがプラスに働いてオーディションも取りやすくなるかもしれない。そのフェーズに入れたらすごく楽しそうですよね。ワクワクしちゃいます。
鷹村 私は……この1年半で、自分のわからないところとかできないところが自分でわかるようになりました。だからレコーディング前に家で練習するときからわからないところを把握できて「自分だけだとどう練習してもできないから、レコーディングが始まる前に聞いておかなきゃ」みたいな対策もできるようになったんです。
――『DIALOGUE+1』のとき(https://www.lisani.jp/0000182970/?show_more=1)には「『プロならできて当然!』みたいな意識を重りみたいに課していた」とおっしゃっていたので、そのお話はまさしく変化や成長にあたりますね。
鷹村 そうですね。たぶん昔はそういうところを自分でわかっていなかったから、納得できずに目をそらしたかったんでしょうね。でもこの1年半は、自分の弱いところを知ったうえで前向きに行動できるようになったので、それはすごく大きいように思います。あと、1回全部録ってまとめたのを聴いたときに、自分から意欲的に「ここはもうちょっとこういうふうに録りたい」みたいな意見を言えるようになったことも特に多かったので、そこでも成長を感じています。
田淵 これも内山さんのリズムの話と共通しているところかもしれないんですけど、「できないことがわかって初めて、どうすればいいかがわかってくるんだな」というのは痛感しますね。あと鷹村さんはレコーディングのとき、マイク越しに会話をするよりも直接近い距離で僕が歌ったのを聴いてもらったほうがわかるように思ったので、「一緒に歌う」時間を長くするようにしたよね?
鷹村 はい、そうでした。
田淵 鷹村さんは、レコーディングでつまずいたところも歌割りが決まってライブをやるとできるようになる。だからレコーディングでその距離を短縮できないのは僕の責任なので、それを短縮する方法を考えるようになったんです。そのなかで、僕のディレクションって文字や言葉としてはかなり拙いんですけど、めっちゃ口を動かしながら歌ってることに自分で気づいて。それを実際に見ながらやってもらうことで、目で見て近くで温度感を感じて歌う……といった試行錯誤をしています。
――続いては内山さんと鷹村さんに、この約1年半でのユニット自体の変化などを感じられていたらお話しいただきたいのですが。
鷹村 今まで以上に深い話をするようになったかもしれないです。これまでも表面上の付き合いだったわけではないんですけど、みんなで話す時間が長くなった?
内山 うん。たしかに。
鷹村 それこそ、今年に入って初めて8人でごはんに行って。
内山 行った。あれって今年だっけ!?
鷹村 そう。今までも別に8人でごはんを食べる機会がなかったわけではないんですけど、あくまで「仕事の時間の休憩時間」とかで。そんななか、年頭ぐらいに「……そういえば行ってないじゃん!」みたいになって、行ったんですよ。そこでも、ほんっとにどうでもいい話から仕事についての結構深い話までいろんなことを話せたし、そういうふうにより親密になったのが、大きな変化だったように思います。
内山 たしかに。なんて言うんだろう?……まぁ、「お仕事上の付き合い」と言ってしまえばそうなってしまう関係だと思うんですけど、でも「それだけじゃない」というのが、年々強くなっているのは感じていて。
鷹村 うん。
内山 私、人に対して全てをさらけ出そうと思えるのって5年経ってからなんですよ。で、DIALOGUE+ももう5周年を迎えて……私たちもLINEとかで、自主的にくだらない話をポンって置いたりしますし、急に「ありがとう」みたいに……。
鷹村 それ私でしょ?(笑)
内山 そう。やかん(=鷹村)(笑)。
鷹村 恥ずかしいからやめてよ(笑)。
内山 やかんが急にメンバーに対して「ありがとう」みたいなことを、LINEで急にポンッって送ってくれたりとか。そういうことも、絶対初期の頃にはしなかったことで。そういうのを見て、「感謝を伝えたいと思える関係性に、私たちはちゃんとなったんだ」と思えることがすごく嬉しいし、そういう人がいると私も伝えたくなります。
――その「言ってしまえば仕事上のお付き合いかもしれない」という前置き自体、そもそもそれ以上の深い関係が結べていないと話すことすらできないもののように思います。
鷹村 いぇーい(拍手)。
内山 いぇーい。あはははっ(笑)。
――……ちなみになんで「ありがとう」って言ったんですか?
鷹村 正確には「ありがとう」じゃなくて、その日楽しかったことがあって……。
内山 みんなで人狼をして楽しかった日があって、そのあと「人狼楽しかったです、おやすみなさい」みたいなLINEをしてきてくれたんだよね。
鷹村 そう(笑)。たぶん寝る前に「今日すごく楽しかったなぁ……」という気持ちになって、それをみんなと共有したかったんだと思うんです。本当にその純粋な気持ちなんですけど、みんなはそれをすごく「泣いた」とか言ってくれたんですよね。
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