INTERVIEW
2023.12.11
春に1st Album『QUINTET』をリリースし、夏にはワンマンとしては初となる声出しが解禁された状態でのツアー“forte”を開催するなど、バンドとしても新たな風景を見せることができた2023年のMorfonica。そうした彼女たちが年末に、新たなフェーズに向かうことを告げるミニAlbum『forte』をリリースした。メンバー1人1人にフォーカスを当てた楽曲を収録した5曲入りの本作は、これまでメロディアスなエモサウンドを聴かせてきたMorfonicaが、メンバーそれぞれの心情を切り取った、いわばバンドの影を見せるようなダークな仕上がりとなっている。彼女たちがこれまで見せてきた金色の光の裏にある影、そしてそれにより色濃く強靭となった輪郭は彼女たちのどんな現在地、そして未来を描こうとしているのか。今回は二葉つくし役のmikaと八潮瑠唯役のAyasaに、それぞれが演じるメンバーの、まだ誰にも見せたことのない想いを聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一
――今年に入ってからMorfonicaとしては、2月の“BanG Dream! 11th☆LIVE”におけるRoseliaとの”星空の夜想曲”を皮切りに、1st Album『QUINTET』のリリース、夏からのツアー”forte”など精力的な活動がありましたが、お二人は今年のMorfonica(以下、モニカ)をどう捉えてらっしゃいますか?
mika 今年はライブをたくさんやらせていただいて、モニカとしてもツアーで3ヵ所、ほかにも上海で演奏させていただいたり(7月22日“BILIBILIWORLD 2023”)、“オダイバ!!超次元音楽祭-ヨコハマからハッピーバレンタインフェス2023-”、“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”にも出させていただいたり。なかでも7月からのツアーでは、コロナ禍でできなかった声出しや、スタンディングでみんなでお客さんと一体になることができたのもあって、感覚的にはやっとスタートを切れたかな、と思うくらいのすごく濃い1年だったなと思っています。
Ayasa 今年は最初のRoseliaさんとの合同ライブや”BUSHIROAD ROCK FESTIVAL 2023”で、お客さまの声出しが完全に復活したライブができて。でも、これまで私たちモニカはワンマンでは声出しの経験がなかったんですよね。
――モニカの結成は2020年、コロナ禍でのスタートでしたね。
Ayasa それまでモニカのワンマンはコンセプトライブという、朗読などでしっかり聴かせる、見せるみたいなライブをやってきて、それが世の中の情勢に合っていた部分もあったと思うんですよね。でも今年、声出しができるようになって、ほかのバンドさんがやってきていたお客さまの声と一緒に作っていくライブというのをやっとできた。バンドリーマー(※「バンドリ!」ファンの呼称)さんもライブに参加するという、それを楽しみにしている方がすごく多くて、そういうライブをできたのは、さっきmikaさんもおっしゃったように、モニカも先輩バンドに続いてしっかりと改めてスタートがきたのかなと思えた1年でしたね。
――声を出せないなかでライブがスタートして、それが昨年から徐々に解禁になっていったことで、モニカのライブにも新鮮な光景が生まれていった。そうした新しい光景がよりバンドの強度となって現れたのが先日の”forte”ツアーだったのかなと。
mika そうですね。やっぱり、バンドリーマーさんの声が届くんですよ、耳の中に。そうなったときに、今までは自分たちの音だけで世界観を作って、もちろん前を見るとバンドリーマーさんが支えてくれてるんですけど、より声で一緒に支えてくれてるなって感じましたし、「みんなそんなに声出るんだ!嬉しい!」という想いがあって……私たちの名前も思っていた5倍くらい大きい声で呼んでくれたのがすごく嬉しかったですね。
――そうした歓声が耳に届くことは、プレイにも影響が出ましたか?
mika みんなが気持ち良い場所、例えばみんなが手を挙げるベストのタイミングでビートを刻むと一体感も上がって気持ち良いかな、と意識はしましたね。同じリズム隊の西尾夕香さんのベースも、お客さんの声や手を叩くのと一緒のタイミングでリズムが刻めてるなっていう部分も感じました。
Ayasa 今回は大阪・名古屋・東京と3ヵ所やらせていただいて、最初の大阪はお客さまもちょっと様子見をしながら始まったところはあったと思うんですよ。でも私たちも今回のツアーで、今までのイメージを良い意味で崩していきたい想いもあって、MCでも地方ネタを入れたりとか、今までのコンセプトライブの朗読ではできなかったことをライブに取り入れていきたいなと。曲も、お客さまに声を出していただく曲が今年出したアルバムから増えていったので、ガッツリ攻めていく姿勢を見せながらチャレンジできましたね。特にツアーファイナルの東京は1曲目から、というか始まる前からもう仕上がっていたんですよね。1曲目が始まった瞬間から、客席の温度が今までとは比べ物にならないくらいに高いなって思ったし、それを受けて自分も、お客さまに色んなパフォーマンスを引き出してもらいました。
――Ayasaさんはフロントで動きを見せる立ち位置でしたが、今年の“BanG Dream! 11th☆LIVE”から会場の熱量に応じてより大きく見せていく印象がありました。
Ayasa ステージングは、ある程度「ここでこうしよう」というのは大枠では決めているんですけど、細かく決めていないところも多くて。もちろんお客さまがどんな状態でも良いパフォーマンスを届けたいというのは大前提としてあるんですけれど、でもそのなかでも歓声があるとより……気分が良いんでしょうね(笑)。楽しくなって普段よりも動きが大きくなっていくのは確実にあります。そういう意味でも(歓声は)すごくありがたいですね。
――そうしたモニカとして新たな景色を見た”forte”を経て、そのツアータイトルと同じミニアルバムがリリースされました。音源としても今の、そして新しいモニカ像が見られる1枚となりましたが、本作のコンセプトは皆さんにどう伝わっていましたか?
mika レコーディングをしていく段階で、歌詞を見たときにもメンバーのそれぞれの物語が描かれていて、「そうなんだ!」という感想がありました。本当に、メンバーのまだ見ぬ一面をすごく引き出していただいた作品になっていると思います。
――本作はそれぞれのメンバーの心情にフォーカスした楽曲が収録されていますが、演じるご自身にとっても新鮮だった?
mika 私は二葉つくしちゃんがフィーチャーされた曲の歌詞を見たときに、「あ、いつもニコニコと元気な子がこんなことを秘めていたんだ」みたいな。それがメンバーそれぞれにもあると思いますし、全体として見たときにも、「知らないところで、こうやってみんなそれぞれ強くなって今になっているんだ」って感じました。
Ayasa 私だと、八潮瑠唯はRoseliaの(白金)燐子ちゃんとのエピソードが既に解禁されていましたけど、メンバーによってはまだそこまでがっつりは出ていなくて、それこそつくしちゃんみたいになんとなく香ってるけどまだ見えてない部分が、今回の歌詞で見えてきたというか。つくしちゃんはこういうふうに思っていたのかもしれないなとか……それは(広町)七深ちゃんも(桐ヶ谷)透子ちゃんも同じで、彼女たちなりに色々考えている、ただ明るいだけじゃない部分も見えました。楽曲としてもそうですけど、ただ明るいだけよりも少し影があったほうがそこに惹かれる気がしているんですよね。
――歌詞だけではなく、サウンドもこれまでのモニカとは異なる趣きがありますよね。
Ayasa モニカって、最初に出した「Daylight -デイライト- 」はちょっとミステリアスなニュアンスがあったんですけど、それ以降は「ブルームブルーム」や「ハーモニー・デイ」など、陽の光が当たっている楽曲が多かったので。もちろんそういう曲もすごく良いんですけど、やっぱり音楽にも少し闇やミステリアスさがあったほうがハッとする部分があると思うので、今回の『forte』にちゃんと“影”があるというのは、モニカの魅力をすごく広げてくれているなって思いました。
――まさにこれまでの光に対して、本作では影がフィーチャーされた、まさに陰影のはっきりした作風になっていますよね。またそれが楽曲ごとにメンバー1人1人にフォーカスが当たっているという、実に興味深い作品になっています。そこで今回は、ご自身の演じるメンバーがフィーチャーされた楽曲についてお伺いします。まずは1曲目の「フレージング ミラージュ」ですが、こちらは瑠唯にフォーカスした楽曲になっています。これをご覧になったAyasaさんの感想は?
Ayasa この歌詞を見たときに、「まさにこれは瑠唯のことだな」ってすごく感じました。彼女は優等生ですし、勉強もできるし、運動もできる。見た目も綺麗なので、普段はモニカのメンバーからは「羨ましい」、「瑠唯さんすごいね」って色んな方から言われる子なんだと思うんですよ。でも、そんな彼女も子供の頃に大きな挫折を経験していて、その挫折で一度バイオリン、音楽から離れた子だったんですよね。そこからモニカのメンバーに出会って、もう一度音楽をやっていく、そういう今を歩んでいる彼女をすごく表現している曲だと思います。それこそ歌詞のなかに“一番欲しい100点はもらえない”とか。
――すごく赤裸々な表現ですよね。
Ayasa ずっと100点を取っている子なのに、一番欲しかった子供の頃のコンクールでもなかなか優勝できなくて、燐子ちゃんに勝てないし、一緒に頑張っていた子とも離れちゃって……みたいな。そういう最初の挫折もこの歌詞からはすごく感じ取れるし、“あなたが思うほど きっと大人じゃない”という歌詞も、常に瑠唯が「大人だよね、すごくしっかりしてるね」って言われてるときに思ってたんだなって思うと、「いやー……完璧な人っていないのよね」ってすごく思います。
――まさにクールな彼女の裏に隠れた感情が垣間見られる歌詞ですよね。
Ayasa 瑠唯って冷静だしクールだし、人間味がないようなイメージの子だったけど、この歌詞を見て「やっぱり人間だよね」って思わせてもらえたというか。でも最後には今までの、そしてこれからのモニカとともに新たな世界を見ていきたいという、瑠唯の未来への希望もしっかり最後には書いてくれていて、そこがすごく良いなって思えたんです。瑠唯はどちらかというと元々は影にいたけれど、モニカに入って明るいところに向かっていこうとしている子なので、その流れもこの楽曲で表してくださったのが嬉しかったですね。
――確かに過去の挫折から現在、未来へと繋がっていくような歌詞の流れもあって、最後は希望を感じさせる仕上がりになっていますよね。ちなみにmikaさんは、つくしとしてそんな瑠唯の心情を見た感想はいかがでしたか?
mika これはもう、本当に……幼い頃に挫折を味わっているというのが、最初の段階で「うっ」ってなっちゃって。つくしちゃんから見たら、やっぱりいつも完璧なかっこいい瑠唯さんで、すごく憧れている存在。でも、そのなかで瑠唯さんの心の中でしか見ることのできない想い、色んな挫折やそれを乗り越えきた努力があって、それをメンバーはまだ知らないというエモさを感じていて。今後はそういうストーリーも描かれるのかな?と考えるとドキドキしちゃいますよね。
SHARE