リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2023.12.21

「一緒に見たい景色がある」――進化を遂げて鳴り出す音楽と熱を届けた“Who-ya Extended 4th ONEMAN LIVE”で交わした約束

「一緒に見たい景色がある」――進化を遂げて鳴り出す音楽と熱を届けた“Who-ya Extended 4th ONEMAN LIVE”で交わした約束

2019年11月にTVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』OPテーマ「Q-vism」で彗星の如く音楽シーンに登場したWho-ya Extended。当時も新人アーティストが抜擢されたことで話題をさらい、さらに世界的にも人気の高い作品とのタッグによって一気にその名を世界へと知らしめた彼らは、ボーカル・Who-yaを中心に活動するクリエイターズユニット。デビュー直後にコロナ禍へと世界が突入したものの、近年のライブを通してその全貌を明らかにしてきたなか、彼らにとって4度目のワンマンライブが2023年11月24日に開催された。世界中のアニメフェスに招聘され、各国で響かせた楽曲が、進化を遂げて鳴り出す池袋の夜をレポートする。

PHOTOGRAPHY BY 平野タカシ
TEXT BY えびさわなち

視覚から感じるだけではない、心でこのステージを感じてほしい

ライブへの期待感にざわめく会場の明かりが消えると、フロアは静寂に包まれる。そこにオープニングを告げるSE「WⅡ -prologue-」が響き、スペシフィックな音と共にレーザーがゆっくりと観客を照らし出す。瞬間的な光の明滅はフロアとステージを隔てるスクリーンに映し出される映像によって鮮やかな明滅に。幕の奥にWho-yaが姿を現すと、オーディエンスの拍手が沸いた。ドラムのカウントと共にTVアニメ『NIGHT HEAD 2041』のOPテーマ「Icy Ivy」が響きだす。スクリーンはそのままに、映し出される映像の向こうで音をかき鳴らすWho-ya Extended。スクリーンに歌詞とエモーショナルな映像とが映し出され、鋭い音にハイトーンが軽快に駆ける1曲は、サウンドのみならず視覚からも疾走感を届ける。続いたのは「ErroЯ CØDE」。畳みかけるようなビートと軽快なギターサウンドとで紡ぐフロア・ロックにオーディエンスが大きく手を上げる。煌めくネオンライトのような映像が幾何学的に散りばめられた映像とシンクロするステージ。聴覚、そして視覚とで躍動を堪能させるWho-ya Extendedのライブパフォーマンスの真骨頂を見せた。

「俺たちにとっての4回目のワンマンライブ“4vism”へようこそ」と口を開いたWho-ya。「今回は“4vism”というタイトルをつけました。毎回ライブのタイトルの意味はライブに足を運んでくれたみんなにだけ、直接話をしようと思っています」と告げると、会場からは拍手が起こる。そもそもはマティスやデュフィをはじめとした20世紀初頭の絵画運動であるフォーヴィスムをもじった“4vism”。「目で見る色彩じゃなく、心で感じた色を使って絵を描いていく考え方のことです。4周年を記念するワンマンライブで、この考え方をライブという空間に落としこんだら、どんなことが出来るだろうと思って今回のテーマにしました」と語ると、ここに集まった人たちには心に感じた自分だけの色を持って帰ってほしい、と話した。

続けて「パチスロ傷物語 -始マリノ刻-」のテーマソング「Repentance Dance」へ。ステージとフロアを隔てていたスクリーンは解かれ、ダイナミックな音がフロアを席捲していくと、大きく腕を振って応えるオーディエンス。熱いロックナンバーは会場の熱をグンッと上昇させると、フロアを蒼い光が灯してTVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』のOP曲「Synthetic Sympathy」のスリリングなサウンドが轟く。鋭い感情を思わせるギターリフと体の芯に響くようなドラムの音、そしてWho-yaのエッジの効いた歌声。4周年の想いをぶつけ合うようにフロアとステージとの熱が融合し、攪拌していく。世界を旅して音楽を届けてきた彼らが見せる至高のライブ、その真髄を音が、歌が、届けていく。

声を出し、音楽を楽しむライブによって完成する楽曲たち

「やっと声出せるようになったね」と声を漏らすようにマイクに向けたWho-ya。「2019年の11月にメジャーデビューしてからすぐにライブが出来ない状況が続いて、それでもそのなかでやりたいことだったりやれることだったりを追求し続けて、そして今ではこうやって目の前であなたの声を聞くことができています。俺たちは今のこの場所が叶っていることが当たり前じゃなくて、どれだけ素晴らしいものなのかを人一倍感じられています。ありがとう」と笑顔を見せた。もっと盛り上がりたいだろう、と会場を煽ると観客から歓声が上がる。満足そうに笑みを浮かべたWho-yaがドラムにコールし、「Bitty, Not Empty」が鳴り出した。「この曲はライブを通じてみんなと一緒に歌ったときに初めて楽曲が完成するって言った曲なんです」と客席へ向けて告げるWho-yaの視線の先には、大きく手を上げてクラップする聴衆の姿。コール&レスポンスで歌声を交歓しながら楽曲は完成の瞬間へと昇っていった。

大歓声のなかで楽曲を完成させたWho-ya Extendedは続く「Dogma-Agnostic」では歌が紡ぐ世界が見えるようなドラマテイックな世界観をその歌で響かせ、闇から光へとガラリと景色を変えるような音層で綴る「Call My Name」では広がりあるダンスロックナンバーで会場をダンスフロアへと変貌させていく。

「ニューシングル『Prayer』をリリースしました。表題曲は自分の内面の世界と、自分たちが生きているこの世界の対比を描いた曲になっています。」。曲に込めた想いを、この日のライブに来た人たちへ自身の声で伝えていくWho-ya。彼の紡ぐ“祈り”が宿る「Prayer」が、静かなピアノの旋律に導かれるように始まると、オーディエンスは静かに聴き入る。TVアニメ『はめつのおうこく』 EDテーマであるこの1曲。シリアスなストーリーの最後の余韻へと彼が作ったのは、この叫ぶような願いが滲む祈りの歌。情感あるサウンドはバンドの音で人間の体温を纏うように熱を帯びていった。ダークファンタジー作品である『はめつのおうこく』によって生まれたWho-ya Extendedの想い詰まった1曲に続いたのは、優しいメロディと包み込むようなロックビートが印象的な「Gimme Your Tears」だ。煌めくピアノの音と光を刻むようなストリングスの音とが楽曲を色彩感豊に彩っていった。

次ページ:4周年を前に見つめた「Who-ya Extended」、そこで見つけた答えは———。

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP