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REPORT

2023.11.07

みんなと作った鮮やかなグラデーションで彩った、最高・最強の大切な記念日!“小林愛香 爆誕祭「Happy ∞ Birthday」”レポート

みんなと作った鮮やかなグラデーションで彩った、最高・最強の大切な記念日!“小林愛香 爆誕祭「Happy ∞ Birthday」”レポート

10月23日、歌手・声優の小林愛香が大宮ソニックシティ大ホールにて“小林愛香 爆誕祭「Happy ∞ Birthday」”を開催。小林の誕生日当日に開催されたこのワンマンライブでは、始まりの曲からリリース直後の最新シングル「グミチュウ」、さらには多くの人と出会うきっかけとなった作品の楽曲など非常に幅広いナンバーを披露。今までの集大成的な姿をみせることで、さらなる飛躍の予感を感じさせてくれるライブとなった。

TEXT BY 須永兼次
PHOTOGRAPHY BY 結城さやか

バースデー当日ならではの“自由で意外”なサプライズ、次々炸裂!?

まずはOP映像で、分厚い岩盤をぶち破って本公演のキービジュアルが登場して“爆誕”を表現すると、吹き出し花火がステージを彩るなか小林が現れ、ステージでも“爆誕”の雰囲気を表す。そしてニコッと笑顔を見せたのと同時に、その笑顔とこの記念すべき日が一番似合う「Happy ∞ Birthday」からライブは幕を開ける。序盤はメインステージをゆっくり歩きながらコミュニケーションを取るように歌唱すると、冒頭から大きなコールを返してくれた観客にサビのコール部分も委ねる形で披露していく。また、2サビ明けには軽快なステップをみせて観客を魅了。ハッピーかつクオリティの高いパフォーマンスをいきなり見せてくれた。楽しすぎて曲に合わせたラストの記念撮影をうっかり忘れてしまったのは、ご愛嬌と言ったところだろう。

改めて記念の1枚を収めたところで、「最高の誕生日になりそうな予感がしている」ということで、めでたいときならではの“きゃんぱい”曲「Easy Fizzy」へ。ミドルテンポのファンクに合わせて歌声からは少し力を抜き、表情にウキウキ感を溢れさせながら“きゃんぱい”のようにファンと指ハートを交わしていく。楽曲の中盤以降では美しくスピンも決めたりしながら、心の内を身振りも含めて伝えていくと、そのままシームレスに「Holiday!!」へ。サビの指振りが生んださらなる一体感のなか、大サビ冒頭をシャウト気味に歌唱することで溢れる楽しさを表現。Dメロの太くて強い歌声でのグルーヴィーな歌唱など、ボーカルワークにも隙がない。そんななか、序盤にして早くもトップギアに突入する楽曲「Please! Please! Please!」が始まり、場内にはまたも大きな歓声が。ここでも変わらず序盤からクラップを通じて盛り上げつつ、跳ねまくりながらハイスピードなロックに乗せて力強い歌声を響かせ、ファンのジャンプと歓声を巻き起こす。落ちサビでは拳を突き上げてもう一段上の盛り上がりをもたらし、パワフルかつエモーショナルな1曲を完成させてみせた。
それに続けて流れたのは、なんと彼女が初めてリリースした楽曲「君を守りたい」のイントロ。驚きと歓喜のざわめきが、徐々に広がっていく。ここでは直前までとはうって変わって凛とした表情へと切り替わり、ハードな楽曲にマッチするシャープかつ力強い歌声を頭サビから響かせていく。その歌声は、この曲を知っているかどうかなど関係なく、すべての観客の撃ち抜いていくもの。Dメロ部分のラップもスタイリッシュにこなしていくと、スポットライトに照らされながらの落ちサビでの歌声とパフォーマンスからは、とにかく凄まじい迫力が感じられた。

歌唱後には、連続で披露した4曲についてのトークに続いて1着目として着用している純白の衣装の話題に。これはOP映像から繋がる「生まれたて」をイメージしたものであり、「ここからまた新たに皆さんと一緒に物語を作っていくようなイメージ」を込めたことを明かしてくれた。

MC明け1曲目を飾ったのは、「Sunset Bicycle」。薄紫の照明に加えファンが灯すオレンジのペンライトがこの曲の舞台となる世界を構築するなか、ゆるりとした佇まいでありながらスーッとノビのある歌声を響かせ、またもファンを魅了していく。また、2-Aメロでの微笑みは、この瞬間だからこそ出たであろう音源よりもやや明るさ感じるものに。そんな雰囲気をガラリと変えたのが、ピアノソロに続いて歌われた「マコトピリオド」。歌い始めから徐々に想いを膨らませていき、サビではぐわっと爆発させるものの、最後には再び細く収斂させることで切なさを見事に表現。感情の起伏を持たせたボーカルワークで場内すべての人のハートを惹き込みながら、最後の一音まで大事に大事に歌い上げた。暗転するステージに青の光が灯って夜のムードが作り上げられると、「Night Camp」がスタート。客席ではキャンプファイヤーをイメージさせるオレンジのペンライトが輝くなか、この曲は優しく柔らかにアプローチ。1サビ明けには観客と一緒になってクラップすることでより“キャンプ感”が生まれると、2サビ後の合唱部分ではリフレインのたびに観客の歌声が大きなものに。途中から完全に観客に委ねられていき、最後には小林がその先頭に立つように力強く声を重ねる。そして曲のラストはタンバリンを手にしてクラップを先導し、互いの“楽しさレベル”がより高まったところで、一旦降壇。ライブは折返しへと差し掛かる。

と、ステージ奥のスクリーンに上映されたのは、開演前物販に登場した謎の着ぐるみパンダの密着(?)映像。待機列の近くをお散歩したり、ロビーに展開されていたフォトブースの等身大パネルと2ショットを撮ったりとなかなかにフリーダムなこのパンダ、映像の最後には中身が小林であることが明かされた。ちなみに後のMCで言及されたことだが、小林は自身のライブの物販を直接見たのはこの日が初めて。その光景を通じて「ありがとうの気持ちでいっぱいになりました」と感謝を伝えていた。

そんな映像の間にカラフルな衣装に着替えた小林が後半1曲目として歌ったのは、メジャーデビュー曲「NO LIFE CODE」。1着目とは対称的な衣装を身にまとって、カラフルな世界を歌っていく。再び楽曲冒頭から声を張り上げるファンとコミュニケーションを取りながら、ぐわっと広がる歌声を響かせていく。Dメロ明けの一斉ジャンプで場内のボルテージがさらに高まっていくなか、小林はプレゼントを装填したバズーカを構え「爆誕、いくぞー!」と次々発射。そのボルテージどおりに右へ左へと爆裂させた。

歌唱後、歌詞になぞらえて「自由なこと、意外なことをしてみました!」とバズーカ発射を振り返りつつ、2着目の衣装の紹介とともに「私は、みんなと出会えたことで色がいっぱいつきました!」と感謝の想いを改めて届けていく。その「みんなと出会えた」きっかけとして「この子に導かれたからなのかな?」と語り、「今日は、そんな歌をうたいたいと思います」と続けるとファンからはどよめきが。

そのどよめきは「Deep Resonance」の歌い出しの瞬間、歓喜の絶叫へと変わる。なぜならこの曲は、彼女が津島善子役を担当する『ラブライブ!サンシャイン!!』の作中ユニット・Aqoursの楽曲だから。すぐさまイメージカラーの白一色に染まった客席を前に、ハードなロックを真っ直ぐ力強く歌い上げ、ボーカル力の凄みを遺憾なく発揮していく。歌声だけでなく、2-Bメロなどでリズムに合わせながら身体を揺らす、その動きさえもパワフルなものだ。その一方で、間奏などでは沸きに沸くファンの姿を見られた嬉しさからか、心からの笑顔がのぞく瞬間も。そうしてラストまで力強く歌い、静かな一礼とともに楽曲を締め括ると、勢いそのままに「AMBITIOUS GOAL」がスタート。引き続き楽曲の勢いに乗せて爆走し、自らの高まりも余すことなく乗せて発露することで、観客の心の熱をぐんぐん高めていく。その一方で、大サビ前のスピンを美しく決めるなどパフォーマンスが決して大味にならないことも、彼女の魅力の1つではないだろうか。ラストはこの曲がオープニングを飾ったアニメ『さよなら私のクラマー』になぞらえてシュートの振付で締め括ると、シームレスにパーティーチューン「Crazy Easy Mode」へ。いつものように、文字の流れるLEDサングラスを装着してパリピモードにスイッチし、観客を踊らせていく。小林自身もステージをぱたぱたと駆け回ってファニーなステージを展開し、大サビ直前「So cute」のフレーズの瞬間にサングラスを外してバッチリウインクもキメたりと、パーフェクトに楽しいパフォーマンスを繰り広げてくれた。

次ページ:雨を抜けた先の世界で、これからもみんなと更新し続ける“最高”

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