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INTERVIEW

2023.11.01

【連載】ミュージックレイン発音楽アーティストマネジメントチーム「MiCLOVER」、“MiCLOVER FES.2024”開催記念インタビュー 第2回:シユイ

【連載】ミュージックレイン発音楽アーティストマネジメントチーム「MiCLOVER」、“MiCLOVER FES.2024”開催記念インタビュー 第2回:シユイ

ミュージックレイン発の、新たな音楽マネジメントチーム「MiCLOVER」が始動!2024年1月7日には初のライブイベント“LAWSON premium event MiCLOVER FES. 2024”の開催も決定している。この連載ではMiCLOVERのアーティストたちが続々と登場し、音楽プロデューサー兼音楽評論家の冨田明宏がその魅力に迫っていく。第2回はTVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』EDテーマ「君よ 気高くあれ」でメジャーデビューしたMiCLOVERの新星、シユイが登場。圧倒的な歌唱力で注目され、神秘的な印象もある彼女の知られざる素顔とは――?

【連載】ミュージックレイン発音楽アーティストマネジメントチーム「MiCLOVER」、“MiCLOVER FES. 2024”開催記念インタビュー

INTERVIEW BY 冨田明宏
TEXT BY 金子光晴

デビューしてからの魔法のような時間

冨田明宏 シユイさんとお話しさせていただくのは初めてなんですが、NHKの「アニメステラー」という番組など自分のラジオでシユイさんのお話を一方的にさせていただいていました。というのも、jon-YAKITORYさんが手がけられた「ONI」、あの衝撃が忘れられなくて、とんでもない歌い手が出てきたなって思ったんですよ。

シユイ わあ、褒め殺しですね(笑)。ありがとうございます。

冨田 TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のEDテーマ「君よ 気高くあれ」でメジャーデビューから始まって今に至るまで、ご自身の活動を振り返っていかがですか?

シユイ あっという間ですね。ありがたいことに色々なアニメのEDを歌わせていただいて、色んなボカロPさんと楽曲を作っていくなかで目まぐるしく時間が過ぎていき、自分がどこにいるかもわからなくなるくらいで。色んな方に歌声が届いているっていう実感がなかったですね。

冨田 目まぐるしいと感じている要因のひとつが、自分が憧れていたボカロP、例えばR Sound Designさんや一二三さんだったり、錚々たる人たちに曲を提供してもらったことだと思うんですよ。そして何より、「君よ 気高くあれ」はryo(supercell)さんじゃないですか。

シユイ もう、そこからもうあんまり記憶ないです(笑)。すごいことですよね。

冨田 実際にサウンドプロデューサーがryoさんでデビューが決まって、どうでしたか?

シユイ すごいプレッシャーでした。あまりに大きすぎたり、明るすぎたりするものって目に見えないじゃないですか。存在が見えないまま、ここまで来て……。『水星の魔女』のイベントで歌わせていただいたのも、こんなに多くの人が私の歌を聴いてくれていたんだなというのを実際に自分の目で見ることができて、「感動」でした。その一言に尽きます。

冨田 特に『水星の魔女』は社会を揺るがす大ヒットで、あの作品でガンダムの新しいファンが増えたと言われていますよね。そんな作品によって、シユイさんのような新しいアーティストがメジャーデビューしたというのは理想的だったと思います。シユイさん自身は作品の反響をどう感じていましたか?

シユイ 顔を出していないこともあって、意外と自分自身に何かがあったというわけではなく、昨日と変わらない今日という感じでしたね。とはいえ、TVで第2話からEDテーマを流していただいて、爆泣きしてしまいました。すごすぎました。

冨田 僕はこの1年の間にデビューしたなかでは、シユイさんはやはり注目の新人アーティストだと思っていて。それは作品の話題性というよりも、ryoさんが描き出した「君よ 気高くあれ」という壮大かつ難解な曲をここまで歌いこなせているのが、心の底からすごいと思ったんですよ。あの曲がデビュー曲って、やっぱり普通じゃないよなって。

シユイ とりあえず、あれを超えたら「今後何があっても大丈夫!」という気がしていて、めっちゃ練習しました(笑)。レコーディングまであまり日がなかったんですけど、スタジオに毎日行って練習して、練習しすぎて当日よくわからなくなって歌えなくなったりして。自分にとって本当に大変すぎる出来事でした。

冨田 でも、シユイさんが動画の投稿を開始したのもコロナ禍でしたよね。コロナ禍でのデビューというのがMiCLOVERの先輩たちとはちょっと違うところで、その辺りはご自身でどう感じてらっしゃいますか?

シユイ 今はコロナ禍が少し落ち着いたということでライブも通常通りになったし、あまりそういう実感はないんですけど、歌い手の界隈はコロナ禍ということで盛り上がっていた時期でしたよね。そういうタイミングだったから注目を浴びる機会があって、jon-YAKITORYさんと出会う機会があったのも、やっぱりボカロ、歌い手界隈がすごく盛り上がっていたからこそ出会えたのかなと思います。

冨田 jonさんもコロナ禍の時代に生まれたボカロPの新たなスターだと思うんですよね。この時期じゃなければ出会えなかったかもしれない。あとはシユイさんが動画投稿を開始したのも同様で、「ブラック★ロックシューター」を歌っていたら、その作者であるryoさんの曲を歌うことになるという。

シユイ すごい出会いがたくさんです。まるで魔法のようですね。

「ハピネス オブ ザ デッド」は友達のような曲

冨田 2ndシングル「ハピネス オブ ザ デッド」のお話も伺いたいのですが、この曲を手がけたjonさんはデビューのきっかけにもなった方です。メジャーデビュー後もjonさんと音楽制作ができるということの喜びはありましたか?

シユイ はい。jonさんとはレコーディングを通じて懇意にしていただいていて、プライベートでも色々相談をしたりして、関わらせていただいているので嬉しいですね。レコーディングとかでお会いできて、楽曲の完成まで頑張るという時間も楽しいです。何度か曲を書いていただいているということもあって、毎回作っていただくごとにjonさんのシユイに対する解像度が少しずつ上がっているような気がして、すごく息ぴったりになってきたので、これからもまた素敵な作品を届けられたらいいなと思います。

冨田 ここまで音楽制作をしていくなかで、ファミリーみたいになっている感じがしますね。「ハピネス オブ ザ デッド」も、その前のjonさんとの曲「ハイスクール・オブ・ザ・クレイジー」の発展形という感じもするんですよ。僕の印象なんですけど、「君よ 気高くあれ」は『水星の魔女』という作品、そしてryoさんが生み出す曲をシユイさんが乗りこなすということでシンガーとしての凄みが出た曲だったと思うんですけど、それに対して「ハピネス オブ ザ デッド」を聴いたときに「シユイさんの本領ってこっちなのかな?」と思ったんです。

シユイ 「君よ 気高くあれ」のような壮大で「頑張れ!」というような生活は私はしていなくて(笑)。でも、「ハピネス」は“自分”って感じでした。

冨田 歌の表現の中で人間性が解放されていて、“自分”になれているというのがすごく伝わってくる曲じゃないですか。実際、歌いやすかったですか?

シユイ 「君よ 気高くあれ」は「この曲こそ人生」みたいな一点集中だったんですけど、世に出してから何回も聴いてライブでも歌って、私の中でも人生で一番大切な曲なので、これからも自分と一緒に変容する余地のある曲だと思っています。「ハピネス」は毎日、隣にいる曲。隣で手を繋いでいてくれて、軽やかで、私の友達みたいな楽曲です。

冨田 とはいえはちゃめちゃにぶっ飛んだ友達ですけど(笑)、この子が友達なら人生楽しそうですね。リスナーの皆さんはまだ見たことがない、シユイさんの表情が曲から伝わってくる気がするので。歌詞に合わせて表現を変えていくのがすごいなと思って、縦横無尽の大活躍という感じの歌い方をされていて。この間、Xでも呟いてらっしゃいましたけど、DAMのアニソン・カラオケランキングで13位に入ってたじゃないですか。あれだけの人が歌ってくれているのはすごいなと思いました。

シユイ 全然想像もできなかったですね。知らない間に皆さん歌ってくれてるんだと思って。その事をもっと世の中で言ってほしいです(笑)。

冨田 「ハピネス オブ ザ デッド」はTVアニメ『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』を観た後の余韻を含めて最高でした。

シユイ 間違いないです。本当に最高でした。とても良いマッチングでした。

将来はファンと手を繋いで成長するアーティストに

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