リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2023.10.18

Anly自身の想いから生まれたTVアニメ『Dr.STONE NEW WORLD』第2クールEDテーマ「好きにしなよ」と、“私らしい”アルバムになったと話す『26ml』に込めた様々な想いに迫る

Anly自身の想いから生まれたTVアニメ『Dr.STONE NEW WORLD』第2クールEDテーマ「好きにしなよ」と、“私らしい”アルバムになったと話す『26ml』に込めた様々な想いに迫る

Anlyが、10月18日(水)にシングル「好きにしなよ」(TVアニメ『Dr.STONE NEW WORLD』第2クールEDテーマ)、ニューアルバム『26ml』を同時リリース!「以前から大好きで、アニメも観てました」という『Dr.STONE』の世界観とリンクした「好きにしなよ」、ジャンルの枠を超え、さらにスタイリッシュに進化した『26ml』について語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之

「あなたの好きにしていいよ」という肯定的な想いの変化

――シングル「好きにしなよ」はTVアニメ『Dr.STONE NEW WORLD』第2クールEDテーマです。

Anly 実は、アニメのEDテーマのお話をいただく前に、原型になった曲があったんです。そのときは自分を勇気づける曲みたいな感じで、世に出すようなものではないのかなと思ってたいんですよね。当時、自分の思うように物事が進まないというか、辿り着きたい場所があるのに「自分の船はスピードが遅いな」という感覚があって。一緒に仕事をしてくれるスタッフやリスナーの皆さんに対しても申し訳ない気持ちになって……多分焦りが生じていたんですよね、「もう好きにしていいよ」みたいな感じだったというか。

――最初はネガティブな“好きにしていいよ”だったんですね。

Anly そうですね。その後、『Dr.STONE NEW WORLD』のお話をいただいて。以前からアニメを観ていて、「新しいクールが始まるんだな」ってファンとして楽しみにしていたら、EDテーマのオファーがきたんですよ!そのときに「好きにしなよ」のデモを聴いたら、「これ、千空(主人公・石神千空)が言いそうじゃない?」と思って。千空は技術や知識で仲間を率いているんだけど、強制はしないんですよね。上手くやる気を出させて進んでいくんだけど、選択肢はちゃんと相手に与えている。それが「好きにしなよ」とリンクするんじゃないかなと。その後、制作を進めていく段階で、徐々にネガティブな「好きにしていいよ」から「あなたの好きにしていいよ」という肯定的な意味に変わってきたんです。そのメッセージは自分にも刺さったし、聴くたびに元気になれる気がしますね。サウンド的にはアイリッシュ音楽の要素がたくさん入っています。みんなでパーティーしているような雰囲気もあって、それがアニメの世界観にも合うのかなって。

――元々はAnlyさん自身の想いから生まれた曲が、『Dr.STONE』の世界に繋がった。

Anly はい、それがすごく嬉しくて。最初から作品に寄り添って書くのもいいなと思うんですけど、「好きにしなよ」には運命を感じます。自然に出てきたものが作品とピッタリ合って……。原作を読めば読むほど「ピッタリだな」と思ったので、こういう形で世に出るために生まれてきた曲なんだなと思います。以前、同郷(沖縄)のRude-αさんも『Dr.STONE』のEDテーマ(「LIFE」)を担当されていたので、色々と縁を感じますね。

――Anlyさんにとって『Dr.STONE』の魅力とは?

Anly やっぱり千空のキャラクターですね。髪型的にはめちゃくちゃ主人公なんだけど(笑)、性格は主人公っぽくないというか。さっき言ったみたいに「好きにしてくれ」ってクールな感じなんだけど、仲間のことはちゃんと思っているし、科学に対してはすごく熱い想いを持っているんですよね。千空が科学を使って色んなものを作るのも面白いですよね、“猫じゃらしラーメン”とか(笑)。子供のときにこのマンガを読んでたら、もっと理科に興味が持てただろうなって思います。

26ml――「色んな感情が混ざって、シェイクされて楽曲になる」

――では、ニューアルバム『26ml』について。まずこのタイトルの由来は?

Anly 私は元々1つのジャンルに特化しているわけではなく、色んな音楽を聴いて育って、今やっている音楽にも明確なジャンル感がないんですよね。「色々なものが混ざり合ってることをどう表現しようかな?」と思ったときに、「カクテルがいいんじゃない?」というアイデアが出てきて。カクテルっていくつかのお酒が混ざってるし、1つ1つに名前と意味がある。それはこのアルバムも同じだよね?と。“26”というのは、私の年齢です。26年分の要素が入ってるし、「色んな感情が混ざって、シェイクされて楽曲になる」というコンセプトを元にしたタイトルですね。

――確かに、ジャンルレスな傾向はさらに強まってますよね。

Anly まさに、そうあろうとしてますからね(笑)。収録曲が決まっていない段階から、「ジャンルレスなところを打ち出していこう」と話していたし、上手くまとめるよりも自由にやったほうがいいよねって。私らしいアルバムになったと思います。

――収録曲についても聞かせてください。「Sunday afternoon blues ? Anly & Rei」は、Reiさんとのコラボ曲。Reiさんのギターが光る、ブルージーなロックナンバーです。

Anly この曲の原型を作ったのは、2017年なんです。沖縄の高良レコードというお店があって、インディーズの頃に店の前でストリートライブをやらせてもらったり、すごくお世話になっていたんです。高良レコードの創業70周年のときに私とReiさんで記念ライブをやらせてもらったんですけど、そのタイトルが「Sunday afternoon blues」だったんですよ。「折角だから曲も作ろうよ」という話になり、1日くらいでバーッと作ってライブで披露しました。

――その曲が「Sunday afternoon blues ? Anly & Rei」になったんですね。

Anly そうです。今回のアルバムを制作していくなかで、「ルーツミュージックを感じられる曲がないな」と思っていたんですが、「あのときライブでやった曲はどうかな?」って思い出して。iPhoneに残ってたデモを聴いてみたら、めっちゃカッコよかったんですよ。Reiさんとレコーディングできたのも嬉しかったし、同郷のドラムの上原俊亮さんも参加してくれて。Reiさんは私とルーツがかなり近いので、何も言わなくてもめっちゃ良いギターを弾いてくれるんですよ。

――まさに“セッション”という雰囲気ですよね。最近のロックは頭使い過ぎ!みたいな歌詞も印象的でした。

Anly 私もこの曲を作って、「やっぱりブルースだよな」って思いました(笑)。だいぶ発散できましたね。

――「Dear」はピアノと歌で構成されたバラードナンバー。

Anly デモ音源の段階からピアノを中心にしたいなと思っていた曲なんです。以前から一緒にやりたかったエリック・リボムさん(スウェーデン出身のプロデューサー/シンガーソングライター)にピアノを弾いてもらったんですけど、それが素晴らしくて、「声とピアノだけでやろう」ということになりました。すごく自然な歌が録れたし、シンプルなアレンジだからこそ、色んな情景が感じられる楽曲になったと思います。歌詞に関しては……良いことがあっても、素直に喜べない時期があったんですよ。良い話があっても、「結局、決まらなかったね」ということが何度かあって、だんだん「すぐに喜ぶのはやめよう」みたいな感じになってしまい……でも、幸せなときは「幸せだな」って言ったほうがいいし、その気持ちは「Dear」にもすごく出ていると思います。

――「58 to 246」は、沖縄の国道58号線と東京の国道246号線をテーマにした楽曲。Anlyさんらしいドライブソングだなと。

Anly 確かに、私らしいかも。58号線、246号線は本当に何度も通っているし、そこで色んな景色を見てきたからこそ、それをリスナーの皆さんと共有したいという気持ちがあったんですよね。この曲を作ったのは、LAに行ってたときなんですけどね(笑)。LAの雰囲気って、沖縄のコザにちょっと似てるんですよ。沖縄にも外人住宅があるし、気温とか空気感、建物の色味、ヤシの木の多さだったり(笑)。「海外に来た!」というよりも、どこか懐かしい感じがところどころにあって、沖縄にいるときと同じような気分で曲作りができるんです。

――場所によって生まれてくる楽曲の雰囲気も変わってくるんですか?

Anly そうですね。沖縄にいるときは、カフェに行ってのんびりしながら、ふっと浮かんできた言葉から曲が出来たり。そうやって自然に生まれてくることが多いかもしれないですね。東京では部屋にこもって、めちゃくちゃ考えながら作ったりしてますね。アルバムに入ってる曲だと、「TAKE OFF」や「EYE」がそう。どっちの良さもあるんですけどね。

様々なシチュエーションから生まれた楽曲の数々

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP